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感染症情報/デング熱

ページ番号:0000000250 更新日:2015年2月12日更新 印刷ページ表示

デング熱とは(届出基準と届出様式

 デング熱は、ネッタイシマカなどの蚊によって媒介されるデングウイルスが人に感染しておこる急性の熱性感染症です。発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹などが主な症状で、予後は比較的良好ですが、ごくまれに一部の患者で出血症状を伴う「デング出血熱」へと重症化する場合もあります。

 デング熱は日本国内では1942年~1945年にかけて流行しましたが、その後国内流行は見られていませんでした。しかし、海外のデング熱流行地域からの輸入症例は毎年報告されていました。そのようななか、2014年の8月から10月にかけて代々木公園および周辺を感染場所とする国内感染による流行が起きました。

病原体について

 フラビウイルス科に属するRNAウイルスのデングウイルスです。4つの血清型(1型・2型・3型・4型)がありますが、どの型のウイルスに感染しても臨床症状には変わりはありません。

感染経路

 デング熱は人から人に直接は感染しません。

 デング熱は、デングウイルスに感染し、血液中にウイルスを保有している人(発症する1日前~発症後5日後位と言われる)の血を吸った蚊(主にネッタイシマカ、日本ではヒトスジシマカ)の体内でウイルスが増え、その蚊がまた他の人を刺すことで感染を広げていきます。

 日本において、デングウイルスを媒介するヒトスジシマカの分布域は東北地方北部を北限としています。その活動時期は、主に5月中旬~10月下旬(南西諸島等は、もっと長い期間)です。
 成虫の蚊は寒い冬を越すことはできませんので、日本においては流行が継続することはないと考えられています。しかし、蚊の活動時期には、海外で感染した人が日本国内に入り、その人を蚊が刺すことにより、今後も流行を起こす可能性はあります。

  • ヒトスジシマカの写真<外部リンク>(国立感染症研究所昆虫医科学部)(外部リンク)
  • ヒトスジシマカにご用心(健康福祉局保健部環境衛生課環境衛生係)

症状

 デングウイルスに感染した場合でも必ず発症するわけではなく、何の症状も呈しない不顕性感染に終わる人もかなりいると言われています。

 患者の大多数は、デング熱と呼ばれる一過性熱性疾患の症状を示します。突然の発熱で始まり、頭痛、眼窩痛、関節痛、筋肉痛を伴うことも多く、発症後3~4日ころから発疹が出現し、1週間~2週間で後遺症もなく回復します。

 デング熱と同様に発症し経過した一部の患者において、血漿漏出と出血傾向を主症状とする重篤な病態を示すことがあり、「デング出血熱」と呼ばれます。

治療方法

 デング熱には特異的な治療法はありません。したがって、対症療法での治療を行います。

予防方法

 現在のところデング熱を予防するワクチンはありません。したがって、日本国内においては下記のような予防対策があります。

  1. ヒトスジシマカの活動時期には、昆虫忌避剤の使用、屋外活動時の長袖・長ズボンの着用、室内外の蚊の駆除等をすることで蚊に刺されないように注意する。
  2. ヒトスジシマカは空き缶に溜まった雨水など、小さな水たまりを好んで卵を産み付けるため、住まいの周辺の水たまりを無くすことで、現シーズンや翌年に発生する蚊の数を減らす。

 一方、海外旅行へ行かれる際は、検疫所のホームページ等を見て、渡航先の病気の流行状況を確認し、デング熱の流行地へ行かれる方は、渡航先で蚊に刺されないための対策をとるなど、自身の感染予防を心がけ、日本国内にデングウイルスを持ち込まないことが大切です。

海外における発生状況

 熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、東南アジア、南アジア、中南米で患者の報告が多く、その他アフリカ、オーストラリア、南太平洋の島でも発生があります。

参考