今伝えたい、平和への思い

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 今年で被爆から80年。被爆者の高齢化が進み、安佐南区にお住まいの被爆者も年々少なくなっています(令和7年3月末時点6,473人)。そうした中、今年から新たに被爆体験証言者として活動を始める人を紹介します。
  • 問い合わせ先
    区政調整課(電話831-4925、ファクス877-2299)

 区内在住の桑原さんは、自らの被爆体験を語る被爆体験証言者として、今年7月から活動を始めます。自らの被爆体験を語る事を決めた桑原さんに、平和への思いを聞きました。

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被爆体験証言者・桑原一之(くわばら かずゆき)さん(87歳)

人との繋がりが平和への第一歩

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 桑原さんは、7歳の時に爆心地より1.5㎞のお寺で被爆しました。当時の辛い記憶を振り返りながら、平和への思いを力強く語ります。


――被爆体験証言者になろうと思った理由

 私は今まで、被爆者であることを積極的には話してきませんでした。しかし自分の人生について考える中で、平和を訴える被爆者の姿を見て、私自身も同じ被爆者として被爆体験を語らないことが申し訳ないという思いが募りました。また、これまで地域団体の役員として多くの人と関わり合いを持つ中で、争いのない平和な世の中にしたいと思う気持ちが強くなりました。
 被爆体験を語るかどうか葛藤もありましたが、少しでも多くの人に平和の尊さを噛みしめ、争いに抵抗感を持ってもらいたいと思い、被爆体験証言者になることを決めました。


――平和への願い

 私は、戦争と被爆を体験した者として何ができるのかを考えて生きてきました。考えた結果、自分たちが暮らす地域の絆を大切にしたいと考え、地域団体の役員として活動してきました。そうした活動をする中で、近年地域や近所との繋がりがどんどん薄くなっていると感じています。争いを無くしていくためには、人と人との繋がりをもっと大切にしていくべきだと思います。
 まずは、挨拶やちょっとした会話から始めてみませんか。そして、普段の生活から相手の立場になって考え、意見をしっかり聞くことが大切です。こうしたことが、皆さんの幸せと平和に繋がっていくはずです。被爆体験証言者として、皆さんと一緒に平和について考えていきたいと思っています。


被爆体験証言者とは?

 市では、被爆者の高齢化が進む中、被爆体験を後世に伝えるため自らの被爆体験と平和への思いを伝える「被爆体験証言者」を養成しています。また、本人に代わって被爆体験や平和への思いを伝える被爆体験伝承者や家族伝承者も養成しています。
 養成研修終了後は、平和文化センターから委嘱を受け、平和記念資料館などで修学旅行生や海外からの訪問者などに講話をしています。
 詳しくは、平和推進課(電話504-2900、ファクス504-2986)へ。

●被爆体験証言者 29人が活動中
●被爆体験伝承者 239人が活動中
●家族伝承者   39人が活動中

※人数はいずれも令和7年4月1日時点

講話を聞きたい場合は?

 国内外の人たちに被爆の実相を継承し平和意識の高揚を図るため、被爆者による被爆体験講話を実施しています。平和記念資料館ホームページから申し込みが可能です。

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 また8月6日水曜日、10日日曜日~13日水曜日には、予約不要の夏期臨時講話を開催する予定です。詳しくは、8月1日号2・3面に掲載予定です。

  • 問い合わせ先
    広島平和文化センター平和文化企画課

(電話541-5544、ファクス247-2464)

区内で開催される平和についての講話・講演

行事名 日時 内容 申し込み方法 場所・問い合わせ先
被爆体験を未来へつなぐ 7月25日金曜日 午前10時~11時 被爆体験伝承者による講話 7月2日水曜日~7月23日水曜日に、直接か電話で同館へ。先着40人 祇園公民館(電話874-5181、ファクス874-5182)
紙芝居とお話で知ろう!8.6 8月2日土曜日 午前10時~11時半 家族伝承者による紙芝居や講話 7月2日水曜日から、直接か電話で同館へ。先着15人 古市公民館(電話877-2677、ファクス877-2757)
戦後80年に想う-戦艦大和戦没から8月6日まで- 8月2日土曜日 午前10時~11時半 元広島市立大学学長による平和講演会 7月6日日曜日から、直接か電話で同館へ。先着70人 大塚公民館(電話849-1841、ファクス849-1842)

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  • 休館日
    火曜日、7月21日祝日

※一部を掲載しています。他の行事は区報あさみなみ8月1日号で掲載予定です。

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