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広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ令和3年7月15日号トップページ特集1.広島県物産陳列館の誕生

原爆ドーム世界遺産登録25周年
世界の平和記念碑 原爆ドームの軌跡

 原爆ドームが世界遺産に登録されてから今年で25周年を迎えます。
核兵器による被爆後の惨状をそのまま今日に伝える原爆ドームの歴史をたどります。


1.広島県物産陳列館の誕生

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建築工事中の物産陳列館(大正3年)

 明治から大正にかけて、産業の振興などを目的に、全国各地で物産陳列館が建てられていました。
 当時の広島は、日露戦争を機に急速に人口が増え、大量の軍需品が地元で調達されることによる好景気に沸いていました。そのような背景の中、さらなる県内産製品の開発、品質向上、販路拡大の拠点施設として、大正4(1915)年に原爆ドームの前身となる広島県物産陳列館が元安川の河畔に誕生しました。

 設計者はチェコ人の建築家ヤン・レツルで、一部鉄筋コンクリートで補強したレンガ造りの3階建て。正面中央部分は5階建ての階段室となっており、その上に鉄骨に銅板を張った楕円形ドームが載せられた印象的な姿は、広島の名所の一つになりました。

 県内外の物産の収集・陳列、商工業に関する調査・相談などのほか、博覧会や美術展、講習会などの会場としても親しまれ、大正10年には広島県立商品陳列所、昭和8(1933)年には広島県産業奨励館に改称されました。

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広島の名所として発行された彩色絵葉書

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敷地内には、八方から水を吐く噴水を備えた洋式庭園と、
あずまやのある和風庭園が造られました

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竣工と同時に開催された広島県物産共進会の会場となり、ライトアップされた同館。40日間にわたって県内の生産物をはじめ、全国から集められた多数の出品物が展示されました(大正4年)

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館内が写された貴重な一枚。大正10年に開催された第4回全国菓子飴大品評会では、日本各地や朝鮮半島、台湾から3,000点以上の名菓が集い、即売、試食会が行われ、連日数万人の来場者でにぎわいました

※掲載写真は公文書館所蔵です


◆問い合わせ先:世界遺産への登録・募金運動については、平和推進課(電話242-7831、ファクス242-7452)、保存工事については、公園整備課(電話504-2393、ファクス504-2391)

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