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広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ令和3年5月15日号トップページトピックス中小田古墳群保存活用計画

守り、伝え、生かす
中小田(なかおだ)古墳群保存活用計画

 中小田古墳群は、三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)や甲冑(かっちゅう)などが出土し、国の史跡に指定されている貴重な古墳群です。このたび、この古墳群を守り、伝え、生かすために保存活用計画を策定しました。

200年近くにわたり築造された古墳群

 中小田古墳群は、安佐北区口田南町の太田川東岸に沿って伸びる丘陵にあり、12基から成っています。古いものは3世紀後半に造られたと想定され、同一丘陵上に200年近くにわたって次々と古墳が築造された貴重な古墳群です。
 古墳時代には、近くまで海が入り込んでいたと推定され、内海交通の拠点の一つであったと考えられています。全長約30bの前方後円墳である第1号墳の竪穴式石室には、三角縁神獣鏡、車輪石(しゃりんせき)、玉(ぎょく)類、鉄斧(てっぷ)などが副葬されており、被葬者は、近畿政権とも政治的な関係のあった有力者とみられています。
 また、古墳群の中には、竪穴住居なども確認されており、弥生時代中期ごろから集落が営まれていたことを物語っています。同じ尾根上に中世の山城も築造されており、古墳だけでなく、弥生時代から中世にかけて人々の生活の痕跡をたどることができます。
写真
第1号墳から出土した三角縁神獣鏡
(広島大学考古学研究室所蔵)

郷土の遺産を生かすために

 市は、このたび、中小田古墳群の保存活用計画を策定しました。これは、市が地域の人々や団体などと連携しながら、より多くの人が、古墳群の価値や魅力を学んだり、体験したりできるような場や機会の確保・充実を進めていくための基本的な計画です。今後、地域と連携した活動、学校教育や社会教育での活用など、古墳群を生かした取り組みを進めていきます。

一緒に活動しませんか
 中小田古墳群では、古墳の保護に支障を来す木などの伐採活動を行っています。今年度は、「ひろしま人と樹の会」(森林活動を通して森を、人を、ボランティア精神を育てる団体)と「大人のかくれ家倶楽部」(地域の活動団体)と協働で、5月22日土曜日から活動を始めます。今後も定期的に活動を予定しています。興味のある人は、一緒に活動してみませんか。 写真
史跡甲立古墳(安芸高田市)での活動風景(ひろしま人と樹の会提供)
◆問い合わせ先:ひろしま人と樹の会(電話:090-8996-4760、Eメール:m-sakura@withe.ne.jp

◆問い合わせ先:文化振興課(電話:504-2501、ファクス:504-2066)

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