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広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ令和2年12月1日号トップページトピックス思いやりと支え合いの社会へ

全ての人がお互いに尊重し合う
思いやりと支え合いの社会へ

 社会的障壁(障害のある人にとって日常生活や社会生活を営む上で障壁となるような事物、制度、慣行、観念その他一切のもの)を取り除く試みの一つとして、今年度新たに導入したアストラムライン新型車両のバリアフリー対策を紹介します。

 アストラムラインの新型車両7000系では、さまざまなバリアフリー対策が取られています。そのいくつかを紹介します。

みんなに快適な乗り心地を

 車内に入るとすぐ横に設けられた車いすスペース(写真1)。床と壁面に分かりやすくピクトグラム(絵文字)が表示されています。向かいにはオレンジ色の優先席。座席の間の握り棒の数も増やしました。「吊り手の高さも微妙に変えてあるんです」と話す車両課長。優先席前の吊り手は、座席と同じオレンジ色で他より少し低めに、車いすスペースは、利用者の邪魔にならないよう少し高めにしています。
 中間車両には補助いす付きのフリースペース(同2)が設けられています。「ここは車いすの人はもちろん、シルバーカーやベビーカーの人も使えるように補助いすを設置しました。ベビーカーのお子さんと向かい合って座れる向きになっているんですよ」と、同課長はさまざまな利用者を想定した工夫を話してくれました。
 その他、出入りがスムーズにできるよう、ホームと車両との段差も25mmまで近付け、ドアレールの突起もなくしました。
 新型車両は現在2編成が運行中。今後順次更新し、令和6年度までに全24編成を新型車両に入れ替える予定です。

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1.広めにとられた車いすスペース

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2.背もたれ付きの補助いすが付いたフリースペース

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3.ドアの開閉を知らせるランプ。「ポーン」という音でも知らせる

車内表示に点字を導入

 新型車両は視覚に障害のある人にも分かりやすいデザインを考え、車内の表示には、はっきりとした色合わせやピクトグラムを使い、初めて点字も導入しました。表示の作成に協力した県眼科医会の宮田(みやた)章(あきら)医師(下写真)に話を聞きました。
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 「弱視や色覚障害、暗いところでは見えにくい人など、さまざまな人がいます。例えば、はやりのニュアンスカラー(淡く彩度が低めの色合いや微妙なグラデーション)はおしゃれですが、微妙な色の濃淡が読み取れない人もいる。そこでみんなが分かりやすい最大公約数を考えました。点字を取り入れたのもその一つです。
 障害のある人は、不便を感じていても声を上げずにいることも多い。障害のある人にとって、どれだけ不自由を感じているのか、本当に何が必要なのか、もっとこうして欲しいなど、伝えてもらいたいですね。今回は取り組みの第一歩。これをきっかけに、障害のある人とない人、両者が歩み寄って、より良いものにしていけるといいですね」。
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 障害者差別解消法では、障害を理由として、正当な理由なくサービスの提供を拒否したり、利用を制限したり、条件を付けたりするような行為(不当な差別的取り扱い)を禁止しています。また、障害者から配慮を求める意思表明があったときは、負担が重すぎない範囲で、その人の障害の状態などに応じて必要な工夫や方法で配慮すること(合理的配慮の提供)が求められています。
 世の中には、気付かないような社会的障壁がたくさんあります。ですが、一人一人の心掛けでその障壁を取り除くこともできます。お互いに支え合い、全ての人が安心して暮らせる社会を目指しましょう。

助け合いのしるし
ヘルプマーク
外見からは分からなくても援助が必要な人がいます

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長さは約19センチ

 義足や人工関節を使用している人、内部障害者や難病患者、妊娠初期の人など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている人が、周囲の人にマークを示すことで、援助を得やすくするものです。
 ヘルプマークを見掛けたら、電車・バスなどで席を譲る、困っていたら声を掛けるなど、思いやりのある行動をお願いします。
◆配布場所:障害福祉課、各区福祉課、各出張所

ヘルプカードを提示されたら支援をお願いします
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 障害のある人などが、緊急連絡先や必要な支援内容などを記載し、災害や緊急時、また、日常生活で困ったときなどに、周囲の人に示して支援を求めるカードです。
 ヘルプカードを提示されたら、困っていることを聞いて、支援をお願いします。

ご相談(そうだん)ください

 不当(ふとう)な差別(さべつ)を受(う)けた、合理的配慮(ごうりてきはいりょ)をしてもらえなかったなど、困(こま)ったことがあれば気軽(きがる)にご相談(そうだん)ください。相談(そうだん)は、窓口対応(まどぐちたいおう)や事務(じむ)・事業(じぎょう)を行(おこな)う課(か)へ。下(した)の広島市障害者(ひろしまししょうがいしゃ)110番(ばん)や障害福祉課(しょうがいふくしか)(問(と)い合(あ)わせ先上記(さきじょうき))でも受(う)け付(つ)けています。

広島市障害者(ひろしまししょうがいしゃ)110番(ばん)
電話ファクス537-1777


電話(でんわ)・ファクス・面接(めんせつ)での相談(そうだん)
◆日時(にちじ):平日午前(へいじつごぜん)9時(じ)〜午後(ごご)5時(じ)
◆相談内容(そうだんないよう):障害(しょうがい)を理由(りゆう)とする差別(さべつ)に関(かん)することのほか、相続(そうぞく)や財産(ざいさん)に関(かん)すること、金融(きんゆう)・契約(けいやく)などのトラブル、家庭(かてい)や職場(しょくば)での悩(なや)みなど

弁護士(べんごし)の法律相談(ほうりつそうだん)
◆日時(にちじ):毎月(まいつき)第(だい)2水曜日(すいようび)で、偶数月(ぐうすうづき)は午前(ごぜん)10時(じ)〜正午(しょうご)、奇数月(きすうづき)は午後(ごご)2時(じ)〜4時(じ)
◆申込方法(もうしこみほうほう):事前(じぜん)に電話ファクス537-1777へ予約(よやく)を


◆問い合わせ先:障害福祉課(電話504-2147、ファクス504-2256)

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