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平成29年第12回教育委員会議(8月臨時会)議事録

平成29年第12回広島市教育委員会議議事録

 平成29年8月29日(火曜日)、平成29年第12回広島市教育委員会議(臨時会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前9時30分
  • 閉会 午後3時36分

2 教育長及び委員の出席者

  • 教育長 糸山 隆
  • 委員 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員 秋田 智佳子

3 事務局等の出席者

  • 教育次長(総務部長事務取扱) 政氏 昭夫
  • 青少年育成部長 荒瀬 尚美
  • 学校教育部長 山本 直樹
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 市川 昭彦
  • 総務課長 山越 重範
  • 施設課長 吉川 保
  • 指導第一課長 松浦 宰雄
  • 指導第二課長 川口 潤 
  • 特別支援教育課長 児玉 安司
  • 生徒指導課長 山崎 哲男

4 傍聴者等

 22人

5 議事日程

  • 議題1 平成30年度から使用する広島市立小学校用教科用図書の採択について(議案)
  • 議題2 平成30年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について(議案)
  • 議題3 平成30年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について(議案)
  • 議題4 平成30年度広島市立高等学校の入学定員について(報告)【非公開】
  • 議題5 平成29年度広島市教育委員会事務点検・評価報告書について(議案)【非公開】

6 議事の大要

糸山教育長

 ただ今から、平成29年第12回広島市教育委員会議臨時会を開会いたします。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 本日の議事録署名者は、栗栖委員と鈴木委員にお願いいたします。
 これから、日程に入ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 本日審議予定の議題4及び議題5につきましては、「会議を公開することにより教育行政の公正又は円滑な運営に著しい支障が生ずるおそれがあると認められる事項」であり、広島市教育委員会会議規則第5条第1項第8号に該当することから、会議を非公開にしたいと思いますが御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、議題4及び議題5については非公開として審議することを決定いたしました。
 それでは、議題に入ります。
 議題1の議案第39号「平成30年度から使用する広島市立小学校用教科用図書の採択について」を議題とします。
 本件は審議案件です。内容について指導第一課長から説明を受けます。お願いします。

指導第一課長

 本日は平成30年度から使用いたします小学校用教科用図書の採択について御審議を頂きます。
 資料につきましては、お配りしております資料1と資料2の二つのセットでございます。
 それでは最初に、これまでの教科書の採択事務の経過と教科書展示会における質問等について説明いたしますので、資料1の1ページを御覧ください。
 まず、これまでの教科書の採択事務の経過についてですが、5月24日の教育委員会議におきまして、平成30年度から使用する小学校用教科用図書の採択について、上段の「広島市教育委員会」の枠内にありますように、採択基本方針の決定、採択審議会への諮問事項の決定、採択審議会委員の委嘱又は任命、これらを行い、図の丸2にありますように採択審議会へ諮問をいたしました。さらに、図の丸3にありますように9名の調査員を任命いたしました。また、中段に「広島市教科用図書採択審議会」の枠がございますが、ここにありますように採択審議会を設置し、6月1日に第1回教科用図書採択審議会を行いました。この採択審議会では、教育委員会の諮問事項に基づき、教科書を調査する観点を定め、調査員に示すとともに、図の丸4にありますように調査員に教科書の調査研究を依頼いたしました。これを受け、中段の「調査員」の枠内にありますように、調査員は、本市の実態や児童の状況を踏まえ、採択審議会の示した観点について具体的な視点を設定し、その視点に沿って全ての教科書について調査研究し、図の丸5にありますように、採択審議会に報告をいたしました。この報告を審議するため、7月18日に採択審議会を開催いたしました。この採択審議会では、本市の児童に最も適切な教科書を採択するため、本市の実態及び児童の状況を踏まえて、全ての教科書について審議し、各教科書の特徴及び「よりふさわしい」あるいは「ふさわしい」の意見を付して、図の丸6にありますように、8月18日に、教育委員会に答申をいたしました。
 以上が経過でございます。
 続いて資料1、2ページを御覧ください。これは、文部科学省が発行いたします「小学校用教科書目録(平成30年度使用)」、こちらの方に登載されました「特別の教科 道徳」の小学校用教科書の一覧でございます。なお、3ページには、発行者の正式名を示す一覧を掲載しておりますので参考にしてください。
 次に、資料1の4ページから7ページまでを御覧ください。
 教科書展示会は、教育関係者の教科書研究の便宜を図り、また一般公開を通じて地域住民等の多くの方々に教科書に触れていただくための取組です。本市では、教科書展示会の趣旨を踏まえ、広島県教育委員会が「教科書センター」として設置している広島市教育センターでの教科書展示会だけでなく、中学校区ごとに指定した小学校において、展示会を実施しました。展示会場では、教科書採択に関する質問等に対応できるよう連絡先を明示し、電話等での問合せにも対応できるようにするとともに、質問等を記入していただく用紙を用意いたしました。資料は、そこで出された質問あるいは意見等をまとめたものです。
 質問等の総数は61件でございました。主な内容としましては、展示会の持ち方について、また道徳の教科化について、また道徳の評価について、こういったものが多かったように思います。また、教科書の内容については、それぞれの発行者について、それぞれの御意見を頂いております。詳細については資料を御覧ください。これらの質問等について記名、お名前があったものについて、返せる質問についてはお返しをしておりますが、無記名のもの又は御意見というものについては、ここに取り上げて委員の皆様に御覧いただくという形で対応しております。
 大体目を通していただけましたでしょうか。ここまでの流れ等について御質問等はよろしいでしょうか。
 それでは続けて説明をさせていただきます。まず、これから答申の内容について説明をさせていただきます。
 資料2の1ページを御覧ください。答申の概要について説明をいたします。
 まず、1として「本市の実態や児童の状況」とあります。一つ目の丸(〇)には本市の実態を、また二つ目、三つ目の丸(〇)印の所には、児童や指導の状況について示しています。また、2として「調査・研究の観点と視点」とありますが、表に示してありますように、1、基礎・基本の定着、2、主体的に学習に取り組む工夫、3、内容の構成・配列・分量、4、内容の表現・表記、5、言語活動の充実、この五つの観点について具体的な視点を定めています。
 2ページを御覧ください。2ページの一番上に、「3 各教科書の特徴及び意見」とありますが、この2ページから17ページにかけまして、8者全ての教科書について審議し、それをゴシックで示してあります五つの観点と視点に沿って、その優れた点や特徴をまとめております。さらに、この答申の中の1者について「よりふさわしい」、もう1者について「ふさわしい」という意見が付されております。なお、ここに並べている発行者の順は、先ほど説明をいたしました小学校用教科書一覧における順によっております。この答申に基づいて、この後、どの教科書を採択するか御審議を頂くことになろうかと思います。
 よろしくお願いいたします。

糸山教育長

 ただ今の説明では、五つの観点について具体的に視点を設定し、本市の実態や児童の状況に照らして、調査員が全ての教科書の内容等について調査研究をされたということです。また採択審議会においては、この調査研究結果を基に審議をされ、答申がまとめられております。
 この答申に示された内容や意見を踏まえ、本市で使用する教科書を決定していくという方針の下に審議をしていただきたいと思いますが、そういう流れで皆さんよろしいですか。
 (異議なし)
 異議なしと認めます。それでは続いて答申の内容について、指導第一課長から説明をお願いします。

指導第一課長

 それでは、道徳の答申について説明をさせていただきます。先ほど御覧いただきました資料2の1ページを御覧ください。
 まず、本市の実態や児童の状況についてです。
 本市は、「国際平和文化都市」を都市像として掲げ、被爆者の願いや世界恒久平和を願う市民の心を基底として、人間の尊厳や生命の尊さを自覚し、自他共に大切にし、正義感や公正さを重んじ、人と自然の共生する平和な社会を築いていく心を育て、自立して行動する力を養うことを教育の原点として、広島の子どもたちが「心身ともにたくましく思いやりのある人」として、その可能性を最大限に発揮する教育を推進しています。道徳教育におきましては、平成22年度に策定をいたしました「規範性をはぐくむための教材・活動プログラム」、こちらを活用して、指導方法を工夫し、学校教育全体を通じた道徳教育の充実を図るとともに、平成27年度には「広島市道徳教育プログラム」として改訂をしまして、より一層の充実を図る取組を進めてまいりました。
 児童の状況については、平成28年度の全国学力・学習状況調査や「基礎・基本」定着状況調査の質問紙調査から、本市の児童は規範性や友達を受容し、あるいは尊重し、協働しようとする意識は比較的高いのですが、外国の方と積極的にコミュニケーションを図ったり地域活動に積極的に参加したりしようとする意識は低い傾向がうかがえます。また、いじめの認知件数は依然として憂慮する状況にあります。児童が、当事者として道徳的な課題に主体的に対処することができる実効性のある力の育成に取り組むことが重要だと考えられます。
 一方で、道徳の時間の指導については、教育委員会が実施する「道徳の授業力パワーアップ研修」等を通して授業改善に努めてきているところですが、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる、いわゆる「考える道徳」「議論する道徳」への転換は、道半ば、不十分ではないかというふうにまとめられております。調査研究の観点と視点については先ほど御覧いただいたとおりになっております。
 それでは答申の内容について、審議会で出された意見を基にしながら、観点ごとに各者の特徴的なところを抜粋して説明させていただきます。ここからは、この資料2の答申と、お手元に別に用意しております教科書見本を並べて御覧いただければと思います。
 初めに、観点1となりますが、「基礎・基本の定着」の「(1) 道徳科の学び方と示し方」について、議論になった点を紹介していきます。
 まずは、答申の2ページ、東京書籍の1の(1)の丸(〇)一つ目を御覧ください。見開き2ページで「道徳の学習を進めるために」として道徳科の学び方を示し、と書いてあります。具体的に教科書でお示しをいたします。教科書は東京書籍の3年生の4、5ページになります。また、6ページから9ページを御覧ください。道徳の授業45分の学習展開と学習活動を示して、どのように道徳の時間学習を進めていくのかを分かりやすく示しています。また、折り込みページを開くと文字が出てくるなど、学習したくなる構成であるといった意見が出されております。
 また、答申の6ページを御覧ください。教育出版の1の(1)、丸(〇)の一つ目でございます。学年の巻頭に見開きで「道徳の学習が始まるよ」として、と書いてあります。これについては、教科書は3年生の3ページを御覧ください。学び方について文章で示し、話合いについてもここに示しております。この中で、話し合いをとおして自分自身をみがき、という記載があります。ここが特に他者にはないという意見も出されておりました。
 続いて答申の12ページ、光文書院の1の(1)の丸(〇)の一つ目でございます。教科書は、光文書院の6年生の4ページから9ページを御覧ください。ここでは、道徳科の学び方を4、5ページで示し、さらに、その学びがいろいろな場面に広がるよう、6、7ページに続いていくようになっています。また、8、9ページには教科書の使い方、あるいはノート作りについても示されています。道徳の学習だけでなく、日常生活につながるよう示されている点が、本市の道徳教育プログラムと似ているといった意見が出されております。
 次に、「(2) 自己の生き方につなげるための工夫」に移ります。こちらでは道徳科の四つの視点の示し方や学習の振り返りの仕方についてまとめています。
 答申の10ページ、日本文教出版の1の(2)の丸(〇)の二つ目を御覧ください。教材ごとに教材名の横に主題名を示し、四つの視点を印、色で示しているということなのですが、教科書は2年生の2、3ページでございます。ここでは「どうとくのとびら」と2ページの右上に書いてありますように、道徳の扉として四つの視点を円のように示して、内容項目が囲まれて示されています。他者と違って、心豊かに育っていきたい、いろいろな人に囲まれたり、また、支え合ったりするようなイメージができるだろうという意見が出されていました。
 続いて、答申の12ページ、光文書院の1の(2)の丸(〇)の一つ目でございます。各学年の巻末に、毎時間分記入できる「学びの足あと」ページがあり、と書いてありますが、教科書は、1年生の巻末の折り込みを御覧ください。毎時間の振り返りを、文章で記入するのではなくて、日付と顔の表情で表すよう、1年生でも対応できるような工夫が施されています。
 以上、1の「基礎・基本の定着」について説明させていただきました。
 審議会ではこの観点において、「よりふさわしい」は光文書院、「ふさわしい」は日本文教出版という意見を頂いております。
 次に、観点2、「主体的に学習に取り組む工夫」の「(2) 読み物教材における発問の工夫」について、審議会で議論になった点を紹介してまいります。
 答申の4ページ、2の(2)の丸(〇)の二つ目「かぼちゃのつる」というところを御覧ください。あわせて、1年生の別冊「活動」の9ページを御覧ください。この教材の内容項目の概要は、健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをしないで、規則正しい生活をすることになっているのですけれども、ここで、「わがまま」という言葉は特に示さずに自分のことを振り返るような発問になっております。
 答申の12ページ、光文書院の2の(2)の丸(〇)の一つ目、こちらの発問の示し方を御覧ください。2年生の教科書の50ページから53ページになります。ここでは、教科書の下段に吹き出しで思い出したり、考えたり、話し合ったりして、53ページの教材の終わりの部分に移りますと、最後に学習のまとめと生活に広げる発問を示しています。
 答申の14ページ、学研教育みらいの2の(2)を御覧ください。同じ発問についてなんですが、今度は5年生で使っている「手品師」というもの。5年生の教科書の72ページから75ページです。学研教育みらいでは、主題にも発問にもここで学ぶ「誠実」については示さずに、子どもたちに考えさせる発問をしております。
 続いて、「(3) 問題解決的な学習を取り入れた工夫」について説明いたします。
 答申の4ページ、学校図書の2の(3)の丸(〇)の一つ目を御覧ください。各学年で問題解決的な学習ができるように、別冊の中で「かんがえよう」、「はなしあおう」、「アクティブ」等の印で示していると書いてあります。別冊「活動」の9ページです。「はなしあおう」、「かんがえよう」、「みつめよう」というのは、上の段に青い字でイラスト風に示してあります。この流れで児童が道徳的価値について主体的に考えることができるよう問題解決するような学習を取り入れています。
 続いて、「(4) 体験的な学習を取り入れた工夫」について説明いたします。
 答申の2ページ、東京書籍の2の(4)の丸(〇)を御覧ください。教科書は1年生の26、27ページです。東京書籍では、27ページの左上の「であう・ふれあう」といった印を使って、友達の心と触れ合ったり、関わり合ったりする活動を促す工夫を施しています。
 続いて答申の4ページ、学校図書の2の(4)の丸(〇)を御覧ください。先ほどの1年生の別冊「活動」の9ページになります。9ページの上の段の「かぼちゃのつる」と書いたその横になりますが、「やってみよう」と示しております。実際に役割演技をしたり、話し合ったりできる工夫を施しています。
 続いて答申の12ページ、光文書院の2の(4)の丸(〇)を御覧ください。各学年の「広げる」の中に、学習したことが生活につながるような発問を示していると書いてありますが、こちらも先ほどの2年生の教科書の50ページから53ページを御覧ください。53ページの教材の終わりの部分に、学習のまとめと生活に広げる発問を示しております。全ての学年において同じ構成になっております。
 以上、2の「主体的に学習に取り組む工夫」について説明をさせていただきました。
 審議会の中では、答申の1ページにあります「考える道徳」「議論する道徳」への転換が十分ではないという本市の実態や児童の状況を踏まえて、この観点について時間を掛けて審議を頂きました。教材のタイトルや発問の中に主題、例えば内容項目の「正直、誠実」の「誠実」といった語を示すことによって、子どもの意見を誘導してしまうことはないだろうか、一方で、どの子も価値項目を身に付けることができるようにしていかなくてはいけないのではないだろうかというような意見も出されました。主題やねらいがあることは、子どもや先生にとって分かりやすい一方で、似たような意見になってしまう、議論が深まらないのではないだろうか、「あなたはどうですか」と問いかけることは、自己と関わらせるきき方、尋ね方になっているので主体的に考えられるのではないだろうか、といったような多くの意見が出されました。
 これらの審議を踏まえて、「よりふさわしい」は学校図書、「ふさわしい」は光文書院という意見が出されております。
 次に、観点3の「内容の構成・配列・分量」の「(1) 取り扱う内容項目の量と重点化の傾向」について、別冊の扱いと併せて、書く活動等について議論をされました。
 答申の4ページ、学校図書の3の(1)になります。学校図書では別冊を用意しているのですが、丸(〇)の一つ目について、5年生の別冊「活動」の8ページを御覧ください。学校図書は内容項目ごとの配列になっていて、読み物教材に対応した発問やイラストが示されています。なお、これに対応する読み物教材は、読み物編の4ページから7ページ、29ページとなっています。
 続いて答申の10ページ、日本文教出版の3の(1)の丸(〇)の一つ目です。日本文教出版も別冊を用意されております。4年生の別冊の14、15ページを御覧ください。4年生の教科書の一番後ろのところに挟み込んであります。日本文教出版の教材の配列については、教材順に配列をしており、教材に対応した発問と自分や友達の考えを記入する欄を各教材で設けています。
 もう一つ、答申の16ページ、廣済堂あかつきの3の(1)の丸(〇)の一つ目を御覧ください。教科書は1年生の別冊の24、25ページです。廣済堂あかつきの内容の配列については、内容項目ごとの配列で、授業の振り返りや自分の考え等を記入する欄を設けています。24ページを御覧いただくと、24ページの右下の部分に、しょうがくせいのどうとく、12、18、31となっていますが、これに対応するのが、教科書の方の目次を見ていただきますと、34ページ、53ページ、94ページと見ることができます。
 書く活動については、観点2の「主体的に学習に取り組む工夫」においても、また、観点5の「言語活動の充実」においても議論となりました。先生が問いかけたことに対して、子どもたちは、本当に自分が思ったことを書いて、書いたからこそ授業の中で自分の気持ちを出すことができる、そういった意見の中で、書く分量といったものについても様々な意見が出されました。
 「(2) 現代的な課題を踏まえた内容の示し方」に移ります。
 丸(〇)の一つ目は、いじめの記載についてまとめたものを基に議論をされました。ここでは重点テーマとして扱っていることが分かるように目次に示されているかどうかをまとめています。
 答申の7ページ、教育出版の3の(2)の丸(〇)の一つ目を御覧ください。いじめについての示し方ですが、5年生の教科書の30ページ、88ページを御覧ください。いじめとは示されていませんが、「みんなと仲良くする」という印をつけていじめに関する教材を扱っています。
 続いて答申の9ページ、光村図書の3の(2)の丸(〇)の一つ目を御覧ください。5年生の教科書の目次の部分と18ページから27ページまでを併せて御覧いただければと思います。目次には「いじめ」と明記しています。また、二つの教材で構成して、コラム「いじめを許さない心」と併せて学習することができるよう工夫が施されています。
 続いて答申の11ページ、日本文教出版の3の(2)の丸(〇)の一つ目を御覧ください。ここでは5年生の教科書14ページから31ページを御覧ください。目次にも「人との関わり いじめをなくすために」と書いてあるのですが、教科書を見ていただくと、「いじめをなくすために」と複数教材で構成しています。また、30、31ページを御覧いただきますと、特設ページとして左肩に「心のベンチ」と書いてありますが、この中でいじめの傍観者を取り上げて、いじめが起きている状態について示しています。
 審議会の中では、いじめの記載がある方がよい、あるいは無くてもよい、といった賛否両論がございました。いずれにしても、各者いじめについては取り扱っているということが審議会の中で確認されました。また、事務局の方でも全ての発行者においていじめに関する取扱いがあることを編集趣意書等で確認をしております。
 また、目次等に示していなくても、別の主題名で取り扱っていたり、内容としてしっかり考えさせるような構成になっていたりするものもあるという意見も頂いております。例えば、光文書院の2年生になりますが、77ページから81ページを御覧ください。ここでは二つの教材で考えさせるようにしています。80ページを御覧いただくと「レッドカード」というのがありますが、ここでは「いじめ」という言葉は使っていないものの、いじめにつながる行為として、「してはいけないこと」、例えば「かげ口」あるいは「仲間はずし」、こういったものを具体的に絵で示しています。また、学校図書の3年生の別冊を御覧ください。3年生別冊の「活動」編の26ページにおいても同様に「いじめ」という言葉を使ってはいませんが、いじめにつながる行為として「からかわない」「いばらない」等を具体的に示しています。こうした取り上げ方についても審議会の中で意見が出ておりました。
 また、いじめは、身近な生活場面で起こっている出来事として、道徳の授業の中で取り上げ、話し合うことで議論が活発になり、書くことにもつながるのではないかという意見もございました。子どもたちが身近に問題を捉えていくことができるようにしていくということが、教科化のねらいではないかというような話もされています。
 これらのことから、「よりふさわしい」は学校図書、「ふさわしい」は日本文教出版という意見を頂きました。
 次に、観点4の「内容の表現・表記」についてですが、各者それぞれにイラスト、色使いといったものが工夫をされていて甲乙付け難いという意見で、その中に「よりふさわしい」、「ふさわしい」というような意見はありませんでした。これも御覧いただければと思います。
 最後に、観点5の「言語活動の充実」の「(2) 自分の考えを書く活動を促すための工夫」について説明をいたします。
 答申の5ページ、学校図書の5の(2)の丸(〇)を御覧ください。5年生の別冊25ページとなります。ここでは自分の考え等を記入する欄を設けているのがお分かりいただけると思います。また、他者においても、記入欄を設けているものはありますが、書くことだけが言語活動といったものではなくて、話し合い議論する、そういったことも大切であるということの意見も出されていました。その点において、学校図書は、読み物と別冊の「活動」に分けられており、読み物の中には、多くの情報がなく、読み物にしっかり向き合わせることができる、また、別冊の「活動」は、考えさせたり書かせたりする場面が示されており、読み物と活動のバランスが良いとの意見も出されておりました。
 以上のことを踏まえ、「よりふさわしい」と意見を頂いたのが学校図書、「ふさわしい」と意見を頂いたのが光文書院でございました。
 以上、五つの観点ごとに議論された内容を含めまして、報告をさせていただきました。
 答申の5ページ、学校図書の一番下の段を御覧ください。学校図書の教科書の特徴である、別冊に本冊の教材に対応した発問や学習活動例、補足資料を示していることは、教師が問題解決的な学習を取り入れる手がかりや児童が主体的に学習に取り組み、自己の生き方を広げたり深めたりする手がかりとなる。これらの特徴は、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる「考える道徳」「議論する道徳」への転換を推進している本市の取組や、児童が、当事者として道徳的な課題に主体的に対処することのできる実効性ある力の育成に対応することができるものであるという理由から、本市で使用する教科書として「よりふさわしい」との意見が付されました。
 また、答申の13ページ、光文書院の下段を御覧ください。光文書院の教科書の特徴である、巻頭に道徳科の学び方を示していること、教科書の使い方や道徳ノートの例を示していること、教材の終わりに、学習のまとめと生活に広げる発問を示していることは、広島市道徳教育プログラムを推進している本市の取組や、児童が、当事者として道徳的な課題に主体的に対処することのできる実効性ある力の育成に、対応することができるものであるという理由から、本市で使用する教科書として「ふさわしい」という意見が付されました。
 以上で報告を終わります。

糸山教育長

 ありがとうございました。ただ今、指導第一課長から採択審議会の答申の説明がありました。
 委員の皆さんには事前に教科書に目を通していただいておりますけれども、ただ今の説明を聞いて、御質問、御意見がございましたらお願いをいたします。

栗栖委員

 今の御説明を聞きまして、それぞれの教科書に、この資料2の1ページに記載してある「調査・研究の観点と視点」から、それぞれの特徴があると考えます。その中で、広島市がこの中から採用していくということになりますと、やはり本市の実態や児童の状況に対して、どういう形で対応できるかというのが大きなポイントになろうかと考えます。
 先ほど、この1ページの「本市の実態や児童の状況」の所で御説明いただいたのですが、一つ目の丸(〇)が「広島市道徳教育プログラム」としての取組、二つ目がいじめの認知件数が憂慮する状況にあるということ、また、児童が道徳的な課題に主体的に対処することができる実効性のある力の育成に取り組むことが重要であること、三つ目は「考える道徳」「議論する道徳」への転換は十分ではないということ。このような記載があるのですけれども、こういった実態とか児童の状況に関しての背景とか、その具体的内容を少し詳しく補足していただきますようお願いします。

指導第一課長

 この実態や児童の状況について、調査員で議論した中身としては、道徳の授業をするときに授業が決まりきっていると言いましょうか、この価値について、心の中では分かっているきれいごとと言いましょうか、分かっているだけで本音で受け止めていない、自分事として考えられていないといった実態があるのではないかという話が出ております。心では分かっているけれど行動ができない、そういった状況であります。これは、これまでの道徳の授業の中で、心情を育てる所までしか行き着いていないのではないか、正にこれから実効性をもった道徳的な実践力のある子どもを育てていく道半ばなのだという話が出ておりました。また、その背景として、教師が子どもの自覚や気付きのないまま指導を進めていくといった実態がある、また、児童の発言に対する揺さぶりであるとか、議論に持ち込む問い返しであるとか、そういった教師の指導力にも課題があるではないか、また、近年、本市の先生方に大変若い先生が増えてきていることもあり、子どもたちに実効性のある道徳性と言いますか、そういったことを育成しようとしたときに、先生の指導力を、若い先生もベテランの先生にももっていただく必要があるのではないかという話も出ています。以上です。

栗栖委員

 ではその中で、広島市が採択する教科書とすれば、この「考える道徳」、主体的に考えていくということに重点を置いたということで、先ほど御説明いただいた観点の中では、特に「主体的に学習に取り組む工夫」、また、「言語活動の充実」という二つの観点において、学校図書が「よりふさわしい」という結論が出たので、総合的に判断をして、学校図書の教科書が「よりふさわしい」という結論に至ったと、このように理解すればよろしいですか。

指導第一課長

 はい、そのとおりでございます。

栗栖委員

 一つ、学校図書のことで確認なのですが、先ほど学校図書の答申を見ますと、いじめについては目次に示してないという記載がしてあるのですが、先ほどの説明では、審議会の中では、目次に示してある、示してないにかかわらず、内容的なもので十分それぞれの教科書にいじめに関してのことは記載をしてあるという意見が出たとお聞きしたのですが、学校図書に関してもそういう考え方でよろしいのでしょうか。

指導第一課長

 はい、同様でございます。例えば、お手元の学校図書3年生の読み物の114ページに「大なわとび」という題材があります。記録の達成に向けて学級の子どもたちがチャレンジしている中で、苦手な子の扱いがどうなっていくかというような題材ですが、あわせて、別冊の26ページの上段の「はなしあおう」、「かんがえよう」、「みつめよう」の内容に関連するコラム、「からかわない」、「いばらない」といった辺りは、いじめにもつながっている題材であると考えております。

栗栖委員

 学校図書のいじめ問題に関しては、趣意書の中にもいじめ問題に対応するという項目で、具体的に記載がされておりますので、その辺は十分内容に反映されているという理解でよろしいですか。

指導第一課長

 はい。今、栗栖委員に御説明いただきましたが、「公正、公平、社会正義」、あるいは「友情、信頼」、そういったもので準備がしてあることを確認しています。

栗栖委員

 はい、分かりました。

糸山教育長

 はい、ありがとうございました。その他は何か。

鈴木委員

 学校図書では、読み物と「活動」と分けてあるので、そうすると分量が多くなると思うのですが、先生方がこれを使われるときに、手順よくできるといったような議論は、審議会の方ではなされたのでしょうか。

指導第一課長

 別冊を扱ったものは3者ございましたけれども、その中で、書くことも話し合ったりすることも、また、学年の実態に合わせてというところも含めて、バランスがちょうどよいのではないかという話が出ておりました。

鈴木委員

 読むことと、話し合うこと、と考えて、並べて学習するのにふさわしい、というような理解でよろしいですか。

指導第一課長

 はい。付け加えさせていただきますと、審議会の中で出た御意見として、「別冊の中では学校図書が子どもたちにとって考えやすいのではないかと思う」、「はなしあおう、かんがえよう、みつめようと分けられているので子どもたちにとっては手掛かりになる」、また、「子どもたちにとって比較的書きやすく、書いてみようかなという気持ちになる量、書ける量になっている」といったような御意見もありました。

溝部委員

 本市の実態の中に「児童が、当事者として道徳的な課題に主体的に対処することのできる実効性ある力の育成に取り組むことが重要である。」とあるのですけれども、この文言の意味といいますか、道徳的な課題に主体的に対処できるような実効性のある力の育成にはどういうことが必要であると審議会の中では分析をされたのでしょうか、ということが、1点目の質問です。
 それで、この主体性ということを育てるためには、もう正に今、「考える道徳」「議論する道徳」という方向性がしっかり打ち出されているということもありますけれども、子どもたちが内容項目のみに捕らわれずにどんどん自分の意見を出して議論するという道徳が、今こそ必要であると求められていますけれども、各社のこの「議論する道徳」ということについては、どのように審議会では評価しているのかというところが2点目でございます。

指導第一課長

 特に実効性については、子どもが自分の事として考えて行動に移せること、これが一番課題ではないかという話が出ております。先ほどの栗栖委員の御質問にもありましたが、決まりきったこと、あらかじめ頭の中で分かっていることは理解しているのだけれど、それを目の前に見た時に行動に移せない。そういったことを解決するためには、今日はこれについて学んでいくんだ、というようなことで価値について深めていくということよりも、何も先入観をもつことなく教材について向き合える、そうした授業づくりの前提、そういったものが必要ではないかという意見が出されておりました。考え、議論するためには、主題を示して授業を進めるということが、逆に価値の押し付けになってしまうのではないかという話も出ておりました。

溝部委員

 各社の「議論する」というところの視点についてどのように取り上げているかということについては、どうですか。「言語活動の充実」の中の二つ目の丸(〇)は御説明いただいたのですけれど、最初の丸(〇)の「議論が活発に行われるための工夫」というようなところが、少し説明があれば有り難いです。

指導第一課長

 各者とも、話合いに向き合わせるための工夫をされていたと思います。
 例えば、東京書籍でいいますと、巻頭に「道徳の学習を進めるために」として「話し合いの約束」、「ちょっとみんなで話し合ってみよう」というような話合いのポイントを示しているといったこともございました。また、光村図書でいうと、巻頭で「道徳の時間は」と示して、話し合う学習活動を挿絵で示すことで、具体的にイメージしやすくしているというところもございました。また、廣済堂あかつきでは、巻頭の「道徳の時間はこんな時間」というコーナーの中で、話合いの意義を示しておりました。
 どの発行者も、教材の最後部分で「学びの定義」あるいは「考えよう」といったコーナーで、話合いの活動を促すような工夫はされております。

溝部委員

 はい、分かりました。

井内委員

 評価の観点といいますか、これらの教科書をどのような見方で評価をしているかということは、大体理解をしたつもりなのですが、これはある意味では、子どもたちの視点と言いますか、主体的な学習ができるかどうかとか、議論できるかどうかというところに焦点を当てて整理をしたと思うのです。しかし、これを指導していく先生方も初めての体験だと思います。各先生方の中には、御専門の方もいらっしゃるし、少し得意でない方もいらっしゃる。その意味では、先生方が使いやすいといいますか、子どもたちと一緒に考えていきやすいかどうか、扱いやすいかどうか、このような言葉を使っていいものかとも思うのですが、そういう視点での評価はどうなのかなと思って、もう一度、学校図書等、各発行者を見ていったのですが、確かに学年が上がっていくと、その中身というか、読み物自身に、大変レベルの高い物が用意されている。そうなると、話し合いを通して、結論は出なくてもいいのでしょうけれども、それでも45分の授業の中で収斂していくようなところも、やはりある程度は期待をするところなのですよね。そこに潜められている、子どもたちに持って帰ってもらいたいその心持ちというか、そういうものは期待するところはありますよね。それを押し付けでなくてやろうというところが、大変難しいのだろうと思うのですけれども。そういう意味で、先生方の教科書の扱い方というのが容易であるのかどうかというような視点は、議論をされているのでしょうか。つまり、ベテランの先生方だけがする授業ではないので、お互いに作っていかなければならないというような時点では、そういう先生方から見ての視点というのも必要なのではないかなという気がして、質問します。

指導第一課長

 実際に審議会の中で、今、井内委員がおっしゃたような議論がなされました。
 現場の方では、道徳に限らず各教科でもそうなのですが、教科研究をするときには主に放課後の時間を使いますが、これがなかなか取れない。しかし、この道徳の学習を通して子どもたちを育てていきたい、そういう思いはもっている。その中で、若い先生、ベテランの先生、いろいろな先生が学年の中にいて、それが一緒になってこの授業をどうつくるかという教材研究をしているのですが、教材研究の時間が十分取れない中で、例えば、ベテランの先生が提案してくれたワークシートを理解しないでそのまま使ってみたり、実態に合わないのに先輩の助言のとおりそのままやってみて、うまくいかなかったりというようなこともあります。
 しかし、この別冊があれば、これをもとに教材研究が一人でもできる。学習の道筋といったものがよくできているのではないか、どこを使うかということを考えながら教材研究をしたら、若い先生にとってもまたベテランの先生にとっても助けになるのではないか、時間を有効に使いながらよい授業づくりに役立てることができるのではないか、という意見がございました。

井内委員

 そういう点では、やはり別冊に分かれてるというか、活動面が分離しているこの学校図書は、非常に先生方にとっても扱いやすいだろうという考え方になるわけでしょうか。

指導第一課長

 はい。この学校図書の別冊は、学級の実態に応じて自由に授業が組めるのではないかという意見もありました。一方で、日本文教出版については、書くということはすごく充実をしている。そういった充実はあるのだけれども、言語活動に限定されてしまいがちな側面もあるというような意見もありました

井内委員

 書くという部分は、むしろ難しさというか、子どもによる能力差も少しある。まだ話す方が、みんなで話しましょうというときには扱いやすいという面はあるのかもしれませんね。言葉の大きさというのはまた別にして。いろいろありそうな気がするのでね。

指導第一課長

 書くという活動の大切さについては、皆さん認識をされておりますが、それだけではなく、その考えを基に議論する、話し合う、これはやはり大事にしなくてはいけないという、バランスと言いましょうか、こういった話も出ています。

井内委員

 最終的には、書かせるということによってこちらのメッセージがある程度伝わるようにするということなんですよね。はい、分かりました。

栗栖委員

 広島市が採択するわけなので、広島市との関わりということもあろうかと思うのですが、それぞれの教科書で、広島市との関わりについて、何か審議会の方で御意見は出たのでしょうか。

指導第一課長

 はい。本市に関する教材としては、各者いろいろ工夫はされておりました。例えば、東京書籍であれば、5年生に「自然を守る取り組み」であるとか、「短歌によまれた美しい自然」であるとか、「受けつがれてきた伝統や文化」、広島市の子ども神楽、そういったものを扱ったものもありますし、光文書院であれば、「ぼくのわたしのすてきながっこう」というようなところで、カンナちゃん、カナンくん、平和に関するノートなど、そういう工夫はされております。

栗栖委員

 その辺りで、特に採択との関わりといいますか、広島市に関わる記載があることでどうかというような御意見はありましたでしょうか。

指導第一課長

 そこまでは。

栗栖委員

 そこまでは、無い。

指導第一課長

 はい。

栗栖委員

 ちなみに、今回、「よりふさわしい」とされた学校図書と「ふさわしい」とされた光文書院の中では、そういう広島市との関わりというところは、どのような状況なのでしょうか。

指導第一課長

 学校図書でいいますと、6年生の教科書に「平和への祈りを舞踊にこめて」という森下洋子さんを取り上げた題材であるとか、「火の夜の赤ちゃん」というような平和の学習にもつながっていくような題材が用意されているというのがあります。
 光文書院であると、3年生の「命(ぬち)どぅたから」、沖縄で命こそ宝という意味の言葉ですが、それと「羽ばたけ、折り鶴」、これも平和関連の題材です。

栗栖委員

 平和に関する記載があるということですね。

指導第一課長

 はい。

秋田委員

 別冊の使い方なのですが、これは別冊だけれども教科書という扱いなわけですね。それで、今までの道徳でしたら、文章を読んで先生が活動を黒板に書かれて、児童生徒一人ずつに発言を求めて、いろいろな主人公の気持ちなどを確認させて、そのいくつかを様々に黒板に書いて、そして、みんなで話し合うというような授業をされていたと思うのですが、今回のこの別冊を見ますと、質問が一個一個書いてあって、児童生徒一人が自分が考えたことをここに書くように使われるのか、今までのように、いろいろな児童生徒が発言したことが黒板上に書かれているものを、沢山の意見を、自分がその中でいいと思ったものをまとめて書くのか。みんなが写して書くのであれば、この本としてはみんなが同じような内容になっていくのかなと。そうすると、評価の時にどのようになっていくのかなと。発言は非常に活発にしていたけど、書かれている内容はあまり書いていなかったということもあると思うので、その辺りを先生がよく見ておられて、あの子はよく発言したねと、でも、別冊だけ後で回収してみると、なかなか100点はあげられないこともあろうかと思うので、別冊としては使いやすいかなと思うとこがあるのですけど、評価の時にはどのようなことになるのか。お分かりの範囲でお答えください。

指導第一課長

 授業の場面で書かせるというのは、先生の発問によってまず自分の考えを書くという場面もありましょうし、みんなである程度議論をして、その議論を踏まえて自分はどういうふうに考えたかということもありましょうし、最初に少し考えを書いておいて、終わりぐらいにもう一度考えてみる、比べられるような工夫をする書き方もありましょうし、その題材、授業の流し方によって、様々だと思います。こうしたことをずっと貯めておいて、その子どもがこの観点、この視点についてこういうふうに伸びたというような評価をするのではなくて、その子丸ごとの成長を、どんな変容、良さが芽生えてきたかという形で見ていくようになると思います。

糸山教育長

 よろしいですか。

秋田委員

 はい。

栗栖委員

 教科書の採択とは別なのですが、先ほど本市の実態とか児童の状況のところで、教師の指導力についても課題があるというような認識を示されたのですが、新たにこの道徳を教科化するに当たって、諸研修も準備されていらっしゃるとは思うのですが、何かそういう教師の指導力向上に向けて、広島市としての対策といいますか、何かお考えはないでしょうか。

指導第一課長

 現在も道徳のパワーアップ研修というのは行っておりますけれども、小学校が来年度から(今回の)教科書採択を踏まえた上で教科化し、次の年には中学校という流れになってまいります。引き続き、教育課程を周知徹底させていくということと、特に評価の部分、子どもをどのように見ていくかというような具体的な場面を、指定校などの取組をしっかり使いながら支援していく必要があろうかと思います。やはり一人一人の子どもにどれだけ目が向いているかというのが、道徳の取組では一番大事なことであると思います。

栗栖委員

 特に広島市の場合は若い先生が沢山おられるので、指導力向上に向けての対応をきちんとしてほしいと思います。

糸山教育長

 その他はいかがでしょうか。御意見はよろしいですか。
 御意見も出尽くしたようです。それでは、お諮りをいたします。
 本件については、事前に各教科書を委員の皆さんにお目通しを頂いた上で、本日、答申の内容について説明を受け、その上で質疑応答をしていただきました。その結果を踏まえまして、学校図書が「よりふさわしい」と考えられますので、学校図書を採択するということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、学校図書を採択することに決定いたしました。
 「特別の教科 道徳」の小学校用教科書について審議し、採択を決定いたしました。

指導第一課長

 ありがとうございました。

糸山教育長

 調査員には、各教科書について丁寧に調査・研究をしていただきました。それを踏まえ、教科書採択審議会の委員には、熱心に協議された上で、答申として取りまとめていただきました。
 私どもも、時間をかけて審議をし、平成30年度から市立小学校で使用する「特別の教科 道徳」の教科書を採択しました。
 各小学校で、こうした経緯を踏まえ、採択した教科書を用い、道徳の指導をより一層充実させ、児童の道徳性が向上していくように取り組んでいただくようお願いをいたします。
 それでは次に、議題2の議案第40号「平成30年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について」を議題とします。
 本件は審議案件です。内容について指導第二課長から説明を受けます。

指導第二課長

 議題2、議案第40号「平成30年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について」につきましては、各学校から申請をされましたとおり採択をすることとしたいと考えてております。
 まず最初に、教科書採択の基本方針について説明をいたします。
 お手元の資料の2ページを御覧ください。2ページに「平成30年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)・特別支援学校(高等部)用教科用図書採択の基本方針」をお示ししております。
 まず、「1 採択の基本」についてでございますが、教育基本法や学校教育法の改正で明確に示された教育の理念や目標及び学習指導要領に示された各教科の目標や内容、本市が定めた教育課程編成基準等にのっとり、生徒に最も適切な教科用図書を採択する。その際、各学校が専門的な調査研究に基づき選定・申請した教科用図書について、各学校の教育課程に照らして検討し、適正と認めたものを採択するとしております。
 「2 適正かつ公正な採択の確保」につきましては、採択権者の権限と責任において、適正かつ公正な採択を行う。特定の教科書発行者と関係を有する者が教科書採択に関与することがないようにするとしております。
 「3 開かれた採択の推進」についてでございますが、採択に係る情報を公開するなど、開かれた採択を推進するとしています。
 次に、教科書採択の手順について御説明いたします。3ページを御覧ください。一番上の「広島市教育委員会」の枠に示しておりますように、教育委員会におきましては、5月に採択の基本方針について決定していただきました。その後、各学校に対して、採択に係る手続や留意事項についての説明会を持たせていただいております。
 その説明会を受けまして、各学校長は各学校において教科用図書選定委員会を設置し、委員及び調査員を委嘱又は任命するとともに、教科用図書選定委員会に教科用図書の選定を諮問いたしております。調査員は、教科用図書選定委員会が定めた観点及び視点に基づき、各教科の教科用図書について調査研究を行い、教科用図書選定委員会に報告することとなっております。教科用図書選定委員会におきましては、調査員からの調査研究の報告を基に審議を行いまして、2点の教科書について観点の評価を比較検討し、生徒の実態に照らし、二重丸(◎)が「よりふさわしい」、丸(○)が「ふさわしい」、三角(△)が「問題なし」と表記し、選定の理由を伝えることとしております。このように教科用図書選定委員会におきまして、学校長に答申を行い、答申を受けた学校長は、選定した教科用図書を教育委員会に申請することとなります。
 その申請を受けました教育委員会におきましては、提出された申請書等の内容について各学校の校長から詳細な説明を受け、学校の特色や生徒の実態を踏まえた評価及び選定理由となっているかについて、各教科科目の教科用図書の審査を詳細に行った上で、本教育委員会議に上程をさせていただきました。
 次に、平成30年度に開校いたします、広島みらい創生高等学校の教科書採択の基本方針について御説明をいたします。
 資料の4ページを御覧ください。広島みらい創生高等学校の基本方針につきまして、先ほど御説明をいたしました市立高等学校との違いは、「1 採択の基本」につきまして、「従来の定時制・通信制課程の枠組みに捉われないフレキシブル課程としての特色を踏まえ」ということを記載をしている点でございます。その他につきましては、異同はございません。
 5ページの採択の手順について御覧ください。採択の手順につきましても他校との異同はございません。
 以上、教科書採択の基本方針及び採択の手順について御説明をさせていただきました。
 次に、6ページを御覧ください。本年度、各学校から申請されました教科用図書の総括表を示しております。
 各校から申請のありました教科用図書申請点数につきまして、昨年度採択をしていただいた平成29年度使用教科用図書と比較し、三つに分類をさせていただいております。
 ここに示しております表の一番右側、黒く網掛けがしてございますが、その3列左側のところを御覧ください。一つ目は、平成29年度使用教科用図書と同一の教科用図書の申請をしたものの点数を示しております。二つ目は、平成29年度使用教科用図書の改訂版を申請したものの点数を示しております。三つ目は、平成29年度使用教科書と異なる教科用図書を新規で申請をしたものの点数を示しております。例えば、基町高等学校におきましては、昨年度使用したものと同一の教科書を申請したものが55点、同一の教科書ではございますが、若干の改訂があったものを申請したものが7点、教科書会社等を変え、新たな申請を行ったものが9点、合計71点の申請があったというように御覧いただけたらと思います。
 一番下を御覧ください。合計を示しておりますが、全ての高等学校から申請がございましたもののうち、522点が同一、改訂版が99点、新規が98点、合計719点の申請が、この度ございました。
 なお、下から4行目でございますが、広島みらい創生高等学校の定時制、またその一つ下の通信制におきましては、平成30年度に新たに高等学校が設置されることから、全て新規の申請となっております。また、下から2行目にございます広島中等教育学校におきましては、現在、高等学校1年生の学年に相当する4年生が在籍をしておりますけれども、来年度以降、順次、高等学校2年生の学年、高等学校3年生の学年というように学年が増えてまいります。そうしたことから新規の申請が多く出されているということでございます。
 次に、各学校から出ております申請書の様式について御説明をさせていただきます。
 資料の38ページを御覧ください。各学校からこのような形で申請書が提出をされてまいります。
 2行目の外国語、コミュニケーション英語1を御覧ください。左から4列目のところに、網掛けをして「新規」と示してございます。この網掛けをして「新規」とありますものが、平成29年度使用教科用図書と異なる新たな教科用図書を申請をしたものとなります。次に、3行目のところ、今度は網掛けをしておらず「新規」と記載をされております。こちらのものが改訂版の教科書を新たに申請をしてきたということになっております。
 本日の教育委員会議におきましては、各学校から申請がありました教科用図書の中で、平成29年度使用教科用図書と同一の申請のもの及び改訂版の申請のものにつきましては、先日も委員の皆様方には全ての各校の教科用図書について御覧をいただいており、また、昨年度の教育委員会議の中で詳細な内容について御審議を頂きまして既に採択をしていただいているということから、説明を省略させていただき、平成29年度使用教科書と異なる申請がございました網掛けのある新規のものを中心に選定の理由を説明させていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

糸山教育長

 ただ今までのところで、何か御質問等はございませんか。

栗栖委員

 基本方針の中で、2番目のところに「適正かつ公正な採択の確保」という項目があり、この中に「特定の教科書発行者と関係を有する者が教科書採択に関与することがないようにする。」という記載があるのですが、これは具体的にはどのような対応をされているのでしょうか。

指導第二課長

 各学校において、学校長が選定委員会の委員並びに調査員を任命あるいは委嘱をすることとしておりますが、その際に校長が事前に教科書会社との関係がないかどうか、一人一人確認をいたしまして、当事者、当該委員あるいは調査員の方から確認書というものを取っております。これは全て教育委員会の方にも提出をさせまして、関係を有する者でないということについて、教育委員会としても把握をさせていただいております。

栗栖委員

 確認をされているということですね。

指導第二課長

 はい。

栗栖委員

 先ほど、全体の中で新規の教科書が98点と御説明をされたのですが、各学校が昨年しっかり議論して教科書を選定しているのですけれども、その中でまた新規の教科書ということになるということは、どういう事情や背景があるのでしょうか。

指導第二課長

 各学校いろいろと理由があるのですけれど、大まかに申しますと、現在、国の方においても高大接続ということで、大学入試の制度改革等が進められております。そうした中で、より一層言語活動を重視した授業に転換していく必要がある、あるいは授業改善を行っていく必要があるということから、昨年度選定をいたしました教科書を使用する中で、もう少しこういう点について改善をしたいという点があった場合に、新たな教科書の申請があったというように把握しております。

栗栖委員

 日頃の授業の中で、それぞれの学校の先生方が、現在使用されている教科書に関して常に問題意識を持って使用されているということでよろしいでしょうか。

指導第二課長

 はい、そうです。

糸山教育長

 それでは、次に、各学校分について審議を行います。
 なお、採択については、最後に一括して採決をしたいと思います。
 それではまず、基町高等学校分について説明をお願いします。

指導第二課長

 それでは、資料の7ページを御覧ください。7ページからが各学校から提出されました申請書になります。
 8ページを御覧ください。基町高等学校における採択の手順について示したものとなります。まず、5月31日に説明会を行いまして、6月5日に選定委員会を開催しております。
 資料の23ページを御覧ください。各高等学校におきまして、こちらの基町高等学校が作成をしているものと同様の教科用図書選定委員会の規約を設けておりまして、この規約に基づいて選定委員会を設置しております。
 8ページにお戻りください。選定委員会を設置して、7月14日に教育委員会に申請があったものです。
 10ページを御覧ください。こちらに記入上の注意を示しております。
 それでは、11ページから申請書の御説明をさせていただきます。
 11ページから12ページの1段目までが国語の教科となります。
 11ページの2行目のところ、現代文Bについては、新規の申請をしてきておりまして、三省堂の教科書を選定しております。選定理由につきましては、読書に対する生徒の興味・関心を高める「読書の扉」を掲載をしている点、また、発展的な学習を行うことができるよう教材に合わせて「現代評論を読むために」といったページを設定している点を挙げております。
 次に古典B、古文でございますが、問題解決的な学習が充実するよう、教材の内容について工夫がある、また、発展的な言語活動ができるよう教材に工夫がされていると記載がございます。
 次に古典B、漢文でございますが、同様の理由となっております。
 次のページを御覧ください。12ページの2行目から14ページの下から2行目までが地理歴史の内容となります。変更はございません。
 14ページの一番下の行から15ページの1行目までが公民になります。変更はございません。
 次に、15ページの2行目から、17ページの上から2行目までが数学でございます。こちらも変更はございません。
 17ページの上から3行目から19ページの下から2行目までが理科になります。こちらも変更はございません。
 19ページの一番下の行から20ページの1行目までが保健体育となります。変更はございません。
 20ページの2行目から21ページの1行目までが芸術です。20ページの上から3行目の音楽表現については、新規の教科書を申請してきております。選定理由といたしましては、発展的な内容が学習できるよう「創作」が設定されている点、また、生徒の興味・関心を高めるため「外国語の歌」を示しているという点を挙げてきております。
 次に、21ページの2行目から22ページの2行目までが外国語となっております。外国語の一つ目のコミュニケーション英語1につきましては、生徒が英語での発信能力を身に付けることができるよう、各レッスンの終わりの「Activity」において、意見を述べたり、話し合ったりする言語活動を設定している点を選定理由に挙げております。
 また、4行目のコミュニケーション英語2につきましては、生徒が本文の内容理解を深め、英語での発信能力を身に付けることができるよう、各レッスンの終わりの「Communication Activity」において「Retelling & Speaking」で話し合ったり書いたりする言語活動を設定している点を挙げております。
 また、次の英語表現2におきましては、英語で表現するために必要な文法を理解し、その知識を定着させ、英語での発信能力を高めることができるよう、各レッスンに「Practice」を設けている点、その次のコミュニケーション英語3におきましては、発展的な読解の技能を身に付けることができるよう、また、英語での発信能力を高めることができるよう、それぞれ項目を設定している点、そういった点を評価して挙げてきております。
 次の21ページを御覧ください。3、4行目が家庭科となります。こちらについては、実際に教科書を御覧いただきながら御説明をさせていただきます。
 机の前に実教出版の「新家庭基礎」が置いてあると思います。この教科書の24、25ページを御覧ください。事前に家庭生活、家庭、自分らしい生き方と家族という学習内容を学んできた生徒に「WORLD NOTE」という形で、データ、表等を参考にしながら課題解決的な学習を行うことができるよう、工夫がされております。また、資料1、資料2、それぞれに設問を設けておりまして、子どもたちが自分の考えをまとめやすいよう設問を設けるなど、工夫をした点がございます。こうした点を選定の理由に挙げております。
 基町高等学校におきましては、高いレベルでの学習を身に付けることができるよう求めている、そういうニーズを持っている子が沢山おりまして、こうした課題解決的な学習に取り組みたいという意向を持っております。こうしたことから、全ての教科書について、このような工夫があるものを積極的に選定をしたいと考えているところでございます。
 基町高等学校につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

鈴木委員

 新規で英語が多いように見受けたんですけれども、それは何か英語において、特にこういう力を今後付けていきたいというようなねらいを、先生方が持たれたと理解してよろしいでしょうか。

指導第二課長

 鈴木委員がおっしゃるとおりでございまして、今回、センター試験等の結果を踏まえまして、英語についての課題があると学校としては捉えております。英語の授業をより一層充実させていく必要があることから、この度新しい教科書を選定し、その課題解決に向けて取り組みたいということでございました。

鈴木委員

 教科書だけではなくて、授業改善にも取り組まれることになりますね。

指導第二課長

 はい。

鈴木委員

 分かりました。

溝部委員

 同じく英語のところですけれども、21ページの上から2行目のところで、コミュケーション英語1の教科書が新規になって変わるということですね。上段の方を選定したと。4行目のコミュニケーション英語2の方は、1年生で選定されなかった発行者の教科書が、2年生では使われるということになりますか。

指導第二課長

 はい、そういうことです。

溝部委員

 この辺の事情や検討について御説明いただきたいというのが一つです。
 もう一つあります。21ページの一番上の芸術のところで、私が聞き漏らしたのかもしれませんが、教科書は1種類だけで、これが選定されていますよね。教科書によっては、二つ並んで、一つが良いということで選定されているのですが、これは最初から一つの教科書だけで選定をしているのですか、というのが質問です。

指導第二課長

 まず一つ目ですが、高等学校の場合、多くの学校では、その系統性を踏まえまして、教科書を変えないということが多いです。ただ、基町高等学校につきましては、先ほども御説明いたしましたが、英語については、生徒の実態からして大きな課題があるという認識がされまして、この2年、3年で履修をいたしますコミュニケーション英語についても、教科書を変えて学習を進めたいという強い希望を持っておりまして、内容についてはシラバス等を確認させていただいたのですけど、必修の学習内容を踏まえて学習ができるということを確認させていただきましたので、この選定について上程をさせていただいたところでございます。

溝部委員

 分かりました。

指導第二課長

 次に芸術のことについてですけれども、説明が不足していて申し訳ございませんでした。学年のところに丸がついております。一番左側のところの学年が丸3となっているのですけれども、実はこれは1年生、2年生のときに既にこの教科用図書を使用して授業を受けていると、それで、それを継続して使用するということでございまして、こうした場合には対抗の教科書の記載をしていないということです。

溝部委員

 なるほど、分かりました。ありがとうございました。
 基本的には全ての教科書の中から選ぶということですよね。

指導第二課長

 はい、そういうことになります。

溝部委員

 はい、分かりました。

糸山教育長

 その他はないでしょうか。
 それでは、次の学校に移ります。
 次に、舟入高等学校分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 舟入高等学校分は24ページからになります。
 24ページにつきましては、先ほど説明したとおり、基町高等学校と同様の形で手順を踏んでおります。
 次に、25ページ、こちらに教科用図書選定資料として、学校の特色、そして生徒の実態が記載されております。
 実際の選定は27ページからを御覧ください。
 27ページから28ページの2行目までが国語の教科となります。変更はございません。
 28ページの3行目から30ページの4行目までが地理歴史の教科ですが、こちらにつきましても変更はございません。
 30ページの下から2行目から31ページの4行目までが公民ですが、これも変更はございません。
 31ページの下から2行目から33ページの4行目までが数学ですが、こちらにつきましても変更はございません。
 33ページの下から2行目から36ページの2行目までが理科になりますが、こちらも変更はございません。
 36ページの3、4行目が保健体育ですが、変更はございません。
 36ページの下から2行目から38ページの1行目までが芸術となります。
 37ページの3行目ですが、「高校生の美術2」を選定しております。選定理由につきましては、生徒の興味関心を高めることができるよう、図版を紙面を大きく使って分かりやすく掲載している、また、広島の生徒に身近な「Hiroshima appeals」のポスターを資料として掲載しているという点を挙げてあります。
 38ページの2行目を御覧ください。外国語のコミュニケーション英語1、これが新規となります。こちらは,教科書を使って御説明をさせていただきます。
 お手元にございます「ELEMENT」という啓林館の教科書を御覧ください。18、19ページを御覧ください。こちらに示してございますように、まず「Communication Activity」というところなんですけど、多様な言語活動により学習の内容を深め、4技能をバランスよく育成することができるよう、各レッスンに「Leading In」や「Communication Activity」を設けているとなっております。このAというのが、いわゆる聞くという学習、そして、Bが読む、そして、自分で書くというところ。次に引用ワードというところを使いまして、自分の考えをまとめる。そして、それぞれ意見交流をいたしまして、一番下の4行にけい線が引いてございますが、そこにグループで話をした内容を記入する、といったように、学習が工夫できる作りになっているということがこの選定の理由となっております。
 次に、コミュニケーション英語3についてでございますが、言語活動を行うことで英語の発信能力を高めることができるよう、各レッスンの終わりに「Your Opinions」や「Functional Expressions」を設けているとなっております。
 そして、下から2行目の英語表現1ですが、学習したことを生かして言語活動を行うことで英語での発信能力を身に付けることができるよう、各レッスンの終わりに「Expressing」を設けているということでございます。
 一番下の行の英語表現2ですが、生徒が段階的に英語での発信能力を高め、論理的に英語で表現できるよう、各セクションの目標を明示し、内容を3セクションで構成しているとしております。
 39ページの一番下の行から40ページの1行目までが家庭科、その次の行が情報です。変更はございません。
 舟入高等学校につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

井内委員

 舟入高等学校に国際コミュニケーションコースというのがありましたよね。そこも同じ教科書を使うのですか。前にも同じ質問をしたような気がするのですが。

指導第二課長

 はい。舟入高等学校につきましては、全て同じ教科書を使用しているということでございます。

井内委員

 国際コミュニケーションコースで、例えば、違う読本を使うというような工夫はあるのでしょうか。やはり特別に英語に興味を持っている子どもたちであるとすれば、先ほど御紹介いただいたのが提示ですが、これだけでは満足しないような気がするのですけれど、どのようなものでしょうか。

指導第二課長

 39ページを御覧いただけますでしょうか。舟入高等学校の国際コミュニケーションコースにおきましては、教育課程上いくつかの工夫をしておりまして、学校設定教科ということで、いわゆる普通科普通の生徒とは異なる教育課程を編成しております。例えば、下から3行目、時事英語というのがございますが、こちらは「CROWN English」という教科書を教材として使用するのですが、こちらの時事英語というのは国際コミュニケーションコースの生徒だけが履修する科目でございまして、副教材等を活用しながら内容を深めていくといった工夫を行っております。以上でございます。

井内委員

 はい、分かりました。

糸山教育長

 その他はよろしいでしょうか。
 それでは、次の学校に移ります。
 次に、広島商業高等学校分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 42ページを御覧ください。選定の手順についてお示しをしております。
 43ページが学校の特色、生徒の実態、調査の観点及び視点となっております。
 45ページを御覧ください。45ページから国語になっております。
 まず、3行目の現代文Bにつきましては、読書への興味・関心が高まるよう、巻頭に「読書のしるべ」、巻末に「現代文参考図録」を掲載するなどの工夫があるということから、第一学習社の教科書を選定しております。
 次に、古典Bについてですが、大修館の「精選古典B 改訂版」を選定しております。実際の教科書を見て、御説明をさせていただきます。
 机上の教科書の234ページを御覧ください。基礎基本の定着を図るため、図解等を効果的に用いて古典の読み方について解説した「古文を読むために」、あるいは「漢文を読むために」といった内容のものについて掲載をしてあります。詳細に記載している点について評価しており、工夫がみられるということで、この教科書を選定しているということでございました。
 それでは、次に、46ページを御覧ください。46ページの3行目からが地理歴史になります。一番下の行の地図帳を新規に選定しております。生徒が主体的に学習を深められるよう、地方図を大きく掲載するとともにその地方の主題図やグラフ等を掲載しているということでございました。
 次のページの1行目が公民、変更はございません。
 次の2行目からこのページの下までが数学ですが、変更はございません。
 48ページを御覧ください。上の2行が理科になります。3、4行目が保健体育でございます。ここまで変更はございません。
 下の2行目から49ページの4行目までが芸術です。
 美術1について新規の申請となっております。発想のポイントや技法上の工夫を実感しながら学習に取り組むことができるよう、多彩な図版が挿入されているということが選定の理由となっております。
 美術2につきましては、生徒の興味・関心を高めるため、多彩な図版が挿入されている、また、制作工程が時間経過に沿って丁寧に説明されており、理解しやすいということが理由となっております。
 芸術につきましては、その他は変更はございません。
 49ページの下から2行目から50ページが外国語になります。
 49ページの一番下の行のコミュニケーション英語2でございますが、生徒の学習への興味・関心を高めることができるよう、各レッスンの冒頭に写真とともに本文の内容に関わる質問を英文と日本語を併記して示し、学習する文法や本文のキーワードを配置しているということを選定理由として記しております。
 50ページのコミュニケーション英語3についてでございますが、生徒が内容を段階的に理解した上で話合いの活動を通して表現力を高めることができるよう、各セクションに「Comprehension」を設けているという点、それから、英語表現1につきましては、生徒の興味・関心を高めることができるよう、各レッスンの冒頭に「Warm Up」を設けている、また、英語での表現力を高めることができるよう、各レッスンの終わりに「Your Turn」を設けているという点を挙げております。
 下から2行目の英語表現2につきましては、生徒の興味・関心を高め、自己表現活動などの言語活動を通して、英語での発信能力を高めることができるよう、各レッスンに「Try It」を設けているということを選定理由に挙げております。
 51ページの家庭は、変更はございません。
 54ページを御覧ください。商業の課題研究(全商原価計算)という授業におきまして、新しい教科書を選定しております。選定理由といたしましては、基礎的・基本的な知識を確実に習得できるよう、巻末資料には「原価計算基準」を掲載している、また、主体的な学習に取り組むことができるよう「研究課題」を設定しているとなっております。
 55ページまで商業ですが、その他の変更はございません。
 広島商業高等学校につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

鈴木委員

 新規だけということではないのですが、就職・進学割合が5対5ぐらいと書いてありましたので、そういう生徒に教科書も対応しているのかどうか。教科書は同じだけれども、先生方の工夫によって対応をされているのか、ということが分かりましたら教えてください。

指導第二課長

 広島商業高等学校の場合は、資格取得をした上で大学へ進学をする生徒が多数おります。そうしたことから、商業については、検定試験に積極的に取り組むことができるような教科書を選定するように工夫しているという特色があります。また、数学と商業との関連を図るということから、数学については、商業との関連が図りやすいような平易な教科書を選定するような工夫をしているということが特色でございます。

鈴木委員

 専門性を高めるということを主にして、それに合う教科書などを選ばれていると。

指導第二課長

 はい、そういう点もございます。

鈴木委員

 生徒によって変えているということはないということですね。

指導第二課長

 はい、それはないです。

糸山教育長

 その他はよろしいでしょうか。
 それでは、次の学校に移ります。
 次に、広島工業高等学校(全日制)分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 広島工業高等学校(全日制)は、57ページからになります。
 57ページに選定手順、58ページに学校の特色等について記しております。
 60ページを御覧ください。国語につきましては、1行目から4行目、地理歴史については、5行目から61ページの2行目までに示しております。
 61ページの地理Aについてですが、教科書を見ながら御説明いたします。
 帝国書院の教科書が机上に置いてあると思います。こちらの36、37ページを御覧ください。生徒が地理歴史に興味・関心を持って学習に取り組むことができるよう、文章の構成に写真や図版を大きく掲載をしているのがこの教科書の特色になっております。この教科書を見て、実際に現地の様子がイメージしやすいということを選定理由に挙げているということです。写真が非常に豊富に掲載されています。
 次に、公民については61ページの3行目、数学については61ページの4行目から62ページの3行目までになります。62ページの4行目からが理科、63ページに保健体育、芸術、外国語と続いております。ここまで変更はございません。
 64ページから家庭、75ページまでが工業となっております。家庭、工業につきましても、変更はございません。
 なお、75ページを御覧ください。工業の場合、沢山の科目がありますが、例えば、一番下の地球環境化学は、実教出版の教科書1冊になっております。他の対抗の教科書は出ておりませんが、こちらについては机上に目録があろうかと思うのですが、この目録に1冊しか教科書が載っておりません。こうしたことから、1冊のみの掲載となっております。目録の55ページからが工業になるのですけど、この中から教科書を選定をしていくのですが、地球環境化学は59ページになります。59ページの一番下に地球環境化学があるのですが、教科書が1冊しか作られていないということでございまして、対抗が出ていないということになります。
 広島工業高等学校(全日制)につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 よろしいですか。御質問、御意見がないようですので、次に広島工業高等学校(定時制)分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 77、78ページを御覧ください。同様に、選定手順、学校の特色、生徒の実態が示してあります。
 80ページを御覧ください。広島工業高等学校(定時制)につきましては、30年度に広島みらい創生高等学校が設置されることから、30年度に1年生の入学者の募集を停止いたします。そうしたことから1年生の教科書は選定をされておりません。2年生以降の教科書となっております。
 国語につきましては80ページ、地理歴史については81ページまで、82ページから84ページに公民、数学、理科、保健体育、芸術、外国語と記載されております。ここまで変更はございません。
 85ページを御覧ください。上から2行目に家庭のフードデザインという科目がございますが、フードデザインにつきましては、新規のものを選定しております。お手元の「フードデザイン」という教科書の143ページからを御覧ください。生徒が興味・関心を持って学習に取り組むことができるよう、実習のカラー写真やイラストなどを多数掲載しているとなっておりまして、44ページ辺りから、実際にどういう切り方があるのかということを分かりやすく示しているということでございます。このような工夫をしている教科書でございます。
 次に3行目の調理でございますが、こちらも生徒が興味・関心を持って取り組むことができるよう、この教科書を使って行いたいということで選定をしております。
 次の4行目から工業となります。96ページまでありますが、変更はございません。
 広島工業高等学校(定時制)につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 よろしいですか。
 それでは次に、大手町商業高等学校分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 それでは、98ページを御覧ください。
 98、99ページにつきましては、他校と同様、選定手順、学校の特色、生徒の実態について示しております。
 101ページを御覧ください。大手町商業高等学校につきましても、先ほど御説明しました広島工業高等学校の定時制と同様に、平成30年度から募集停止することから、2年生以降の教科書の選定となっております。
 101ページから各教科の申請書を示しておりますが、全て新規のものはございません。全て昨年度に採択いただきました教科書をそのまま継続して使用するということでの申請でございます。
 大手町商業高等学校につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 よろしいですか。
 それでは次に、安佐北高等学校分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 112、113ページを御覧ください。安佐北高等学校につきましても、選定手順、学校の特色、生徒の実態を示しております。
 115ページを御覧ください。安佐北高等学校につきましては、本年度から広島中等教育学校へ移行したことに伴い、来年度は広島中等教育学校に1年生、2年生が進級してまいります。そうしたことから、来年度は3年生のみということになりまして、3年生の教科用図書だけ選定をして、申請をしてきております。
 国語については115ページの上から4行目まで、それから116ページの4行目までが地理歴史です。次に公民、数学、理科、ここまで変更はございません。
 118ページの一番下の3年生の外国語のコミュニケーション英語3についてですが、新規の教科書を申請してまいりました。本文の内容について、自分の考えや意見を述べ合う言語活動ができるよう、各レッスンの終わりに「Activity Plus」を設けていると記載をしております。
 次のページを御覧ください。変更はございません。
 安佐北高等学校につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

鈴木委員

 最後の1年ですよね。最後の1年でもやはりこの英語の教科書を変えたいということは、先ほど言われたような、高大接続のような問題があると考えてよろしいのでしょうか。

指導第二課長

 はい。安佐北高等学校の生徒の場合は、高大接続と、それから、広島中等教育学校へ移行するということから、ある程度、中学校段階で高等学校の必修学習内容を先取りをして実施しておりまして、そうしたことから、この学年については、既に先取りをかなりした学年でございまして、昨年度までの生徒とは若干、指導内容を変えたいということから、コミュニケーション英語3については、昨年度までのものと変えたと聞いております。

鈴木委員

 分かりました。ありがとうございます。

糸山教育長

 その他、よろしいですか。
 それでは、次の学校に移ります。
 次に、沼田高等学校分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 121、122ページを御覧ください。他校と同様に記載をしております。
 124ページを御覧ください。124ページから125ページの1行目までが国語になります。変更はございません。
 2行目から地理歴史ですが、一番下の世界史Aについて、新規のものを申請してきております。生徒が資料を基に歴史を考察することができるよう、絵や写真、文書などの資料を読み解くポイントとともに適宜掲載されていることを選定理由として挙げております。
 126ページを御覧ください。地理歴史、公民、数学、理科と続きます。変更はございません。
 133ページの4行目から保健体育となっておりますが、こちらについても変更はございません。
 134ページを御覧ください。芸術の美術2でございますが、生徒の興味・関心を高めることができるよう、解説や写真などが豊富に掲載されており、絵画・彫刻・デザインなどが項目ごとに端的にまとめられていることを選定理由としまして、新規のものを申請してきております。
 135ページを御覧ください。書道1が新規となっております。
 お手元の「書道1」の教科書の8、9ページを御覧ください。選定理由といたしまして、生徒が主体的に興味・関心を持って学習に取り組めるよう、イラストや写真を大きく表示し、学習のポイントを整理しやすい構成となっているという点を挙げてきております。こちらの教科書の8、9ページには、姿勢や運筆法など、生徒が自分で絵を見ながら解釈できるように示されております。
 続いて、136ページを御覧ください。上から2行目の外国語のコミュニケーション英語2に新規の教科書を選定しております。本文の理解を深め、表現能力を高めることができるよう、各レッスンに「Let’s Communicate」の欄を設け、何かを紹介したり、意見を発表したりする言語活動を設定しているということを選定理由に挙げております。
 また、英語表現2におきましては、学習した内容を定着させ、流ちょうさと正確さを高めることができるよう、各レッスンの「Let’s Try」の欄で言語活動を設定していることを選定理由に挙げております。
 次のコミュニケーション英語3については、学習した内容を基にして、表現能力を高めることができるよう、各レッスンの終わりの「Practice」の中に「Express Yourself」や「Communication」を設けているということを選定理由として挙げております。
 次に137、138ページを御覧ください。家庭、情報を記載しておりますが、変更はございません。
 沼田高等学校につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

井内委員

 128ページの下の3行の「選定の理由」に、(体育コース)と書いてあるのですけれど、沼田高等学校の体育コースに関しては、この教科書を使うということですか。数学1、A、2とあり、表現の仕方はちょっと違うのですが、「選定の理由」に、生徒の興味・関心を高めることができるように、とあります。体育コースの子は数学にあまり関心がないような書き方になっているように思うのですが。

指導第二課長

 記載については、そういうことではなく、興味・関心を持っている子も沢山いるのですけれど、体育コースについては、数学のように別の教科書を使っている科目もあります。
 教科によっては、学習面で不得意な生徒が多いというようなこともありまして、このように教科書を分けて使っているということもあります。

井内委員

 より理解を深めるということに重点を置き、教科書を変えるという工夫をしているという考えですね。分かりました。

糸山教育長

 よろしいでしょうか。
 それでは、次の学校に移ります。
 次に、美鈴が丘高等学校分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 140ページを御覧ください。
 140、141ページに選定手順、学校の状況等を示しております。
 143ページを御覧ください。国語、地理歴史とあります。変更はございません。
 145ページの下から2行目の公民については、教科書を示しながら説明をいたします。
 「現代社会」という東京書籍の教科書を御覧ください。58、59ページになります。生徒が目的意識を持って学習できるよう、各章及び各節の冒頭に具体的な問いの形で学習のポイントを示しているということでございまして、58ページの左側の上に人が考えるようなポーズをしているところがございますが、こうしたところに「なぜ議会を通して意思決定を行う必要があるのか」、「政治になぜ参加するのか考えてみよう」というような設問形式の問題提起をしまして、この章での学習についての課題意識を持たせるようにしています。次の60ページを御覧ください。各節ごとに、今度は左側の上のところに青い色で人が考えるポーズがありますけれども、これは節の設問ということで、色を変えて示しております。こうしたところを随所に入れまして、子どもたちが考えて興味を持って学習できるような工夫がされているということでございます。こうしたことを選定理由に挙げております。
 146ページを御覧ください。一番上に公民、それから数学、理科、保健体育、ここまで変更はございません。
 150ページの上から2行目、芸術の美術2ですが、生徒が理解しやすいよう、絵画(質感)表現や素描について詳しく解説されている、また、生徒が興味・関心を高められるよう図版が多く活用されていることを選定理由に挙げております。
 書道2につきましては、生徒の興味・関心を高めるため、図版又は身近な教材を取り入れている、また、書道の世界史や日本史との関連付けができる工夫がなされていることを選定理由に挙げております。
 一番下の音楽表現につきましては、楽器の演奏方法の理解が深まるよう、カラー写真とともに手順を掲載している、また、鑑賞において曲のイメージを抱けるよう、イラストを使用し、ストーリーを示していることを選定理由に挙げております。
 151ページを御覧ください。上から3行目、書道研究につきましては、生徒が主体的に学習に取り組めるよう、創作活動の資料が掲載されている、また、書道用語が掲載されているとあります。
 その下の書道表現につきましては、実用書について生徒が主体的に学べるよう、写真の大きさやレイアウトに工夫がなされていると示しております。
 次に、外国語のコミュニケーション英語1についてですが、生徒が見通しを持って学ぶことができるよう、各レッスンの冒頭に「Reading」「Grammar」「Activity」を設けている、また、表現力を高めることができるよう、各レッスンの各パートに「What do you think?」を設けていることを選定理由に挙げております。
 次のページを御覧ください。一番上のコミュニケーション英語3についてですが、4技能のバランスのとれた英語力の育成を図ることができるよう、「Communication Task」に読んだことや聞いたことをもとに自分の意見を紹介したり、発表したりする言語活動を設定していることを選定理由と挙げております。
 英語表現1につきましては、生徒が段階的に英語での表現力を高めることができるよう、「Expressing」を設け、ペアでの言語活動や、自分の意見をまとめたり発表する活動を設定していることを選定理由に挙げております。
 一番下の家庭の家庭基礎についてですが、生徒の興味関心を高めることができるよう、「FOLLOW UP」が示されている、言語活動を設定し主体的に学習を深めることができるよう、「try & hint」が示されているということを選定理由に挙げております。
 次の153ページには、家庭と情報を示しておりますが、変更はございません。
 美鈴が丘高等学校につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 よろしいですか。それでは、美鈴が丘高等学校については以上といたします。
 ここで昼休憩とします。
 議事の再開は午後1時からといたします。

 (休憩)

糸山教育長

 それでは、議事を再開します。
 午前中に引き続き、議題2の議案第40号「平成30年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について」の審議を進めます。
 それでは、広島みらい創生高等学校分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 資料の155ページを御覧ください。広島みらい創生高等学校の教科用図書の選定手順について記載されております。
 次の156ページを御覧ください。この学校につきましては、新たに全ての教科書を選定いたしますので、読ませていただきたいと思います。
 まず、「1 学校の特色」ですが、本校では、生徒が自分のペースで学習可能な学びのシステムを提供するため、午前から夜間までの幅広い時間帯に授業や面接指導を実施するとともに、平日登校コースの「授業」を中心とした学習、あるいは通信教育コースの「面接指導、添削指導」を中心とした学習の中から、自由に教科・科目を選択できるようにしている。また、基礎的・基本的な学習内容の定着を図るため、少人数指導や習熟度別指導を導入し、個に応じたきめ細かな学習指導を進めることとしています。
 次に、「2 生徒の実態」です。平成29年度は本校に生徒は在籍していないため、想定される生徒の状況は「新しいタイプの高等学校の整備に係る基本構想」において次のとおりとなっています。
 近年の定時制・通信制課程においては、高等学校を退学して再び入学する生徒、中学校時代に不登校傾向のあった生徒など、様々な事情や背景を持った生徒が在籍しています。また、中学校時代までに身に付けるべき基礎的な学力やコミュニケーション能力が身に付いていない生徒なども在籍しており、定時制・通信制課程に対するニーズは、学び直し、他者との交流、進路の探求など多様化しています。
 学校におきましては、こうした生徒の状況を踏まえ、学び直しや発展的な学習を主とする学校設定科目を設定することとし、観点の1から5までを設定し、教科書の選定に当たっております。
 158ページを御覧ください。それでは、具体的に選定をされました教科書について、一つずつ説明をしてまいります。
 まず、国語の国語総合、これは必履修教科になりますけれども、机上にございます「新編国語総合」の教科書を御覧ください。学校で選定いたしましたのは、東京書籍の教科書となります。教科書の63ページを御覧ください。こちらに「評論の読み方」と記載してありますけれども、生徒にこの読み方などの基礎的、基本的なところから指導を行うということで、基礎基本の定着を図るとともに言語文化への興味・関心を広げることが容易であるということから、こうした教科書を選んでおります。「評論の読み方」、63ページ。また、75ページを御覧ください。こちらの方には、「詩の読み方」というのを記載をしております。さらに252ページ、「古文学習のしるべ」ということで、古文の言葉と仮名遣いを特設して、生徒が学習しやすい内容となっております。さらに250ページを御覧ください。古文の内容についてですが、赤い字で現代文を記載しており、生徒が扱いやすい記載の仕方となっておりまして、これは定時制・通信制ともに選定した教科書ですが、生徒が家庭で学習しやすいような作りとなっているということでございます。こうしたことから、東京書籍の教科書について申請がございました。
 次に、学校設定科目Aとあります。この学校設定科目Aというのは、学び直しであり、国語総合を履修する前に学ぶ科目となります。学び直しの科目ですけれども、選定教科書につきましては、先ほど御説明したものと同じ教科書を選定しております。これは、同じ国語の教科書を2冊買うということは、それだけ経済的負担を子どもに強いるということになりますので、同一の教科書を使って学習をさせ、不足部分につきましては、副教材や自作のプリントなどを使って指導したいと学校は考えております。
 次に、3行目、地理歴史の世界史Aについてですけれども、帝国書院の「明解 世界史A」を選定しております。選定理由につきましては、生徒が近現代の大きな流れを把握し学習できるよう、特設ページ「明解!近現代史」を適宜設けているということでございました。
 次に、公民の現代社会についてですが、第一学習社の「高等学校 改訂版 新現代社会」を選定してきております。生徒の興味・関心を高められるよう、各章の始めに特設ページを設け、その章で学習する内容と関連する身近な事例を写真や絵図等を用いて説明をしているということでございます。
 次に、数学の数学1でございますが、机上の「改訂版 新 高校の数学1」の教科書を御覧ください。数研出版の教科書を選定しております。教科書の6ページを御覧ください。こちらに記載している内容は、いわゆる算数の学習内容も含めた内容になっております。8ページの中段、「正の数と負の数」と書いてございますが、そこの左側に「復」と書いてあります。これは中学校の学習内容の復習ということになっておりまして、それが8ページから11ページまであります。16ページを御覧ください。16ページの「多項式の乗法」というところの指数法則の17行目からが高等学校の学習内容になっているということでございまして、算数から中学校の数学、そして高等学校の数学1というように段階的に学べるような構成になっております。さらには、88ページを御覧ください。88ページの「確認問題」、こうした問題を適宜設けておりますが、その左側に通信制教育の生徒でも学びやすいようにこの問題ができなかったらどこのページへ戻ればよいのか、振り返りができる構成になっておりまして、自学自習をするのに適した教科書となっております。さらに、160ページを御覧ください。「課題学習」に、課題解決的な学習を容易なものから難しいものまで段階的に学べるようになっておりまして、161ページの下に「広げよう」というところがありますが、これは数学1の内容から数学2の内容への接続が考慮された構成となっております。こうした内容から、本校の生徒の状況に最も適した教科書ということで、この数研出版の教科書を選定しているということでございます。
 資料の158ページを御覧ください。数学Aでございますが、数研出版の「改訂版 新編 数学A」を選定しております。スムーズに高等学校で学習する内容に取り組めるよう、巻末に中学校で学習した基本事項がまとめられており、また、数学の興味・関心を高めることができるよう、章の終わりに「コラム」が設けられております。
 159ページを御覧ください。学校設定科目B、いわゆる学び直しの科目でございますが、こちらについては、先ほど御説明いたしました、数研出版の「改訂版 新 高校の数学1」を選定しております。選定理由ですけれども、先ほどの158ページの数学1の選定理由とこの学校設定科目Bの選定理由が少し変わっております。これは使い方を少し変えるということでございまして、選定理由を読ませていただきますと、中学校までの既習事項の部分にマークを表示するなどして学び直しに対応させるとともに、各章の始めに身近な話題を取り上げ、興味・関心を高めるための工夫もされていると示されております。
 次に、理科の科学と人間生活でございます。啓林館の「科学と人間生活」を選定しております。基礎基本の定着を図ることができるよう、各章に「まとめの問題」を設けており、また、生徒の興味・関心を高めることができるよう「やってみよう」を設定しているとあります。
 次に、化学基礎でございますが、東京書籍の「改訂 新編化学基礎」を選定しております。基礎基本の定着を図ることができるよう、学習内容を振り返る「復習」を設けており、また、興味・関心を高めるとともに言語活動の充実を図ることができるよう「探究」を設けているとあります。
 地学基礎につきましても、東京書籍の「改訂 地学基礎」を選定しております。基礎基本の定着を図ることができるよう、各章末に「まとめ」と「編末確認テスト」を設けており、また、生徒の興味・関心を高めることができるよう「アースペディア」を掲載しているという選定理由となっております。
 次に、保健体育の保健についてですが、大修館の「最新高等保健体育改訂版」を選定しております。健康の保持増進のための実践力を育成するための課題学習が充実しており、また、生徒の興味・関心を高めるよう、身近な生活における例が適宜取り上げられているとなっております。
 次に、芸術の音楽1ですが、教育芸術社の「高校生の音楽1」を選定しております。生徒が興味・関心を持って意欲的に学習を進められるよう、楽曲や活動ごとに学習目標が明示されている、生徒が基本的な内容を理解しやすいよう、参考資料が充実しているとしております。
 160ページを御覧ください。美術1についてですが、日本文教出版の「高校生の美術1」を選定しております。作者の表現の工夫が読み取れるよう、原寸大で作品を掲載するページを設けており、また、生徒が意欲的に学習に取り組むことができるよう、「これからの私と美術」を設けているとしております。
 書道1については、東京書籍の「書道1」を選定しております。生徒がイメージを持ちやすいよう資料等の大きさやレイアウトが工夫されており、また、巻末資料の「書道用語集」を設けるなど、学習効果を高める工夫がされているとしております。
 次に、外国語のコミュニケーション英語1ですが、机上の教科書「All Aboard!」の31ページを御覧ください。一番下のところの「レッスンゴール」には、それぞれのレッスンの目標、目的が示されております。ここでは、日本文化について英語で説明することができるということを学習の目標といたしまして、この章について学んでいるということとなります。基礎基本を定着させ、4技能を育成することができるよう、学習到達目標が各レッスンに明示され、学習内容が定着するよう、各レッスンの終わりに「Reading Out」や「Review Listening」などが設定されているとなっています。
 次に、学校設定科目Cでございますが、これは外国語の学び直しの科目になります。「All Aboard!」を選定しておりまして、先ほど見ていただきましたコミュニケーション英語1の教科用図書と同じでございます。中学校までに学習した基礎的・基本的な文法事項を復習し、定着させることができるよう、“Warm-Up”と“Pre-Lesson”を設けております。
 次に、家庭の家庭基礎でございますが、東京書籍の「家庭基礎 自立・共生・創造」という教科書を選定しております。基礎基本の確実な定着を図ることができるよう、既習事項との関連を示した「小学校、中学校の学習とのつながり」のページを設けております。発展的な学習につなげることができるよう、課題解決の道筋をフローチャートで示しているという選定理由となっております。
 次に、工業についてですが、工業の工業技術基礎に、実教出版の「工業技術基礎」を選定しております。生徒の興味関心を高めるとともに理解の定着を図ることができるよう、事例や記述がなされ、イラストなどの資料を多く掲載しております。
 次に、161ページの商業を御覧ください。商業のビジネス基礎につきましては、実教出版の「ビジネス基礎 新訂版」を選定しております。生徒の興味関心を高めるよう、具体的事例を「CASE」として掲載しており、生徒が復習する際に活用できるよう、章末に「確認問題」を設定しているとあります。
 次に、福祉のコミュニケーション技術に、実教出版の「コミュニケーション技術」を選定しております。学習のねらいに応じた言語活動の設定ができるよう、演習例が「Study」に示されております。生徒の興味・関心を高めることができるよう、手話に関する資料等が巻末等に示されております。
 ここまでが広島みらい創生高等学校の定時制です。
 通信制につきましては、その次の162ページから示されておりますが、教科書につきましては、ほぼ同様の内容について記載されております。
 162ページを御覧ください。中段の地理歴史に日本史Bというのがありますが、この日本史Bについては、定時制にない科目になっております。これにつきましては山川出版社の「詳説日本史 改訂版」を選定しております。
 なぜ、日本史Bを通信制でということなんですが、定時制の教育課程がかなり複雑になっておりまして、もうこれ以上入れられないという状況になっています。日本史Bというのは、日本史でもやや難易度が高い内容になっておりまして、この内容を学ぶことによって、難関大学への受験も可能となる科目となっております。こうしたことから、通信制にこの日本史Bを設けまして、定時制の生徒も併修できますので、いわゆる受験対応も可能な教育課程を編成するということで、設けた科目でございます。選定の理由といたしましては、学習の見通しを持たせることができるよう、その章で学習する時代について、世界的な背景とともに要約して示しているとしております。
 164ページを御覧ください。家庭の家庭基礎について、教科書をお示しして御説明したいと思います。教科書の3ページを御覧ください。小学校、中学校の学習とのつながりというのが掲載されていまして、小・中学校の学習内容の振り返りができる教科書の作りとなっているということでございます。10、11ページに自分の意見を文章にまとめようというページがございまして、通信制で学ぶ生徒が家庭科のレポートを作成するに当たっても適した教科書であるということから、この教科書を選定しているということでございます。
 広島みらい創生高等学校につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

秋田委員

 日本史Aと日本史Bはどう違うのですか。

指導第二課長

 日本史A、日本史Bというのは学習内容の範囲が異なっており、日本史Bの方がより深いところまで学ぶこととなっております。

溝部委員

 まだ学生が集まっていない段階で教科書を決めていくというのは、大変困難だったのではないかなと推察しています。したがって、今回選んだ教科書に不都合があれば、また来年度新たにということだろうと思って聞いたのですが、これは良いことだなと思って聞かせていただいたものが一つあります。学校設定科目ABCと、国語、数学、英語とありまして、これが国語あるいは数学あるいは英語の授業科目と同等の教科書を使って授業を行うということです。これは大変すばらしいなと思いました。一つの教科書を徹底的に、丁寧に学習させるという方向性といいますか、姿勢といいますか、是非それを貫いて、基礎基本の徹底を図ってもらえたらと思いました。以上です。

鈴木委員

 カリキュラム上のことだとは思うのですが、今年度の理科は化学と地学ですね。2年目に別の生物であるとか物理であるとかが入っていくと、そのように理解していいのかどうか。カリキュラムの問題なので、多分そうだろうと思いながら聞きました。それが1点です。
 あとは、多様な子どもたちが、自分でカリキュラムを組むというようなイメージだったように記憶しているのですが、教科書は、全て持つということなのか、選んで持つというようなことなのか。例えば進学したいと思ったらそのようなプランを作り、福祉関係のことを学びたいと思えばこれ、工業ならこれというイメージで聞いていたのですが、子どもたちが持つ教科書と考えたときに、全部そろえておくと考えるのか、興味に応じてそろえていくというイメージで捉えていらっしゃるのか、お聞きしたいのですが。

指導第二課長

 まず、理科の科目設定については、鈴木委員がおっしゃるように、1年目についてはこの履修科目を設定しているということでございます。
 2点目のどの教科書を生徒が持つかということですが、生徒が入学をしましたら、いわゆる担任に代わるチューターに、履修内容について細かに指導を受けます。その指導を受ける中で、先ほど委員がおっしゃいましたように、進学をするのか、就職するのか、商業を選ぶのか、工業を選ぶのか、福祉を選ぶのか、それによって持つ教科書が変わってまいります。自分が履修する教科、科目の教科書を購入して勉強するということになります。

鈴木委員

 基本的にみんなが持つものと、その子その子に応じて持つものとに分かれていくということですよね。

指導第二課長

 はい、そうです。

鈴木委員

 途中で関心が変わったりした場合には、それも対応していくということですね。関心が変わるというのは、つまり、福祉をやってみたけれども、工業を勉強したいなという子が現れたときには、それはそれで対応をしていくというようなことでよろしいですか。

指導第二課長

 そうですね。基本的に、資格取得というのを一つの目的としております。最初の履修登録についての教育相談にしっかり取り組んでいきたいと考えていますが、今、鈴木委員がおっしゃられたことも可能だと考えております。

鈴木委員

 ありがとうございました。

井内委員

 学校設定科目というのが、まだちょっとよく理解ができていないのですが、これはどういう生徒が履修するという設定なのですか。

指導第二課長

 高等学校の教育課程の場合、必履修教科・科目という必ず全員が履修しなければならない教科、科目があります。あと、文部科学省が示した、教科、科目というのがあります。例えば理科という教科でありますと、生物基礎や物理基礎の科目の内容について、指導内容などを含めて示しております。しかしながら、例えば、発展的な学習を学びたいとしたときに、学校が独自に新しい科目を作ることができるようになっております。それは、事前に教育委員会の方にカリキュラムであるとか、使用教科書や指導内容等を申請をいたしまして、教育委員会との協議を経て、科目として開設することができる、それを学校設定科目とよびます。広島みらい創生高等学校の生徒の特色から、小学校、中学校の既習内容について学ぶ科目を設定するために、学校設定科目として設けております。

井内委員

 今の説明だと、通常は学校設定科目というのは、発展的な内容を学習するために設定されるものなのだけれど、広島みらい創生高等学校では、むしろそれではついていけない子どもたちのために設定をする、というニュアンスでよろしいですか。

指導第二課長

 両方あると思います。発展的な学習をするものもありますし、学び直しのための学習をするということもあります。

井内委員

 それは同じクラスではないのですか。同じ教科書を使いながら、個々に応じて、君はこのようにこれを使いなさいとか、君はここからやってみたらどうというような指導がなされる、というような理解でいいですか。

指導第二課長

 そういうイメージです。

井内委員

 分かりました。それが科目としては学校設定科目ということですね。

指導第二課長

 そういうことです。

井内委員

 それで合格すれば単位が取れるという位置付けですね。

指導第二課長

 そうです。今後についてですが、現在、学校設定科目Aという名称としていますが、この名称も学校で定めることができるようになっておりまして、今後、学校として、例えば数学基礎とかですね、そのような新しいネーミングを考えることになろうかと思います。名称は学校が決めることができるようになっております。

井内委員

 今は国語と数学と外国語に学校設定科目があるのですが、もっと増えていく可能性もあるのですか。理科とか。

指導第二課長

 はい。予定といたしましては、今後、難関大学への受験をする生徒もいるということも想定されますし、他の教科、科目についても、もう一回学び直していく必要がある生徒もいる可能性もあります。ですから、学校設定科目、あるいは、学校設定教科というのもあるのですけども、教科を作るということも実はできるんですけれど、そうしたものを、新たに今後、設けていくということも十分考えられます。

井内委員

 分かりました。ですから、同じ教科書を使いながらそれをどう生かすかという、指導者側の工夫で、同じ教科書でも使い方を工夫すれば、レベルの高い子もついてこれない子も対応できるということでこの教科書を選んでいるという認識ですね。

指導第二課長

 はい、おっしゃるとおりです。

井内委員

 はい、分かりました。

糸山教育長

 確認なんですけど、同じ教科書なのですか。国が定めているもの以外の学校設定科目は、発展的な学習も学び直しも同じ教科書でやると。発展的な学習用の教科書と学び直し用の教科書ではなくて、一つの教科書なんですか。

指導第二課長

 科目によって1種目の教科用図書を選定、採択することになっておりますので、1種目選ぶことはあるのですけれど、同じでないといけないということはありません。ですから、別に変えて選定することも可能なんですけれども、広島みらい創生高等学校の場合は、生徒への負担を考えて、1冊を徹底的に指導するということです。

糸山教育長

 それで両方できる教科書を選んでいるのですね。分かりました。

栗栖委員

 今年はスタートということで、1学年という表示がなされているのですけれども、来年になったら、1学年から2学年になるのですね。
 今年の採択とは関係ないのですが、例えば、来年もし教科書を変えるというような事態になった場合は、もっと別の教科書がいいというようなケースになった場合というのは、どうなるのですか。1年間使用した教科書が変わるという可能性がありますよね。その辺の展望というか、今年はこれで審議されていいと思うのですけれども、次の年のことを考えた場合は、それはそのときにまた考えるということになるのですか。

指導第二課長

 教科書については、一つの授業の中で二つの教科書があるというわけにはまいりませんので、同じ科目を履修するということは、1年生のときに履修をしたけれども単位が認定されなかった生徒が、もう一度取り直すというケースだと思います。その際に、もし教科書が変わっていれば、生徒には負担にはなるのですけれども、新たな教科書を購入する必要があります。そうならないように、しっかりとケアしていきながら、履修した科目については単位が取れるように指導していくということになろうかと思います。

糸山教育長

 よろしいでしょうか。
 それでは、次の学校に移ります。
 次に、広島中等教育学校(後期課程)分についての説明をお願いします。

指導第二課長

 広島中等教育学校につきましては、最初に御説明しましたように、今年度、1年生が在籍しておりまして、来年度、2年生までの学校となります。
 166ページに選定手順、167ページに学校の特色及び生徒の実態を示しております。
 169ページを御覧ください。広島中等教育学校につきましては、2年生は新たな学年でございますので、2年生の内容については、全て御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、169ページの国語、1年生については変更はございません。
 2年生の国語の現代文Bについてでございますが、こちらは左側2に丸(○)がついてございます。つまり、この「精選現代文B」という大修館の教科書については、昨年度、採択しておりまして、継続して使用する教科書ということになっております。
 170ページを御覧ください。上2つの古典Bについても同様でございます。
 次に、地理歴史の世界史A、これは変更はございません。
 2年生の日本史Bについては、山川出版社の「詳説日本史 改訂版」を選定しております。理由についてですが、生徒が史料を通して歴史的事象を考察することができるよう、関連する史料を原文で適宜掲載しているとしております。
 次に、地理Bについてですが、机上に教科書を置かせていただきました。228、229ページをお開けください。発展的な学習の充実を図るため、学習した内容に加えて、更に詳細な説明をする「プラスα」を適宜掲載しているということでございまして、228ページの左側、「等質地域と機能地域」というもの、これは右側に書いてある本文に更に詳細な説明を加えている内容となっております。また、229ページにおいても、「ヨーロッパとアジアにまたがるロシア」という内容を記載し、指導内容の深まりを持たせる内容となっております。
 次に、地図ですが、二宮書店の「詳解現代地図」を選定しております。生徒が主体的に活用できるよう、テーマを示し、複数の主題図で考察する「地図で読み解く地域」を設けております。
 次のページを御覧ください。公民の現代社会についてでございますが、実教出版の「最新現代社会 新訂版」を選定しております。生徒が学んだ知識を活用して自ら課題を発見し、その解決に向けて探究し表現することができるよう、適宜「Study」を掲載しております。
 次に、倫理ですが、第一学習社の「高等学校 改訂版 倫理」を選定しております。生徒が目的意識を持って主体的に学習に取り組めるよう、各単元の冒頭に、学習のポイントを問いの形で示しております。
 次の政治・経済についても、第一学習社の教科書を選定しております。選定の理由については、倫理と同様になっております。
 次のページを御覧ください。数学の数学3を新規で選定しております。学習内容の定着を確認できるよう、節末問題は参考となるページを付しており、また、章末問題は、その章の復習問題をA、総合的な問題をBと分類して示しております。
 次に、数学Bについてですが、数研出版の「改訂版 数学B」、基礎基本の定着を図ることができるよう、例題は難易によって三つに分類し、応用例題には解答の指針を示しております。
 次に、理科の化学基礎については、新しい教科書を選定しています。机上にございます、実教出版の「化学基礎 新訂版」の教科書を御覧ください。32ページを御覧ください。基礎基本の定着を図るとともに、学習内容を深く理解することができるよう各章に「まとめ」、「節末問題」を設けております。また、発展的な内容を学習することができるよう「論述問題」と「Chemical Eyes」を掲載しているということでございまして、32ページには、「まとめ」と、さらに、考えたことを自分の言葉で書くという内容の論述問題を設けております。238ページを御覧ください。グローバルリーダーを育成したいということで、化学的な内容を英語で読むということで、英語で記載した教科書を申請しております。さらに、242、243ページは精神的な内容について示しております。かなり英語を使っており、珍しいのではないかと思いますが、こういったものを選定しております。
 それでは、資料の173ページを御覧ください。物理についてでございますが、数研出版の「改訂版 物理」を選定しております。基礎基本の定着を図ることができるよう、「復習」、「関連」を設けております。また、発展的な学習が可能となるよう、各章末に「演習問題」を設けております。
 次に、化学ですが、実教出版の「化学 新訂版」です。生徒の興味関心を高めるとともに、学習内容の理解を深め、発展的な内容を学習することができるよう、「Chemical Eyes」を設けております。
 次に、生物ですが、第一学習社の教科書を選定しております。基礎基本の定着を図ることができるよう、単元のまとめを「整理」で掲載している、また、生徒の興味関心を高めることができるよう、用語に英語表記を用いているということになっております。
 次に、地学基礎についてでございますが、実教出版の教科書を選定しております。基礎基本の定着を図ることができるよう、各章末に「Check」と「Challenge」を設け、また、ページ上部に学習内容のインデックスが示されており、表現を工夫しています。
 174ページを御覧ください。芸術の音楽2につきましては、教育芸術社の「高校生の音楽2」を選定しました。生徒が問題解決的な学習ができるよう、課題が設定されており、また、生徒が主体的に学習に取り組めるよう目標や学習のポイントを示しているとしております。
 175ページの美術2ですが、日本文教出版の「高校美術2」を選定しております。生徒が現在の芸術の状況について理解できるよう、表現と鑑賞、デザインとファインアートのバランスがそれぞれ適切に取り上げられています。
 書道2につきましては、東京書籍の「書道2」です。生徒が主体的に学習に取り組めるよう、単元ごとに「自己評価の要点」が示されており、また、生徒が主体的に作品制作ができるよう学習のポイントが示されています。
 次に、外国語のコミュニケーション英語1ですが、東京書籍の「PROMINENCE」を選定しております。生徒が本文内容の理解を深め、英語発信能力を身に付けることができるよう、各レッスンの終わりの「Communication Activity」において、キーワードを用いて本文内容をまとめたり、意見を述べたり、話し合ったりする言語活動を設定しています。
 次に、コミュニケーション英語2ですが、東京書籍の「PROMINENCE」です。生徒が本文内容の理解を深め、英語発信能力を身に付けることができるよう、各レッスンの終わりの「Communication Activity」において、話し合ったり書いたりする言語活動を設定しております。
 次に、176ページを御覧ください。コミュニケーション英語3につきましては、三省堂の「CROWN」を選定しております。言語活動を行うことで英語の発信能力を高めることができるよう、各レッスンの終わりに「Your Opinions」「Functional Expressions」を設けております。
 次に、英語表現2ですが、数研出版の「DUALSCOPE」です。生徒が段階的に英語での発信能力を高め論理的に英語で表現できるよう、各セクションの目標を明示し、内容を3セクションで構成しているということでございます。
 最後に、情報の社会と情報でございます。実教出版の教科書を選定しております。机上に置いてあります、「最新社会と情報 新訂版」の教科書を御覧ください。27ページを御覧ください。生徒が情報モラルを身に付けるため、全ての章において側注にモラルやセキュリティ等を解説する「ルールNAVI」や「マナーNAVI」、「モラルNAVI」というのを設けておりまして、生徒が学びやすい構成になっております。27ページの右側のところに「マナーNAVI」というのが掲載されていると思います。こうしたものを適宜設けております。
 広島中等教育学校につきましては、以上でございます。

糸山教育長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

溝部委員

 175ページの外国語のコミュニケーション英語1で選定されている「PROMINENCE」についてです。広島市の高等学校の中でもこの広島中等教育学校というのは大変期待されている学校だと判断しているのですが、基町高等学校の教科書とちょっと比べて見ていました。学校の実態があってそれぞれだとは思いますけれども、基町高等学校が昨年度まで「PROMINENCE」を使っていたということですかね。基町高等学校は、21ページのコミュニケーション英語1のところで「PROMINENCE」を使っていたのだけれども、今年は「MAINSTREAM」を選定していますね。それで、観点の評価にこのように二重丸(◎)がついている。そして、昨年度まで基町高等学校が採用していた教科書を、来年度は広島中等教育学校が、「PROMINENCE」を使いますと。それで、観点の評価が、評価者が違うからでしょうか、評価が違っているということなのですが、ここら辺の、高等学校の先生方同士の情報交換というのはどうなっているのかなというのが一つ疑問です。教科書と先生方だけのコミュニケーションなのか、あるいは高等学校の先生方同士の中で評価部会のようなものがあるのかないのか。そこらも関連してくるのかなと思っています。是非、良い教科書をそれぞれ使ってほしいという願いで、今、お話をしております。以上です。

指導第二課長

 情報交換というと、教科書選定に関わっては行われていないのですが、研修会等は年に1回、全ての市立高等学校の先生方が集まられて、授業研究をされる場がございます。その際に、情報交換というのはされているだろうと思いますが、今後より一層、溝部委員の御指摘を受けて行ってまいりたいと思います。

鈴木委員

 質問というよりは、意見みたいなものなのですが、化学基礎で、英語で論述されているものを使われていますよね。これは画期的だと思います。コミュニケーションと言われていますけど、実際には読むというのは結構よくあることです。英字新聞を読んだりですね。単なる会話ではなくて、論述として読むのはすごく英語の力を鍛えるのでいいなと思ったのですが、これは化学だけなのか、なぜこれを選ばれたのか、お聞きしたいところです。広がる傾向があるのかどうか、分かりますか。

指導第二課長

 この実教出版の教科書、英語で書かれているものについては、今年初めて作られたものではなくて、従前からこういう形で掲載をされていると認識しております。ただ、この教科書を選定する学校というのは、かなりレベルの高い高等学校でありまして、広がりがあるかないかというとですね、あまり他社が追随していないのではないかと思われます。ただ、広島中等教育学校においては、この教科書を選定して、高校3年生のところで、英語を使った論文を作成したいと考えて取り組んでおります。そのために、海外への修学旅行も現在計画中なんですけれども、こうしたものが一つの、生徒への興味関心というものにつながればということで選定されております。

鈴木委員

 面白い試みだと思います。

井内委員

 これは、1年生、2年生の教科書ですよね。2年生の場合に、数学にしても数3まで入っているということは、3年生修了時までの学力を早く付けさせたいという意図ですね。そうすると、3年生については、どうなるのか。変な話だけども、教科書はもう使わないという前提で、もうこの学年で数3まで全部終わらせようという計画と理解してよろしいのですか。

指導第二課長

 まず、数学についてなのですが、数学3については2か年で履修する計画をしております。詳細に深いところまで2か年をかけて一つの教科書をやり切っていくというような教育課程を組んでおりまして、こういう教育課程を組めるのも、中学校レベルの頃に先取りをして学習をしたことによってできることなんですけれども、それで特殊な教育課程を組んでおります。

井内委員

 他の教科でもそういうやり方はあるのでしょうか。

指導第二課長

 先取りをして、2年生、3年生の分割履修で深まりを持たせるというのは、あと理科でもやっております。

井内委員

 そうですね。物理基礎、化学基礎、生物基礎というのと、この物理、化学、生物と分けてありますね。その上で、化学、生物については演習というのが入っているというのは、どういう役割分担になるのか。すっと入ってこないのだけど。

指導第二課長

 あと、英語のコミュニケーション英語3も同様に分割履修にしております。

井内委員

 最初の質問に戻れば、3年生の時は、2年生で選択された教科書を繰り返すのか、あるいはパートに分けてやるのか、どちらにしても精読していく形で利用されるであろうと理解していいですか。

指導第二課長

 はい。

井内委員

 あとは、社会とか理科とかいうのは、これは、文系、理系の進路によって分かれていくであろうという前提でいいですね。

指導第二課長

 そうですね、はい。

井内委員

 はい。分かりました。

秋田委員

 全く分からないので教えてほしいのですが、私立の高等学校は、今日出たもの以外のものを使うのですか。

指導第二課長

 本市においてもそうなんですけども、基本的には、今、お手元にございますこの目録から選定をするということが大原則になります。しかしながら、先ほど言いました学校設定科目であるとか、学校設定教科というのは、この中に記載がない、あるいは、本校の生徒の実態に合わないという場合は、学校が独自に一般図書というのを選定できるようになっています。ですから、私立の場合においてもそういった一般図書を使われているケースがあるのではないかと思います。

糸山教育長

 よろしいですか。

秋田委員

 はい。

溝部委員

 全体を通してでもいいですか。

糸山教育長

 はい。

溝部委員

 全体を通しての感想なんですけれども、例えば9ページの「学校の特色」と「生徒の実態」とその下に「調査の観点及び視点」が書いてあるところの、3の「調査の観点及び視点」のところです。基町高等学校と広島中等教育学校のみ丸6があって、あとは全部丸1から丸5までしかないのです。昨今、高等教育がとても問われていまして、高大接続ということもあり、高等教育に掛けられている期待はとても大きいと思うのですけれども、やはり、教科書というのはその中心になるので、ある程度高いレベルのものを使って、良い教科書を使って、子どもたちの実態を引き上げていくということが非常に大事であろうと考えるのですが、初めから丸6が他の高等学校にはない、視点にないということが、とても疑問なんですけれども、ここらは学校が独自で考えるところなのか、あるいは、教育委員会の方で丸6までと言えるのか。指導要領から考えても、ここに多くの比重が掛かるかどうかは別としてですね、一応、視点として設定すべきであると思うのですが。今、その辺がちょっと疑問に思って。全体を眺めての感想ですけれども、いかがですか。

指導第二課長

 教育委員会の方では、丸1から丸5までを例示させていただきまして、丸6以降については、各学校が独自に設定をするということにしております。それで、発展的内容の充実ということを両校挙げてきているのですけれども、例えば、舟入高等学校でその視点がないかというと、そうではなくて、例えば、丸5の中に言語活動の充実のところへそれを含めて検討するというようなことを行っているというのが実態でございます。ただ、溝部委員がおっしゃいましたように、この丸6の発展的内容の充実という視点は、当然、どの学校においても、今後検討するべき内容でありますので、それにつきましては、今後、教育委員会の示す例示にも含める等、検討してまいります。ありがとうございます。

溝部委員

 そうですね。是非、よろしくお願いします。

糸山教育長

 その他、よろしいですか。
 以上、各学校分についての説明を受け、質疑を行いました。
 それでは、お諮りいたします。議案第40号「平成30年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について」、原案どおり可決することで御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は、原案どおり可決することに決定いたしました。
 次に、議題3、議案第41号「平成30年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について」を議題とします。
 本件は審議案件です。内容について特別支援教育課長から説明をお願いします。

特別支援教育課長

 まず、資料の29ページを御覧ください。
 本日採択していただきたい図書につきまして、それぞれ太枠で囲んでおります。太枠で囲んでおります所について採択をお願いするものでございます。
 特別支援学校及び小学校・中学校の特別支援学級に在籍しております児童生徒につきましては、一人一人の障害の実態等に応じて特別の教育課程を編成するなどし、当該学年の文部科学省検定教科書を使うことが適当でない場合には、それ以外の教科用図書を使用することが法令で規定をされており、いろいろな種類の教科用図書の採択が必要となっております。
 それではまず、「1 広島市立広島特別支援学校で使用する教科用図書」について御説明させていただきます。
 広島市立広島特別支援学校は、知的障害者を対象とする特別支援学校であり、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領に基づいて教育課程が編成されているため、文部科学省が著作の名義を有します文部科学省著作教科書及び学校教育法附則第9条の規定による教科用図書であります一般図書、主には市販の絵本等が該当いたしますが、これらを使用しております。
 文部科学省の著作教科書につきましては、原則4年ごとに採択替えを行うことになっており、小学部用は平成26年度に、中学部用は平成27年度に採択しておりますことから、今年度の採択は必要ございません。
 一番下の一般図書につきましては、毎年採択を行うことになっておりますので、今年度の採択が必要でございます。
 その1段上でございますが、文部科学省検定教科書(小学校用 道徳)につきましては、今年度から新たに採択が必要となっておりますので、説明をさせていただきたいと思います。
 特別支援学校の教科用図書は、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領に示されております各教科について採択することになっておりますが、平成30年度から特別支援学校小学部におきましても小学校と同様に「特別の教科 道徳」が実施されることになりました。そこで今年度から新たに「特別の教科 道徳」の教科用図書の採択が必要となります。「特別の教科 道徳」以外の教科につきましては、学習指導要領の中で特別支援学校と小学校等で教科の目標や内容が異なっていることから、検定教科書の使用は望ましくありません。しかしながら、この「特別の教科 道徳」につきましては教科の目標や内容につきまして小学校に準じることとなっていることから、使用いたします児童の実態が小学校の児童に近い場合には、小学校用の検定教科書を使用することも可能となってまいります。また、児童の実態が小学校の児童と大きく異なる場合には、文部科学省の著作教科書が無いために、他の教科と同様に一般図書を使用することとなります。
 この検定教科書の採択につきましては、資料の3ページを御覧ください。
 広島市立広島特別支援学校で使用いたします「特別の教科 道徳」の検定教科書につきましては、小学校と特別支援学校間の転校の可能性等も踏まえまして、広島市立小学校用として採択されました発行者の教科用図書を採択することが望ましいと考えております。
 それでは再度、29ページを御覧ください。
 続きまして、「2 広島市立小・中学校特別支援学級で使用する教科用図書」について説明いたします。
 小学校、中学校の特別支援学級においては、児童生徒の障害の実態により、その児童生徒に応じて特別支援学校の教育課程を参考にした特別の教育課程を編成することができます。そこで小学校、中学校の特別支援学級におきましては、個々の児童生徒が取り組む目標や内容に応じて、文部科学省の検定教科書だけではなく、文部科学省の著作教科書あるいは一般図書を使用することができることとなっております。
 このうち、文部科学省の検定教科書につきましては、「特別の教科 道徳」を含め小学校用として採択をしており、特別支援学級も小学校の学級の一つであることから新たに採択をする必要はございません。
 また、文部科学省の著作教科書につきましては、原則4年ごとに採択替えを行うことになっており、小学部用として平成26年度及び中学部用として平成27年度に採択をしていることから、今年度の採択は必要といたしません。
 一方、一般図書につきましては、毎年採択を行うこととなっており、特別支援学校と同様に本年度も採択を行う必要がございます。
 それでは、資料の31ページを御覧ください。
 31ページの上段にございます採択の基本方針につきましては、5月の教育委員会議において御審議を頂いております。
 また、31ページの下段にございます採択の手順につきましては、採択の基本方針を受けまして教育長決裁により決定しておりまして、昨年度との変更点はございません。
 この採択の手順を図示しましたものが、次の32ページにございます。
 特別支援学校及び特別支援学級に在籍している児童生徒につきましては、その障害等の実態が様々であるため、各学校において児童生徒一人一人の実態を踏まえた教育課程を編成しており、その教育課程に応じた適切な教科用図書を選定することとしております。そのため、例年各学校から申請のありました教科用図書について、教育委員会議におきまして審議いただき、採択することとしております。
 具体的な流れといたしましては、まず、図の一番上の「広島市教育委員会」の枠に示しておりますように、教育委員会で決定しました採択の基本方針及び教育長が決定いたしました手順に基づきまして、各学校に対して採択に係る手続や留意事項について通知いたします。それを受けました各学校長は教科用図書選定委員会を設置し、委員及び調査員を委嘱又は任命するとともに、教科用図書選定委員会に教科用図書の選定を諮問いたします。教科用図書選定委員会が定めました観点及び視点に基づいて、調査員が各教科の教科用図書について調査研究し、教科用図書選定委員会に報告いたします。教科用図書選定委員会では、調査員の報告を元に審議し、校長に答申いたします。各学校長は選定した教科用図書につきまして、教育委員会に申請をしております。
 今年度につきましては、7月14日までに申請書等を提出することとなっておりまして、教育委員会事務局におきまして、7月14日以降、提出されました申請書等の内容について確認をし、もし疑義が生じた場合には学校長から説明を受けまして、その詳細について調査研究をし、本教育委員会議に上程をしております。
 なお、この一般図書を選定する際には、文部科学省が作成しております一般図書一覧を参考にしつつ、幅広く調査研究を行い選定することとなっております。
 資料の33、34ページには広島市立特別支援学校高等部用の教科用図書の採択の基本方針と採択の手順を載せておりますが、内容については同様となっております。
 次に、資料の37ページを御覧ください。ここからは、学校から提出された平成30年度の教科用図書選定手順及び申請書の例を載せております。在籍する児童生徒数によりましては児童生徒が特定される、あるいは特定され得る可能性がありますことから、学校名等は伏せております。
 37ページには特別支援学校の選定手順の報告を掲載しており、以下、45ページに小学校、そして49ページに中学校の選定手順の例を掲載しております。いずれも先ほど御説明いたしました手順により適正に行われております。
 また、申請書の例につきましては、38ページから43ページに特別支援学校、46、47ページに小学校、50ページに中学校のものを掲載しております。
 委員皆様のお手元に、各学校から申請が多かった一般図書を用意しておりますので、御覧いただければと思います。それぞれ1冊しか用意できておりませんので、交換をしていただきながら御覧いただければと思っております。
 それでは資料の5ページを御覧ください。
 特別支援学校の各学部や各小・中学校が選定及び申請を行っておりまして、特別支援学校及び小・中学校から申請がございました一般図書をまとめますと、1の広島市立広島特別支援学校につきましては、小学部、中学部、高等部の各学部合計で157点となります。また、2の広島市立小・中学校特別支援学級につきましては、小学校、中学校を合わせまして151校から447点となります。
 これら申請のあった一般図書につきましては、7ページから載せております。
 まず、7ページから12ページまでが、特別支援学校から申請のあった一般図書となっております。同じく13ページから20ページまでが小学校、21ページから26ページまでが中学校から申請のありました一般図書となっております。
 これら全ての一般図書につきまして、事務局において各学校から提出のありました書類の内容を調査検討した結果、その全てが適正であるということを確認いたしました。
 つきましては、広島特別支援学校の検定教科書につきましては3ページにありますとおり、また、一般図書につきましては7ページから26ページの広島特別支援学校及び各小・中学校から申請されたとおりの一般図書を、平成30年度に使用する教科用図書として採択することにつきまして、御審議のほどよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

糸山教育長

 はい、ありがとうございます。
 ただ今の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

栗栖委員

 広島特別支援学校での道徳の教科書に関してなのですけれども、午前中に小学校用の教科書を採択したのですが、これは広島市の課題に応じた教科書という観点で採択しているのですが、広島特別支援学校において、同じ観点で採択された教科書を使用するということについて、その辺りは、実際に広島特別支援学校の先生たちは、その考え方でよろしいのですかね。

特別支援教育課長

 基本的には、検定済みの教科書につきましては同様な考え方でいいと思うのですが、今回の場合、広島特別支援学校から新たな検定済み教科書の申請は、今の所ございません。基本的には広島特別支援学校については、可能性があるために採択をしておくということでございまして、どちらかというと広島特別支援学校につきましては、一般図書によって道徳の授業をして、やはり「子どもたち一人一人の実態に応じて」というところに主体を置いております。

栗栖委員

 それでは、採択教科書とすれば、小学校と同じ教科書で申請するけれども、実際の運用はそれぞれの児童の実態に応じて、一般図書で同じ内容のものをやっていく、そういう流れなのですね。

特別支援教育課長

 はい、そうです。

栗栖委員

 それともう一つ。それぞれの児童に応じて一般図書を選定されるのは、大変御苦労だったと思うのですが、その場合に、教育委員会事務局として、広島特別支援学校の選定に関して何かフォローされていることはあるのでしょうか。

特別支援教育課長

 はい。教育委員会事務局としてやっておりますのは、広島特別支援学校のみならず小学校、中学校の特別支援学級の担当教員に対しても、教育課程でありますとか教科書について、教育課程に基づいて教科書を選定しているかということについての検証を毎年やっております。あわせて、教科書展示会というものを毎年しております。今年度は6月16日(金曜日)から7月5日(水曜日)まで教育センターでしておりますが、そこへ4日間ほど指導主事を常駐させまして、先生方が来られた時に、やはり先生方もよく分からないので、例えば、「うちの児童はこんな特性なんだけど、どういうのがいいのでしょうか」というような相談を受けて、そこに図書があるので、一緒に「こういうのがいいですよ」というように、丁寧に助言を与えていくということをしております。

栗栖委員

 はい、ありがとうございました。

鈴木委員

 確認なんですけれども、13ページ以降に小学校用(特別支援学級)一般図書の一覧がありますけれど、学級数は沢山あると思うのですが、その学級から推薦されたものが重なっていたとしても一覧になっているのか、つまり、例えばですけれども、2番目に書いてあるものが三つの学級から申請されたときには、ここでは1冊代表して書いてあるということなのかどうかを確認したいのですが。

特別支援教育課長

 今、鈴木委員がおっしゃられたように、複数の学校から同じ教科書ということも考えられます。それは、学級としてこうだという意味ではなく、学級の1人がこれを使うということで挙がってまいりますので、それは1種類ということで挙げているということでございます。

鈴木委員

 実数はもう少し多くなる可能性があるということですか。

特別支援教育課長

 そうですね。

鈴木委員

 一人のお子さんに1冊と考えたときに、こんなにばらけるものなのかなと思ったんですよ。やはり、良い本というのは、どこの学校においてもこれが良いというようなことがあるかなと思いますので、重なりがあるのではないかなと思いましたので質問しました。

溝部委員

 ものすごく沢山の一般図書が多分あるのだと思うのですけれども、先生方も選ぶのが大変だろうなと思うのですが、どれを選んでもいいのですか。

特別支援教育課長

 先ほど高等学校の教科書の説明の中でもありましたが、一般図書についても文部科学省から一覧が作成されておりまして、それは文部科学省が良いと推薦しているのではなく、多くの学校が申請しているもの、そして、来年度も安定した供給が見込めるものということで作成されております。基本的には先生方もそれを頼りにして選ぶのですが、本市としては、それらを中心に選ぶのだけれども、もしも子どものためにいいということであれば、それ以外のものもきちんと採択の対象に加えているところでございます。

溝部委員

 そこに決まりは無く、言わばどれでも子どもに合えばということ。

特別支援教育課長

 極端に言えば、そうです。

溝部委員

 そういうことなのですね。
 文部科学省が出している一般図書一覧は、今まで使ったことがあるようなものでしょうから、経験もあるし、分かりやすいのですが、全く新しい一般図書について申請があった場合は、教育委員会事務局としてはどのように。

特別支援教育課長

 文部科学省の一般図書一覧に無いものについては、まずは、広島県教育委員会のリストに新たに挙がっていないかを確認します。広島県教育委員会のリストで、平成29年度には無くて平成30年度に新たに挙がってきたものについては、広島県教育委員会の審議会でその中身について精査をいたしております。我々がやっているのは、それにも更に無いものについて、本屋に行ったり、取り寄せたりして、本当に中身が大丈夫なのかということを指導主事が確認しております。

溝部委員

 今年度の申請の中に、そのようなものがありますか。文部科学省の一覧の中に無かったようなものが。

特別支援教育課長

 数点ありました。

溝部委員

 数点ですか。そのように精査されたのですね。

特別支援教育課長

 はい、そうです。

井内委員

 この採択とは直接関係しませんけれども、特別支援学校でタブレットが使われていると思うのですが、タブレットを用いた学習と、こういう従来の一般図書を用いた学習とのバランスと言いますか、これからの利用の形態と言いますか、それはどのように考えておられますか。これを課長に聞くのは、ちょっと違うのかもしれないけど。個々の先生方に聞くのがやはりいいのかもしれませんが。

特別支援教育課長

 やはり、あくまでも子どもの実態だと考えております。紙媒体の方が読みやすい子どももいれば、紙媒体では字を追えない、行を飛ばしてしまうという子どももおりますので、そういった子どもにはタブレット等のICT機器が非常に有効だと考えています。その辺も、一人一人の実態について教員がしっかりと見極めて、紙媒体がいいのかICT機器を使った方がいいのか、それぞれの先生の見取りによって付加的に選ぶということになります。やはり、徐々に、タブレット等のICT機器を使われる子どもが多くなっています。既に療育の段階から家庭の方でタブレットを使用することに慣れていますので、そちらの方がいいという子どもが増えつつあるのも実態としてあります。

井内委員

 そうなると、タブレットの内容について検定するとか、そういう動きはあるのですか。

特別支援教育課長

 タブレットの内容というよりは、今、検定で出されている教科書の読み上げ用の教材として使用するとか。

井内委員

 ああ、教科書をそのまま。

特別支援教育課長

 はい。

井内委員

 並行していると考えていい。

特別支援教育課長

 そのとおりです。

井内委員

 全く別のものを持ってくるわけではないのですね。

特別支援教育課長

 そうです。別のものではありません。

井内委員

 分かりました。新しい形のツールに取り組んだ方がいいのではないかなと、私などは思っています。いかに進級していくかということに関しては、プラスの面の方が大きいのではないかなと、実は、思っているものですから。こんなに沢山の一般図書を用意して、さあどうぞというよりも、先進的な研究が行われて、そちらの方向でいいものが作られないものかなという気がしています。これは個人の感想です。この採択とは全く関係がありません。

特別支援教育課長

 どちらかというと二者択一ではなく、共存と言いますか、それらをケースバイケースで、指導効果が上がるように使い分けています。例えば、画像が動くとか、というように使っておりますので、主たる教材として紙媒体のものは選んでいるけれども、その使用の仕方については、そのまま読むのではなくてタブレットなども活用しているというのが、現状に一番近い言い方ではないかと考えています。

井内委員

 はい、分かりました。

溝部委員

 特別支援学校や特別支援学級では、検定教科書の過学年用のものを使う場合も多いのではないかと思うのですが、このように一般図書を使う子どもたちと、過学年用の検定教科書を使う子どもたちと、どのくらいの比率であるかが分かりますか。

特別支援教育課長

 ざっくり言いますと、基本的に検定済みあるいは検定済みの過学年用を使うということは、自閉症・情緒障害学級の子どもになろうかと思いますので、そこから考えれば、半分。あるいは、半分より多いかもしれないです。

溝部委員

 小、中学校を合わせてですか。

特別支援教育課長

 小、中学校を合わせてです。自閉症・情緒障害特別支援学級の方が在籍人数が多いですから、それが全て検定済みを使っているわけではないのですが、在籍している人数から考えれば、検定済みの教科書を何らかの形で使っている子どもの方が半分より多いのではないかと。すみません。数を出してないのですけど。

溝部委員

 一般図書よりは検定済みの教科書の方が、系統性とか学問の体系的なものは、きちんと蓄積で学べるのかなと思っているものですから、ちょっと伺ってみました。ありがとうございました。

糸山教育長

 はい、よろしいですか。
 それでは、お諮りをいたします。
 議案第41号「平成30年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書について」、原案どおり可決することで御異議ございませんか。
 (異議なし)
 異議なしと認め、本件は、原案どおり可決することに決定いたしました。
 次の議題4、議題5は冒頭にお諮りしたとおり非公開となります。

 (非公開部分省略)

糸山教育長

 以上で議題は全て終了いたしました。
 これをもって、平成29年第12回広島市教育委員会議臨時会を閉会いたします。

7 議決事項

議案番号 件名 議決結果
39 平成30年度から使用する広島市立小学校用教科用図書の採択について

学校図書を
採択する。

40

平成30年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について

原案可決

41

平成30年度使用広島市立広島特別支援学校及び広島市立小・中学校(特別支援学級)用教科用図書の採択について

原案可決

42

平成29年度広島市教育委員会事務点検・評価報告書について

原案可決

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