ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > くらし・手続き > 教育 > 広島市教育委員会 > 教育委員会 > 教育委員会のご案内 > 平成28年第15回教育委員会議(12月定例会)会議録

本文

ページ番号:0000017338更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

平成28年第15回教育委員会議(12月定例会)会議録

平成28年第15回広島市教育委員会議会議録

 平成28年12月22日(木曜日)、平成28年第15回教育委員会議(定例会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午後1時30分
  • 閉会 午後2時40分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 隅田 一成
  • 青少年育成部長 荒瀬 尚美
  • 学校教育部長 山本 直樹
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 市川 昭彦
  • 総務課長 谷 康宣
  • 施設課計画担当課長 龍田 克彦
  • 育成課長 蓼原 清道
  • 指導第一課長 松浦 宰雄
  • 指導第二課長 野間 泰臣

4 傍聴者等

 2名

5 議事日程

  • 議題1 平成29年度広島市成人祭の開催について(報告)
  • 議題2 平成28年度全国学力・学習状況調査及び「基礎・基本」定着状況調査の結果について
    (報告)
  • 議題3 広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について(議案)

6 議事の大要

井内委員長

 ただ今から、教育委員会議定例会を開催いたします。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 本日の議事録署名者は、溝部委員と栗栖委員にお願いいたします。よろしくお願いします。
 それでは、議事に移ります。
 本日の議題は、お手元の議事日程のとおりです。
 それでは、議題に入ります。
 議題1「平成29年広島市成人祭の開催について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、育成課長から説明を受けます。よろしくお願いします。

育成課長

 教育委員の皆様には、日頃から大変お世話になっております。
 では、「平成29年広島市成人祭の開催について」、着座にて御報告させていただきます。
 資料の議題1、2ページを御覧ください。教育委員会の皆様には、来年1月9日、祝日でございますが、成人祭の御出席、誠にありがとうございます。
 1の「目的」は、成人としての自覚を持って自ら生き抜こうとする新成人を祝福し激励することでございます。基本的には、全体的に例年どおりでございます。
 2の「日時」は、平成29年1月9日祝日の10時30分から開催し、14時に終了いたします。
 3の「場所」は、広島サンプラザホールで、4の「主催」は、広島市及び広島市教育委員会です。なお、選挙権年齢が18歳に引き下げられましたことから、本年度から選挙管理委員会は共催しないということになりました。この点が変更点でございます。選挙管理委員会が作成しておりました、小冊子「20歳のあなたに」というものを付けておりますが、これは内容を簡潔にいたしましたものをこれまでどおり記念品と一緒に配布します。また、これまでの「模擬投票コーナー」を改めて、「選挙啓発コーナー」として明るい選挙ユースボランティアなどが選挙啓発を行うこととなっております。
 5の「企画」は、公募による実行委員6人が中心となって行いました。男性3人、女性3人の合計6人、全員が新成人でございます。6人のうち、2人は去年も実行委員として活躍してくださいました。7月14日から11月15日までの5回、またその他にも複数打ち合わせで実行委員会を開催してくださいまして、アトラクション、宣誓文、プログラム等を作成していただきました。
 6の「運営協力ボランティア」でございます。これは成人祭の会場に近い広島市立井口中学校の生徒の皆さん60人が、今年も成人祭の記念品の引換え、障害がある新成人の誘導支援に協力してくださいます。
 先ほどの実行委員会について、追加で御説明させていただきたいと思います。
 この6人のうち実行委員長は、井口中学校の出身で、同校のボランティアとして成人祭に関わってくださいました。その後、運営ボランティアとして更に協力してくださいまして、去年、実行委員になっていただき、今年は委員長ということで、ずっと成人祭に関与してくださっております。
 続きまして、6の(2)ですが、毎年公募で募集している成人祭運営ボランティアにつきましては、今年は15歳から18歳までの20人が協力してくださることになりました。ホール内の誘導や来賓応接の補助などを担当してくださいます。
 7の「協力団体」ですが、大阪きもの着付学院の皆様約10人が「着付け直しコーナー」を、中国地方郵便局長協会の皆様約20人が「はがきで感謝を伝えようコーナー」を運営してくださいます。
 8の「対象」につきましては、平成28年11月30日時点の対象者は1万1,958人でございます。昨年よりも180人増でございます。
 9の「テーマ」は、実行委員会の皆さんがアイデアを出し合って、「咲け!~自分色の未来へ~」に決定いたしました。20歳という節目を迎え、お世話になった人への感謝の気持ちを忘れず、一人一人がそれぞれの未来で自分色に咲き誇ろうという意味を込めました。
 10の「プログラム」ですが、ホールでは11時30分から12時30分まで、アトラクションとして広島経済大学ダンス部10人によるダンスパフォーマンスと、広島修道大学混声合唱団5人によるアカペラ演奏が行われます。また、広島東洋カープの小窪選手、丸選手、中崎選手からのビデオメッセージも上映いたします。出演団体の選出や出演交渉は実行委員会のメンバーが行いました。
 12時30分からは成人式で、エリザベト音楽大学学生5人による演奏と歌唱に合わせ、新成人全員で国歌を斉唱します。続いて、記念品贈呈、式辞、祝辞がありまして、参列者の紹介、新成人代表2人による宣誓、成人祭実行委員と運営協力ボランティア等による三本締めとなっております。
 資料3ページを御覧ください。その他の会場につきましては、ホール西側公園で「同窓会コーナー」、ホール前エリアで「記念品引換えコーナー」、「選挙啓発コーナー」、「はがきで感謝を伝えようコーナー」、ホール北側ラウンジで「着付け直しコーナー」を例年どおり行います。
 11の「記念品」は、一昨年よりオリジナルクリアファイル3枚セットを配布しております。今年は比治山大学短期大学部美術科の学生さんにデザインしていただきました。
 新成人にとって一生に1回の思い出深い成人祭になるよう、教育委員会、広島市を挙げて取り組む所存でおります。どうぞよろしくお願いいたします。
 説明は以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明につきまして、何か御質問、御意見等はございますでしょうか。
 今年は教育委員も全員出席だそうでございます。
 よろしいですか。例年のことなので、もう大体頭に入っているということで、中身は工夫をしていただいているように思います。オリジナルのクリアファイルは楽しみにしています。よろしくお願いします。
 それでは、次に入りたいと思います。
 議題2の「平成28年度全国学力・学習状況調査及び「基礎・基本」定着状況調査の結果について」を議題といたします。
 本件は報告案件でございます。内容につきまして、指導第二課長から説明を受けます。よろしくお願いします。

指導第二課長

 よろしくお願いします。
 それでは、資料の4ページを御覧ください。議題2「平成28年度全国学力・学習状況調査及び「基礎・基本」定着状況調査の結果について」、報告をいたします。
 いずれの調査も例年どおりでございますが、概略を説明させていただきます。
 まず、1の「調査の概要」ですが、1の「全国学力・学習状況調査」については、(1)のとおり丸1から丸3の調査の趣旨にのっとって例年どおり実施いたしました。
 (2)の「調査対象」は、小学校第6学年は141校、実施人数は1万374人です。中学校第3学年は64校、実施人数は9,190人を対象として行いました。
 (3)の「調査期日」は、平成28年4月19日(火曜日)でございます。
 (4)の「調査内容」は、小学校第6学年が、丸1の教科に関する調査として、国語、算数の「知識」に関するA問題、国語、算数の「活用」に関するB問題、それから丸2の学習意欲等に関する児童質問紙調査、丸3の指導方法等に関する学校質問紙調査を行っております。
 中学校第3学年につきましても、丸1の教科に関する調査として国語、数学のA問題、国語、数学のB問題、丸2の学習意欲等に関する生徒質問紙調査、丸3の指導方法等に関する学校質問紙調査を行っております。
 次に、2の「「基礎・基本」定着状況調査」ですが、(1)の「調査の趣旨」につきましては次のページにかかりますが、丸1から丸4までの趣旨で例年どおり行っております。
 (2)の「調査対象」は、小学校第5学年が141校、1万196人、中学校第2学年が64校、9,059人を対象として行いました。
 (3)の「調査期日」は同年6月7日(火曜日)でございます。
 (4)の「調査内容」は、小学校第5学年が丸1の国語、算数、理科における定着状況調査、丸2の生活等に関する児童質問紙調査、丸3の指導方法等に関する学校質問紙調査でございます。
 中学校第2学年につきましても、丸1の国語、数学、理科、英語に関する定着状況調査、丸2の生活等に関する生徒質問紙調査、丸3の指導方法等に関する学校質問紙調査でございます。
 「基礎・基本」定着状況調査につきましては、(5)にございますように、丸1のタイプ1の問題が全国学力テストで言いますとA問題に当たります。丸2のタイプ2の問題がB問題に当たります。
 次に、2の「調査結果の概要」でございますが、後ほどA3の資料で説明いたしますが、1の「教科に関する調査の結果について」、全国学力・学習状況調査と「基礎・基本」定着状況調査について説明させていただきます。
 また、2の「質問紙調査の結果について」は、児童生徒質問紙調査と学校質問紙調査を全国学力・学習状況調査から述べさせていただきます。
 6ページをお開きください。
 3の「課題となった設問例」を、中学校の数学を例に後ほど説明いたします。
 4の「学校の特色ある取組について」、顕著な取組の成果があった学校の例として、小学校は大河小学校、中学校は三和中学校を説明させていただきます。
 5の「参考」ですが、別冊1としてお手元に平成28年度全国学力・学習状況調査の中間報告書、別冊2として平成28年度「基礎・基本」定着状況調査の中間報告書を付けております。これは3月末を目途に、完成したものを学校等に配布したいと考えております。
 それでは、A3の資料7ページをお開きください。
 なお、平均正答率等につきましては、全国学力・学習状況調査は別冊1の2ページ、3ページを併せて御覧いただきたいと思います。説明はA3資料でさせていただきます。
 まず、1の「調査結果の概要」でございますが、(1)に「教科に関する調査の結果について」示しております。表の上に丸1として全国学力・学習状況調査、その右側に丸2として「基礎・基本」定着状況調査を示しています。
 なお、全国学力・学習状況調査につきましては、国において専門チームが問題を作成し、委託業者により客観的視点で採点、分析したものを教育委員会、各学校に届けるというものでございます。
 「基礎・基本」定着状況調査につきましては、県教育委員会が主催する調査で、学校ごとに教員が採点し、学校ごとに採点集計分析ソフトによって分析をしています。
 それでは、全国学力・学習状況調査について説明いたします。
 まず、グラフの見方ですが、小学校の国語を例に説明させていただきたいと思います。
 棒グラフが本市の状況、折れ線グラフが全国の状況となっております。そして、30%未満という下に30%未満の割合を本市、全国という形で示しております。右へ行っていただいて、60%以上の割合を本市、全国という形で示しております。また、その右側に特徴として考察を書いております。
 小学校第6学年の国語につきましては、特徴にありますように、A問題、B問題ともに分布が右よりの山形で、学習内容がおおむね定着していると見られます。A問題、B問題ともに30%未満の児童の割合は全国平均より低く、60%以上の児童の割合は全国平均より高い状況でございます。
 次に算数でございますが、A問題については分布が右よりの山形であり、学習内容がおおむね定着していると見られますが、B問題につきましては中央が高い山形になっておりまして、ばらつきが大きい状況でございます。A問題、B問題ともに30%未満の児童の割合は全国平均より低く、60%以上の児童の割合は全国平均より高い状況でございます。
 理科については、本年度は未実施でございますので、空欄にしております。
 その下でございますが、中学校第3学年の国語につきましては、特徴にありますように、A問題、B問題ともに分布が右よりの山形で、学習内容はおおむね定着していると見られます。A問題では、30%未満の生徒の割合、60%以上の生徒の割合が全国平均とほぼ同じ状況でございます。B問題では、30%未満の生徒の割合が全国平均より低く、60%以上の生徒の割合が全国平均より高い状況でございます。
 次に、数学につきましては、A問題は分布が右よりの山形になっていますが、山がなだらかな状況でばらつきが大きくなっております。B問題は左よりの山形になっておりまして、ばらつきが大きくなっております。また、A問題、B問題とも30%未満の生徒の割合が全国平均より高い状況がございます。
 こうしたことから、課題といたしましては、中学校の数学科の学習状況の定着に向けて一層取り組んでいかなければならないと分析しております。
 右を見ていただきまして、「基礎・基本」定着状況調査でございます。同様に特徴のところを説明させていただきます。
 「基礎・基本」定着状況調査につきましては、学力が定着していないと見られる30%未満の児童生徒の割合に着目して記載しております。
 まず、小学校第5学年の国語につきましては、30%未満の児童の割合は5.0%であり、昨年度と比べて1.9ポイント増加しております。
 次に、算数につきましては30%未満の児童の割合は3.9%で、昨年度と比べて1.8ポイント増加しております。
 続いて、理科については30%未満の児童の割合は3.4%で、昨年度と比べて1.1ポイント減少しております。
 中学校第2学年につきましては、国語の30%未満の生徒の割合は5.2%で、昨年度と比べて3.6ポイント増加しております。
 数学の30%未満の生徒の割合は6.3%で、昨年度と比べて0.2ポイント減少しております。
 理科についてですが、今まで説明した国語、数学については山形が右よりでおおむね定着している児童生徒が多い状況でありますが、理科は分布が中央によった山形であり、基礎・基本の定着にやや課題が見られます。30%未満の生徒の割合は昨年度と比べて0.9ポイント減少しておりますが、19.1%とちょっと高い状況にございます。
 それから、英語につきましては30%未満の生徒の割合は5.1%で、昨年度と比べて1.2ポイント減少している状況でございます。
 こうしたことから、理科については、基礎・基本を定着させる取組を鋭意進めていく必要があると考えております。
 続いて8ページを御覧ください。
 全国学力・学習状況調査の児童生徒への質問紙調査と学校への質問紙調査の結果を例年比較しているものについて取り出して説明しております。
 表の一番上にございますが、児童生徒については丸1の学習意欲から丸4の学習習慣まで、学校については丸5の指導方法を抽出しております。
 それから、その表の一番下に※印で示しておりますように、網かけをしているところは全国平均を上回っている項目でございます。ひろしま型カリキュラムを導入する前年度と比較したいということで平成21年度と比較しております。平成28年度につきましては、左に本市の状況、括弧の中に全国の状況をお示ししております。
 考察のところを説明させていただきます。
 まず、児童・生徒質問紙の丸1学習意欲につきましては、学校に行くのが楽しいと思っている児童が平成25年度と比較して1.3%、生徒が2.7%増加しております。また、国語、算数・数学の勉強が好きと思っている児童生徒が平成25年度と比較して増加しております。
 次に、丸2の自尊意識につきましては、自分には良いところがあると回答した児童が平成25年度と比較して1.1%、生徒が4.0%増加しておりますが、次の黒丸ですが、将来の夢や目標を持っていると回答した児童が平成25年度と比較して1.0%、生徒が1.2%減少しております。
 学校のきまりを守っていると回答した児童生徒につきましては、共に1.9%増加しております。また、人の役に立つ人間になりたいと思っている児童生徒が共に0.5%増加しております。
 続いて、丸3の思考力・表現力につきましては、自分の考えを説明したり、文章に書いたりすることに苦手意識を持っている児童が5.0%、生徒が6.5%減少しています。
 それから、丸4の学習習慣につきましては、予習・復習をする児童生徒、家庭での学習時間が30分以上の児童生徒は増加しておりますが、依然として予習・復習を全くしていない児童生徒が一定数、括弧の中に示しているパーセンテージおります。また、家庭での学習を全くしていない児童生徒も一定数おります。
 ふだん読書をしている児童の割合は、全国平均とほぼ同程度で、生徒の割合は、全国平均よりも高いのですが、基礎・基本の学力向上のためにも、自主的に読書をする児童生徒の割合を高めていく必要があると考えております。
 次に、学校質問紙から丸5の指導方法について考察をしております。児童生徒の発言や活動の時間を確保して授業を進めている学校が小学校では99.3%、中学校では100%であり、ほぼ全ての学校で児童生徒の活動を授業の中に位置付けていることが分かります。
 一方、総合的な学習の時間において探究の過程を意識した指導をしている小学校は80.9%で、全国平均より低い状況です。また、各教科の指導のねらいを明確にした上で、言語活動を適切に位置付けている中学校は85.9%で、これも全国平均より低い状況がありまして、小・中学校共に今後とも指導の充実を図っていく必要があると考えております。
 続いて9ページを御覧ください。
 中学校の数学について、正答率が低い、つまり誤答率が高く、更に全く回答していないという無答率が高いものについて特筆しております。
 この問題は文字式を使う問題で、右側の四角の中に丸1から丸5までありますが、最初に決めた数をaとすると、手順どおりに求めた数が5a+10という文字式で表されます。手順どおりに求めた数5a+10から最初に決めた数aを当てる方法を説明しなさいという問題でございます。
 この問題の誤答率が高かったのは、5a+10=30なので、aは4になることを求めることができる生徒は多いのですが、aは手順どおりに求めた数から10を引いて5で割ればよいと、一般的に説明することがなかなか難しいということでございます。これには、小学校のときからの系統立てた指導が必要であるため、各学校の先生方が、授業の中で関連する問題を取り扱うことができるよう、全国学力・学習状況調査のA問題に当たる本調査問題に関係する内容や指導のポイントを右側に示しています。
 小学校第6学年では文字を用いて式で表すことのよさを知るということで、例えば円周の長さを求める問題で直径が1センチのときはどうか、2センチのときはどうか、四角(□)センチのときはどうかということをやっていって、その四角(□)を文字に置き換えて考えるよさを知るという学習がございます。
 それが中学校第1学年になりましたら、文字に対する抵抗感を和らげながら文字式を解いていくということにつながるのですが、そこに示してある本年度のA問題の文字式の問題では、正答率は30.8%、誤答率が56.7%、無答率が12.5%でございました。ここの指導をもう少し丁寧にやっていく必要があるのではないかと思っております。
 更に中学校第2学年でお示ししているのも、本年度の全国学力・学習状況調査のA問題なのですが、S=ahのhについて解きなさいという問題につきましては、66.6%の生徒はできています。ところが、左側の問題のように、それを言葉で説明することになると、ちょっと難しい生徒が多くなっているという状況でございます。
 続いて、10ページを御覧ください。
 特徴ある学校の取組として、大河小学校の取組を示しております。1の「全国学力・学習状況調査の結果」を御覧ください。平成27年度に続き、平成28年度も国語AB、算数ABにおいて全国平均を上回り、全国平均との差を広げております。
 また、算数Bにおいては30%未満の児童の割合が改善されています。その状況を右のグラフに示しております。
 2の「効果があったと思われる取組」として、(1)として「環境は人をつくる」と考え、全ての児童が落ち着いて学習できるよう環境づくりを行っております。
 (2)として、帯タイムの計画的な活用や家庭学習の習慣化に取り組み、(3)として「論理的に考え表現する力の育成」のために、授業を始めとした学校生活で言語活動を充実させるための場を設定し指導しております。
 具体的には、(1)の「教育環境づくりのための指導の「共有」と「徹底」」ということで、丸1から丸5の生活環境、その下の「学習の約束」として丸1から丸5までの約束を全教職員、児童が取り組んでおります。
 それから、(2)として「基礎的・基本的な学力の定着のために」、全学年が単元テストの結果を定期的に分析し、誤答分析をもとにオリジナルの反復学習や家庭学習に取り組んでいます。家庭学習では、各学年に応じて宿題の量、内容をそろえて、全ての児童が「確実にやりきる」という指導を徹底しております。
 更に、(3)として「言語活動を充実させるための場の設定」ということで、ノート指導を徹底し、自分の考えを自分なりの表現でノートに書くという取組を進めております。
 四角の中の「校長先生からのメッセージ」に、今、説明したようなことについて示していただいております。
 最後に11ページの三和中学校でございます。三和中学校はしばらく生徒指導の問題で苦労している学校でございましたが、平成27年度、平成28年度と、教育委員会の指定校として、落ち着いた環境の中で学力向上に向けて校長を中心に取り組んでおります。
 1の「全国学力・学習状況調査の結果」でございますが、平成28年度は国の平均正答率との差が国語、数学ともに減少しています。それから、平成28年度は通過率30%未満の生徒の割合が、国語Aにおいて減少するとともに、平成26年度と比較して、国語A、数学Bともに減少しておりますが、左のグラフを見ていただきますように、まだ国と平均正答率の差がございますので、全ての生徒に学力定着の取組を進めている状況でございます。
 次に、2の「効果があったと思われる取組」ですが、先ほど説明いたしましたように、指定を受けた授業研究の充実を図っております。それから、(2)として「三和中スタンダード」を作成し、教師・生徒で共有しております。(3)として学力調査の結果を分析し、授業づくりや放課後学習に活用しております。
 具体的には、(1)「授業研究を充実させるための取組」として、国社数理英の5教科で年間4回、延べ20回の研究授業を行っております。全ての研究授業に教育委員会の指導主事を招いて指導・助言を仰いでおります。
 一番下の段落でございますように、研究授業の際には、教科会で指導案をその教科全員で検討して、事前に指導主事から指導・助言を受けた上で授業に臨んでおります。
 更に、5教科以外の教員も5教科のいずれかのチームに属して、教科を越えた授業づくりに取り組んでおります。
 右へ行っていただいて、(2)の「三和中スタンダードの作成」ですが、これは3段落目の中央辺りですが、生徒会が中心となって、プレゼンテーションを作成し、定期的に昼食時等に校内放送をしたり、生徒の手で作成したポスターを校内に掲示したりしています。
 それから、(3)の「学力調査の結果を活用」ですが、調査問題を単元ごとの到達度を把握するために活用することで、生徒が苦手としている領域を把握し、その対応策を教科会などで検討し、それをもとに、授業の指導計画に反映させています。更には「まちぐるみ「教育の絆」プロジェクト」の取組として、「三和中きずなルーム ひまわり」を開設し、放課後学習会等で地域の方や大学生にサポートをしていただきながら学習指導をしております。
 一番下に、校長からの、今説明したような内容についてのメッセージを載せております。特に2段落目のところにありますように、校長としては、学校生活の大半を占める授業の質の善し悪しが、子ども、保護者から信頼を得ることに影響するため、授業改善こそ必要であると示していただいております。
 説明が長くなりましたが、以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の御説明につきまして、何か御質問、御意見等はございますか。

鈴木委員

 最初は質問で、1つは感想です。
 A3の2枚目の質問紙調査の結果で、予習・復習をしていない児童生徒と家庭学習をしていない児童生徒がいると思うのですが、これは先生方が出される課題に対してしていないのか、それとも習慣としてしないのかという状況について、どのように分析されているかという質問です。

指導第二課長

 これは、家庭での勉強時間を30分以上しているかという質問でございまして、家庭での学習習慣が定着できていない児童生徒がいると考えております。

鈴木委員

 その手立てとして、つまり先生がやりやすい宿題といいますか、繰り返し反復みたいなことなのか、ある程度工夫しないとできないようなレベルのものなのかということも関係してくるのではないかと思いますが、いかがですか。

指導第二課長

 これは先ほど大河小学校の取組の紹介で説明させていただきましたが、今日授業で行ったことに関連する内容を復習できるような宿題、授業を振り返って更に定着できるような、反復できるような宿題を意図的に児童生徒に出していくことが必要であると思っております。

鈴木委員

 家で勉強していると、何をしていいか分からない子どももいると思うのです。例えば、学習帳があって、それで進めていくようなものがあると、日付を書いて今日の分をやるということが習慣になっていくと思いますので、そういった家庭学習帳みたいなものがあれば役立つのではないかと思いました。
 今、大河小学校で、(2)の学力定着のために誤答分析をされているのは、とてもいいことだと思いました。三和中も苦手としている領域を把握するということをされています。特に算数、数学ではつまずきの研究をよくされているのですが、どういうところに誤答する特徴があるのかということから授業改善というのはできると思いますので、その誤答分析は参考になるなと思いました。
 さっき言われたように、それを参考にして家庭学習とかをやっているということが、この結果につながっているのではないかと思っております。
 もう1点は、中学2年生で数式を言葉で説明するのが難しく、無答と誤答が多かったということを考えると、これは説明の方法だと思うのですね。他者への意識といいますか、自分が解くということについても、その解くプロセスを誰かに説明するということが大切です。そういうこともされているようで、例えば大河小学校はこのペアトークを取り入れていらっしゃるということですが、自分が考えたことを整理して、もう一回論理立てて誰かに説明するということが、学力向上につながっているのかなと思いますので、この方法論を取り入れられるといいのではないかと思いました。
 三和中も、これはいいなと思ったのは、授業が学校生活のほとんどを占めているので、授業を通して子どもを理解すること、授業を通して子どもに関わっていくということがなされていることは、少しずつではありますが、学力の向上につながっていて、ある日突然変わるのではないかと期待しています。なかなか1年、2年では変わらないのですが、やはり5年ぐらい取り組まれていくうちに、普通に何か学校全体が変わっていくのではないかと思っていますので、このままの方向で積み上げていっていただきたいなと思いましたので、学校にお伝えください。以上です。

井内委員長

 ありがとうございました。
 他はいかがですか。

溝部委員

 7ページでございます。まず今年度の全国学力・学習状況調査の結果で、先ほど課長から算数、数学、特に中学校の数学に課題があるのではないかというお話をいただきました。中学校になって、突然数学が分からなくなる子もいると思いますが、小学校からの積み重ねが数学の場合は多いので、小学校の結果を見ると、A問題は全国よりも高くかなり定着しているのかなと思います。
 しかし、活用問題のB問題は真ん中が山になっており、全国平均に比べるといいと思うのですが、やはり活用することが小学校の段階で既に難しいのかなと思います。そうであれば、ここのところを少し手当てするなり、ここの問題に対して、なぜできにくいのか、読解力にも課題があるのかもしれませんし、基礎、基本の計算のところにも課題があるのかもしれませんが、小学校のB問題ができにくい状況であるのはなぜなのかというところを少し洗い出すと、中学校の課題もみえてくるのかもしれないなと思って、今見せていただきました。
 さっき鈴木委員がおっしゃいました8ページの予習・復習のところ、家庭学習のところにも関連するのですが、8ページの右側の考察で、家庭で学習をしていない児童生徒が一定数いるというところですが、家庭環境がいろいろあると思いますので、100%になるのは難しいかもしれません。この子たちがなぜ家で学習しにくい状況にあるのか、また家での学習時間が増加しているという検証結果は良かったと思うのですが、なぜ家で学習が難しいのか原因を少し洗い出してみる必要があるのではないかと思います。
 先ほど何をしていいか分からないという話もありましたが、例えば算数、数学が分からなければ、家でも勉強できません。何をやっていいかとか、学習内容が分かっていないので、家でも勉強できない、宿題が出ても取り組めないということもあるのかもしれないと思いました。毎年この程度の数字が家庭学習において出てくるので、どうしたものか原因が少し見えてくるとうれしいなと思いました。
 それから、次の観点ですが、同じ8ページの下に言語活動というのがありますが、考察において、中学校は言語活動を適切に位置付けている学校が全国平均を下回っているとあります。言語活動と言われても、学習指導要領も変わって随分時間が経つのですが、言語活動の充実はすごく言われていることなので、全教科にわたって行う。しかも説明や論説など様々な言語活動があります。だから位置付けていない中学校は、自分たちに厳しいのかどうか分かりませんが、なぜ位置付けていないという結果が出てくるのか、もっと詳細に調べられるといいのではないかと思います。個々にはやっておられると私は思っているのですが、学校全体としての授業計画とか言語活動の充実の計画の中に入っていないのかもしれないと思いました。それであれば、もったいないなと思います。段階的に進めるといいなと思いますし、中学校は各教科で言語活動をどのように進めるかという方針が出されるといいかと思います。言語活動というのは、先ほどの算数のB問題においてもとても影響のあるところなので、是非ここのところを探られるといいのではないかと思って見せていただきました。

井内委員長

 ありがとうございました。

栗栖委員

 先日、学校訪問で南観音小学校に行かせていただいて、そこでは、ここで言う30%未満がゼロになったという、これはそういう理解でよろしいですよね。帯時間を活用したり、いろいろな練習問題を作って児童にちゃんとやらせて、こういう結果になったという好事例がございますので、こういった好事例を各学校に適用させていって、全体のレベルアップにつなげていただければと思います。よろしくお願いしたいと思います。

井内委員長

 他はいかがですか。
 中学校の数学ですが、小学校までは良かったのに、中学校になって急に落ちるというのは、もう前から気になって仕方がないのですが、先ほどからも御指摘があるように、もともと小学校のときの理解不足というのが中学校で出てくるという理解でよろしいのですかね。その辺の分析というのは、先生方はどういうふうにしておられるのかということがちょっと気になります。

指導第二課長

 9ページのように今回様式を変えたのですが、系統立った指導という視点を各学年持っていただきたいということで、これを資料にしました。例えば小学校での指導が中学校に行ったとき、どういうふうに発展していくのかということを、意識しながら指導するのとしないのとでは違うと思うのです。そういった視点を小学校でも持ち、中学校はこのつまずきはどこから来ているのかということで、小学校まで遡って分析していくということをやっていただきたい意図もありますので、これを学校に徹底したいと思っています。
 それから、委員長が御指摘のように、算数でできたものが数学になるとできなくなる。これは積み上げの教科ですから、だんだんと難しくなってきたときに、あるところで諦めてしまうということになっていると思うのですが、それはその前段階があって、何となく分からなくなってきているというところを丁寧に反復練習させてやるということで定着していくと思います。それは7ページの算数でいえば、A問題のグラフは右にずっとよっていいのですが、その中間層でございます。30%未満の子には、丁寧に確実にやっていかなければいけないのですが、この30%から60%未満の子を把握して、この子たちをしっかり見取っていく。そうしていかないと、中学校になったら30%未満になっていくことになります。
 それから、60%以上であるのですが、例えば10から13のところの層が左によっていくということにもなっていくのだと思います。各学年段階でやはり定着すべきことを丁寧に習得させていくということが必要なのではないかと考えております。それを学校に徹底していきたいと思っております。

尾形委員(教育長)

 7ページを見ていただきますと、典型的にA問題とB問題、国語と算数、数学の違いがお分かりだと思います。典型的に分かりますのは、中学校の数学、国語を見比べていただくと、B問題になると全然山が違います。これは、問題が例えば左側のA問題ですが、「この答えを求めなさい。」「この計算をしなさい。」という求答的な問題です。ところが、B問題は「この理由を述べなさい。」とか、「これを文章で書きなさい。」とか、いわゆる根拠を述べたり、「これが正しいかどうか理由を述べなさい。」、こういったようなB問題は記述式あるいは短答的な解答になってくるため、全然山が違うのです。

井内委員長

 全体に左によっていますね。

尾形委員(教育長)

 だから求答的な問題で授業を進めるのではなく、理由を述べたり答えがないような提示をしたり、もう少し授業の在り方を改善していく必要があるのではないかと思います。A問題式の問題ではなく、B問題式で鍛えるような形に徐々に力を入れていく必要があります。それが中学校になったら生きてきますし、やがては大学入試でも記述式に変わっていこうとしているわけですから、その辺りを小学校6年生の算数の山をもう少し右へ、B問題を右へ持っていけるような授業改善が必要です。それと、A問題の30%未満のところをもう少しゼロに近づけていく必要があります。そのためには、指導の仕方、授業の仕方が全く違ってきます。B問題をもっと鍛えることと、30%未満のA問題をもっと力を付けていく。この授業の仕方がいわゆる習得型と活用型とでは違います。だからそのところをしっかり踏まえながら、授業改善に取り組んでいくことが今後の課題であり、我々としてもそこをしっかりやっていかなければいけないと思います。

井内委員長

 課長がおっしゃった、反復すれば上がるというのは、A問題的なものだと、これは自分の経験からしても反復すれば必ず上がりますよね。ところがB問題というのは、今、教育長がおっしゃったように、なかなか反復したからといって上がるものではない。何か捉え方とか感じ方というか、そういうものがベースにありますよね。そこをどうやって子どもたちに伝えていくかということは、ものすごく難しいなとつくづく思います。ここに問題の一例が出ていますが、私たちが見ても、ううんと考えなければいけないような問題ですよね。これをどうやって指導していくかということは、本当に大変なことです。

指導第一課長

 別冊1の全国学力・学習状況調査の冊子の12ページ、13ページを御覧いただけますでしょうか。ここで小学校の算数のB問題、図形を構成できた理由を角の大きさを基に論理的に考察し説明するという問題があります。下の方を見ていただくと、正答率は7.8%と大変低くなっていて、無答率も19.8%、誤答率は72.4%、非常に難しい問題です。これはどういった内容から構成されているかといいますと、学習指導要領における領域・内容が3年生の数と計算、3年生の図形、また3年生の数量関係、4年生の量と測定、5年生の図形、この内容からこの問題が構成されています。右のページを御覧ください。A問題は1年生で習ったときの問題でも出てくるのですね。バスに乗っているところで、「前から何番目ですか。」「全部で何人ですか。」という問題は1年生で習う問題です。これは、先ほどもあった数量関係の領域を問う問題です。つまり、内容を一つに絞って答えを求めさせる問題なのです。
 B問題が難しいというのは、各学年の積み重ねと領域が複合していることで難しさが増しているというか、難しさを出しているということがありますので、先ほど指導第二課長も説明をさせていただきましたが、その内容の系統と学年が教師の頭の中に入っていかないと、どこがつまずきのもとになるのだということが出てきません。
 最終的には、鈴木委員がおっしゃったように、その誤答がどこから来ているのかというところをきちっとその芽を摘んでいくといいますか、フォローしていくことが細かな地道な作業になりますが、大切なことであると思います。

井内委員長

 やはり、誤答のきっかけというのは一人一人違うのではないですかね。A問題で比較的確実にやっても伝わりそうな気がしますが、こういうB問題のどこでつまずいたかというのは10人いれば10人違ったところに引っ掛かる。つまり、どれがポイントかは学習指導要領で御説明になったような、どのポイントが一番自分は理解できていないのかは、子ども自身が把握すると同時に、一人一人に多様な原因があるのではないかという気がしますので、先生方も一人一人に合わせた、きめ細かさというのをすごく求められるのではないかと思います。

指導第一課長

 誤答分析といいますか、単元ごとの調査であるとか、そういったところから子どものつまずきを細かに拾っていくこと、日頃から拾っていくことが必要であると思います。基礎を積み重ねて獲得をしておかないと、B問題への意識といいますか、B問題を十分に活用できる、解いていくというところが難しくなるので、基本はA問題が一つ一つできるということ、そこが基本かとは思います。

尾形委員(教育長)

 授業の内容を変えていかないといけないと思います。根本的に日々の中でそういう授業を組んでいく必要があります。

井内委員長

 A問題で全国より上にいる広島市のレベルが、急に中学校になってB問題的な内容でがくっと足を引っ張られるというのは、全国に比べて指導方法に問題があるのかなというような気がしますよね。それを具体的に指摘するのはなかなか難しいのですが。

尾形委員(教育長)

 やはり考える経験を積まない限りは考える力は付かないと私は思うのです。だからその考える経験をさせるような授業をしないといけません。この問題をやるから、この計算をして求めなさいといったことも大事なのですが、そればかり繰り返していたのではいけないと思います。「これとこれを比べてどう違うのか理由を考えましょう。」というような問題に慣れていかないと、そういう癖を付けていかないと、考える力というのは付いていかないと思います。だから、日々の授業の中でそこを心がけていくというのは、一つ大事なことなのではないかと思うのです。そういうことを今取り組んでいるところです。

井内委員長

 大変な取組になるのではないかと自分で言いながら思っておりますが、個々の先生方に頑張っていただくしかないですので、是非ここのところを克服していただいて、本市の中学校の数学も上がったというふうに、目に見えるような成果を出していただければと期待しています。よろしくお願いします。

尾形委員(教育長)

 8ページの質問紙調査、学習状況調査についてですが、今回の全国学力調査で測定できるものと測定できない意識や意欲、関心など、今言われたように学びに向かおうとする力が求められています。それをやはりセットで見ていこうということが、全国学力調査の一つの特徴です。そうすると、やはりこの8ページのところにも着目していかないといけないと、我々は思っています。平成21年度のひろしま型カリキュラムを入れる前と、それ以後どう変化していくかといったときに、おおむね意欲といった面では大分伸びてきておりますし、説明する力も大分付いてきていると思うのですが、家庭での学習を見ていただくと、余り増えていっていないということが言えるのではないかという気がします。例えば、丸4で言えば、授業の予習・復習とその下の1日当たりの勉強時間がかなり増えてきていますが、その辺りが今の宿題の問題とか、家庭での学習の在り方がどうなのかといったところですね。予習・復習にしても中学校と小学校でほとんど変わらないでしょう。その辺りが中学校で学力が伸びてくるためには、予習・復習が小学校よりある程度増えてこないと、力が付いていかないという部分があって、今後、家庭学習での教育やその指導にも取り組んでいく必要があります。各学校で手引を作るなど、いろいろ取り組んでいますので、そういうところをもっともっと力を入れてやっていこうと思っています。

井内委員長

 先ほど鈴木委員もおっしゃいましたが、家でやればいいと言うけれども、何をやっていいか分からないというのが現実だと思います。理解していなかったら、一体どこを見て何を勉強しろというのかということがつかめない子もいるのではないかという気がしますね。その辺りに大きな課題がまだありそうな気がします。

藤本委員

 今、南観音小学校の帯時間で実施しているプリント学習を広げていく方向で対応してくださるということを聞いて、非常にうれしく思っています。
 内容のことで具体的にお聞きしたいのですが、例えば算数の教科の中で、図形であるとか文章題であるとか、どの部分もつまずく子が多いのですが、プリント学習の中でそういった図形とか文章題ということも入ってくるのですか。

指導第一課長

 入っています。

藤本委員

 帯時間ですることも、とても大事なことだと思うのですが、例えばそういうものを宿題にするような形にして、家では計画的学習をし、授業では考える学習をするということができたら理想的かなと一つ思います。基礎、基本の定着の土台があっての考えということだと思いますが、家での学習はそういった自分の能力より少し易しい問題でないと、自分一人でするのは難しいと思うのです。それができる状況であると、やっていても楽しいなというところがあるので、そういうものを家庭学習で出すというような形にして、学校や先生が労力を費やす部分では、そういった基本的なことの定着に費やすのではなくて、もう少し考える思考的なものに学校の先生の労力と時間を費やすような形にしたらどうかと思います。
 この間、ちらっと聞いたのですが、例えばイギリスではもう計算などは計算機でやってしまうそうなのです。とにかく学校では考えること、それを勉強としてやっていくという話があって、それもちょっと極端かなと思ったのですが、そういう形で進めているのと比較すると、基礎を学校でこれだけ一生懸命やっているという部分で、それだけでいいのかというか、そういうことをしていると、やはり出遅れるというか、大分競争力の面ではどうなのかという部分がありますので、教育長が言われたように、やはり両面での教育機会の提供ということが必要であると思います。今後、検討していくことが非常に重要かなと思いました。

溝部委員

 こういう結果を見たら、授業改善もとても必要になると思いますし、宿題の在り方も必要になるだろうし、家庭の啓発も大事なのであろうと思います。いろいろ課題があると思うのですが、毎年こういうふうに教育委員会議に出していただいて、私たちもいろいろなことを考えるのですが、この結果を各学校へはどういう状態で出して、各学校からはどのようにフィードバックをされているのかというのが質問です。

指導第二課長

 各学校ではそれぞれ分析をしておりまして、その分析については教育委員会に提出していただいています。
 それから、児童生徒あるいは保護者にきちんと説明をして、どういうふうに取り組んでいくかということを提示して、その取組を進めていただいております。指導主事が計画訪問をいたしますので、そこで計画、取組状況、結果について報告をしていただいて、必要に応じて指導・助言をしております。

溝部委員

 毎年されていると聞いていますので、きっと示されていると思うのですが、今までやってきたことを何か大きく変えていって、子どもを鍛える部分をこのようにするとか、授業改善では、1時間の授業の中でここはとにかく徹底的に考える時間にしようとか、何か大きく形を変える授業の改善をして、そういうことを何かありきたりにフィードバックするのではなくて、もう少しそこを指導主事の方も言っていって、大きく変えてみたらどうか、トライされたらいかがかと思います。そうしないと、恐らくこういう傾向は続いていくのではないかと思います。学習指導要領も変わりますが、大きく形を変えるということが少し必要なのではないかと思って見ています。

井内委員長

 ちょっと大きな転換点に来ているのかもしれませんね。やはり大学の入試そのものも変わります。大学の入試というのは、日本の場合には非常に大きく教育の傾向を変えていきます。数学もイギリスの例をお出しになりましたが、それこそ電卓があれば計算は覚えなくてもいいみたいな話になりかねない。それこそ、これからAIも発達すれば、単純なことはもう全部機械がやってしまいます。何を自分の知恵として出していくかというようなところを問われるような時代になる。これは今の数学について、単純に言えばB問題みたいなものに取り組める、そういうことが勉強なんだと子どもたちに思わせないといけない。ただ覚えればいいとか、ただ数字を記憶すればいいとか、そういうものではないということを、伝えるのは大変難しいけれども、是非やらなければいけない大きな転換点なのではないか。それが少し授業の形態を変えたらということになると思います。これはそんなに一朝一夕でできることではないので、少し長いスパンで取り組んでいかないといけない重要な課題だと思いました。
 大変長い時間議論いただきましたが、この辺でこの議題は終わりたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次に議題3、議案第44号の「広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について」を議題といたします。
 本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、施設課計画担当課長から説明を受けます。よろしくお願いします。

施設課計画担当課長

 議題3について御説明させていただきます。
 12ページをお開きください。
 議題3、議案第44号「広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について」をお諮りいたします。
 本日、御審議いただく案件でございますが、「1 改正理由」にありますように、来年4月に石内北小学校が開校することに伴いまして、小学校及び中学校の通学区域が変更になります。これに伴う規則の一部改正を行うものでございます。
 「2 改正内容」につきましては、今まで伴南小学校の通学区域でありました石内北一丁目から五丁目までを、伴南小学校の通学区域からこの区域を削りまして、石内北小学校の通学区域に設定するということでございます。
 (3)ですが、大塚中学校の通学区域に、「石内北小学校の学区」を加えるという規則の改正でございます。
 「3 施行期日」につきましては、平成29年4月1日でございます。
 これまでの経緯でございますが、石内北小学校の設置に伴いまして、通学区域をどうするかということで、平成28年9月2日に広島市立学校通学区域審議会において、石内北一丁目から五丁目までをこの区域にするということで答申を得たところでございます。これにつきましては、10月の教育委員会議で御報告させていただいたとおりでございます。
 (2)ですが、平成28年12月市議会定例会において、石内北小学校の設置に伴う広島市立学校条例一部改正議案が議決されたところでございます。この議案については、11月の教育委員会議で諮らせていただいたものでございます。この議決がされたことに伴いまして、この度、規則の一部改正を行うものです。
 以上が御審議いただく通学区域の変更の内容でございます。
 13ページ以降、参考資料として載せていますが、13ページはこの改正規則の公布文になります。14ページがこの規則の新旧対照表です。具体的には左が現行、右が改正ですが、伴南小学校の中に、現状では石内北一丁目から五丁目までがあります。これを削除した上で、新たに五月が丘小学校の下に石内北小学校を設け、この区域を載せるとともに、中学校は大塚中学校区域に石内北小学校の学区を載せるものでございます。
 15ページはその通学区域の区域図です。通学区域は安佐南区と佐伯区の行政界により設定したものでございます。
 16ページを御覧ください。これについては、9月2日に開催された通学区域審議会の答申書でございます。
 以上でございます。よろしく御審議のほどお願いいたします。

井内委員長

 ありがとうございました。
 それでは審議に入ります。
 ただ今の説明につきまして、何か御質問、御意見等ございませんでしょうか。
 これはもう何度かここでも審議いたしましたし、聞いてまいりましたので、よろしいですね。
 それでは、議案第44号の「広島市立小学校及び中学校通学区域に関する規則の一部改正について」、原案どおり可決することに、御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは御異議なしと認めまして、本件は、原案どおり可決することに決定いたしました。どうもありがとうございました。
 以上で予定の議題は全て終了いたしました。
 これで本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は1月26日(木曜日)の午後1時30分からを予定しております。

ダウンロード

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

<外部リンク>