「広島城下絵屏風」には、文化年間(1804~18)ごろの広島のまちなみが、西国街道の道筋に沿って描かれています。街道を行き交う生き生きとした江戸時代の人びとの様子だけでなく、店先に並ぶ品物や風物の様子、愛らしい動物たちなど、細かに描き込まれた絵柄に引き込まれます。東側から順に春夏秋冬の季節を表現しているのも魅力の美しい絵屏風です。(広島城所蔵)
明治16年(1883年)に出版された「広島諸商仕入買物案内記」は、現在で言うショップリストのようなものです。当時広島のまちで商いをしていた様々な職種のお店が、店名とともに店の内部に至るまで描き込まれています。とりわけ店の内外に描かれた人びとの様子がかわいらしく、その筆致は銅版印刷とは思えないほど。現在も続く商店や神社なども描かれ、一枚一枚をじっくり眺めるほどほっこりと楽しくなる資料です。(広島市郷土資料館所蔵)