ヘリコプターで災害現場などに駆け付ける市消防航空隊。市内はもちろん、県内の他市町で災害が発生したときにも出動できるよう、県内全市町と応援協定を結び、災害対応に当たっています。
西区観音新町の広島へリポートに拠点を置く同隊。航空担当課長、救助隊員5人、操縦士4人、整備士3人の計13人で組織されています。
災害出動件数は、昨年、半年間(4〜9月)だけで90件。およそ2日に1件のペースで出動していることになります。内訳は、火災22件、救助21件、救急42件、その他情報収集などが5件でした。
県のドクターヘリが出動しているときなどに、別の救急出動要請があれば、同隊のヘリコプターが病院を経由して医師や看護師を乗せ、患者の元へ向かっています。
ヘリコプターの運航は、日の出から日没まで。暗くなると、上空から見える利点を生かした活動ができなくなること、飛行中に障害物と接触する危険性が高まることからです。限られた活動時間の中、一刻を争う事態に日々、対応しています。
火災出動では、現場上空から赤外線カメラなどを使って、範囲や熱の高い場所などを確認し、地上の消防隊に伝え、効果的な消火活動につなげています。林野火災などでは、容量500リットル以上の消火バケツをヘリコプターにつり下げ、川や湖、ダムなどの水をくみ、消火活動をすることもあります。上空から大量に放水できるのは、ヘリコプターだからこそ。
上空からの活動で市民の皆さんの命や財産を守れるよう、日々、訓練に励んでいます。
県内を東西に二分し、市消防ヘリコプターと県防災ヘリコプター(広島空港)で全域をカバー。ヘリコプターの要請窓口は、市消防局に一元化されており、現場までの距離などを踏まえ、出動指令が出される。