虐待は、受ける人の尊厳を著しく傷付けることから、未然に防止することがとても重要です。しかし、家族や利用している施設の職員、職場の人など、身近な人から受けることが多く、発見が難しい場合があります。
被害者は、自身が受けていることが虐待だと認識できなかったり、無力感から直接訴えることができなかったりする場合があります。下表のようなSOSのサインを見逃さないことが大切です。
虐待をしている側は、しつけや指導のつもりで、虐待と思っていない場合もあります。介護疲れや障害への知識不足、世話をする人自身の障害などに起因することも多くあります。通報は、被害者だけでなく、加害者の問題解決にもつながります。
障害者への虐待では? と思ったら虐待の種類(例) | 虐待のサイン(例) | |
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身体的虐待 | 暴力を振るう、やけどをさせる、乱暴に扱う | 体に傷やあざが絶えない、 急におびえたり、怖がったりする |
性的虐待 | 性的な行為を強要する、 裸の画像を撮影する | 人目を避け、部屋に1人でいたがる、相談するのをためらう |
心理的虐待 | 脅す、侮蔑的なことを言う、できることをさせない | 自分で自分を傷付ける行為をする、パニックを起こす |
ネグレクト (放棄・放置) |
十分な食事を与えない、入浴や着替えなどの介助をしない、不衛生な場所に放置する | 衛生状態が悪い、空腹を訴える、学校や職場などに出てこない |
経済的虐待 | 年金や賃金を渡さない、預貯金などを勝手に使う・運用する | 日常生活に必要な金銭を渡されていない |