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アメリカの「大量破壊兵器と戦う国家戦略」に対する抗議文(2002年12月14日)

ページ番号:0000009372 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ 閣下

抗議文

貴国政府が10日、大量破壊兵器による攻撃から貴国や同盟国を守るため核兵器の使用を辞さないことをあらためて打ち出した「大量破壊兵器と戦う国家戦略」を発表したとの報に接した。

現在、国際社会が、国連によるイラクの大量破壊兵器の開発・保有に対する査察を固唾を飲んで見守る中、最も多くの大量破壊兵器を所有する貴国が、その削減あるいは廃棄については口を閉じたまま、こうした戦略の発表を通じて、自国の強力な軍事力を誇示し、しかも核兵器使用の可能性を排除しようとしない貴国の執拗な姿勢は、「パックス・アメリカーナ」を世界に押し付けようとする以外の何ものでもなく、広島市民を代表して厳重に抗議する。

57年前の被爆体験を原点に、核兵器や戦争のない平和な世界の実現を訴えてきたヒロシマは、今後ともイラクが国連による査察に誠意をもって対応することを期待する一方で、貴国のイラクに対する武力攻撃が現実のものとなることを大いに危惧している。貴国が、あらためて広島と長崎の記憶に思いを致し、新たな「暴力と報復の連鎖」を生み出すことのないよう、国際的な協調による問題の平和的解決に向け努力するとともに、唯一の核超大国として、核兵器のない平和な21世紀の実現のため真摯に取り組むことを強く望む。

平成14年(2002年)12月14日

広島市長 秋葉 忠利