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アメリカの臨界前核実験に対する抗議文(1997年9月19日)

ページ番号:0000009342 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカの臨界前核実験に対する抗議文

アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファーソン・クリントン 閣下

駐日アメリカ合衆国大使館
臨時代理大使 ラスト・M・デミング 閣下

抗議文

 先月開催した第4回世界平和連帯都市市長会議において、参加33か国117都市の総意として、臨界前核実験の即時全面中止が決議されるなど、臨界前核実験の中止を求める声が、国際社会において大きな高まりをみせている中で、貴国が2回目の臨界前核実験を強行したことに対し、広島市民を代表して抗議する。

 貴国は、包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名し、戦略核兵器削減条約(STARTIII)に向けた交渉開始に合意するなど、核軍縮に向けた取り組みを行っているが、一方で、核兵器の維持を目的とした実験に固執する貴国の姿勢は、インドなどの反発を招いており、CTBTの発効を一層危うくさせ、NPT体制を崩壊させる危険性を持っている。

 貴国は、核兵器のない世界の実現を求める国際社会の願いを真摯に受けとめ、臨界前核実験を即時に中止するとともに、昨年7月の国際司法裁判所の「国際社会で核軍縮交渉を誠実に進め、交渉をまとめる必要がある」との勧告的意見を踏まえ、CTBTの早期発効と兵器用核物質生産禁止(カット・オフ)条約交渉の早期開始に向けて積極的な取り組みを行うよう強く求める。

平成9年(1997年)9月19日

広島市長 平岡 敬