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アメリカの臨界前核実験に対する抗議文(1999年2月10日)

ページ番号:0000009308 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカの臨界前核実験強行に対する抗議文
アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファ-ソン・クリントン 閣下
駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 ト-マス・S・フォ-リ- 閣下

抗議文

 貴国は本日、ネバダ州の地下核実験場で6回目の臨界前核実験を実施した。昨年のインド、パキスタンによる相次ぐ核実験により、核拡散防止体制が根底から揺らいでいる状況のもと、先月からジュネーブ軍縮会議での兵器用核分裂物質生産禁止(カット・オフ)条約の交渉が開始されるなど、国際社会において現状を打開する努力が行われているにもかかわらず、それに逆行する形で、貴国が実験の実施を発表したことに強い憤りを覚える。広島市民を代表して厳重に抗議する。
 貴国は、臨界前核実験は包括的核実験禁止条約(CTBT)には違反しないと主張しているが、CTBTの精神に反することは明らかであり、実験を繰り返し、核兵器を持ち続ける意思を明確にすることが、核保有国に対する不信を一層強め、新たな核拡散の動きを誘発することを危惧する。

 貴国は、核兵器のない世界の実現を求める国際社会の声に誠実に受け止め、これ以上の核拡散の動きを招かないためにも、臨界前核実験を直ちに中止するとともに、核保有国の責務として積極的に核軍縮に取り組むべきである。

平成11年(1999年)2月10日

広島市長 平岡 敬