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市長あいさつ
平和実現への一里塚
6年前の本日、わが広島市は一瞬にして壊滅し20数万の市民がその尊い命を失いました。この言語に絶する戦災は戦争による人類の破滅を示唆し、恒久平和招来のためには、いかなる努力をも払わなければならないことを強く教えたのである。われわれはその深き意義に思いを致し、いよいよあらん限りの力を傾け、さらに子々孫々にもわたるねばり強い努力を継続することによって必ずこれを完遂しなければならないと固く覚悟するものである。
8月6日は実にこの恒久平和実現の大道に一里塚を打建てる日である。われわれ広島市民は、この日を迎えることに過去を顧み、将来をいましめて一歩一歩大理想の実現にまい進する決意を新たにすべきで、犠牲者の霊を慰めるとともに平和への深き祈りを捧げて、30万市民うって一丸となり平和都市建設の礎とならんことを誓うものである。
1951年(昭和26年)8月6日
広島市長 浜井 信三
(この年は、平和宣言として発表されず、市長あいさつとして読み上げられた。)