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ページ番号:0000343250更新日:2023年7月21日更新印刷ページ表示

陳情第5号

「ひろしま・平和ノート」から「はだしのゲン」等の記述を削除した「平和教育プログラム(2023年度改訂)」の早期見直しを求めることについて

(要旨)​

1 広島市教育委員会が、今年度「平和教育プログラム」を改訂し、平和教材「ひろしま平和ノート」から「はだしのゲン」、「第五福竜丸」等の歴史的事実に関する記述を削除したことについて、その再検討(見直し)を行うこと。
2 この件に関して、全国から寄せられた抗議や疑問の声、何よりも3月22日に提出されたオンライン署名「ヒロシマの心『はだしのゲン』を「平和ノート」から削除しないで!」55,065人分(5月13日現在58,332人)の要望について、教育委員会は「教育委員会議」において議題として取り上げて公正な審議を行い、その内容と審議結果を回答(議事録で公開)すること。
 以上のことについて、陳情する。

理由
1 先般、広島市教育委員会は「平和教育プログラム」の2023年度改訂を行い、平和教材「ひろしま平和ノート」から「はだしのゲン」や「第五福竜丸」等の原爆や戦争の実態を伝える記述や記事を全面削除した。
2 この暴挙に対して、被爆者団体や教職員組合などの諸団体、学者・研究者から文学者、文化人、ジャーナリストから芸能人に至るまで全国津々浦々から疑問や批判の声が湧き起こり、広島市と教育委員会に対する抗議が集中した。このことは、たちまち大手から独立系まで多くのメディアによって取り上げられ全国に広く報道された。社説やコラム、特集などが組まれ、SNS、動画サイトでも数多く取り上げられたが、そのほとんどは削除に対する批判や疑問を呈する論調であった。
3 教育委員会事務局は全国各地から寄せられる抗議に対して「こういう大きな話になるとは思っていなかった」(2月22日TBS NEWS DIG)などと他人事のように語る一方で、「広島市の平和教育を変えたということではない」、「現場の先生が決められた時間の中で扱いやすいものという観点で選んだ」等とき弁を弄するようなコメントに終始した。
4 そのような中で、2月下旬から開始された「ヒロシマの心『はだしのゲン』を「平和ノート」から削除しないで!」オンライン署名運動は瞬く間に全国に広がり、その賛同者は5月13日時点で約5万9,000人(58,332人)にまで達した。
5 この署名については呼び掛け団体「教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま」が3月22日、一次集約「5万5,065人」分を市教委(学校教育部指導第一課高田課長)に提出、各メディアを通じて全国にも広く報道された。
6 ところが、その署名提出から2か月が経過しようとしている現在も、私たち署名賛同者(請願権行使者)に対して、教育委員会から回答は一切ない。それもそのはずで、教育委員会事務局はこの署名について「教育委員会議(3~4月に2回開催)」に対して何も報告していないようなのである。
7 これは大問題である。5万8,000人を超える人々が賛同した「ヒロシマの心『はだしのゲン』を「平和ノート」から削除しないで!」というこの署名は、日本国憲法第16条が国民に保障する請願権に基づき提出された要望書である。よって、私たちには「この署名がどのように取り扱われたのか」、「どのような審議・検討が行われたのか」を詳しく知る権利があり、教育委員会にはその審議経過と結果をつまびらかに公開する義務がある。
8 広島市教育委員会のウェブサイト「教育委員会議 資料・議事録(令和5年)」のぺージを見ると、本年1月30日「第1回定例会」から4月19日「第6回定例会」までの「議事録」は全て「作成中」と表示されたままである。関連するものとして2月8日「第2回定例会」の議題1として「平和プログラムの改訂について(報告)」との記載があり、「資料」として同名のPDFファイルがアップされているだけである。
https://www.city.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/202755.pdf
これでは広島市教育委員会(事務局)は、全国から寄せられた5万8,000人超の要望署名を「教育委員会議」に報告することなく「事実上握り潰した」と言われても仕方がない。
9 今から10年前、松江市で「『はだしのゲン』が学校図書室から撤去される」事件があった。この時、問題となったのは、事務局は教育委員会議に議題として諮ることはもちろん報告すら一切行わず独断で「閉架」を決定、校長会を通じて各学校に「指示」していたことであった。この「事務方の越権行為」が明らかになるや、松江市教育委員会は「事務局による手続きの不備」を認め「閉架措置の撤回」を決議した。
10 翻って広島市教育委員会はどうであろうか?
 2月16日の中国新聞の第1報以降、この「事件」は全国に報道され「大きな話」へと発展していったが、3月~4月に全部で4回開かれた定例会・臨時会では全く話題にすらなっていないのでは?と危惧される。
 また、松井広島市長も3月20日の定例記者会見の場で記者からの質問に答え「教育委員会の判断は尊重していいんじゃないか」などと事務局のコメントをなぞっただけの「受け止め」を披れき、全国からの批判には一切応えなかった。
11 最後に、平成23年に広島平和記念資料館で開催された企画展「こどもたちのみた戦争―はだしのゲンとともに」のウェブサイト「おわりに」に記された文章を引用して、陳情書を締めくくりたいと思う。
 (おわりに)
 ゲンは父親、姉、そして弟を原爆(げんばく)によって一度に失いました。皆(みな)さんは、目の前で家族を失ったらどうしますか。
 今なお、地球上には多くの核兵器(かくへいき)が存在(そんざい)し、私(わたし)たちは核(かく)戦争(せんそう)の危険(きけん)にさらされています。決して漫画(まんが)の中のことではなく、私(わたし)たちもゲンと同じ状況(じょうきょう)に置かれるかもしれないのです。
 「ふまれても、ふまれても、強く真っすぐに伸(の)び、豊(ゆた)かな穂(ほ)を実らせる麦のように、たくましく生き抜(ぬ)いていけ」。
 ゲンは父親から言われ続けていました。この父親の言葉は、くじけそうになるゲンに生き抜(ぬ)く勇気を与(あた)えています。
 漫画(まんが)「はだしのゲン」の中に何度も出てくるこの言葉は、いかに困難(こんなん)であっても核兵器(かくへいき)廃絶(はいぜつ)への努力を止めてはならない、努力し続ける勇気を持たなければならないという私(わたし)たちへのメッセージではないでしょうか。
広島平和記念資料館企画展
平成23年2月4日(金)~平成23年7月11日(月) ウェブサイトより
https://hpmmuseum.jp/virtual/VirtualMuseum_j/exhibit/exh1102/exh110211.html

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