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ページ番号:0000343208更新日:2023年7月21日更新印刷ページ表示

請願第10号

「広島市こども図書館」の再整備について

(要旨)​

 「広島市こども図書館」の再整備について、下記のとおり請願する。

1 「広島市こども図書館」は、「中央公園内の公共施設の集約化等に係る方向性(令和5年3月)」の「4位置図及びゾーニング」に示された「こどもゾーン」の中核として、設立の歴史的意義とこれまでの歩みを尊重し、現在地近辺で再整備すること。
2 再整備に当たっては、「広島市立図書館再整備方針(令和4年12月)」第3章の2の(3)「こども図書館」に記載された、広島市の子どもの本の中枢館(基幹図書館)としての機能を分散することなく、十全に発揮できることを第一義に、それを実現できる十分な面積と容積、設備を確保した上で、新築、増築も視野に入れ、現在地近辺で再整備すること。

理由
 「広島市こども図書館」は、隣接する「こども文化科学館」とともに、ハノーバー庭園、C59型蒸気機関車、河岸の桜並木、ファミリープールなどとあわせ、長年にわたり多くの子どもたちに親しまれ、愛されてきた。立地する中央公園内は、交通事故の心配もなく、豊かな自然に囲まれ、誰もが安心して楽しみ学ぶことができる、優れた環境にある。
 「広島市こども図書館」の前身は、1950年に米国南カリフォルニア州広島県人会から「原爆の廃墟に暮らす子どもたちに夢と希望を」と贈られた寄附金等によって、1953年に建てられた「広島市児童図書館」である。丹下健三氏の設計によるこの図書館は、1978年、老朽化によりその姿を消したが、その後、建て替えられた「広島市こども図書館」は、広島市の精神的骨格ともいえる「平和の軸線」上に位置している。多くの人々の平和への願いと子どもたちへの思いを受け継ぎ、子どもの本を通じて平和への思いを世界の人々と共有し、未来の子どもたちに希望を与えるという理念にふさわしい施設である。全国でも珍しい、子どもの本専門の独立図書館としても知られている。
 「広島市こども図書館」が所蔵する「ベル・コレクション」は、1949年、ハワード・ベル博士を通じて寄贈された714冊の洋書を核とする戦後の洋書関連資料978冊からなり、当時のアメリカ合衆国で読まれた児童文学の古典や、評価の高い創作絵本等初版本が中心の貴重な資料群である。「広島市児童図書館」設立のきっかけともなった。しかし、今日に至るまで、適切な保全管理がなされておらず、このままの環境で保存すれば、資料の劣化は加速度的に進むことは明白であり、早急に貴重資料保全にふさわしい適切な環境を整備することが必要である。
 ほかにも、平和・原爆関連や広島ゆかりの児童文学等の収集資料は、「ベル・コレクション」と共に、被爆後の広島の子ども文化を語る上で重要であり、児童文学の研究対象ともなり得る資料である。今後は、内外の研究者にもアピールし、活用できるよう情報発信するとともに、資料のデジタル化なども含め、専門性の高いニーズにも応えられるよう整備すべきと考える。
 以上の理由から、「広島市こども図書館」は「こどもゾーン」の中核として、設立の歴史的意義とこれまでの歩みを尊重し、現在地近辺で再整備することが重要と考える。
 「広島市こども図書館」は、築40年を過ぎ、各所に雨漏り、ひび割れなど、ハード面での劣化も生じている。また、収集資料の増加、それに伴う閲覧スペースや作業スペースの圧縮、動線のゆとりのなさ、図書館を支えるボランティアの活動に必要な打合せ・研修スペースの不足、ユニバーサルデザインの基準を満たしていないなど、直ちに解決すべき基本的な問題を抱えている。さらに、「図書館再整備方針」に記載されている、平和・原爆関連や広島ゆかりの児童文学等の収集活用の強化、学校などと連携した子どもの読書活動や学習活動の支援、誰もがゆったりと読書を楽しめる様々なスペースの充実、市民ボランティアへの支援と連携などの機能を発揮するために、十分なスペースの確保を伴った再整備を切に願うものである。
 「広島市こども図書館」は、これまで、広島市の子どもの本の中枢館として、児童書の選定・購入・保存・調査・研究、良書目録の作成・配布、学校図書館支援、図書館招待、おはなし会の開催、講演会の開催、ボランティアの育成・派遣など、子どもの教育や読書推進活動において、大きな役割を担ってきた。これらの機能を、縮小することなく、再整備していただきたい。また、これらの機能は連携しており、他施設に分散することは効率的ではない。子どもの本のことは、「広島市こども図書館」に行けば全て事足りることが重要である。
 また、本来、図書館のあるべき姿は、「人」なくしては語れない。児童図書のレファレンスに関する知識、おはなし会などのスキルは、一朝一夕に得られるものではない。現在の「広島市こども図書館」は、配属となった司書、個々人の努力によって支えられている。機能が十分発揮されるためにも、子どもの本に関する知識と経験豊富な司書を、かけがえのない専門職として、文化都市にふさわしい待遇で安定的に雇用し、未来を見据えて後進の育成に尽力していただきたい。
 以上、「広島市こども図書館」が、今後も多くの子どもたちに愛され、子どもたちを育み、子どもの本を通して、世界に平和を発信する唯一無二の図書館として、国際平和文化都市・広島にふさわしい形で再整備されますよう、ここに熱い思いを込めて請願する。

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