目次
1.肉の生食・加熱不足で起こる食中毒
2.肉の食中毒菌汚染について
3.調理の際の注意点
4.「お客様が自分で肉を焼く形態」で提供する際の注意点
5.加工処理をした食肉を提供する際の注意点
6.消費者の皆様へ
食中毒の原因となる
細菌又はウイルス
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症状
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原因食品
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カンピロバクター
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- 潜伏期間:2~7日
- 腹痛、下痢(水様便、血便)、発熱、頭痛
- 少量の菌でも発病することがある。
- 感染後、手足のマヒや呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症することがある。
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- 加熱不足の肉料理(焼肉、焼鳥など)
- レバ刺し
- 鶏刺し、鶏わさ、鶏肉タタキ
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サルモネラ
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- 潜伏期間:8~48時間
- 下痢(水様便、緑色便)、発熱(高熱になりやすい)、腹痛
- 少量の菌でも発病することがある。
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- レバ刺し
- 鶏わさ、鶏肉タタキ、鶏刺し
- 鶏卵、スッポン料理
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腸管出血性大腸菌
(O157、O26等)
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- 潜伏期間:4~8日
- 腹痛、下痢(水様便、血便)、発熱
- 溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発し重症化することがある。
- 少量の菌でも発病することがあり、人から人への二次感染を起こす。
腸管出血性大腸菌食中毒の予防について<外部リンク>(厚生労働省HP)
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- 生レバー(レバ刺し)
- ハンバーグ等のミンチ肉(結着肉)料理
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E型肝炎ウイルス
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- 潜伏期間:2~9週間(平均6週間)
- 発熱、腹痛、黄疸、肝腫大、肝機能悪化
- 大半は安静により治るが、まれに劇症化し死亡することがある(劇症肝炎)。
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(1) 鶏肉のカンピロバクター汚染について
平成27年5月~平成28年2月に広島市保健所で鶏肉の細菌検査を実施した結果、市販されている鶏肉(冷蔵)の81%からカンピロバクターが検出されました。
検査した肉の種類
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検出率
(カンピロバクター菌がついていた割合)
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陽性数/検体数
(カンピロバクター菌が付いていた肉の数)/(検査した肉の数)
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鶏肉(冷蔵)
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81%
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60/74
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(2) 牛レバー(加熱加工用)の食中毒菌汚染について
厚生労働省が取りまとめた調査結果では、牛レバーからも、カンピロバクターが検出されています。
外部リンク 「食品中の食中毒菌汚染実態調査の結果<外部リンク>」(厚生労働省ホームページ)
(3) 広島市で発生したカンピロバクター食中毒事例
発生年月
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原因施設
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概要
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平成30年
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4月
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飲食店
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白レバ、串盛り、鳥もも唐あげ等を食べた4名中3名が腹痛、下痢、頭痛、発熱等を発症。
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10月
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飲食店
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ささみ串、もも串、肝串、牛ホルモン焼き等を食べた10名中5名が腹痛、下痢、発熱等を発症。
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平成31年・令和元年
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6月 |
飲食店
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白レバーのたたき(鶏:低温調理品)、レバ刺し(豚:低温調理品)、よだれ鶏等を食べた18名中8名が下痢、発熱、腹痛等を発症。 |
6月 |
飲食店
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鶏レバ刺し(加熱食肉製品)、若鶏の唐揚げ、モツ煮込み等を食べた3名中3名が腹痛、下痢、嘔吐、発熱等を発症。 |
令和2年 |
10月 |
飲食店 |
鶏タタキ、ハツ、レバー等を食べた6名中4名が発熱、腹痛、下痢等を発症。
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10月 |
飲食店 |
白肝等を食べた7名中3名が腹痛、発熱、下痢等を発症。
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(1) 加熱は十分行う!!(75℃1分以上)
- 食肉は、十分加熱 しましょう。特に、ひき肉、結着肉、味付き肉を使用する料理(ハンバーグ、サイコロステーキ、つくねなど)は、中心まで確実に加熱しましょう。(加工処理をした食肉について)
- 串焼は、串打ちの際に、食中毒菌が肉の内部に入り込みます。肉は串の部分(中心)まで確実に加熱しましょう。
(2) 肉を生や半生の状態で提供しない!!
- 新鮮な肉でも、菌が付いていることがありますので生や半生での提供はやめましょう。
- 湯どおし程度の加熱処理では、ほとんど殺菌効果はありません。
※生食用牛肉には基準が定められています。
(生食用牛肉の基準が定められました!生肉の取扱いに注意しましょう!!)
※牛レバーを生食用として提供することは禁止されています。
(牛の肝臓(レバー)を生食するのはやめましょう)
※豚の食肉と内臓を生食用として提供することは禁止されています。
(豚の食肉や内臓の生食が禁止されました!)
(3) 肉から他のものへの汚染を防ぐ!!
- 肉を触った後は、必ず手指を洗浄・消毒しましょう。
- 生肉を扱う調理器具(包丁・まな板など)は、専用のものにしましょう。
- 生肉を扱った後の調理器具は、すぐに洗浄、消毒しましょう。
- 調理済の食品や野菜など未加熱で提供するものが肉汁などで汚染を受けないように注意しましょう。
- 真空パックや凍結されたものでも菌は生存しています。(カンピロバクターは1か月以上生存すると言われている)
- 生の肉を、お客様自身が加熱する形態で提供する際は、具体的な加熱方法を口頭及び掲示等により確実に情報提供しましょう。
- バイキングの場合、陳列ケース内での相互汚染を防ぎましょう。(配置の工夫、肉用トングの他の食材への移動防止など)
- 生肉専用のお皿やトングを用意し、お客様に使い分けを呼びかけましょう。
参考:掲示用資料
筋や繊維を切断するなどの加工処理をした肉は、腸管出血性大腸菌O157等の細菌による汚染が、食肉の内部まで拡大する恐れがあり、食中毒の原因となることがあります。これら 加工処理肉やひき肉(ミンチ肉)調理品は中心部までの加熱が必要です。
加工処理の種類(処理をしていない食肉と外見上は区別が困難)
- テンダライズ処理:金属の刃を用いて、肉の原型を保ったまま、筋および繊維を短く切断する方法
- タンブリング処理:調味液に浸し、味をしみ込ませる処理
- ポーションカット(結着肉):肉塊や挽肉を金属容器にきつく詰め凍結整形した後、一定の厚みに切る
- ミキシング:肉に調味料を加え、ミキサーでもみほぐす
- タレかけ:肉を容器包装に入れた後、調味液を加える
- 肉を生や、半生の状態で食べないようにしましょう。特に子ども、高齢者等の抵抗力の弱い方は、重症化する危険性が高くなります。
- 肉は中の色が完全に変わるまで十分に加熱しましょう。特に、ハンバーグ等のミンチ肉を使用する料理は、食中毒菌が内部にまで入り込んでいる可能性があります。
- 肉を焼く時は、生肉を扱う専用のトングを用意して、食べるはしで生肉に触れないようにしましょう。
- 生肉に触れた付け合わせの野菜などは、必ずよく焼いてから食べましょう。
- 肉の調理に使用した調理器具(包丁、まな板、味付けに使用した容器など)は、洗浄、消毒を行いましょう。また、生肉の取扱い後は、手や指も洗浄、消毒をしましょう。
- 病原性大腸菌やカンピロバクター等は、少しの菌量でも食中毒症状がでることがあります。調理器具や手や指を介した二次汚染には特に注意が必要です。(二次汚染:もともと生肉に付いていた菌が他の食品に移ること)
- 生肉を冷蔵庫内で保管する際は、タッパーやトレー等の容器を使用し、肉汁 (ドリップ)が他の食品にかからないよう注意しましょう。特に生野菜(サラダ)等の非加熱食品は要注意です。
内部リンク
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このページに関するお問い合わせ先
健康福祉局 保健部 食品指導課、食品保健課
電話:(食品指導課)082-241-7404、(食品保健課)082-241-7434/Fax:082-241-2567(共通)
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