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ヒトや動物の腸内、自然環境に広く存在し、通常病原性はありません。しかしいくつかの大腸菌はヒトに病原性をもっています。これらを総称して病原大腸菌(又は下痢原性大腸菌)と呼ばれています。
病原大腸菌(又は下痢原性大腸菌)は、下記の5種類に分類され、症状なども異なります。
(顕微鏡写真提供:広島市衛生研究所)
大腸菌には多くの種類があるため、菌体(O抗原)や鞭毛(H抗原)などの種類により番号で型別に分類します。
この型別を血清型別と呼びます。例えば大腸菌O157は、157番タイプのO抗原をもつ大腸菌ということになります。
毒素を産生し、コレラ様の激しい下痢を起こします。
毒素には以下の2種類があります。
主な症状:潜伏期間12~72時間。腹痛、下痢(主に水様性)。
赤痢菌のように、腸粘膜に侵入して下痢を起こします。
食中毒の他にヒトからヒトへ感染することもあります。
主な症状 : 潜伏期間1~5日。下痢(主に水様性ですが、重症では粘液や血液が混じることがあります)、腹痛、発熱。
乳幼児の胃腸炎の原因菌として知られていますが、成人にも腸炎を起こすことがあります。
主な症状 : 潜伏期間12~72時間。下痢、腹痛。
大腸の粘膜内に付着して、増殖する際にベロ毒素(VT)を産生します。
この毒素が腸粘膜の出血や浮腫、壊死等を引き起し腸炎となります。
強い感染力を有し、少量の菌でも感染することがあります。
食中毒の他にヒトからヒトへ感染することもあります。
主な血清型 : O157、O26、O111など。
(これ以外の血清型でも検出事例があります。詳細は「国立感染症研究所感染症情報センターホームページ」の「病原微生物検出情報(IASR)」の細菌検出情報をご覧ください。)
主な症状 : 潜伏期間2~8日。下痢(血便)、腹痛。重症では溶血性尿毒症症候群(HUS)による腎障害を引き起し死亡することもあります。
2週間以上続く下痢の原因菌として分離されることが多く、病原因子など不明な点が多い菌です。
主な症状 : 潜伏期間1~5日。持続性の下痢、腹痛。
(注1) 平成24年7月1日から、牛のレバーを安全に生食するための有効な予防対策が見いだせるまで、牛レバーを生食用として提供または販売できません。
(注2) 平成23年10月1日から、ユッケ等の生食用牛肉(内臓を除く)の規格基準に適合しないものは、提供または販売できません。
肉類は生や半生で食べず、十分に加熱しましょう(75℃、1分間以上)。
健康福祉局 保健部 食品保健課
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