広報紙「ひろしま市民と市政」へ戻る

広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ令和3年12月1日号トップページトピックス支え合って目指す二人のゴール

支え合って目指す二人のゴール

写真

 障害の有無にかかわらず、全ての人が能力を発揮し、互いに人格と個性を尊重して支え合うことが大切です。今回は、視覚と聴覚に障害のある盲ろうランナーと伴走者(ばんそうしゃ)の活動を紹介します。

 さわやかな風を受けながら川沿いを走る大杉勝則(おおすぎかつのり)さん(59・上写真左)と伴走者の東秀隆(ひがしひでたか)さん(58・同右)。伴走者とは、視覚などに障害のあるランナーと共に走りながら、走路や路面の状況などの情報を伝える人のことです。

一度は諦めた走る夢

 生まれつき耳が聞こえなかった大杉さんは、走ることが大好きで、高校時代は陸上部の中・長距離ランナーとして活躍。パラリンピックの選手を目指していましたが果たせず、大学生の頃走るのをやめてしまいました。

もう一度走りたい

 その後、次第に視力が低下していった大杉さんは、47歳で完全に視力を失いますが、友人とマラソンの話などで盛り上がるうち、伴走者と一緒ならもう一度走れるかもしれないと思うようになりました。協力者と共に再びランニングを始め、49歳の時、盲ろう者2人と伴走者5人で「広島ランニングパートナーズ」を結成。今ではブラインドランナー(視覚に障害のあるランナー)18人、伴走者約30人で練習を続けています。中距離からフルマラソン、最近は100kmのウルトラマラソンも走破した大杉さんのもっと走りたいという意欲は尽きません。

互いをつなぐ絆のロープ

 一方、伴走者の東さんは、別のランニングチームに所属していましたが、伴走者をしている友人に勧められ、結成1年後の広島ランニングパートナーズに参加しました。
 ランナーと伴走者は、輪にした一つのロープを持って走ります。耳が聞こえるランナーには声で状況を知らせることができますが、大杉さんの場合は、上り坂なら腕を下から押し上げる、トイレは指をWCの形にして手のひらに触れるなど、二人で決めたサインを伝えながら走ります。
写真
ゴールを示すサイン

一緒だからもっと楽しい

  「ひそかにライバルだと思ってます。大杉さんの情熱に置いていかれないように、自分もしっかり練習しないと」と笑う東さん。ゴールして、無事に完走できたことを喜んでもらえる時が、伴走者として一番うれしいと言います。
 障害があっても、走ることの楽しさや一緒に走ってくれる人がいることを伝えたいとの思いから、東京2020オリンピック聖火ランナーも務めた大杉さん。「伴走者がいるからこそ、もっと走りたくなるんですよ」と、お互いの存在の大切さを語ってくれました。

伴走者募集中!

広島ランニングパートナーズでは、走ってみたい視覚障害のある人、伴走者として一緒にランニングを楽しんでくれる人を募集しています。関心のある人は大杉さんのEメールkatsuqbee@gmail.comまで
写真


写真写真

この記事は、主に上記SDGs(エスディージーズ)のゴールの達成に役立つものです。
【SDGs…持続可能な開発目標】

◆問い合わせ先:障害福祉課(電話504-2147、ファクス504-2256)

トピックス