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広島市ホームページ令和2年10月1日号トップページトピックスHACCP(ハサップ)で広がる食の安全

HACCP(ハサップ)で広がる食の安全

 食品衛生法の改正により、来年6月から、原則全ての食品等事業者を対象に、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務付けられます。
 現在、HACCPを導入している市内の水産会社の取り組みなどを紹介します。


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写真の説明 1.アナゴを受け入れる際、品温(アナゴの温度)測定、鮮度・外観の確認(下図「原材料」) 2.消毒・殺菌された作業場でマスク・ゴム手袋を着けた従業員によりアナゴを処理(同「工程1」) 3.アナゴを金属探知機に通す(同「工程2」) 4.出荷時に品温測定、鮮度・外観の確認(同「工程3」)
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工程ごとにチェックし、問題のあるものはその都度排除され、安全な食品だけが出荷される
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安全性を左右する重要なポイントを見極め重点的にチェックし、記録

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市食品衛生協会 HACCP普及指導員
北原さん

 HACCPとは、NASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)が宇宙食を作るために開発した食品製造の衛生管理の方法です。
 従来の衛生管理は、施設や機械器具の清掃消毒などの一般的な衛生管理を行った上で、製品の抜き取り検査を行う方法が主流でした。一方、HACCPは、従来と同じく一般的な衛生管理を行った上で、原材料の受け入れから最終製品までの各工程ごとに危害(健康被害を起こす微生物や異物など)を予測します(右図参照)。それにより、特に重要なポイントを見極め、工程を連続的にチェックし、記録します。HACCPの導入により、従来よりも安全性の高い食品を提供することができます。
 詳しくは、こちら

「衛生管理を徹底し、安全で質の高いアナゴを広島から世界へ」

 アナゴなど水産加工の泣Xイコウ(西区)は、HACCPの導入に取り組み、衛生管理を行っています(上写真と上図参照)。
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 土岡正人社長(上写真)は「市食品衛生協会の食品衛生コンサルタント事業を活用して、HACCPの導入に取り組み、社員の衛生管理意識も向上しています。会社一丸で衛生管理を徹底し、安全で質の高いアナゴを広島から世界に広めたいですね」と意気込みます。

HACCPを導入すると、ほかにもこんなメリットが!

競争力の強い商品になる
組織全体の意識が一体化する
 商品に対する組織全員の理解や衛生知識の向上が期待できる
定期的なチェックで安全性が継続
経験を科学で裏付けられる
 これまで、特定の技術者が経験的に獲得してきた技術を科学的に裏付け、分かりやすいマニュアルを作ることによって経験の浅い人でも品質向上や危害防止に高い意識を持つことができる

食品衛生協会などによる 認証制度があります

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 HACCPを導入し衛生管理を行っている施設について、認証する制度があります。認証を受けた施設は、上記のプレート(左、市食品衛生協会の認証)や認証マーク(右、県の認証)を取得できます。

家庭でもできるHACCP

 日頃の食事作りをチェックしてみましょう。
食品の購入 生鮮食品は新鮮なものを。冷蔵・冷凍品は保冷剤を付けて早めに帰宅
家庭での保存 肉や魚は汁が漏れないように包んですぐに冷蔵庫または冷凍庫へ
調理・食事 手、調理器具をこまめに洗う。生食用と加熱用の食材、調理器具は接触させない。十分な加熱(一般的な目安は中心の温度が75℃で1分以上)。食事の前の手洗い。長時間室温で放置しない
残った食品 清潔な容器に保存し、温め直しはしっかり加熱。時間が経ち過ぎたなどで不安なときは、迷わず廃棄

◆問い合わせ先:食品保健課(電話241-7434、ファクス241-2567)

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