ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 市民局 > 市民局 国際平和推進部 平和推進課 > 平和記念施設保存・整備方針 資料編3.平和記念施設の保存・整備に係る有識者アンケート及び市民意見

本文

平和記念施設保存・整備方針 資料編3.平和記念施設の保存・整備に係る有識者アンケート及び市民意見

ページ番号:0000009636 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

目次

平和記念施設保存・整備方針 資料編3.平和記念施設の保存・整備に係る有識者アンケート及び市民意見

1.目的
2.有識者アンケート及び市民意見募集の概要
3.有識者アンケートの結果(意見の概要)
4.市民意見募集の結果(意見の概要)
5.設問の内容

戻るボタン

1.目的

被爆後半世紀以上が経過し、ヒロシマの記憶が世界的に薄れつつある現在、核戦争の危険性や核兵器使用の可能性が高まっており、被爆地ヒロシマの役割は益々重要なものとなっている。
こうした状況の中、広島市では、被爆60周年となる平成17年度に向け、被爆の生き証人である原爆ドームやヒロシマのシンボルである平和記念公園・平和大通りなどの平和記念施設を将来の世代に理想的な形で引き継ぎ、被爆者の思いを未来永劫に伝えていくため、その保存・整備方針について改めて検討することとしている。
その取組みの一環として、平和記念施設の役割や保存・整備の方策などについて、「有識者アンケート」及び「市民意見募集」を実施した。

2.有識者アンケート及び市民意見募集の概要

1.有識者アンケート

  1. 対象者:学識経験者、ノーベル平和賞受賞者、平和団体・活動家、文化関係者、ジャーナリストなど国内外の有識者等
  2. 実施方法:平成15年(2003年)10月、アンケート及び平和記念施設の概要資料を郵送で送付。
  3. アンケートのテーマ(設問の内容はこの章の末尾に掲載)
    • ヒロシマの果たすべき使命
    • 原爆ドーム保存の意義、保存の方法
    • 平和記念公園及びその周辺の役割、整備・活用策
    • 平和記念資料館の今後の取組み
  4. 回答者数:70人(回答率40.0%、回答辞退等を除く)
    送付数:有識者等162人(国内90人、海外72人)、マスコミ22人(回答辞退3人、死亡2人、アンケート不着の者3人、他の有識者の回答で兼ねるとした者1人)

2.市民意見募集

  1. 実施方法:「市民と市政」平成15年(2003年)9月15日号に掲載。市役所市民ロビー、各区役所でチラシを配布。市ホームページにも掲載。意見は、はがきやファクス、電子メールで。
  2. 意見募集のテーマ(設問の内容はこの章の末尾に掲載)
    • 原爆ドームについて〔保存の意義、保存の方法〕
    • 平和記念公園及びその周辺について〔その役割、整備・活用策〕
    • 平和記念資料館について〔今後の取組み、展示〕
  3. 回答者数:38人

3.有識者アンケートの結果(意見の概要)

1.ヒロシマの果たすべき使命

  1. 被爆地ヒロシマの果たすべき使命
    大きく「被爆の実相・被爆体験の継承」「核兵器の廃絶」「世界恒久平和の実現」の3つの趣旨の意見が寄せられている。
  2. 使命の実現に向けた具体的な取組みの提案
    国内外への働きかけ
    • 「核不拡散を推進する上で積極的な役割を果たすよう、日本政府を動かす努力をすべき」
      「NPT条約を維持していくための世界的キャンペーンの一部である核兵器条約の達成に専念すべき」
      「世界の人々、とりわけ紛争地域の人々の間に立ち平和の仲介役を果たす」など
    • 市民と一体となった運動の展開
      「市と市民が一緒になって国際キャンペーンの核となるような取組みを始めることが肝要である」
      「核抑止と戦争回避という消極的メッセージと、敵意を抱くことなく人類の将来に向けて思いやりを持つという積極的メッセージの双方が、広島市と市民双方から、説得力ある方法で語られるべき」など
    • イベント、会議等の開催
      「平和市長会議や原爆展等を開催し、世界に人々に核兵器の恐ろしさ、平和の大切さを発信する」
      「音楽、演劇、その他楽しいイベントを組むことも大切である」など
    • 教育的取組み
      「世界的な出会いの場・平和希求の場として人を集める。平和サマー・スクール(ビレッジ)を開催する」
      「あらゆるレベルの学校用に教育資料を製作するメディアセンターを設ける」など
    • 平和理論の構築
      「アメリカの一国主義、独断をどう捉え、どう世界になじませるかについて、広島・長崎の体験からの強力な論理構築が必要である」
      「ヒロシマのメッセージをすんなり受け入れ難い歴史的背景や経験、文化、世論、政治的解釈をもつ国、民族、地域に対し、メッセージを共有できるような働きかけ、あるいは相手側を理解して共通の土台をつくる努力も必要である」など
    • その他の取組み
      「核兵器の非人道性を、ことば、映像、絵、音、科学などあらゆる具体性を持って伝える」
      「原爆による恐ろしい放射能の影響と、民間の原子力による核廃棄物の増加やいわゆる平和的核技術の危険性を関連させて考えるべき」
      「世界中の政治指導者・子どもは、一度は広島・長崎を訪れねばならないというルールをつくる」
      「原爆関連の写真・映画・文学作品等を翻訳の上、国内外に配布する。特に学校、大学、公民館等を対象に流布を図る」など

2.原爆ドームを保存することの意義とその方法

  1. (1)原爆ドーム保存の意義
    大きく「被爆の証人、悲劇の証、警告」「平和の象徴・核廃絶の象徴」「慰霊の象徴」の三つの趣旨の意見が寄せられている。
    「人類共通の聖地、科学文明の犯した罪の証人」
    「世界に認識された核兵器による甚大なる破壊の象徴」
    「人間の愚かさのシンボル、愚かさを自らに問う場」
    「人類史上の負の遺産、核時代の警鐘」
    「平和の象徴。広く戦争被害を体感させることができ、未来への自覚を促すもの」
    「核廃絶の一里塚、人類の負の遺産」など
  2. 原爆ドーム保存の方法
    • ア.維持・保存のあり方
      • 「可能な限り被爆当時の原形を維持する」という意見が多く寄せられている。
      • 保存工事
        保存工事のあり方については、大きく次の二つの立場の意見がある。
        (ア)保存工事は最小限とすべきという意見
        「被爆の悲惨さを伝えるために、原形の維持を優先し工事は最小限にするのが望ましい」
        「一般の保存法を絶えず地道に積上げていく。革新的材料(補修)が見つかるまでは、地震による万々一の結果を想定しての“保持”方法を考えていくべき」
        「自然の不可抗力への対策は必要であるが、補強のため遺跡らしさが失われてはならず、もし、そうであるならむしろ自然崩壊も止むを得ない」など
        (イ)覆屋を設置するなど積極的な保存工事を行うべきという意見
        「長期間維持していくためには数十年後に、屋根をかけることはやむを得ないと思われるし、耐震工事のために鉄骨等を見える部分に補強することは当然行うべき」
        「風雨による劣化を防ぐため覆屋の類が必要、地震に堪える装置も必要。ただ、その場合説明版に原形の映像を付したりの努力は必要である」など
        また、「補修が進むほどきれいな保存物になってしまう。なぜ保存するのか、どういう保存技術がいいのかについて、生々しさを再現する修復技術も含めて検討して欲しい」といった修復技術のあり方についての意見もある。
      • 原爆ドーム周辺空間については、「バッファーゾーンを拡大すべき」「周辺建物の規制が必要である」などとする意見がある。
      • 保存への取組みとして、「ドーム募金を行う」「保存は国家的事業として取り組むべき」などとする意見もある。
    • イ.現物保存以外の継承手法
      「レプリカを作製する」「映像やデータとして保存する」「説明板を設置する」「記憶の保存(来るべき世代の人々への継承教育)に取り組む」「世界各地に原爆ドームを建設する」「メッセージを込めた巨大なドームポスターを世界中に配る」などの提案もある。

3.平和記念公園とその周辺空間の今後の役割と整備・活用

  1. 平和記念公園とその周辺空間の役割
    平和記念公園などの持つべき役割としては、大きく以下の四つの趣旨の意見が寄せられている。
    • 原爆犠牲者を慰霊し、鎮魂する場、聖地
      「鎮魂を第一義におく」
      「原爆死没者を悼み、平和の大切さを実感する場」など
    • 世界平和の象徴、原爆・平和を考える場
      「世界平和の象徴、あらためて平和を考える場」
      「見渡せば原爆の無差別性の意味を理解できる」など
    • 人々が憩い、集う場
      「世界中から広島を訪れる多くの人々の目的地」
      「苦しみや悲しみを癒す場・心身ともに憩う場・明日への希望を与えてくれる場」など
    • 平和都市広島の拠点
      「被爆地ヒロシマのセンターとしての役割を果たす」など
  2. 平和記念公園の整備・活用策
    ア.平和記念公園の整備
    • 旧中島地区の市民生活の復元等による追体験空間の整備
      「被爆前の中島地区での市民生活の様子や被爆直後の惨状を再現し、ヒロシマ追体験の場として再整備する」
      「この地がかつて市民の生活の場であったことをより鮮明に記念し、わかるようにし、その連続性が被爆により断ち切られたことが理解できるように工夫する」など
    • 平和文化(音楽や芸術)を活用した公園整備
      「音楽や芸術を通じ市民や芸術家が参加・出展できるコーナーを設置する」
      「反戦・平和美術、文学作品、映画、写真等が見られる施設、野外音楽堂のような空間がほしい」など
    • モニュメント・造型の整備、活用
      「表現力を持つ、生命の力を荒々しく感じさせるような深みのある造型が欲しい」
      「世界中の核廃絶を願う芸術家からさまざまな表現体を寄贈してもらい、「世界巡礼」の名所とする」など
    • 施設・設備の整備、改善
      「駐車場を整備する」
      「日よけ、雨宿りできる場所を整備する」
      「観光客、市民が憩えるレストハウスを拡充する」など
    • 樹木・植栽
      「年間を通じ様々な時期に花の咲く木や低木は人々の関心を集める」
      「濃い緑に囲まれたより静寂の空間を公園の一部に設置する」など
    • その他の意見
      「狭すぎる。もっと広げるべき」
      「あまりにも整備され過ぎたという印象もぬぐえない。あまり人工的に整備せず自然らしさを残すことも必要である」
      「より精神的・ある意味宗教的なまでに厳粛な雰囲気も必要ではないか」など
    • 一方で、「これ以上手を加えない方がよい」といった現状維持を求める意見も寄せられている。
  3. 公園周辺の環境整備
    「公園は静寂な空間として今後も保存活用し、周辺の建物や広告物に対する規制を行う」
    「周辺はもっと楽しめ、憩える場とし、慰霊を行う部分はもっと限定し聖なる場所として区分する」
    「既存商店街との空間的連携に配慮する」
    「来訪者の導線・アクセスの改良する」
    「記念碑の正面に商工会議所の建物が見えることに違和感を覚える人が沢山いる」など
  4. 公園空間、芝生広場の活用策
    「様々な平和活動に場を与えるべき」
    「静かに散策し、平和について考える、癒しの場、学習の場として活用すべき」
    「委員会を設け、その審議のもと、平和目的かつ市民の理解が得られるイベント(演奏会等)を開催する」
    「慰霊の雰囲気のなかで、芸術家がその芸術の表現手法を活かして、感動的なメッセージを伝える」
    「鎮魂にかなう空間利用は運用面でフレキシブルにする」
    「芝生広場は市民が自由に集い、核兵器廃絶・戦争反対の声をアピールできる場としたい」など 

4.平和記念資料館の今後の取組み

  1. 展示
    • 被爆の実相をより効果的に伝えるための展示方法、展示手法の工夫
      「あの日を意識させるような被爆の悲惨さがもっと伝わるような展示にして欲しい」
      「展示には最新の技術を導入するよう期待している」
      「子どもにも理解しやすい展示や写真の拡大、照明の改善等見せる技術を考えるべき」
      「本館は迫力あるものとし、基本的な被爆資料のわかりやすい展示とする。見学者は、まずここから入って見学できるようにする。東館は学習したり、情報を膨らませたり、外国とのリンクができるようにする」など
    • 展示テーマ・資料の拡充
      「平和のために何ができるか、紛争解決のためどうすればいいかを人々に示す」
      「ウラン鉱山の放射能被害、原発事故、核実験、劣化ウラン弾の被害も取り上げるべき」など
  2. 企画・運営
    • 資料館の取組みの方向性、運営
      「核兵器に限定することなく、いかなる形態の戦争も不合理であるということを説得する」
      「被爆者がいまなお核に殺されつづけている実態、放射線兵器のむごさをもっと特化した活動を」
      「世界の人々に、広島の教訓を知ってもらうための取り組みに焦点をあてるべき」
      「平和をつくるという取組みが必要である」
      「ミュージアムショップを情報発信の重要な拠点の一つとして位置づけリニューアルを図る。取り扱う平和グッズについても、斬新なデザインのものを独自に開発し、販売すべき」
      「原爆文学・文献を「英語版ペーパーバックシリーズ」として世界に広める」など
    • 講座・イベント、原爆展の充実
      「定期的な映画上映、文学作品の講話、市民討論会等を開催」
      「内外の来訪者と被爆者・平和活動家・研究者等が懇談できる場を設置する」
      「世界中の博物館と協力し継続的な巡回展を開催する」など
  3. 平和学習、修学旅行・観光客誘致
    「体験型の平和学習ができる空間と方法論を開発する」
    「平和教育の教材を世界中の文部省へ送付、学校へのインターネットによる教材の送付」
    「全国の学校にヒロシマへの修学旅行、ヒロシマ学習を働きかける」など
  4. 資料収集とデータベース化
    「証人となるべき人が冷静に当時を思い返せる時期の今、ソフトの資料である証言を集める」
    「世界(主に米国)にある資料の収集を積極的に行い、特に映像資料をさらに充実させる」
    「資料のデータベース化など研究者や市民が使いやすい仕組みをつくる」など
  5. インターネットによる情報発信・リンク、文書館機能の整備
    「世界に向けたインターネット発信に取り組む」
    「広島のデジタルアーカイブから世界の類似情報にアクセスできる仕組みを構築する」
    「デジタルアーカイブス(電子図書館)を目指す」など

4.市民意見募集の結果(意見の概要)

1.原爆ドームについて〔保存の意義、保存の方法〕

  1. 原爆ドーム保存の意義
    • 大きく「被爆の証人、悲劇の証、警告」「平和の象徴・核廃絶の象徴」の趣旨の意見がある。
      「戦争、原爆の悲惨さを世界に訴える」
      「戦争の悲劇も科学技術の誤った活用も人間が造り出したものであり、原爆ドームは負の象徴」
      「その姿のまま平和の大切さと原爆(戦争)の残酷さを、その時代時代を生き抜く人達に語りかけ、考えること」
      「戦争の惨禍の経験を市民が思い出し、核兵器の威力を後世の人々に伝え、その記憶を残そうとする広島市の意志を世界の人に示している」
      「広島だけの遺産ではなく世界に対して核廃絶を訴えるシンボルである」など
    • 一方、少数ではあるが、「都市のシンボル、貴重な観光資源」「もう十分役割を果たしたのではないか」などの意見も寄せられている。
  2. 原爆ドーム保存の方法
    • ア.維持・保存のあり方
      • 「覆屋を設けるなど積極的な保存工事を行う」という意見が多く寄せられている。
        「対症療法的な工事が続けば被爆証言建物としての迫力が失われる日が来る。商工会議所ビルくらいの大きさで紫外線吸収ガラスかアクリル板などでドームをすっぽり覆う透明な建物を造ってしまう」
        「外観が変わり、被爆の痕跡がある程度なくなっても長期保存できるような工事を行うことが重要である。原爆の恐ろしさを伝えるのは平和記念資料館の役目であり、ドームはシンボルでよい」など
      • 原爆ドーム周辺空間については「ドームを囲む花を植える」といった意見がある。
      • また、保存への取組みとして、「ドーム募金を行う」「修復に子ども達の意見や手を借りて工事に参加してもらう」などとする意見もある。
      • その他として、「ドーム横のクスノキの成長がドームに悪影響を及ぼす恐れがある」などとする意見もある。
    • イ.現物保存以外の継承手法
      「写真やデータとして保存する」「被爆前の産業奨励館の模型や絵・写真を掲示する」などの意見が寄せられている。

2.平和記念公園とその周辺空間について〔今後の役割、整備・活用策〕

  1. (1)平和記念公園とその周辺空間の役割
    「平和の聖地、慰霊と祈りの場」
    「和解の場、平和を創り出す震源地」
    「市民に愛され親しんでもらえる憩いの場」など
  2. (2)平和記念公園の整備・活用策
    • ア.平和記念公園とその周辺の整備
      • 旧中島地区の市民生活の復元による追体験空間の整備
        「平和公園の一角に、被爆前の街並みを復元して、平和な市民生活が一瞬のうちに破壊されたことを表現する」
      • 平和文化(音楽や芸術)を活用した公園整備
        「資料館前後広場、資料館下にかけて半地下半屋根付きの野外劇場のような設備を作る」
        「この地を「音楽を通じた平和文化発信の場」にしたらどうか」など
      • モニュメント・造型の整備、活用
        「ダイナミックでボリュームある国際平和記念像を設置する」
        「公園内や大通り等に散在する慰霊碑の地図と説明書が欲しい」など
      • 施設・設備の整備・改善、その他
        「語り部の活動の場としての簡単な緑陰教室的な施設を設ける」
        「雨の日の修学旅行生や遠足の子ども達のために、東屋形式の野外施設を設ける」
        「静寂さこそが追悼の第一条件。元安橋からの道路は車が通るべきでない」
        「バイオマスを活用した環境平和都市の地球未来型公園として整備する」
        「駐車場を整備する」「派出所を設置する」など
        一方で、「基本的に今のデザインを変えることなく、永久的に保存してもらいたい」など現状維持を求める意見も寄せられている。
    • イ.公園周辺の環境整備
      「商工会議所の黒いビルを何とかすべき」
      「NHK前交差点から平和大橋までを広場として整備し平和公園のメインゲートとする」
      「本川と元安川の平和記念公園周辺部分に広場としての橋を提案する」
      「交通アクセスを整備する」
      「公園やドームの近くにお好み焼屋が少ない」など
    • ウ.公園空間、芝生広場の活用策
      「年間を通じて人が集まる催しを開催する」
      「市民や観光客に開放して芝生広場を踏み荒らすことなどは最もやめてほしい」
      「芝生の上でイベント等はやってほしくない」など

3.平和記念資料館について〔今後の取組み、展示〕

  1. 平和記念資料館の今後の取組み
    • ア.企画・運営
      • 資料館の取組みの方向性
        「国内、国外の平和資料館との交流や意見交換を活発にする」
        「被爆者の生の声と映像を各国語に訳して世界に紹介する」など
      • 講座・イベントの充実
        「青空教室みたいな気軽に立ち寄れる、手作りな感じの集会を日常的に開く」
        「平和記念公園と資料館をもっと一体化させるイベントを市民から募る」など
    • イ.平和学習、修学旅行・観光客誘致
      「市内の小中学生が計画的に資料館を見学し、館内と平和公園の清掃奉仕活動に参加させて被爆の実状と平和公園を自らのものとする」
      「スタッフの接客教育-内外の観光客、修学旅行生に接する広島の顔、平和の使徒であることの自覚が大事である」など
    • ウ.資料収集とデータベース化、インターネットによる情報発信
      「ヒロシマに係わる文学・絵画・文献等を保存活用する。ヒロシマ・核のドキュメンタリー映像をデジタル保存する」
      「収集したデータベース等を各国語でネットに乗せ、発信する」など
    • エ.その他
      「国会議員は任期中に一度は来館する制度を設ける」
      「丹下健三氏設計の建物は近代建築文化遺産であり、建築そのものが持つ価値を認識し、保存・活用する」
      「閉館時間を延ばして欲しい」など
  2. 平和記念資料館の展示
    • ア.被爆の実相をより効果的に伝えるための展示方法、展示手法の工夫
      「悲惨さが伝わるよう、もっと悲惨な展示があっても良い」
      「BGMが欲しい-厳粛な雰囲気を醸し五感に訴える」
      「パネルは今の半分でよい」
      「順序が根本的に間違い。各論から総論に向かうべき」
      「東館はインパクトに乏しく分かりづらい総論が続き面食らう。西館は展示物が少ない、埋め尽くすべき」
      「ミュージアムショップはやはり全部見終わったところにおいた方がいい」など
    • イ.展示テーマ・資料の拡充
      「わが国の犯した戦争の罪も思い切ってスペースを割く」
      「米軍が撮影したカラーフィルムを常時放映してはどうか」など

5.設問の内容

有識者アンケートにおける設問内容

  1. 世界は今、新たな核の拡散や核兵器使用の危機に瀕していますが、こうした状況の下、被爆地ヒロシマは、国際社会や人類に対しどのような使命を果たしていくべきだと思われますか。
  2. 原爆ドームは、人類史上最初の原子爆弾による被爆の惨禍を伝える歴史の証人として、過去3回にわたる保存工事を経て現在に至っており、1996年12月には世界遺産一覧表にも登録されています。この原爆ドームを、将来にわたって保存していくことの意義についてどのように思われますか。また、その保存にあたっては、何をどのようなかたちで後世へ残し、伝えていくべきであると思われますか。併せて、具体的な保存方法についてご意見があればお聞かせください。
  3. 平和記念公園は、世界恒久平和の象徴として大きな役割を担うとともに、観光地や市民の憩いの場としても親しまれています。また、毎年8月6日にはこの地で平和記念式典を開催し、原爆犠牲者の霊を弔うとともに、世界平和を訴え続けているところです。この平和記念公園及び周辺の空間は、今後どのような役割を果たしていくべきだと思われますか。
    また、そのためには今後どのような整備・活用を行うべきだと思われますか。
  4. 平和記念資料館は、被爆の実相を広く伝え、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に寄与するため、被爆資料等の収集・保存、展示会の実施、被爆に関する調査研究をはじめ、インターネット等による情報発信、平和学習の実施等普及啓発活動などを行っています。
    今後、資料館がその役割を果たしていくためには、どのような取組みが必要だと思われますか。

市民意見募集における設問内容

  • 原爆ドームについて
    (1)原爆ドームを将来にわたり保存することに、どんな意義があると思われますか。
    ~例えば、「戦争、原爆の悲惨さを世界に訴える」「被爆都市ヒロシマをアピールする」など。
    (2)保存工事の仕方は、「原形の維持を優先し、工事は最小限にする」「外観が変わり、被爆の痕跡がある程度なくなっても長期保存できるような工事を行う」などさまざまな考え方があります。
    皆さんはどのような保存工事をすればいいと思われますか。併せて、具体的な保存方法のご提案もお寄せください。
  • 平和記念公園等について
    (3)恒久平和を祈る施設として整備された平和記念公園とその周辺空間(公園と接する平和大通りなど)は、今後、どのような役割を果たしていくべきだと思われますか。
    ~例えば、「平和の聖地・慰霊と祈りの場にする」「音楽や芸術を通じた平和文化発信の場にする」など。
    (4)そのために、どのような整備・活用を行えばいいと思われますか。
    ~例えば、「平和記念公園と平和大通りが接する所は一体的に整備。シンボル性の高い空間とする」「芝生広場を文化イベントに開放する」など。
  • 平和記念資料館について
    (5)平和記念資料館は、被爆の実相を伝え、核兵器廃絶と恒久平和の実現に貢献することを目的としています。このため、被爆資料の収集・保存、展示会の開催、インターネットによる情報発信、平和学習などを行っています。資料館がより一層役割を果たすために、さらにどのような取組みが必要だと思われますか。
    (6)今後、資料館の展示は、どのような点に気を付ければいいでしょうか。
    ~例えば、「被爆の悲惨さがもっと伝わるようにする」「展示パネルを減らし短時間で見学できるようにする」など。
  • そのほか
    (7)(1)~(6)以外で、平和記念公園とその周辺空間についてのご意見や、老朽化の問題を抱えている平和記念資料館など公園周辺に所在する施設についてのご意見などもお寄せください。

このページに関するお問い合わせ先

市民局 国際平和推進部 平和推進課 被爆体験継承担当
電話:082-242-7831/Fax:082-242-7452
メールアドレス:peace@city.hiroshima.lg.jp