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5 地区別の方向性(4) 安佐北区三入南・桐原地区
ア 被災状況
高松山北部山麓に位置する三入南地区、桐原川や山田川流域に位置する桐原地区は、自然豊かな地域ですが、平成3年に地区内の丘陵部に大規模団地(桐陽台)が開発されたことにより、ベッドタウンとしての機能も有しています。
この地区内では、8月20日未明からの豪雨により、可部町桐原に設置された三入東観測局(県)のデータによると3時から4時までの1時間で最大時間雨量121mmを記録し、その前後の3時間累積雨量は235mm、24時間累積雨量は284mmに達しました。
この豪雨で地区内の渓流などにおいて土石流等が発生し、死者2人の人的被害が生じました。また、道路への土砂の崩落により交通が分断され、梢台団地を含む地域が一時的に孤立しました。
写真5-10 三入南一丁目付近
住宅裏の谷筋で土石流が発生し、住宅が全壊するなどの被害を引き起こしました。
写真5-11 三入南二丁目付近
住宅地背後の急傾斜地が崩壊し住宅の全壊や農地への土砂流入などの被害が生じました。
写真5-12 可部町桐原地区山田集会所
土石流を受けた山田集会所は全壊となりました。
写真5-13 可部町桐原地区梢台団地周辺
住宅地背後の急傾斜地が崩壊し住宅が全壊又は一部損壊するなどの被害を引き起こしました。
イ 地区の課題
(ア) 土石流等からの安全確保
今回の豪雨により、高松山等に存在する渓流の多くで土石流が発生するとともに、一部で急傾斜地崩壊も発生しており、地域の安全確保のため緊急な対策が必要です。
(イ) 避難路の確保
土砂災害時等に孤立する地域が生じないよう、市道の整備や防災対策などにより避難路を確保することが必要です。
(ウ) その他
地元集会所が被災し、緊急避難や今後の地域コミュニティ活動に支障が生じています。
ウ 復興まちづくりの方向性
土砂災害対策については、砂防堰堤等の整備と急傾斜地崩壊対策を国、県の事業として、いずれも緊急に実施することにより、早期に地域の基本的な安全性を確保します。
また本市の事業として、地域の幹線道路(桐原幹線)の延伸や生活道路の拡幅、待避所の整備を実施することで、二系統の避難路を確保します。
その他にも、地元集会所の復旧支援や市道の防災対策に取り組み、歴史ある川沿いの集落と避難施設も充実した大規模団地との連携・交流を促進するまちづくりなどを進めます。
(ア) 集中復興期間に取り組む施設整備等
- 土砂災害対策・治山事業
- 砂防堰堤整備[県]:6渓流(県に早期事業着手を要望している3渓流を含む。)
- 急傾斜地崩壊対策[県]:4か所
- 治山堰堤整備[国]:2渓流
- 治山堰堤整備[県]:11渓流(県に早期事業着手を要望している8渓流を含む。)
- 山腹整備[国]:2か所
- 山腹整備[県]:2か所
- 避難路の整備
- 市道[安佐北3区940号線(桐原幹線)]延伸:延長400m、幅員9m程度
※ バス路線でもある地域の幹線道路を延伸します。 - 市道[安佐北3区309号線]防災対策
※ 道路の上法(自然樹林)の崩壊に備えて道路を守る対策を実施します。
- 市道[安佐北3区940号線(桐原幹線)]延伸:延長400m、幅員9m程度
- 雨水排水施設等の整備
雨水排水施設整備
※ 砂防施設又は治山施設より下流部分を整備します。 - その他
- 水道管整備:延長400m
※ 災害時等に長時間の断水が生じることなく、安定的に給水できるよう、耐震性の高い水道管を安佐北3区940号線(桐原幹線)に整備します。 - 地元集会所復旧支援
- 水道管整備:延長400m
(イ) 継続復興期間に取り組む施設整備等
a 避難路の整備
- 市道[安佐北3区263、268号線]拡幅:延長1,000m、幅員6m程度
※ 生活交通であるバスなどの円滑な通行を確保します。 - 市道[安佐北3区264、269号線]待避所整備
三入南・桐原地区 被災状況概要図
- 土石流などにより、地区内で2人の方が亡くなり、55棟の建物被害が生じました。
- 道路への土砂の崩落により交通が分断され、梢台団地を含む地域が一時的に孤立しました。
- 注1)被災状況は、広島市災害対策本部「平成26年8月20日の豪雨災害への対応について」から抜粋したものです。
- 注2)土砂流出範囲は、8月28・30・31日国土地理院が撮影の空中写真のうち雲の影響のない部分を判読されたものです。
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人的被害 (死亡) |
建物被害 (全壊、半壊、一部損壊) |
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三入南一丁目 | - | 7棟 |
三入南二丁目 | 1人 | 11棟 |
小計 | 1人 | 18棟 |
可部町大字桐原 | 1人 | 37棟 |
小計 | 1人 | 37棟 |
合計 | 2人 | 55棟 |
三入南・桐原地区 復興まちづくり概要図
- 砂防堰堤等の整備と急傾斜地崩壊対策を緊急に実施することで、早期に地域の基本的な安全性を確保します。
- 地域の幹線道路(桐原幹線)の延伸や生活道路の拡幅、待避所の整備を実施することで、二系統の避難路を確保します。
- 歴史ある川沿いの集落と避難施設も充実した大規模団地との連携・交流を促進するまちづくりを進めます。
- 注1)実線の砂防堰堤、治山堰堤マークは、今後整備を行う施設の概略の位置を示しています。
- 注2)点線の砂防堰堤、治山堰堤マークは、市より県に早期事業着手を要望している渓流を示しています。
- 注3)雨水排水施設は、概略のルートを示しており、今後変更となる場合もあります。
- 注4)整備、改良される施設の多くは、用地の確保が必要となりますが、現時点で土地所有者等の御了解を得ているものではありません。
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