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資料編/4 被災地の地形・地質
[独立行政法人産業技術総合研究所地質調査総合センター「平成26年8月20日に広島市で発生した土石流及び斜面崩壊の発生地に関する地質情報」より引用・抜粋]
斜面崩壊の発生した、安佐南区山本付近(地点(1))は後期白亜紀(9,000~7,000万年前)の広島花崗岩の分布域で、一般的には表層が風化して真砂(マサ)と呼ばれる脆弱な状態になっている場合が多いことが知られています。土石流の発生したところのうち、安佐南区緑井付近(地点(2))も同様の地質です。
一方、複数の土石流が発生した安佐南区八木付近(地点(3))では、谷の下部は広島花崗岩ですが、地形が急峻な谷の上部はジュラ紀の付加体(※1)の岩石で、広島花崗岩による接触変成作用(※2)によって堅くなっています。
安佐北区可部東では根谷川沿いの土石流(地点(4))は広島花崗岩の分布域で起こっています。しかし、そこから東に入ったところ(地点(5))では、広島花崗岩と断層を挟んで東側に分布する後期白亜紀(9,000~7,000万年前)の高田流紋岩との境界部で発生しています。
※1 海洋プレートの沈み込みによってできた複雑な地層
※2 花崗岩マグマの熱で再結晶すること
図 資4-1 地形・地質状況
被災地及びその周辺における地形・地質状況を示しています。