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核兵器禁止条約の発効から1年を迎えることに対する市長コメント(2022年1月21日)

ページ番号:0000260936 更新日:2022年1月21日更新 印刷ページ表示

核兵器禁止条約の発効から1月22日でちょうど1年を迎えます。しかしながら、ウクライナを巡って米ロ欧州諸国間の相互不信の溝は深まり、台湾等を巡っては米中の覇権争いが激化するなど国際情勢は緊迫しています。さらに、そうした厳しい国際情勢を口実に、核保有国は、莫大なお金をつぎ込んで核戦力増強や核兵器の近代化にしのぎを削っており、同条約の原動力となった被爆者の切実な願いに反する状況が続いていることを大変憂慮しています。

こうした中で、本年1月3日にNPT核兵器国5か国の首脳が、「核戦争に勝者はなく、核戦争は決して戦われてはならない」という1985年のレーガン・ゴルバチョフ宣言を改めて確認した共同声明を発表しました。かつて米ロのリーダーが信頼関係を築き、対話を重ねて、核兵器廃絶に向けた大幅な核兵器削減を行ったように、核保有国5か国のリーダーは今こそ、被爆者を始め「ヒロシマの心」を共有する市民の思いに通ずるこの共同声明に沿って、例えば、「核先制不使用」、あるいは「唯一の目的」に向けた議論や核保有国も参加する核兵器禁止条約の締約国会議の開催など、核兵器のない世界の実現に向けた具体的な行動を起こすことを期待せずには居られません。

本市としては、改めて同条約発効の原動力となった被爆者の切実な願いを想起し、平和首長会議の加盟都市とともに、核兵器のない世界こそが人類の目指すべき世界であることを市民社会の総意とし、為政者が核抑止論から解放され核兵器廃絶に向けて大胆な政策転換を進めるよう促す環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。

 

令和4年(2022年)1月21日

広島市長 松井 一實