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核兵器禁止条約に関する内閣総理大臣への要請(2021年11月18日)

ページ番号:0000252037 更新日:2021年11月18日更新 印刷ページ表示

内閣総理大臣 岸田 文雄 様

核兵器禁止条約に関する日本政府の対応について

 貴台におかれましては、「核兵器のない世界」の実現に向けて御尽力いただき、広島・長崎両市民を代表し、深く感謝を申し上げます。
 被爆者の「世界の誰にも二度とこの体験をさせてはならない」という長年にわたって発信してきた強い訴えが国際社会を動かし、今年1月、核兵器禁止条約が発効しました。この条約は、史上初めて核兵器が全面的に禁止されるべき対象であることを明確にする根本規範です。核軍縮が遅々として進まず、核兵器による脅威が高まる中、被爆者を始めとした多くの市民は、条約がより実効性の高いものとなり、一刻も早い核兵器のない世界の実現に向けて、国際社会が歩みを進めていくことを強く願っています。
 この目標を達成するためには今後、NPT再検討会議での核軍縮議論を着実に前進させつつ、この条約にも核保有国やその同盟国を始め多くの国が参加し、条約の効果的な運用と発展に向けた議論が行われることが極めて重要です。日本政府がその議論に加わることは、被爆者の切なる願いと被爆の実相を踏まえた対応となるだけでなく、核保有国と非核保有国との分断を解消し、核兵器廃絶に向けた議論の共通の基盤を形成するための橋渡し役を果たすことにもなると考えます。
 ついては、日本政府におかれましては、唯一の戦争被爆国として一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准してくださるよう強く要請するとともに、まずは来年3月開催予定の同条約の締約国会議にオブザーバーとして参加していただき核兵器のない世界を実現する推進力となっていただくようお願いいたします。

令和3年(2021年)11月18日

広島市長 松井 一實

長崎市長 田上 富久