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伊勢志摩サミット開催時におけるオランド・フランス大統領の被爆地訪問を求める要請(2015年12月24日)

ページ番号:0000010054 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

フランス共和国 フランソワ・オランド大統領 閣下

被爆地広島・長崎の訪問について(要請)

謹啓 寒冷の候 貴台にはますます御清祥のことと心からお喜び申し上げます。

まずは、先月13日、パリ市で起きた同時多発テロにおいて犠牲となられた方々及び御遺族の皆様に、心より哀悼の意を表し、負傷者の方々にお見舞いを申し上げます。貴国の皆様が一日も早く安全で安心な生活を送ることができるよう心からお祈りいたします。また、罪もない市民を殺戮する非人道的な行為が繰り返されぬよう、国籍や文化、宗教などの違いを越えて、信頼関係で結ばれた真に平和な世界を築く必要性を改めて強く感じているところです。

さて、来年、我が国で開催される主要国首脳会議を前に、貴台の被爆地訪問を求める広島・長崎の願いをお伝えしたいと存じます。

今月7日には、国連総会において、我が国が106か国と共に提案した「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意の下での共同行動」決議が166か国の賛同を得て採択されました。この決議には、政治指導者や若者の被爆地訪問、被爆者による被爆体験証言といった核兵器の非人道的影響に関する認識向上に向けた取組の重要性が盛り込まれております。このように、政治指導者の被爆地訪問を求める思いは、今や世界中の多くの国々に拡がり、共通の願いとなっております。

核保有国や非核保有国などにおいて核軍縮・不拡散、核兵器廃絶に取り組む道筋に様々な考えがあることは承知していますが、核兵器を巡る議論の際に根底に置くべきは核兵器使用が人類にもたらした影響への正しい認識です。

核保有国のリーダーとして世界的に大きな影響力を持つ貴台におかれましては、主要国首脳会議の機会を捉え、是非とも被爆地広島・長崎を御訪問いただき、被爆者の体験や平和への思いに耳を傾け、一発の原子爆弾がもたらした被爆の実相を深く理解していただきたいと思います。

その上で、貴台には、被爆者の体験や平和への思いを胸に、世界各国の政治指導者と対話を重ね、そうして得られる信頼を基礎に、核軍縮・不拡散、ひいては一日も早い「核兵器のない世界」に向けてリーダーシップを発揮していただくようお願いいたします。

なお、来年4月に被爆地広島で開催される主要国首脳会議に先立つ外相会合を前に、参加各国の在日大使館関係者の方に広島にお集まりいただき、安全性や魅力などを知っていただく機会を設けたいと考えていますので、是非、大使館関係者の方の派遣をお願いいたします。

末筆ながら、貴台のますますの御活躍と御健勝を心からお祈りいたします。

謹言

2015年12月24日

広島市長 松井 一實

長崎市長 田上 富久