本文
昨年来、世界的に新型コロナウイルスが感染拡大する中、本市においては、数度の補正予算措置を講じ、感染拡大の防止と経済活動の活性化を両立させながら、市民の安全・安心を守るための取組を進めてきました。
本市の感染状況は、12月以降の急速な感染拡大に歯止めがかかるなど一定の成果は収めているものの、いまだその収束は見通せず、引き続き予断を許さない状況が続いています。
このため、本市では、これまで行ってきた感染症対策の成果等を踏まえ、切れ目なく万全の対策を講じることとし、国の「15か月予算」で措置される財源を活用して、令和2年度2月補正予算と令和3年度当初予算を一体的に編成しました。
新年度の予算編成に当たっては、長期的な視点で課題解決を図ることを念頭に置き、従来から進めているまちづくりのための施策を着実に進めるとともに、感染症対策など直面する課題への対応にもしっかり取り組むよう意を用いました。
こうした考え方の下で編成した新年度予算に基づき、昨年策定した新たな広島市総合計画の究極の都市像である「国際平和文化都市」の実現に向け、「世界に輝く平和のまち」、「国際的に開かれた活力あるまち」、「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」という3つの視点に沿ったまちづくりを進めます。
「世界に輝く平和のまち」の実現に向けては、核兵器禁止条約の発効という世界情勢における好転の兆しが見える中、条約発効後の新しい世界を目指した施策展開の始まりの年にすべく取り組んでいきます。
具体的には、核兵器禁止条約の締約国会議に出席し、条約の実効性を高めるための議論を前進させるよう国連・各国政府関係者に要請するほか、核兵器禁止条約への市民等の理解が深まるよう、その意義や課題を発信するシンポジウムを開催します。
また、「ヒロシマの心」が広く市民社会の共感を得て、その総意となるよう、若者による平和の誓いの集いや、毎年11月を平和文化月間と定めてイベントを開催します。
「国際的に開かれた活力あるまち」の実現に向けては、昨年、広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区が「特定都市再生緊急整備地域」に指定されたことから、更なる都市機能の充実・強化を図っていきます。
具体的には、「楕円形の都心づくり」を推進するため、広島の新たなシンボルとなるサッカースタジアムの建設や旧広島市民球場跡地イベント広場の整備などにより中央公園とその周辺地域の活性化を図るとともに、引き続き広島駅南口広場の再整備に取り組みます。
また、広島高速5号線や新交通西風新都線などの交通ネットワークの整備、西広島駅北口地区や西風新都におけるまちづくり、東部地区連続立体交差事業などを着実に進めます。
さらに、中山間地・島しょ部について、引き続き、似島臨海少年自然の家の整備や戸山地域と湯来地域における連携施策を推進するとともに、地域貢献人材を育成する大学等への支援を行うなど、地域特性に応じた魅力あるまちづくりに積極的に取り組みます。
「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」の実現に向けては、市民が気軽に文化芸術に触れられるよう、音楽とメディア芸術を柱とした新たな総合文化芸術イベントの令和4年度の開催に向け、プレイベントを開催します。
また、住民同士が支え合い、持続可能な地域社会を実現するための地域コミュニティの活性化に向けたビジョンを策定するとともに、地区社会福祉協議会と各種地域団体との連携強化を図るため、市社会福祉協議会に対し新たな支援を行います。
さらに、市民の医療費負担を軽減するため、こども医療費の通院に係る補助対象年齢を小学6年生まで拡大するとともに、重度精神障害者の通院医療費を全額補助します。
このように、限られた財源の中、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、広島のまちの更なる発展に向け、真に求められる施策について、重点的に予算配分し、広島の夢の実現に着実につなげていくための予算としました。
(単位:%)
区分 |
令和3年度 当初予算額(A) |
令和2年度 当初予算額(B) |
差引(A)-(B) |
伸率 |
---|---|---|---|---|
一般会計 |
6,837億2,457万1千円 |
6,563億7,261万3千円 |
273億5,195万8千円 |
4.2 |
特別会計 |
4,369億627万円 |
4,240億8,652万3千円 |
128億1,974万7千円 |
3.0 |
企業会計 |
1,474億7,682万5千円 |
1,484億990万5千円 |
▲9億3,308万円 |
▲0.6 |
全会計 |
1兆2,681億766万6千円 |
1兆2,288億6,904万1千円 |
392億3,862万5千円 |
3.2 |
※一般会計の令和3年度当初予算額には、参議院議員選挙の実施に係る補正予算額 3億6,429万9千円を含む。
(単位:%)
区分 |
R3 |
R2 |
R元 |
H30 |
H29 |
H28 |
H27 |
H26 |
H25 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広島市 |
一般会計 |
4.2 |
▲2.0 |
2.9 |
0.8 |
7.8 |
▲1.3 |
3.6 |
2.8 |
▲3.2 |
全会計 |
3.2 |
▲1.1 |
2.4 |
▲0.6 |
3.7 |
▲0.4 |
3.2 |
▲0.1 |
▲0.8 |
|
国 |
一般会計 |
3.8 |
1.2 |
3.8 |
0.3 |
0.8 |
0.4 |
0.5 |
3.5 |
2.5 |
うち一般歳出 |
5.4 |
2.5 |
5.2 |
0.9 |
0.9 |
0.8 |
1.6 |
4.6 |
4.2 |
|
地方財政計画 |
▲1.0 |
1.3 |
2.7 |
0.3 |
1.0 |
0.6 |
2.3 |
1.8 |
0.1 |
(単位:%)
区分 |
令和3年度 当初予算額(A) |
令和2年度 当初予算額(B) |
差引(A)-(B) |
伸率 |
---|---|---|---|---|
個人市民税 |
984億151万8千円 |
1,027億3,350万円 |
▲43億3,198万2千円 |
▲4.2 |
法人市民税 |
143億898万円 |
185億535万1千円 |
▲41億9,637万1千円 |
▲22.7 |
固定資産税 |
836億3,694万3千円 |
838億8,759万7千円 |
▲2億5,065万4千円 |
▲0.3 |
その他 |
338億6,221万2千円 |
336億4,467万1千円 |
2億1,754万1千円 |
0.6 |
計 |
2,302億965万3千円 |
2,387億7,111万9千円 |
▲85億6,146万6千円 |
▲3.6 |
市税収入は、個人市民税の減収等により、対前年度3.6%の減となる見込み。
(単位:%)
区分 |
令和3年度 当初予算額(A) |
令和2年度 当初予算額(B) |
差引(A)-(B) |
伸率 |
---|---|---|---|---|
普通交付税 |
(880億円) 400億円 |
(760億円) 465億円 |
(120億円) ▲65億円 |
(15.8) ▲14.0 |
特別交付税 |
15億円 |
15億円 |
0 |
- |
計 |
(895億円) 415億円 |
(775億円) 480億円 |
(120億円) ▲65億円 |
(15.5) ▲13.5 |
※ ( )は、「臨時財政対策債」を含んだ場合の金額
国の地方財政対策、令和2年度の地方交付税の収入見込額等を勘案し、415億円を見込む。
令和3年度の地方財政対策においては、令和2年度に引き続き、従来、地方交付税で補塡されていた地方の財源不足の一部が「臨時財政対策債」(市債)で補塡されることとなっている。ただし、この「臨時財政対策債」については、元利償還金相当額が普通交付税の基準財政需要額に算入される。
(3) 市債 1,005億5,850万円(対前年度当初予算 31.5%)
(単位:%)
区分 |
令和3年度 当初予算額(A) |
令和2年度 当初予算額(B) |
差引(A)-(B) |
伸率 |
---|---|---|---|---|
一般事業債 |
525億5,850万円 |
469億5,330万円 |
56億520万円 |
11.9 |
臨時財政対策債 |
480億円 |
295億円 |
185億円 |
62.7 |
計 |
1,005億5,850万円 |
764億5,330万円 |
241億520万円 |
31.5 |
(単位:%)
区分 |
令和3年度末残高(a) |
令和2年度末残高(b) |
差引(a)-(b) |
伸率 |
|
---|---|---|---|---|---|
一般会計債 |
1兆1,813億308万9千円 |
1兆1,523億5,356万9千円 |
289億4,952万円 |
2.5 |
|
|
臨時財政対策債残高等控除後残高 |
6,869億4,460万9千円 |
6,855億1,080万6千円 |
14億3,380万3千円 |
0.2 |
(注)臨時財政対策債残高等控除後残高とは、市債残高の総額から、臨時財政対策債残高と、将来の返済に備えて減債基金に積み立てている額を除いた額である。
財源調整のための基金
財政調整基金繰入金 ‐(令和2年度当初予算 ‐)
区分 |
令和3年度末残高(A) |
令和2年度末残高(B) |
差引(A)-(B) |
---|---|---|---|
財政調整基金 |
39億9,800万円 |
39億9,600万円 |
200万円 |
区分 |
財政調整基金 |
||
---|---|---|---|
令和元年度末残高(出納整理期間を含む) |
39億8,400万円 |
||
令和2年度中増減 |
積立 |
12月補正予算(剰余金積立) |
9億1,800万円 |
運用益 |
300万円 |
||
計 |
9億2,100万円 |
||
取崩し |
5月補正予算 |
▲8億6,900万円 |
|
6月補正予算 |
▲8億1,200万円 | ||
9月補正予算 |
▲1億5,500万円 | ||
12月補正予算(取崩しの減) |
3,300万円 | ||
2月補正予算(取崩しの減) |
8億9,400万円 |
||
計 |
▲9億900万円 |
||
令和2年度末残高(出納整理期間を含む) |
39億9,600万円 |
||
令和3年度中増減 |
運用益積立 |
200万円 |
|
取崩し |
0 |
||
令和3年度末残高(出納整理期間を含む) |
39億9,800万円 |
予算の概要等、詳細については下のダウンロードファイルをご覧ください。