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適度な「運動」とバランスの取れた「栄養・食生活」は身体だけでなくこころの健康においても重要な基礎となるものです。さらに、十分な睡眠をとり、ストレスと上手につきあうことはこころの健康に欠かせないものです。
あなたのストレス状態を確認してみましょう。
ストレスチェック表へ(160KB)(PDF文書)
ストレスとは、もともとは機械工学で使われていた言葉で外部からの力によって生じる「ひずみ」という意味。医学的に簡単に言うと「刺激を受けたときに生じる体やこころのゆがみ」のことで、正確にはこの刺激のことを「ストレッサー」といい、それにより生じたゆがみのことを「ストレス」いいます。
一般的には、「ストレス」というと良くないものと思われがちですが、ストレスを感じることで、そのストレスを解消しようとする反応が起こり、その反応がやる気や次の行動を引き起こす原動力になることもあります。
でも、ストレスが過剰に溜まると、こころの不調を引き起こすだけではなく、体にも悪い影響を及ぼします。ストレスをためないよう自分に合った発散法を見つけ、ストレスが小さいうちに発散したり、長引かせないようつき合っていくことが大切です。
心身は、ストレスを受けるといったんショックを受けるものの、抵抗力を高めて適応します。しかし、長く続くとしだいに抵抗力が失われ、心身が疲弊してしまいます。
ストレスが生じると、解決しようとして防御反応(ストレス反応)が働き、ホルモン分泌に異常を起こします。ストレスを原因とした「疲れやすい」「体がだるい」「腹痛・下痢・便秘」「眠れない」「イライラしやすい」などの症状は、この防御反応の現れでもあります。
第1段階 | 第2段階 | 第3段階 | |
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警告期 (受動的反応期) |
抵抗期 (ストレスに対して反発・抵抗する時期) |
疲弊期 (疲れきり、本当の病気に移行する時期) |
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「疲れたなあ」「体調が悪いなあ」というような危険信号が心身から発せられている時期 | 疲労感が興奮に変わったり、逆に脱力感に陥る時期 | 電池が切れるように踏ん張りがきかなくなり、自分の力ではどうにもならなくなる時期 | |
症状 |
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対応方法 | 趣味やスポーツを楽しんだり、毎日の入浴や十分の睡眠で意欲的に休養を。 | 忙しくても休みを取るなど、ここで体調をしっかり整えることが大切。 | 一刻も早い専門医への受診を。 |
*ストレスは、人によって感じ方が違います。
同じストレスにさらされた場合でも、こころに大きなダメージを受ける人と、さほど受けない人とがいます。性格や気質などにより感じ方には差があり、ストレスの内容によっても違いがあります。
また、ストレスを自覚しにくい人もいます。本当はストレスがあるのに自覚していない場合があるので、疲れを感じたら睡眠を十分に取って身体を休め、食事やトイレなど生活リズムを整え、趣味やスポーツなどで思いっきり発散するのもいいと思います。また、人間関係などでのストレスは、お酒を飲んで憂さを晴らしたりせずに、信頼できる人に相談するなどして自分の内にためないほうが賢明です。
環境の変化などストレスが重なって気分が落ち込み、何をやっても楽しくない、何もする気が起きないというようなことが誰にでも起こりえますが、大抵は一時的なものです。
このような状態がいつまでも続き、いつまでたっても回復しないような状態をうつ状態といい、これが2週間以上続くような場合はうつ病の可能性があります。
うつ病は、誰にでもかかる可能性のある病気です。早期発見、早期治療が大事です。十分に休養して適切な治療を受けることで回復しますので、できるだけ早めにこころの専門医に相談してください。「怠けている」と勘違いし、余計に焦って自分を追いつめてしまわないように、十分な注意が必要です。
こころの不調 | やる気が出ない、集中力・行動力・決断力の低下、記憶力の低下、興味、関心がなくなる、抑うつ気分、絶望感、自責感、イライラ感、自殺願望 |
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身体の不調 | 不眠、全身の倦怠感、頭痛、耳鳴り、めまい、吐き気、味覚異常、食欲不振、頭痛、腹痛、便秘・下痢 |
神経症は、ストレスの影響がこころの面に現れるものを言います。発症の背景には広い意味での「不安」がありますが、現実と非現実の区別がつかなくなるほどには至っておらず、「悩んでいる」との自覚があります。
「全般性不安障害」「心気症」「身体表現性障害」「強迫性障害」など、不安の現れ方によって分かれます。
一定以上のストレス過剰な状態が続くことによって、体の変調をきたした状態です。
さまざまな症状、病気(代表的な例は、消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)、頭痛、気管支喘息、高血圧症など)が含まれ、その発症や経過に心理的要因が影響しているため、身体的治療だけでなく、精神的側面からの治療も必要です。
こころの病気も身体の病気と同じで、早く気がつけば悪化を防ぐことができます。
「いつもと違うな」というようなこころの不調に気づいたら早めに対応しましょう。
まず、誰かに話してみましょう。
悩みやストレスでこころがつらいときには、誰かに相談しましょう。人と話すと、閉じ込めていた思いを打ち明けることができてほっとしたり、自分ひとりでは気づけなかったことを見つけたりすることができます。
相談相手は、家族や友人など身近な人でも良いし、医療機関や相談機関なども良いでしょう。
こころの不調に気づきやすいのは、もっとも身近な存在の家族です。早期に対応すれば回復も早くなります。臆せず専門家に相談しましょう。
できるだけその日のストレスはその日のうちに解消しましょう。
自分に合った気分転換の方法をみつけ、人と支えあい支えあっていることに気づき、そのことを大切にしましょう。
良い相談相手や、仕事から離れた付き合いを持つ
自分の限界を知り、上手な休み方を考える
気晴らし、気分転換としてスポーツやレクリエーションに参加する
リラックスのための具体的方法を身につける
食事、運動、睡眠、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直す
健康づくりのための睡眠指針~快適な睡眠のための7箇条~生活習慣の改善(リンク:全国健康保健協会)
自分ひとりだけの時間を持つ
*人は、他の人と助け合い、相互扶助なしには生きていけません。
*常に素直に正直に自分を表現することがストレス対策の基本です。
最良の秘策は、素直に正直に生きること
健康福祉局障害福祉部精神保健福祉課
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