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2021年2月8日記者会見「令和3年第1回広島市議会定例会提出案件について」

動画は下記からご覧ください。

(「広島市公式チャンネル(YouTube)(市長記者会見)」のページへジャンプします<外部リンク>

 

■市からの発表案件■

【令和3年第1回広島市議会定例会提出案件について】

市長

 本日、令和3年の第1回市議会定例会の招集告示を行いました。開会は2月15日月曜日です。今回の定例会には、全会計で総額1兆2,681億円余りの新年度当初予算案を提出します。なお、一般会計の予算額については、4月25日に開催される参議院議員選挙に係る補正予算の追加予定分を含めていることから、先日の財政当局の説明時に比べ、増額しています。

 それでは、私の方から、予算編成の基本的な考え方と新規・拡充事業など注目していただきたい重点施策について説明させていただきます。お手元に用意しております「資料1 令和3年度広島市当初予算の概要」の10ページ「令和3年度当初予算のポイント」を御覧ください。

 まず、令和3年度予算編成の基本的な考え方についてであります。

 昨年来、世界的に新型コロナウイルスが感染拡大する中、本市においては、数度の補正予算措置を講じ、感染拡大の防止と経済活動の活性化を両立させながら、市民の安全・安心を守るための取組を進めてきました。本市の感染状況は、12月以降の急速な感染拡大に歯止めがかかるなど一定の成果は収めているものの、いまだその収束は見通せず、引き続き予断を許さない状況が続いております。このため、本市では、これまで行ってきた感染症対策の成果等を踏まえ、切れ目なく万全の対策を講じることとし、国の「15か月予算」で措置される財源を活用して、令和2年度2月補正予算と令和3年度当初予算を一体的に編成いたしました。新年度の予算編成に当たっては、長期的な視点で課題解決を図ることを念頭に置き、従来から進めているまちづくりのための施策を着実に進めるとともに、感染症対策など直面する課題への対応にもしっかり取り組むよう意を用いました。こうした考え方の下で編成した新年度予算に基づき、昨年策定した新たな広島市総合計画の究極の都市像である「国際平和文化都市」の実現に向け、「世界に輝く平和のまち」、「国際的に開かれた活力あるまち」、「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」という3つの視点に沿ったまちづくりを進めます。次のページの文末のところですけれども、新年度の予算は、限られた財源の中、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、広島のまちのさらなる発展に向け、真に求められる施策について、重点的に予算配分し、広島の夢の実現に着実につなげていくための予算といたしました。

 それでは、新年度の予算において、注目していただきたい重点施策について、資料の12ページ以降にあるとおり、昨年策定した新たな広島市総合計画に掲げた3つの視点に沿って順次説明いたします。

 第1の視点である「世界に輝く平和のまち」の実現については、核兵器禁止条約の発効という世界情勢における好転の兆しが見える中、条約発効後の新しい世界を目指した施策展開の始まりの年にすべく取り組んでいきます。まず、「1 核兵器廃絶と世界恒久平和の実現」については、核兵器禁止条約の締約国会議に出席し、条約の実効性を高めるための議論を前進させるよう国連・各国政府関係者に要請いたします。また、本年8月に広島で第10回平和首長会議総会を開催し、2020ビジョンの次のビジョン及び行動計画を策定するとともに、平和首長会議が次期ビジョンの目標の一つに「平和文化の振興」を掲げることを受け、毎年11月を平和文化月間と定めて平和コンサートなどのイベントを開催いたします。

 次に、「2『ヒロシマの心』の共有の推進」についてであります。

 「(1)『迎える平和』の推進」については、「ヒロシマの心」を次世代に継承する若者による平和の誓いの集いや、核兵器禁止条約への市民の理解を深めるためのシンポジウムを開催するとともに、平和記念公園内にある旧中島地区被爆遺構の展示公開を行います。

 「(2)被爆体験の継承・伝承」については、ヒロシマ・ナガサキ原爆・平和展をオーストラリア・シドニー市や、次のページの上段にありますように、オリンピック・パラリンピックに合わせ東京都内等で開催します。

 第2の視点である「国際的に開かれた活力あるまち」の実現に向けては、昨年、広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区が「特定都市再生緊急整備地域」に指定されたことから、さらなる都市機能の充実・強化を図っていきます。

 まず、「活力の創出と都市の個性の確立を目指したまちづくり」のうち、「1都市機能の充実強化」についてです。

 「(1)楕円形の都心づくりの推進」については、都心におけるエリアマネジメント活動の支援として、新たに、ひろしま都心活性化推進協議会の活動に対する補助を行うとともに、広島駅周辺地区のさらなる活力とにぎわいの創出に向け、公共空間の活用策の検討や歩行空間の整備に対する支援を行います。また、広島の新たなシンボルとなるサッカースタジアムの建設や旧広島市民球場跡地イベント広場の整備などにより中央公園とその周辺地域の活性化を図ります。

 「(2)拠点地区等におけるまちづくりの推進」については、西広島駅北口地区において引き続き土地区画整理事業に取り組み、まちづくりの推進を図るとともに、次のページの上段にありますように、西風新都の都市づくりを推進するため、西風新都環状線の梶毛南工区及び善當寺工区の整備を進めます。

 「(3)公共交通の充実強化」については、新交通西風新都線の整備に向け路線測量や地質調査を行うほか、広島駅南口広場の再整備等を進めるとともに、JR西広島駅や下祇園駅の自由通路の整備に取り組みます。

 「(4)自転車を生かしたまちづくりの推進」については、太田川沿いのサイクリングロードの環境整備を行うとともに、似島の海岸沿いのコース等を活用したサイクリングイベントを新たに実施します。

 「(5)体系的な道路網の整備」については、広島高速5号線のトンネル工事等の進捗にあわせて、事業を行う広島高速道路公社に対し出資及び貸付けを行うとともに、関連道路の整備を進めます。また、東部地区連続立体交差事業については、鉄道の仮線路工事に着手するなど、着実に事業を推進します。

 次に、「2 産業の振興」についてです。

 「(1)産業の集積・強化」については、ITを活用して生産性の向上を図ろうとする圏域内の自動車部品メーカーへアドバイザーを新たに派遣するほか、次のページの上段にありますように、地域商社機能を活用して圏域特産品の販売促進の仕組みづくりを行う事業者に対して補助を行います。

 「(3)農林水産業の振興」については、「ひろしま活力農業」経営者育成事業を引き続き実施し、農業経営者を育成するとともに、共助の取組で農地の利活用を図ろうとする地域団体に対し専門家を派遣するなどの支援を新たに行います。また、次のページの上段にありますように、新中央市場については、民間活力を活用した建設に向け、事業者の公募・選定などを行います。

 次に、「3 観光の振興」についてです。

 「(1)広域周遊観光の取組の推進」については、三次市の広島広域都市圏加盟を記念して、本市及び三次市で開催される仮装イベントを支援するとともに、沿線地域の魅力発掘につながるフォトコンテストを新たに実施し、芸備線を活用した観光振興を図ります。

 「(3)誘客拡大と観光消費額の増大に向けた取組の推進」については、引き続き、ピースツーリズム推進事業や圏域市町と連携した「食」をテーマとした周遊キャンペーンを展開します。

 次に、「4 国際交流・国際協力や多文化共生の推進」についてです。

 広島国際会議場に設置している総合相談窓口について、新たに広域都市圏内の4町との共同運営とするとともに、個別相談ブースを増設するなど、外国人市民の受け入れ体制を整えます。

 次に、「地域特性に応じた個性的な魅力を生かしたまちづくり」のうち、「1 デルタ市街地やその周辺部、中山間地・島しょ部のまちづくり」についてです。

 「(1)地域資源を生かしたまちづくりの推進」については、似島の活性化を図るため、似島臨海少年自然の家の整備に係る実施設計等を行うとともに、地域住民が主体となって取りまとめる似島地域活性化ビジョンに基づく取組を支援します。また、戸山地域と湯来地域の活性化を図るため、新たな事業展開を図ろうとする事業者同士のマッチングを行うコーディネーターの派遣や、スポーツチームの合宿誘致に向けた検討を行います。さらに、広島駅南口の水辺空間において、常設店舗用の基盤整備に向けた実施設計を行うなど、民間主導の恒常的かつ自立的なにぎわい創出に取り組みます。

 「3広島広域都市圏の発展への貢献」については、広島広域都市圏の発展に貢献する人材を育成するため、新たに、圏域内の大学等に対し、市町及び企業等と連携した教育研究活動経費を補助します。

 第3の視点は、「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」の実現に向けた取組です。

 まず、「多様な市民が生き生きと暮らせるまちづくり」のうち、「1 高齢者や女性を始め全ての市民の意欲と能力が発揮できる環境づくりの推進」についてです。

 「(1)若い世代の人材確保」については、新たに就職氷河期世代等を対象とした就職相談窓口を設置し、就職や転職に向けた伴走型支援を実施します。

 次に、「2 文化・スポーツの振興」についてです。

 「(1)文化の振興」については、音楽とメディア芸術を柱とした新たな総合文化芸術イベントの令和4年度の開催に向け、プレイベントを開催するほか、市民に歴史や文化を体験する機会を提供するため、文化財の保存活用施設の整備に向けた実施設計を行います。また、広島城の魅力向上を図るため、天守台石垣の現況調査のほか、三の丸のにぎわい施設の整備に向け、整備基本計画の策定や事業主体となる民間事業者の公募などを行います。

 「(2)スポーツの振興」については、広島西飛行場跡地に少年野球やソフトボール等のスポーツ施設の整備を進めるほか、湯来地域におけるスポーツと温泉を連携させた新たな取組を行うため、クアハウス湯の山や湯来運動広場等の活用に向けた整備計画の策定などを行います。

 「3 地域コミュニティや多様な市民活動の活性化」については、住民同士が支え合い、安全・安心に暮らすことができる地域をつくり、持続可能な地域社会の実現を図るためのビジョンを策定します。

 次に、「保健・医療・福祉、子どもの育成環境の充実を目指したまちづくり」についてです。

 「1 地域共生社会の実現」に向けては、地区社会福祉協議会と各種地域団体との連携強化を図るため、新たな基金を設置する市社会福祉協議会に対し、その原資を出捐するほか、成年後見制度の利用促進等を図る上で中核的な役割を担う成年後見利用促進センターを設置します。

 次に、「2 保健・医療・福祉の充実」についてです。

 「(1)健康づくりの推進と医療提供体制等の充実」については、歯周病を予防し、歯と口の健康増進を図るため、節目年齢歯科健診の対象年齢を拡大します。

 また、施設の老朽化が進んでいる安芸市民病院病棟等の建替えに向け、基本・実施設計を行うとともに、現在の安佐市民病院北館への日常的に地域住民が受診できる医療機能等を備えた病院等の整備を進めます。

 「(2)高齢者が安心して暮らせる社会の形成」については、地域介護予防拠点や地域高齢者交流サロン等の運営費を補助するとともに、次のページの上段にありますように、高齢者の社会参加の促進などに資する高齢者いきいき活動ポイント事業を実施します。また、介護職の新規就業を促進するため、新たに、資格取得支援と就業支援を一体的に行う介護人材資格取得・就業促進事業を実施します。

 「(3)障害者の自立した生活の支援」については、次のページの上段にありますように、精神疾病等の重症化を予防し、地域で自立した生活を継続できる環境を整えるため、重度精神障害者の通院に係る医療費助成制度を創設するとともに、障害者に対する合理的配慮の提供に積極的に取り組む事業者を登録・表彰する制度を設けます。

 次に、「3 未来を担う子どもの育成と教育」についてです。

 「全ての子どもが健やかに育つための環境づくり」のうち、「(1)多様で良質な切れ目のない支援」については、不妊治療費助成の限度額を拡充するとともに、妊娠しても流産や死産などを繰り返す不育症について、検査に要する費用を新たに助成します。

 また、待機児童対策として、保育園等の整備費補助を行い、令和4年度当初における受け入れ枠を382人分拡充します。さらに、こども医療費補助について、より多くの子どもの健全な発育をさらに促進するため、通院の補助対象年齢を小学6年生まで拡大するとともに、継続的な通院治療を必要とする未就学児の医療費の負担軽減を図るため、一部負担金の見直しを実施します。

 「(2)社会的支援の必要性が高い子どもへの支援」については、児童指導員等の人材確保を図るため、児童指導員等を目指す者として補助者を雇用する施設に対し、必要経費を新たに補助します。

 「(3)地域における子育て環境の充実」については、ひとり親家庭等の子どもに学習支援や食事の提供等を行う居場所づくりの実施箇所数を拡充します。

 「一人一人を大切にする教育の実現」のうち、「(1)個に応じたきめ細かな質の高い教育の推進」については、広島特別支援学校など児童生徒数の増加に対応するための校舎の増改築や、学校施設の老朽化対策に取り組みます。

 また、学校給食について、アレルギー原因食物等を事前に登録した児童生徒や保護者等に対し、その使用や献立に関する情報をLINEを活用して提供します。

 「(2)いじめ・不登校対策と持続可能な学校教育体制の構築に向けた取組の推進」については、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの配置人数を拡充するとともに、学校運営への地域住民や保護者等の参画を一層推進するため、法定の「学校運営協議会」の設置校数を拡充します。

 次に、「安全で安心して生活でき、豊かな自然を将来に引き継ぐまちづくり」のうち、「1安全・安心に暮らせる生活環境の整備」についてです。

 「(1)災害に強いまちづくりの推進」については、次のページの上段にありますように、防災拠点を中心とした公共施設の耐震化のほか、防災マップの作成支援や防災士の資格取得に必要となる研修講座の実施などに取り組みます。

 「(2)日常生活の安全・安心の確保」については、犯罪被害者やその遺族への応急的な経済的支援として、新たに見舞金を支給します。

 次に、「2 環境と調和した循環型社会の形成」についてです。

 「(1)地球温暖化対策の推進」については、太陽光発電などによって発電された電気を蓄える家庭用蓄電池の設置に要する経費を新たに補助するほか、藻類などの海洋生物に取り込まれる炭素、いわゆるブルーカーボンに着目した二酸化炭素の吸収源対策を推進するための調査等を実施します。

 「(2)ゼロエミッションシティ広島の推進」については、自己搬入される大型ごみを休日を含めて受け入れ可能なストックヤードを整備するほか、次のページの上段にありますように、市が回収する資源ごみの持ち去り行為を条例で禁止するとともに、パトロールの実施などによる持ち去り行為の防止対策を強化します。

 次に、「効果的・効率的な行政の推進」についてです。

 広域都市圏の市町が保有するデータを民間事業者においても効果的に活用できるポータルサイトを構築・運用するとともに、機動的かつ全庁横断的にDX(デジタル・トランスフォーメーション)の取組を進めていくため、デジタル化の基本的な考え方や取組の方向性などをまとめた計画を策定します。また、業務の状況に応じて事務を行う席を選べるフリーアドレスを一部の部署に導入するなど、柔軟な働き方を可能とする執務環境を整備します。

 以上が新年度予算で注目していただきたい重点施策の概要です。

 次は、令和2年度2月補正予算について説明いたします。一般会計の補正額については、参議院議員選挙の実施に要する経費及び新型コロナウイルス感染症拡大防止協力支援金への負担額の追加予定分を含めていることから、先日の財政当局の説明時に比べまして増額しています。

 「資料7 令和2年度2月補正予算の内訳」を御覧ください。

 まず、国の補正予算等に伴う補正のうち、一般会計における新型コロナウイルス感染症対策関連について、主な項目について説明いたします。

 中ほどのマル2のとおり、全ての市民を対象とした新型コロナウイルスワクチン接種を行うとともに、マル3のとおり、県の要請により休業や営業時間の短縮を実施した飲食店に支給される協力金の一部を負担します。上段マル4のPCR検査や、マル5の感染症法に基づく入院の自己負担額について、引き続き市が負担します。また、次のページの下段のマル16ですが、県の第2次新型コロナ感染防止集中対策期間において、営業時間の短縮等の要請対象外の店舗で、売上が減少している飲食店等の運営事業者に対し支給される支援金の一部を負担します。

 マル17のとおり、テレワークを導入する中小企業者に対し環境整備に要する経費を補助するとともに、マル19及びマル20のとおり、バス、路面電車、タクシーなどの交通事業者への支援を行います。

 次のページ、一般会計のその他の補正については、国の補正予算等に伴い、マル2の安佐市民病院北館整備、マル9のサッカースタジアム建設、マル13の道路・橋りょう整備を進めます。また、10ページのマル8にありますとおり、サッカースタジアム建設基金に民間からの寄附金相当額を積み立てます。

 次のページのマル4の開発事業特別会計については、広島駅南口開発株式会社が取り組むエールエールA館の活性化策に要する借入資金にかかる損失補償を行うための債務負担行為を設定するものです。

 次に、組織・職員数等について説明いたします。お配りしている資料の「令和3年度組織及び職員配置の見直しについて」を御覧ください。

 まず、組織については、外国人市民への行政サービスの充実及び市民の国際意識の醸成をより一層推進するため、国際交流課を国際化推進課に改組するほか、用地取得業務をより機動的かつ効率的に実施するため、区役所の用地取得業務を道路交通局用地部に集約するなど、効果的・効率的な執行体制を整備いたします。

 次に、職員数については、新型コロナウイルス感染症の感染者対応及びワクチン接種に係る執行体制の強化や、地域コミュニティ活性化ビジョンの策定に向けた取組の推進などのため、職員の増員を行う一方、水道料金等収納業務の民間委託や、全国都市緑化フェアの終了などの事務事業の収束などにより、職員の減員を行います。

 また、各種施策を着実に推進していくためには、全ての職員にその能力を存分に発揮してもらうことが重要であります。そのため、職員一人一人が「ワーク・ライフ・バランス」を実現できるよう、時間外勤務の縮減はもとより、柔軟な働き方を可能とするテレワークの推進、メンタルヘルス対策やハラスメント対策の充実など職場環境の整備に取り組むとともに、女性や若手職員の育成に力を入れています。

 以上が予算編成等に関しての私のコメントであります。よろしくお願いいたします。

 

記者

 最初に大きなところで予算編成のポイントのところで、市長が最後におっしゃいましたとおり、まちの発展に向けて、重点的に対応を着実に進めていくという話がありました。新型コロナの対策等ありながら、まちの発展に向けては、手を緩めずに着実に進めていくということだと理解はしているんですけれども、今後、大型事業がどんどん並行してある程度、進んでいくことになると思います。市長は以前から予算にあまり山谷もつくらず、長期的視点に立って平準化するといいますか、予算もうまく配分しながらやっていく考え方だと以前もされていたと思うんですが、厳しい財政が続く中で、大きな事業を進めていくにあたって、予算編成で留意した点とか、今後の財源の確保の仕方とか、大きな考え方というところを、一つお願いします。

 

市長

 究極は、広島の夢の実現に着実につなげていく予算、ここに全ての思いを込めて表現しているという状況なんですけれども、広島の夢と申しますのは、まちづくりを進めていく上で、大きく3つの柱を立てておりまして、活力・にぎわいといういわば、ハードを中心とした人々の活動、経済活動なども含めて、諸活動をしっかりできるまちづくり、そして、そのうえのまちづくりを終えた上の、上部構造として「ワーク・ライフ・バランス」。生き生きと暮らせるとか、社会福祉を充実する、共助型の社会を形成するといったような広島のイメージ。そしてもう一つ広島固有の夢というか、核兵器の廃絶及び世界恒久平和の実現をするための貢献をする、いわば平和文化都市。そういったものを自分達も自覚し、世界の方々から認めてもらう。その大きな夢を実現することが、このまちづくりの大きな、そしてロングスパンでの目標だと思っておりますが、そういった夢を現実のものにするためには、それぞれの分野で、着実に日々物事を進めていく必要があると思います。そうした中で、蟻の目と鳥の目と言うんですか、一つ一つの細かな、ソフトなりハードなりの対策について、市民の方としっかり対話し議論し、どんな問題があるか、それを解決するためにどういう方向で取り組むかという議論をしながら。もう一つ鳥の目、そういった取組が全体に及ぼす影響とか、自分達と直接関係ない方々との関係で、どういった意味合いがあるのかということも含めて、議論しながら具体化を図るということが、私の夢でありまして、その際にいつも問題になるのは、最終的にはいろいろな方の協力を得て物事を実現していくに当たって、それらをやる、私自身は補助手段だと思いますけれども現実問題として欠かせないのがお金と言いますか、財源、そういったものになるわけです。多くの方の協力を得るための、手段としてのお金が、実は現実問題で大きく障害になることが多々あります。そうしたときに、今すぐに用意できるお金、そして皆さんの信用を得て、利用するお金、そして別途市民外の形で、協力いただけるお金、それぐらいの種類のお金を、どう組み合わせてやるかということと、それぞれの分野でのお金の配分というものが、今までの市政の中で、概ね配分などのベースは決まっていると、そういったことも徹底しながら、これこそ長期的な視点で、どういった財源のやりくりをするかということを据えながら、やるべき仕事についての私自身は役所内でで言っております段取り、そういったものの取組をすぐやるのか、少し時間を置いてやるのか、十分な議論をして取り組んでいくのか、常に多くの方が問題提起すると、それが明日にでも同時に並行して議論しなきゃいけないような課題になって、そのためにすぐにお金が足りないよという問題意識を提起されるんですけれども、お金の問題は今申し上げたような取組の順番とか段取りをうまく整理する中で、議論していけば大半の問題は片づいてくる。自分たちの家庭生活をしていく上でも、収入が限られた家庭が、あれも買いたいこれも買いたい、こういったこともしたいと、問題提起したときに家族間で十分話をして、そういったものの実現をどういう段取りでやっていくか、そうすることによってその収入と支出のバランスを取っていくことやっているわけです。ですから市民生活においても、それと同じようなことを市民お一人お一人と、あるいは議会を通じてそういった議論をするということを着実にやりたいわけであります。しかし、それをやるにあたって、どういったことを夢といいますか、将来やりたいとか、今やりたいか、明日やりたいか、ある意味で、しっかりと開示して、皆さんにお示ししながら、議論していくということやらせていただきたいと、そんなふうな思いがありまして、たくさん書いております。いろいろなことを時間軸から見ますと、すぐにできることと、時間をかけなければできないであろうことも、あえて、今時点で見通せることは、なるべくお示しして、それらを着実にやっていきましょうというメッセージを添えた上で皆さんと対話し、具体化を図ると、そんな考え方を基本に取り組むということであります。

 

記者

 ありがとうございます。もう一つすいません、11月は平和文化月間とされていると思うんですけれども、11月という期間を選ばれた理由と、もし具体的に決まってればどういうふうなことをやりたいというのがあればお聞かせください。

 

市長

 1年間を通じていろいろなイベントが市内で、あるわけでありまして、春の時期はフラワーフェスティバルのような従来から取り組んでいる大きなイベント。8月の時期は平和の祭典を中心に、様々な平和関連の行事が目白押しあります。そうすると、比較的空いている時期っていうのは、秋口になってくるわけでありまして、そういった時期に、何かイベントをというようなことを考えたとき、芸術文化の秋というふうなことも世間的にも言われておりますので、そういったことを配慮したのがひとつ。そして、平和に関してのこれからの取組、一番重要となるのは、いわば被爆者を含め、戦争を経験した世代から、そういったものを経験していない世代、そして全くそういったことと無縁の世代が次世代を担うという状況になった中で、広島が平和を追求し続ける、そしてその実現を願う都市であるためには、被爆の実相等について、ここにいる市民、とりわけ次世代を担う市民が、しっかりそれを学び伝えるということをやっていただきたいと思うのです。そういった意味で、平和文化をしっかりと継承するということを、このまち全体でやっていくということ、それをもう少し、外見、表現的に分かるようにするために、どうかなということで、今申し上げた、年間を通しての行事の空き時間が比較的取れるであろう、11月を月間に当ててはということで考えたものです。

 

記者

 当初予算、補正予算も含めて新型コロナウイルス感染症の対策というのはかなり入っているかとは思うのですが、改めてこの時点での市の新型コロナウイルス感染症への考え方についてお聞きしたいのですが、県の方は今月中旬から大規模なPCR検査を実施するとしています。ただ、直近1週間の新規の感染者数を見ると県の警戒基準値を下回っていますし、減少傾向にあるかというところで、この時点で市長として県が行う検査が妥当だとお考えなのかを1つ伺いたいのと、またその上で市長をはじめ広島市の職員の方、例えば市役所の方とかも検査を受けることになるのか、組織としてはどうされるのかということ。あともう1点、県の集中対策期間、今月21日まで延長になったかと思いますが、市が管理する原爆資料館(広島平和記念資料館)などは今日から開館するなど、一部緩和になっていると思います。その部分のそのアクセルとブレーキというか、市民はどういうふうに捉えたらよいかというところをお聞かせ願えますでしょうか。

 

市長

 新型コロナウイルス感染症というものについて少し考えてまいりますと、このウイルスそのものを人の手で、あるいは行政の統治システムで完全にコントロールできるかというと、どうもそういったものではないというふうなものではないかと思います。自然災害でもそれを発生すること、いろいろな形で一定程度、被害を予防することはできたとしても、災害というか台風が発生するようなことを完全にコントロールできないというのは自然界の状況であります。それと類似のものだと考えますと、ウイルスがこの地球上にいるということそのものを前提にして、その新型コロナウイルスに侵されないようにするということ、そして侵されたとしても、その侵された禍を継承し、その災害から学ばれる対応策がどこまでできるかと、そんな課題だと思うのですが、そうした中でこの1年間を通して我々が実感したことは国・県・市いろいろな対策を講ずるとしても、最終的なその対策の原点は個々人の行動、意思。そういったところにあるんじゃないかということはもう皆さんどなたも感じておられると思います。そうした中で多くの方々の行動対応、考え方を調整する。こういうふうに考えようじゃないですか、こういうふうに行動しようじゃないですか、ということを促すのが今の行政の責任だと思います。そして基礎自治体は多くの市民の方々の行動対応などについてしっかりとした方向性を国・県のいろいろな情報提供、調べなどを受けてそれをうまく統合しながら皆さんにお示ししていく、そんな立場にあろうかと思っています。医療に関しても、これは発症した方々あるいは予防措置なども含めて、今申し上げた症状の軽減化であるとか、重症になった方々の救済措置、そして予防に必要な医療情報の提供、こういったことになるわけです。それをやる立場であるということで申し上げます。今の状況下は12月時点での10万人あたりの感染者、新規感染者。国がつくったルールによるとステージ4という極めて危険な状態にありまして、そういった中で大変ですよということを皆さんにお示しし、それぞれの行為・対応も改めていただく。それを促すためにどうしたらいいかということを様々やる中で人々の3密状態を誘発しかねない状況設定をしているから、なかなかお一人お一人の行為が改まらないんじゃないかということで、市の持っている施設の閉館などをするという判断をしたわけです。そういう意味では市民の方々の意思とか行動を、こういった危機に臨むに当たっての状況対応をうまくしていただくための促しといいますか、それをやるための対応としてやらせていただくとういう認識であります。そしてそういったことをやらざるを得ない中で、いわゆる営業活動もそういった3密を生ずるひとつだからやっていただく。そういったところで発症した方達を多く見られるから集中的に対応しようというのが国・県の方針を示されている。そうすると経済活動していくための生業、これを停止するわけですから収入が絶たれる。であればそれを補強してあげることがこういった対応をしっかりやっていく上で重要ではないかということは皆さんの議論の中でわかり、どこまでやるかというのは最初に申し上げた財源ですね。その確保、方策を含めて様々苦慮しながら今をきているそんな状況でありますけれども、私自身、広島市の状況見ていますと様々な情報を市民の方々が得られ、実際に経験する中で直近の状況はといいますと、1月18日以降3週間にわたってステージ2の水準をなんとか維持できている。そんな状況にあります。そういう意味でいろいろやってきた対策の気持ちや思いが市民の方にも通じて一緒になった対応がなんとかできて、ここまできたという受止めであります。さりながらこれ自身まだ今後の見通しが十分立っているわけではございませんので、県の方が引き続き第3次の集中対策をするという判断をされておりますので、その中で我が市として協力すべき対応、そういったルールの中で市民の意思、行動を引き続きしっかり守っていただけるような状況設定をするのに何がふさわしいかということで必要な対応をいたしますけれども、施設そのものを全部閉館するということはしなくてもいいぐらい皆さん方の行為・対応は一定程度改まったのではないのかと判断したわけです。ちなみに我が市がこういった閉館をしている間、県の方は施設を開けておられましたけれども、そういったこともあって、じゃあこういった改善が足を引っ張ったかというと、そうでもなかったといったことも考慮しまして我が市としては一応施設は開けるということにいたしておりますけれども、ただ、こういった状況は、今申し上げた状況を大前提に判断しておりますので、今後、感染状況が悪化するというようなことがあれば、改めて厳しい対応ということはしないといかんという構えで引き続き取り組んでいきたいと思っております。そういった意味で皆さん方の協力が欠かせないということであります。ちなみにこの協力という中にもう一つ気にかかっておりますのは、感染症にかからないようにいろいろな努力をされているけれども、感染症にかかってしまった方々が、逆にいわば誹謗中傷を受けたりするというような状況も、ままあるようです。これは決して自ら感染症にかかろうと思って不届きな対応するというような方々がおられるわけじゃないと思っておりますので、そういうふうな症状になった方々は、逆にそういった症状を早く脱するように皆さんが支援してあげる。その方々から感染症が広がらないようにするための協力体制、支援体制をどうするかといった発想のもとに、今申し上げた新型コロナウイルス感染症を抑え込む行動をしようというふうに皆さんが思っていただけるようにしていきたいと思っています。

 

記者

 ちょっと1点すみません。県が行おうとしている大規模PCR検査自体は今の時点では、県議会などでも必要性を疑問視するような声も一部の議員の方からあったりしていたので市長としてはどういうふうにお考えでしょうか。

 

市長

 今の状況がずっと続くようであれば知事もおっしゃっておりますけれども、体制を整えたけどそれを実施するかどうかというのはしっかりと見定める必要があると思います。

 

記者

 先ほど、中国新聞さんも質問と関連しているかと思うんですけれども、引き続き迎える平和ということで掲げていろいろな施策をされていくということ拝見しました。一方でこの新型コロナでなかなか来ていただくということがかなわない。そうした中で週末も平和文化センターの方がZOOMを使った企画をやったりとか、ここに来ていただかなくても学んでいただくという仕掛けを用意されているかと思います。方やまちの開発の中で広島市は被爆建物はこの間、ずっと一貫してされてきた取組ですけれども、例えば平和に関する様々な遺構とかモニュメントとか、そういったものが、今後いろいろな都市開発の中で消えていくんじゃないかと、例えば、迎える平和という以上は、遠くでインターネットを通じて見ていただく平和だけではなくて、足を運んでいただくきっかけというか、そういったものが点であって面であって存在するまちというのが、やはり迎える平和というところで必要な装置ではないかと思うんですけれども、こうした被爆建物とか被爆モニュメントとか原爆そのときのことだけではなくて、その後の広島市民の歩みとか、いろいろな形で示してきた、慰霊碑とかモニュメントとか、そういったものを大切に保存するということと、都市開発をきちんと目標を持って進めていくということのバランスというところについて市長のお考えをお聞かせていただけないでしょうか。

 

市長

 今の御質問は、平和を象徴するまちというスローガンといいますか、考え方の下で被爆の実相をしっかり伝えるということと、そのまちで今を暮らす方々、営みをしている方々の安心・安全な生活を確保するまちづくりを進めるという、この両方をうまく調整する那辺で接点を持てるかという極めて難しいといいますか、難題であるというふうに実は思っております。この問題のいちばんの原点は多分、原爆ドームを保存するかしないかというふうなことを今から7代前の市長さんのときに議論してやったことでもあるかと思うんですね、実際、被爆して壊れかけたものをその壊れかけたままの状態で残す、これ自身、非常にまず難題であります。ものを残すんであれば、より完全な形で維持しやすい状況で残すというのが普通の状況でありまして、世にある、どんなものも最終的には壊れていくというのが自然の摂理なんですけど、それをある状況でしかも健全ではなくて、痛みかけた状態で残すということをやるという決意そのものも多分、平和への思い、被爆の実相を守るというそういった思いが市民の皆さんの中にあり、それに要する費用負担もいとわないということもあって始めてできることだと思うんですね。一方でそういった費用負担をする方々はやはり、今の生活をしていく上で経済活動も含めて、やるだけの活動基盤、そうしたゾーンがなければそういったこともままならない。そうするとそういった生活基盤を維持するゾーンと被爆の実相を守るゾーン。これを明確に区分して点ではなくエリアを設定するということが、もし可能であれば、できたかも分かりませんけれども、そういったことを考える以前の段階で、例えば、東日本大災害でも同じですけれども、被災の跡を残すということと同時に復旧するということで直ちに様々痛んだところをつくり替えるという操作をしていく中で、徐々にそういった思いが高まる。だから面的な形で残すということはなかなか行われない。点で残されたものをあとぎりぎりになってきて、ふと振り返ってやはり残した方がいいかなと。多分それが多くの人間がやる復興対応の結末だと思うんですね。そうした中で今、広島も70年以上たっておりまして、被爆の実相を引き続き見ることができる建物、あるいは植物群と、今この平和で豊かなまちだといわれるぐらいの営みをするまち並みが随所に見られる広島であります。これをどういった形で調和するかということ、そのものを、いろいろな価値観なりいろいろな思いを持っている方の話を聞いて、どこまでやるべきか、やった方がいいかなという議論を一律ではなく、一つ一つについて議論することで処理についての納得度を高めるということが今こそ重要ではないかというふうに思っているわけであります。テーマは今申し上げたように今を暮らすことと被爆の実相を残すこと、この市内でどういった折り合いを付けるかということをもっとやっていこうと。実はそれをやるための大ざっぱなルールは、もうすでに私の市政以前から決まっていまして。というのは所有権、所有権は万能だということで、それを所有している方々が、まずは今言った被爆の実相を残すという思いと、いやいや自分のこれからの活動を考えたときにそういったものを除去して新しいものをつくる、どっちにするかという決定権は所有者にある。しかし、もし実相を残すということでいろいろな負担がかかる。大変だというんであれば、その思いを支えるための支援措置を国なり市が一緒になって少しお手伝いをするから考えていただけませんかということでなんとか今被爆建物は残ってきているという状況であります。もしそれをもっともっと支援を加速するというのであれば改めて国などに要請してしっかりしたこの地域だけではなくて、平和都市広島というものを国レベルで認知していただいて手厚い支援措置をやるということもあっていいんじゃないかと思いますし、そしてそういったことをやるときに元にいろいろな営みをしているその近隣の住民の方、そういった方もそのことをそうですねと了解していただくといったようなことをしなければ、第三者的に自分の生活に関係ないんだけど、あれはいいだろうってレベルの話では決して片づかない。そしてそれがうまくいったあかつきには、来る方にぜひ見ていただきたいですけれども、来ることができない方にも今ですとウェブとか、いろいろな通信、情報配信装置がありますので、それを通じて被爆の実相と今ある広島の平和がうまく調和しているというそういう状況を多くの方に見ていただく。そして原爆が落ちれば、被爆の建物、そしてそれを乗り越える。なんとか平和の営みができている。どっちがいいですかね。こういったものを使わない方が自分たちの生活にとってもいいんじゃないですかということを言えるような情報発信をしていくようにしたいと思っています。ですから、問題意識はあるわけですけれどもそれを解決するのは、私個人の判断ではなくて、これに関わる多くの方の同じような気持ちなり考え方を整えていく、こういった作業をしっかりやっていきたいというふうに思っています。

 

記者

 1点、今回の事前説明で修正されたのは、いわゆる河井案里さんの関係で再選挙にかかる費用が追加で発生したということが要因だと思うんですけれども、この辺りは何度もお話にもいただいていると思うんですが、改めてこういう事態に至っていることと、再選挙として結果的に自治体等にも負担がかかっているということについての市長としての受止めをお願いいたします。

 

市長

 今度の参議院の再選挙は、選挙というものが、国政なり県政なり市政で、市民・県民・国民の生活の万般、そういったものをある意味でお世話するための判断作業というんですか、それをするにふさわしい人を選び出すという選挙を通じて、そういう代表者を選ぶわけでありますけれども、その際にいろいろな思いを込めて、この方を送り出せば自分たちが思っている夢といいますか、叶えたい、叶えてもらいたい状況をうまく設定していただけるんだと、だからこの方をそういう意思決定をする場に送り出して、ぜひ、いい世の中にしていただきたいと、こういうことで選挙制度が動いているわけですけれども、そういった夢を託すのではなくて、今直接何かに役立つ現金といいますか、お金を渡すという、その渡す行為に力があるということを見せつけること、そして、それを比較して投票行動を促すということを認めてしまいますと、今、申し上げた市民の思いを託すという選挙制度そのものが根幹から壊れてしまうんですね。つまり、お金を今持っている方が、そういう人を選び続けることができるとなれば、世の中の変革、あるべき姿が実現しないということを公に認めてしまうということになります。今、お金があるということは、今の世の中でうまく立ち回って、それなりにものを実現する手段をしっかり持っている方がいるわけでありまして、その方を支援する、態勢強化にしか役立たない。いろいろな意見を反映するということを自ら断つことになりますから、選挙制度としては、それはあってはならないことだというふうに思うんです。それをやってしまったということが、裁判で確定するということになるわけでありますので、やはり選挙は、しっかり適正なものにしていくということでやらざるを得ないということなんですけれども、ただ、選挙については、今回の予算編成でも分かりますように、何億というオーダーのお金がかかるわけなんです。そういった無駄も背負ってしまうということをよくよく、いわば、改めて選挙をする側、選挙される側が特に自覚するということをこの際、反省して、そういったことを二度としないような政治風土といいますか、環境をこの広島の地につくっていくということにしていただきたいと思うわけであります。

 

記者

 一点、少し具体的な質問になるんですけれども、サッカースタジアムについて質問させていただきたいんですけれども、予算を見ると、県の出資も入っていて、市としては、補助金を含めて1対1を想定している出資割合というふうに聞いているんですけれども、一方で、市議会の委員会でも、そういった県の合意がいまだにないまま、予算を進めていいのかという質問も出ているんですが、市長としては、どのような考えで、そういった予算案を盛り込んでいるのかということと、あとは、まとまるというふうにお考えかどうかというのをお聞かせいただきたいんですけれども。

 

市長

 私自身は、このサッカースタジアムについては、先ほど、申し上げましたように夢を実現する上で、しっかりと皆さんと議論して、やっていくというプロセスでやれば、最終的な財源措置は、それなりに決着するものだというふうに思っているということで取り組んでいるわけであります。実際、スタジアムの建設については、ざっと数えただけでも、すぐにやると言って、8年間を要しています。その間、関係者の方々の意見も聞く、候補地も何か所か考えて議論したけれども合意に至らない、そういった中で、県、市それぞれの立場でありますけれども、この議論に参画されております。そうした中でやるのであれば、県民、市民が喜ぶといいますか、皆さんに歓迎していただける施設にすると、これも決まっているわけです。あとはそれを実現するためのディテールというんですかね、詳細をどうするかとかね、これを最後、詰めるための手続きについて、もうひとつストンといっていないのが、県の方の状況という受止めなんですね。ただ、実際そのお答えをいただくまでに、市とすれば、事業主体になるということも決め、関係者のお話も聞きながら、具体的な作業手順も決めてきております。現段階でカチッとしたものはできていない。それは予算をつけて、今からしっかりしたものにするという直前まで来ているわけでありますので、その状況の中で、まだ県の方は、別途テーマがあったり、手間がかかったり、十分な納得がいっていないというふうな状況で、決して、サッカースタジアムをつくることについての反対という話ではありません。いわゆる、県民からいただくお金を使うんだから、県民レベルとして納得いただく状況に、まずすべきだということだと思うんです。その県民の、実は4割、広島市民ですからね、広島市の方で、納得するということができれば、県議会の中の割合の4割が、納得いただく状況設定はできているわけでありますから、多数決でいけば、あと1割、1割半増えて過半数を県議会の方でも納得いただける状況になれば、費用負担についての踏み込んだ議論も当然していただける状況が出てくると思っております。したがって、今、市がやれることをスケジュール感をしっかり持ちながらやる中で説明していけば、必ずや県の方でも相応の負担はしていただけると思っています。ただ、提案する側として、まずは、費用負担しながら応分の負担ということで市が1対1と考えていますよということを明確に申し上げて、スタジアム建設へ向けての作業をしているそのプロセス、一段階にあるというというふうな思いで作業しているということであります。

 

記者

 分かりました。ありがとうございます。もう一点、これも市議会で以前質問が、最近の委員会で出たんですけれども、こういったサッカースタジアム、大型事業、他もたくさんあるんですが、一点、広島駅南口の開発で、予算が155億円としていたものが、市の予算だけではないんですけれども、総事業費で360億円と倍以上に膨らむということで、一体なぜそういうふうになるのかというような疑念が噴出しているんですけれども、このことに対しての市長の受止めと、どうしてこういうふうになったというふうに考えていらっしゃるかというのを教えていただきたいんですが。

 

市長

 この南口の開発について、いろいろな事業、一般に生じることだと思うんですけれども、私自身、この南口の駅の開発について、市長となって議論に参画したときに、当時平面のままで駅前の再開発をやるという考え方と、例えば、電車を地下に引き込んで、空間構造は切り離してなんとかしようというのと、今最終結論したような、地上に電車を引きあげるという3択で議論をするという状況にあったと思っています。そうしたときに、それぞれの事業取組についてメリット、デメリット、どういったところにあるのかというようなことを議論している中で、最初に気にかかったのは、どれをやると一番安く済むんだと、どれくらいのお金の差があるんだと、早くそれを見せろと、それを見せないと議論できないというようなのが、すごく強くあったんですね。それは確かに物事を議論し判断していくときに、費用というのはどれぐらいかかるかっていうのは、欠かせない要素ではあるんですけれども、むしろまちづくりを進めていくときに、私はいろいろ申し上げるんですけど、お金というのは最後まで実現するための手段ですから、それも加味する程度で、もっと本質的なまちづくりについての議論としてどういったものがいいかということを、よくよく議論した上でやるべきだという立場の中で、今の電車が2階に上がっていくというのは、最終的にいいなというふうに判断したわけです。そのときの私の重要な判断ポイントは、決してお金ではなく、もちろんお金の要素もなくはありませんでしたけれども、あの駅前をつくる関係者が一緒にならなければできない事業展開だというふうなところに着目したわけであります。平面ですと今までと同じように、市の所有する土地は市が考えて調整し、駅ビルを持っているJRはJRの土地の範囲の建物をやって接続をどうするか。そして、その上にのっかっている電車は電車でどうするかと。そうすると今の状況の中での問題を大幅に改善することは、まず無理だと。平面での改革ということをまずこえて、そうすると地上か地下か、こうなったんですね。そうしたときに、地下の方は引き続き、それぞれ別事業体として例えば勝手に設計図つくって、最後つじつま合わせをすればできるというような作業展開に見えたもんですから、そうであれば3者が協力しないと絶対にこの事業展開はできないのではないかというのが、実は地上案でありまして、駅前の広場のところ、市の所有地にJRの建物がせり出てくる、その上にさらに広電も入ってくるんですね。そういった意味で、関係者が合意して、必ずやるよという意思を持ってやる判断ということで実は2階案にしたんですね。そうしたところ、たまたま、そうすると下に穴掘って大工事やるよりかは、多分安く済む可能性があるということでなったんです。そのときのざっくりした見積もりが、実は元々の案でありました。その後それをやろうということで調査した中で、地下には掘らないけれども、あの上に構造物をつくるとすると、今すでに掘っている地下構造物をもっと強化しなければいかんということもあって、詳細を調べると今のような柱のつくりでは、十分上に重量物きたときに耐えきれないからということで、想定しているよりもっとしっかりした構造物にするための金がかかる。それに伴って広場についてのつくりをもう一回調整するという、いわば予備の、あまりにも乱暴だったことからの費用負担増ですね。それからもう一つは、駅前構造だけでなくて、周辺ですでに事業展開しているAブロック、Bブロック、Cブロックの営業システムというんですか、そういったことを考えたときに、つくりを手当てしなきゃいけない。最小限2階でペデ(ペデストリアンデッキ)でつなぐというところまでは予想しとったんでしょうけれども、実際つくった上で、これからの人々の動きとか、楕円形の都心づくりで、紙屋町、八丁堀辺りがどんどん開かれていくという状況がより鮮明になった中で、もう一度駅前広場について、その活力を維持するための、あるいはバランスを取るための構造物にしていくためにはとなった時に、いろいろ議論する中で、ペデの広さなどが、当初想定したよりうんと広いものにしておかないと、到底かなわないということで、その後の追加予算が加わりました。そういった2つ、大きく言って2つの点から、申し訳ないけど費用が広がったと、増えたということだと受止めておりまして、この3者が一緒になって駅前を開発するという判断をしていただいたなかでありますので、この費用負担についての、増についての説明、了としていただいて、次のステップ、しっかりした対応に協力いただく、理解いただくということをぜひお願いしたいなというふうに思っているところです。

 

記者

 すいません、予算の話に戻るのですけれども、一般会計が過去最大規模になったことについての受止めをひと言お願いできますでしょうか。

 

市長

 予算規模に関しましては、市が公債を発行しておりまして、それを定期的に返していたのが、今回満期一括償還(債の元金償還)が大量に来たりして、その予算規模がふくれたりしたという要素とかですね。やってきていた大型の事業などが一応終了を迎えたことで、例年ベースよりかは額が増える要素があったりする中で、増える方に転じたのでありまして、予算編成の中で講じている措置がスペシャルだから増えたという状況ではないことをまず御理解いただきたいと思います。むしろ、税収あるいは支出構造について申し上げますと、企業活動、事業活動、市民の収入などが減っていく中で、市税収入が相対として落ちると。しかし、やるべき対策はあるといった中で、ここは、いわゆる地方自治体における基礎的な収支のバランスが取れないときに、それを補強するために国の方から交付税といいますか、国で手当して必要な財源を措置していただくことで収支を持っておりますと。そういった構造の中で問題は、この収支構造を持たせるために、いわば今の国税レベルでの税収のいくらかを分けて地方に配分するやり方では済まなくて、逆に国が借金してやるということを。こうやって、間に合わないわけですからね。必要額を地方自治体に自分で借金しなさいと、借金する許可を与えて、それでやれというふうにしているこの収支構造が、我が自治体のみならず日本全体での問題だと思っています。そういった企業活動の停滞、国税も減る。しかし、実際、やるべき仕事はある。それを今の収入でカバーできない。日銀に頼るとか、借金に頼ってやらざるを得ない状況ですから、このコロナ禍を越えたあと、経済活動を活性化して借金を返すことをどうしていくかが、実は深刻な問題として今、実際に起こっておりまして、早くコロナウイルス感染対策を徹底して、そののちの経済活動の活性化といいますか、活力あるまちづくりをどうするかをやっていくための基盤といいますか、それを今、着実につくっておくことが、一番重要な課題だと思っています。そういう意味で、夢を掲げてそれに向けて頑張ろうということを、この期間の間にしっかりと定着させることをできたらと思っております。

 

記者

 すいません、今の質問に関連して確認させていただきたいのですけれども、今回の予算規模が最大になったのは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響があるのかということと、今「大型の事業が」という話をされていたと思うのですが、その大型の事業は具体的にどういったものなのかを教えてください。予算が最大になったのが、大型の事業が要因の一つに挙げられていましたが。

 

市長

 大型は、8.20の災害とかにかかる予算。そちらに出ていっている予算は全部終わると減ることが起こっていますね。一番大きいのは公債ですね。一括償還などがどんどん来ておりまして。これは借金ですから返していかなければいけないので、その分の手当は不可避ですよね。そういった中で規模がふくれたということで、今打つ政策の中身で増えたということではないと伝えさせていただきます。少し詳しく。

 

市職員

 すいません、当初予算の一般会計の規模が増えた要因で、大きな事業、事業量が増えているということなのですけど、大きいものを挙げますと、恵下埋立地の整備。それから、防災行政無線の固定系の更新整備。それぞれ(令和)2年度に比べて大きく増えておりますので、全体の普通建設事業費自体が、それらによりまして114億円増えていると。これが大きな要素です。以上です。

 

記者

 すいません、ちょっと細かいところにはなるんですけれども、今回新規事業のところでかわなみサイクリングロードの整備のところがあると思うんですけれども、市長が考えるかわなみサイクリングロードの魅力というところと、今回、これって地元の人がまず太田川沿いの道をサイクリングロードと名付けて町おこしというか活性化していく中で、それに市として支援していくというような枠組みになっていると思うんですけれども、常々市長はやっぱり町の人たちがどう、にぎわいを考えているかというところが重要で、そこに市がどうやって補助していくかというところが重要だというふうにお考えだと思うんですけれども、やっぱりこういう町の人から発信していくものを支えていくという意義みたいなところを改めて伺えたらと思います。

 

市長

 このかわなみサイクリングロードの場所を見ていただくと分かると思うんですけれども、以前三段峡まであった可部線の電化延伸の先の路線なんですね。一旦この鉄路が廃止されて、電化延伸をぜひしてくれということで。それまではディーゼルで走っていた路線を可部の駅からもう一つ河戸まで延ばすということもできましたけど、その先は復活できておりません。そうすると路線として確保されていた道幅があるわけでありますけど、そういったものがある意味で、産業構造が変わり町の姿が変わっていく中でそういった変遷を辿っているというわけなんですけれども、地域の方々からするとそういったものの思い出かつ、また今生活する方々にとっての町づくりの資産として、有効活用する道はないかということでずっと検討してきておられます。そういった中で、旧駅舎なども視野に入れてそれをうまく整備して皆さんが来てくつろぐ場にするとかですね。それを行き来する道幅は確保されていますので、並行沿いの道路と合わせて整備すれば、これからもこの地域を活性化するための素材として十分有効に機能するんじゃないかということで、使い方をどうするかといったときには、それぞれ多様な御意見がありましてね。なかなかまとまっていない中で、ようやくいろいろな取組が芽を出し始めているというそんな中で、こういった案について市としてしっかり議論し、その方向性も定まり、持続可能な運営をやっていこうという決意も見られるような状況になったので、しっかりと支援していこうということで予算化したわけであります。ちなみに広島の町、活性化していくというふうに考えたときに、市の中心部である楕円形構造の中の紙屋町、八丁堀、駅前までについては都市再生緊急整備地域ということで国の指定を受けて、そこでの建物のいわゆる整備などについての基準緩和と国からの支援措置を用意して、自分たちで耐用年数が来た建物の建て替えなどを中心しながらいい町にしていただく。そして公共の広場をプライベートの施設群の中にしっかり用意して、参加型というんですかね、多くの方にそういったものを楽しんでもらえるような町並みをつくっていくということでやりつつ、中山間地域、郊外部についてもやはり広島全体としての町の活性化を図っていく上では、地域の方々がその地域にある公共財を含めて自分たちが維持管理しながら自分たちの思いを実現する施設群に変えていく中で、その地域における定住人口をこれ以上減らさないように、場合によっては増やすことも可能になるようなゾーン設定ができる一つの重要な手段であるというふうに考えておりまして、これからも中山間地域における町づくりでいろいろなものを使っての取組をされるといったところには、有効な支援をやっていくということをしたいと思いまして掲げたというか、お示ししたところであります。

 

※(  )は注釈を加えたものです。

 

令和3年度当初予算(案)等について

令和3年度組織及び職員配置の見直しについて [PDFファイル/401KB]

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