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2016年02月08日記者会見「平成28年第1回市議会定例会提出案件について外1件」

動画は下記からご覧ください。

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市からの発表案件

  • 【平成28年第1回市議会定例会提出案件について】
  • 【「200万人広島都市圏構想」実現のための地方創生について】

<会見録>

市からの発表案件

平成28年第1回市議会定例会提出案件について

市長 本日、平成28年の第1回市議会定例会の招集告示を行いました。

開会は2月15日月曜日です。

今回の定例会には、全会計で総額1兆1,778億円余りの新年度当初予算案を提出します。

詳細な内容については、先日、財政当局の方から説明していると思いますので、私の方からは予算編成の基本的な考え方と注目していただきたい重点施策について新規事業を中心に説明をさせていただきます。

お手元に用意しております資料の「資料1 平成28年度広島市当初予算の概要」の10ページ「平成28年度当初予算のポイント」をご覧いただきたいと思います。

平成28年度の当初予算編成に当たっては、これまでのまちづくりの基礎・基盤を踏まえながら、「地方創生」という新たな課題と向き合い、圏域経済の活性化と圏域内人口200万人超を目指す「200万人広島都市圏構想」のもと、「人口減少・少子高齢化に打ち克ち、世界に誇れる『まち』の実現に向けて邁進する予算」とすることに意を用いました。

「活力にあふれにぎわいのあるまち」の実現に向けては、広島駅南口周辺地区市街地再開発における再開発ビルが新年度に竣工し、陸の玄関としての機能が強化されることで、「楕円形の都心づくり」の骨格が具体的に見えてまいります。

また、広島駅自由通路等の整備、広島高速5号線の整備、西風新都のまちづくりなどを引き続き着実に進めるとともに、新交通西風新都線整備の推進などの新たな循環を生み出す事業にも着手し、中四国地方における拠点性の更なる強化を図ってまいります。

さらに、ヒト・モノ・カネ・情報の循環を基調とする「ローカル経済圏」の構築を目指して、連携中枢都市圏制度を活用し、広島広域都市圏の市町とともに、地域資源を生かした産業振興や観光振興など、圏域全体の活性化に資する施策に取り組み、圏域における経済成長の牽引役を果たしてまいります。

次に、「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向けては、「翁・童のバランス」に配慮し、自助・共助・公助を適切に組み合わせることで地域福祉の再構築を進めてまいります。

子育て支援については、保育サービスの充実、子どもの貧困対策、乳幼児等医療費補助の対象年齢拡大など、将来の広島を担う子どもの育ちを広島市全体が支える取組を行います。

高齢者福祉については、平成29年度の介護予防・日常生活支援総合事業の開始を見据えモデル事業を実施するほか、地域包括ケア推進センターの新設、高齢者地域支え合い事業の拡充など、可能な限り住み慣れた住まい・地域において生活を継続できるよう地域における支え合いへの支援に取り組みます。

あわせて、こうした子育て・高齢者支援を安定的に実施していくため、保育・介護人材の確保・育成に取り組みます。

このほか、がん検診の受診率向上のための取組や糖尿病性腎症重症化予防事業など、将来的に医療費等の抑制につながる健診受診率の向上や健康づくりに資する取組を推進します。

また、女性、若者が働きがいのある安定した仕事に継続して就くことができるよう、働く女性、若者のための就労環境の整備に取り組みます。

さらに、平成26年8月20日の豪雨災害からの復興に取り組むとともに、防災拠点となる公共施設の耐震化や民間建築物の耐震化への支援強化など、災害に強く安心して生活できるまちづくりのための施策を講じることにしています。

「平和への思いを共有するまち」の実現に向けては、伊勢志摩サミットやG7広島外相会合の開催の機会を捉え、被爆の実相を伝える平和関連事業に取り組むとともに、原爆ドーム保存事業等基金を活用し、被爆建物の保存に対する支援の強化や、平和首長会議加盟都市の青少年・若手職員との交流を深める事業を行うなど、被爆の実相を「守り、広め、伝える」事業に一層力を入れて取り組みます。

このように、限られた財源の中、引き続き事務・事業の見直しに取り組むとともに「選択と集中」を推し進め、広島の将来も展望しながら、真に求められる施策について、重点的に予算配分を行いました。

予算の重点施策に関しまして、新年度予算で注目していただきたい点は、基本コンセプトに掲げた三つの要素に沿って説明したいと思います。

第一の要素ですが、「活力にあふれにぎわいのあるまち」の実現に向けた取組です。

そこでは、「都市機能の充実強化」を挙げております。広島駅周辺地区の整備を推進するため、平成28年度の竣工に向けて、広島駅南口Bブロック・Cブロック市街地再開発事業への補助を行うとともに、引き続き、自由通路等の整備に取り組みます。

次に、「大規模未利用地の活用方策の検討」については、広島西飛行場跡地について、広島県と連携して跡地利用計画の策定などに取り組みます。

また、広島大学本部跡地の旧理学部1号館について、有識者や関係団体等で構成する懇談会を開催し、保存・活用方針の検討を進めます。

次に、東部地区連続立体交差事業についてです。

この事業は、広島県と関係市町の四者の合意があってはじめて推進できるものです。本市としては、これまでの他の関係者との協議結果を踏まえれば、全区間高架の現計画での実施は極めて困難であると考えています。

見直し案においても、本事業のそもそもの目的である交通の円滑化、南北市街地の一体化、踏切の安全確保といった点に関しては、おおむね達成することができますので、今後は、見直し案を基本として、立体横断施設の設置など歩行者の安全性や利便性の更なる確保に向けて、要望を伺いながら事業を進めていくことで、地元の理解を得ていきたいと考えています。

また、都市基盤整備など、船越地区の将来的なまちづくりにも積極的に取り組むこととし、まちづくりに関する機運も盛り上げながら、地元との協議・調整を並行して実施していきたいと考えています。

こうした考え方の下に、予算を措置しているところです。

次に、公共交通の関係としては、平成29年春に開業予定のJR可部線の電化延伸区間の工事に引き続き取り組むとともに、JR下祇園駅の東西を結ぶ自由通路等の整備に係る検討を行います。

また、昨年6月に事業化の判断を行ったアストラムラインの西風新都線の整備に向けて、より具体的なルート等を検討するための基本設計や測量等を行います。
さらに、西広島駅については、北口地区での土地区画整理事業の調査・検討などを行います。

次に、「観光の振興」については、広島広域都市圏内にある毛利氏ゆかりの博物館等が連携して、毛利氏関連の史跡マップなどを作成するとともに、広島城二の丸を活用して、茶会や茶道具等の展示を行います。

また、2019年の浅野家広島城入城400年を記念し、その歴史をたどるコースを掲載したパンフレットなどを作成します。

このように、今後、広島の歴史や伝統に着目した施策を様々な分野で展開していきたいと考えています。

このほか、本年12月に原爆ドームと嚴島神社が世界遺産登録20周年を迎える機会を捉え、観光キャンペーンを実施します。

また、ひろしまドリミネーションの開催にあわせて、平和大通りにオープンカフェを設置するとともに、広島広域都市圏の市町と連携し、「食」をテーマとした周遊イベントなどを行います。

次に、「中山間地域・島しょ部の活性化」については、地域おこし協力隊を配置して、南区似島と安佐北区小河内地区の活性化に取り組みます。

第二の要素、「ワーク・ライフ・バランスのまち」の実現に向けた取組に関しては、まず「雇用の促進等」についてですが、介護・保育分野における人材確保・育成を図るため、広島市介護マイスター養成支援事業や保育士合同就職説明会を引き続き実施するとともに、新たに、介護職の社会的評価を高めることなどを目的とした「ひろしま介GO!プロジェクト」や、保育補助者雇上強化事業などを実施して、就業支援や離職防止を強力に推し進めます。

次に、「保健・医療・福祉の充実」についてです。

まず、「医療提供体制の充実・強化」として、病院群輪番制病院において、救急搬送患者の受入れを促進するため、患者の受入実績に応じて補助金を加算する制度を創設します。

次に、「介護予防の促進」として、身近な地域での住民運営による介護予防拠点の立上げ支援等に引き続き取り組むとともに、平成29年度から開始する介護予防・日常生活支援総合事業を見据え、地域住民によるサービス提供等の実施モデルを確立するための取組を行います。

また、「在宅生活の支援」として、各区に「地域包括ケア推進センター」を設置するとともに、高齢者地域支え合い事業の実施か所を、市内すべての日常生活圏域に拡大します。

さらに、「地域福祉の推進」として、福祉関係団体やボランティア等の全市的な福祉活動拠点となる総合福祉センターを本年12月に開設します。
三点目は、「未来を担う子どもの育成」です。

「全ての子どもが健やかに育つための環境づくり」については、妊婦乳児健康診査の検査項目を充実するとともに、難聴児の早期発見を図るための新生児聴覚検査に係る費用の全額助成や、3歳児健診の未受診者を対象とした休日健診を新たに実施します。

また、発達障害を早期に発見し、支援の充実を図るため、5歳児発達相談の体制強化を行うとともに、5歳児健診をモデル的に実施します。

さらに、「子どもの医療費への助成」については、乳幼児等医療費補助について、より多くの子どもの健全な発育をさらに促進するため、対象年齢を大幅に拡大します。なお、一部負担金については、受益者負担の考え方により、保護者の所得に応じた負担額を設定します。

次に、「安心して子どもを産み育てることのできる環境づくり」です。

待機児童対策については、受入枠拡大を支える保育士の確保や負担軽減策として新たに保育補助者雇上強化事業やICT化推進事業を実施します。
「ひとり親家庭への支援」については、ひとり親家庭の児童生徒を対象とした学習支援事業について、開催場所や日数を拡充します。

また、就職に有利な資格の取得を目指すひとり親家庭の親に対する入学準備金などの貸付けや、高等学校卒業程度認定試験受験のための講座受講費用の支給を新たに行います。

このほか、ひとり親家庭などの子どもの居場所づくりの取組を行う地域団体等に対する補助を新たに行います。

「教育の推進」については、ネイティブ・スピーカーから直接生きた英語を学ぶことができるよう、中学校に英語指導助手を配置します。

「安全・安心に暮らせる生活環境の整備」については、「地域の実情に応じた市民主体のまちづくり」として、安佐市民病院移転後の跡地について、地域との対話をしっかりと重ねながら、跡地活用に向けた検討を進め、本年8月を目途に活用方針案を作成します。

また、「災害に強く安心して生活できるまちづくり」として、防災情報伝達手段の充実強化のため、土砂災害や洪水などの危険区域に居住する避難行動要支援者のいる世帯を対象として、その自宅等に防災行政無線屋内受信機を整備します。なお、避難行動要支援者に関しては、その名簿への登録について世帯要件を廃止するなどして、対象者を拡大します。

また、公共施設及びインフラ施設の耐震化の取組をより一層推進します。

「平成26年8月20日豪雨災害からの復興等」については、被災した地域の早期復興と安全・安心なまちづくりを着実に推進するため、復興まちづくりビジョンに定めた道路や河川の整備等を進めます。

第三の要素は、「『平和への思いを共有するまち』の実現に向けた取組」です。

最初に、「核兵器廃絶と世界恒久平和の実現」です。

国内外の約7,000の都市が加盟する平和首長会議を中心に、2020年までの核兵器廃絶に向けた取組を推進します。

具体的には、南アフリカで開催される核兵器の人道的影響に関する国際会議に出席するとともに、ヒロシマ・ナガサキ原爆展を米国シカゴ市で開催します。

また、千葉県佐倉市において、平和首長会議国内加盟都市会議の総会を開催します。

さらに、伊勢志摩サミットの開催にあわせ、長崎市と共同で原爆展を開催します。

次に、「『迎える平和』の推進」です。

4月に本市で開催されるG7広島外相会合の機会を捉え、主要国外相に被爆の実相を伝える様々な取組を行います。

また、平和記念資料館の改修工事を引き続き進めるとともに、平和記念資料館の観覧料の引上げによる増収相当額を原爆ドーム保存事業等基金に積み立て、この財源を活用し、被爆の実相を守り、広め、伝える事業を拡充します。

具体的には、被爆樹木のモニタリング事業や平和記念資料館収蔵資料の保存措置の強化、被爆建物・被爆樹木めぐりなどを実施するほか、平和首長会議加盟都市の若者に、広島で被爆の実相などを学んでもらう青少年「平和と交流」支援事業や平和首長会議インターンシップを実施します。

また、被爆建物である水道資料館の耐震補強工事などを行うとともに、民間被爆建物の保存工事等に対する補助制度を拡充します。

以上が新年度予算で注目していただきたい重点施策の概要です。

次に、組織・職員数について説明します。

お配りしている資料の「平成28年度組織及び職員配置の見直しについて」をご覧ください。

まず、組織については、「200万人広島都市圏構想」の実現に向け、広島広域都市圏における広域連携を一層強化するため、企画総務局に広域都市圏推進課を設置します。

また、地域包括ケアシステムの構築に向けた推進体制を強化するため、健康福祉局に地域包括ケア推進課を設置します。

さらに、8.20豪雨災害に係る復興事業の推進体制を強化するため、安佐北区役所地域整備課が所掌している復興事業を復興工事事務所に移管し一元化するとともに、復興工事事務所を部相当の出先機関に改組します。

次に、職員数については、豪雨災害に係る復興事業の推進や地域包括ケア推進センターの運営開始、平成29年度からの県費負担教職員の給与負担等の移譲に係る準備体制の強化などのため、職員を増員する一方、事務・事業の見直しなどによる減員を行います。

「200万人広島都市圏構想」実現のための地方創生について

次に、「200万人広島都市圏構想」実現のための地方創生について説明します。

この度、取りまとめた「世界に誇れる『まち』広島」人口ビジョン、「世界に誇れる『まち』広島」創生総合戦略及び広島広域都市圏発展ビジョンに掲げた施策を一体的かつ着実に実行することで、「世界に誇れる『まち』広島」さらには「200万人広島都市圏構想」の実現に向けて、新たな一歩を踏み出したいと考えています。

人口減少・少子高齢化の中にあって、経済面や生活面で深く結び付いている広島市と広島広域都市圏の23市町が、一丸となって大胆な取組を展開し、「200万人広島都市圏構想」を実現することこそが、圏域の自律的で持続的な発展、ひいては中四国地方の発展に資すると考えており、その実現のために本市は、圏域全体の発展をけん引するエンジンとしての役割を担う決意です。

お配りしている資料の「『200万人広島都市圏構想』実現のための地方創生」をご覧いただきたいと思います。「200万人広島都市圏構想」実現のための地方創生の取組は、右側の「広域拠点・中枢都市としての取組」と、左側の「広域全体・都市圏としての取組」から成り立っております。それぞれ、人口ビジョン・総合戦略と、都市圏発展ビジョンに基づき、具体的な施策を展開してまいります。

右側の「広域拠点・中枢都市としての取組」にある人口ビジョンは、人口の現状分析等を行って、目指すべき将来の方向を踏まえた本市の人口の将来展望を示すもので、総合戦略の基礎となります。人口規模と経済力等を兼ね備えた「まち」であり続けるために、「若い世代の人口の確保」と「出生率の向上」を実現し、2060年における本市の人口は、現状とほぼ同規模の110万人を維持したいと考えています。

この人口ビジョンを踏まえ、総合戦略においては、資料二枚目の施策体系図のとおり、まず一つ目が「中四国地方のエンジンにふさわしい都市機能の充実強化」を目指して、広島大学本部跡地などの低未利用地の有効活用を始め、都市的魅力や自然的魅力を一層引き立て、圏域内の誰もが、容易にそれらを享受することのできる「まち」づくりに取り組むとともに、「四つの循環」の形成に向けた新交通西風新都線整備の推進などに取り組みます。

また、「“ディーセント・ワーク”の創出」を目指して、農林業の6次産業化サポート事業や、働く女性・若者のための就労環境整備の推進などに取り組みます。さらに、「子どもと子育てに優しいまちの実現」を目指して、新生児聴覚検査に係る費用の全額助成や、ひとり親家庭などの子どもの居場所づくりを行う地域団体等に対する補助などに新たに取り組むとともに、「まちの安心とブランド力の向上」を目指して、地域包括ケアシステムの構築などに取り組みます。

一方、「広域全体・都市圏としての取組」は、都市圏発展ビジョンに基づき、資料三枚目の施策体系図のとおり、「目指す都市圏像」として描いた三つの将来像の実現に向けて取組を進めます。

まず、一つ目の将来像「ヒト・モノ・カネ・情報が巡る都市圏」を目指すための取組として、「ローカル経済圏」の構築に向け、一つ目は自動車を始めとした基盤産業の圏域内調達による循環、二つ目に農水産物等の圏域内での地産地消による循環、三つ目がバイオマスエネルギーの圏域内での地産地消による循環、四つ目が国内外の観光客の圏域内周遊による循環などの視点に立ち、圏域内の市町と連携し、新たな施策の企画立案を行う研究会を設置することとしています。
また、外国人を含む観光客の来広促進のため、広域都市圏域の観光情報発信サイトの構築やその情報の多言語化、近隣市町と一体となった圏域内の無料公衆無線LAN環境の整備により、滞在型観光圏の形成に向けた取組を進めます。

さらに、圏域の特産品を集約し、本市都心部において販売する場を設けることを検討します。これにより、圏域内市町の特産品の販路拡大や消費増大につなげたいと考えています。

次に、二つ目の将来像「どこに住んでも安心で暮らしやすい都市圏」を目指すための取組です。

圏域内の効果的・効率的な医療サービスの提供体制の構築を図るため、24時間365日体制で圏域内住民から電話による救急医療相談を受ける救急相談センター事業の検討に着手します。

また、圏域内の循環に資する広域交通網の構築に向け、圏域全体の公共交通網の充実・強化策の検討、具体化に取り組みます。

最後に、三つ目の将来像「住民の満足度が高い行政サービスを展開できる都市圏」を目指すための取組です。

子育て支援の充実に向けた取組として、市町の境界を越えて病児・病後児保育事業等の保育サービスを利用できる仕組みの構築を図ります。

また、効率的な事務の執行により、安定的・継続的な行政サービスを提供するため、特に専門性の高い事務等について、広島県とも連携しながら、市町間の連携による合同の実務研修会の開催や共同化に関する検討などを行います。

このように、本市と圏域を見据えた「地方創生」の取組を、一体的かつ着実に進めることで、「世界に誇れる『まち』広島」さらには「200万人広島都市圏構想」を実現したいと考えています。

なお、都市圏発展ビジョンに掲げた施策に係る連携協約の議案を、本市及び23の近隣市町がそれぞれの議会に提案し、その審議・議決を経た上で、都市圏発展ビジョンと人口ビジョン、総合戦略を確定したいと考えています。

当初予算の概要等についての説明は以上ですが、今回の予算編成作業を通じて、私なりに福祉分野の施策についての基本的な問題認識や重要だと思う点などをまとめてみましたので、多くの市民の皆様に、私の取り組んでいる姿勢への理解を深めていただきたく思い、この場を借りて、説明したいと思います。

お配りしております「世界に誇れる『まち』広島」の地域福祉の再構築に向けてという資料をご覧いただければと思います。

まず、現状に関しては、今後少子高齢化・人口減少が進むと、生産年齢人口と高齢者人口の関係は、いわゆる騎馬戦型から肩車型の構造へと変わっていき、より少ない生産年齢人口でより多くの高齢者を支えていくということになります。

また、人口減少に歯止めをかける根本的な要素である子どもの出生率は市民の希望水準と差があり、市民の結婚・出産・子育ての希望は叶っていません。また、若い世代の東京圏・関西圏への転出超過が課題となっています。

このほかにも、次のページを見ていただくと分かるとおり、共働き世帯の一般化や単身世帯の増加などによって、家族形態自体が大きく変化してきております。平均寿命は延びている一方で、健康寿命は全国平均を若干下回り、健康上の課題を抱える高齢者が比較的多い。初婚年齢、出産年齢とも高くなり、晩婚化、晩産化が進んでいる。町内会・自治会加入率の低下など、地域コミュニティのつながりが希薄化してきている。非正規雇用の増加などによって雇用・就労環境が変化し、格差が拡大している、といった状況があります。

こうした現状、すなわち、経済環境や社会構造の変容に対応して、「世界に誇れる『まち』広島」の実現を目指していくために、私は、「翁・媼」と「童」に着目した地域福祉の再構築が必要になってくると考えています。

その際重要となるのが「自助」「共助」「公助」の適切な組み合わせでありまして、具体的には、次のページにあるとおり、「童」に関しては、人口減少社会の到来という現実の中で、最も重要な社会投資として、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりが必要です。それを確実に進めていくためには、これまで以上に「共助」「公助」を強化し、将来を担う子どもたちを広島市全体で支えていくことが極めて重要であると考えます。

また、「翁・媼」に関しては、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていける環境づくりが必要です。それを着実に進めていくためには、市民一人ひとりができるだけ健康であり続けるための「自助」、身近に支援を必要としている人々を地域で見守り支え合う「共助」を強化していくことが不可欠だと考えます。

このような方向性で、子育て支援や高齢者支援を充実していくことで、社会の持続可能性を高めることが重要と考えています。

こうした基本認識の下で、それを目指す上で、三つの重要な視点があると思います。

まず一点目、「エリアマネジメント」。これは、地域の状況や課題はそれぞれ異なっています。したがって、住民参加の下で、地域ごとの実情に応じた「自助」「共助」「公助」の適切な組み合わせをマネジメントしなければ、地域ごとの包括的な支援体制の確立は見込めないということです。

その際、必要になってくるのが二点目の「支え合い」です。広島市内全域において子育てや高齢者のニーズにきめ細かく対応していくとともに、従来の考え方、「支える側」と「支えられる側」という二分論にとどまらない多様な担い手づくりと、介護職や子育て職の人材の安定的確保が必要になるということだと思います。

そして三点目、「分かち合い」。これらいずれにおいても重要となる「公助」の充実・強化に当たっては、その裏付けとなる財源が不可欠です。社会全体で薄く広く負担することこそ必要です。その際、公平感に留意しながら、一定の負担能力を有する層に最低限の負担を求め、その上で、世代等を超えた社会全体での分かち合いが必要になると考えています。

ちなみに、以上のような方向性を踏まえて、広島市の政策を考えた場合、これらの課題に対して、まず、重点的に取り組むべき事項として、具体的に7つのアクションを立てて、それらを平成28年度予算(案)にも反映しています。

最後に、今後についてですが、私としては、ここでお示しした、いわば広島型・福祉ビジョンを基に、これらの課題への取組を更に進め、地域福祉の再構築に取り組んでいくことで、最終的には、広島市で将来に希望を持って、安心して生活を営み、子どもが健やかに生まれ育つことができ、市民が多様な価値観に応じて生き生きと暮らすことができるまち、これが「世界に誇れる『まち』広島」ですが、その実現を目指していきたいと考えています。

私からのコメントは以上です。

記者 財政運営方針についてお尋ねいたします。今回の当初予算の(平成)28年度末の市債残高の見込みが、臨財債(臨時財政対策債)を含めてですけれども1兆1千億円を超えるということで、臨財債を含めれば過去最高を更新するという形になっています。運営方針を見れば、公債費も平成30年度に1千億円を越える見込みとなっております。一方で、駅前の開発であるとか、土砂災害の復旧事業、そしてまた、安佐市民病院の移転整備とか、まだ結論が出ていませんが、サッカースタジアムがもしかしたらこれも市に一定の事業負担を強いることになる可能性も十分にあると思うんですが、こういった中で、大型事業も控える中での財政の健全化という観点でどのように施策を進めていきたいのでしょうか。

市長 非常に重要かつ悩ましい問題です。大きな社会の流れ、少子高齢化ということを踏まえれば、例えば2025年という時点、団塊の世代の方が全て75歳になるということを考えれば、あと10年ぐらいしかないんです。そういった状況に至る前に、今福祉でも申し上げましたけれども、皆が助け合い、支え合う社会を作り上げる、その状況がこの広島市に訪れているということは、私は何よりも重要だと思うんです。

そして、その支え合いをしていくためには、市民の心構えと同時に、社会環境、公共交通にしても、インフラの状況にしても、人々が相当高齢化してまいりますので、利便性の高い、移動しやすいような都市構造にしておくというようなことも欠かせませんし、同時に、「活力にぎわい」というようなものも維持しながら、近隣市町全体との交流を深めて、本当に過ごしやすいまちにしておくということもしておかなければならない。

そういう意味では、例示されたような様々な投資額を要する事業も手掛けていかなければいけないと思いますので、これをやりたい。しかし、それを一時に全部出捐(しゅつえん)するというか、その財源を賄うということは、逆にそれらを賄うための市税収入、国全体の財政状況も考えて、それについては到底無理です。そうすると、今言ったような将来の方向性を皆さんに明示しながらも、選択と集中という中で、優先度合い、まず何からやっていくか順番を決めていくということをやる中で、財源調整の余地を残すということをまずやりたい。同時に、市債残高とかというものは、実は今まで市債を発行してきた結果ですから、今から直ちにそれを徳政令のように無視するわけにはいかないんです。だから、これについても堅実な支払をやりながらということを同時並行でやるときに、先ほど言った優先度合いを考えるときに、必要なインフラを順番にやりながら、そのインフラがうまく効いて、市民、それを通じた経済活動などが活性化して、市税収入、我々の税収に跳ね返るようなところの事業はやっぱり急いでいくという順番になるんじゃないかと思うんです。

そういったトータルなことを考えながら、選択と集中というのをやりたいと思うんです。そして、今期の、あと4年のこの財政運営方針を見ていただくと分かると思いますけれども、臨時財政対策債は、国が今、非常に借金財政になっているために、各地方自治体に本来ならば現金で交付していい交付税を借金の形で押し付けているわけでして、それはいずれちゃんと返すようにするからと言われておりますので、私自身は臨時財政対策債を除いた市の市債残高を見ていただきたいと思うんです。これも着実にその部分は減らすということを織り込みながら事業展開をするという目標を立てています。今申し上げたようなことを日々事務・事業の見直しをやる中で調整していくということでしか対応できない。何かの切り口でこうしますというんじゃなくて、先ほど申し上げた問題意識を常に抱えながら、日々調整していくという中でやろうかなと、宿命みたいなものかなと思っています。

記者 大型公共事業の話で、今年度から新たにアストラム(ライン)の延伸というところで、7千万円くらい予算を計上されていて、これから最終的に見込みだと300億円弱くらいは西広島まで伸ばすのに市が負担ということになると思うんですけど、改めてかなりの公共事業で、市の財政も先ほどおっしゃっておられたようになかなか厳しい中で、改めてその事業をする意義とか、例えば、そこはバスだと代替できないのかとか、その中にあえてアストラム(ライン)を延伸するという選択をする意義というのをもう一度改めて市長からおっしゃっていただきたいんですけども。

市長 今申し上げましたように、西風新都というまちの位置付けを我が市としてどう考えるかということが私にとって一番のポイントです。楕円形の都心づくりと申し上げておりますけども、例えばデルタ地内であれば駅と紙屋町、八丁堀、ここをしっかりとそれぞれの機能を生かすことで全体のまちづくりを考えるということです。

それから、市域全体に目を広げますと、デルタ地とそれからもう一つ丘陵地と言いますか、西風新都、ここは大体同じ位の広さを持っているんです。ですから、この土地の性格の違い、しっかりとした二つの拠点を作ることで、広島の災害に強いまちということにもなりますし、そしてとりわけ西風新都の方は、高速道路二つに隣接しておりまして、利便性の高いところ、そして将来的にも今5万数千人の人口を8万人くらいにはするということで、住んで、仕事をして、勉強していく地域にするということで、事業展開しております。

そういった将来に、あるいはそれが早く効けば、先ほど申し上げたようにいろいろな形で市の財源にも必ずプラスに響く、そういうまちづくりですので、しっかりしたものを推進したい。その収益確保を頭に置きながら、どういうタイミングで本格的な工事をやっていくかということを考えておりまして、今言われた投資額、ここ一年で全部できるわけではありません。(平成)30年代、40年代までかかるという中で、確実に西風新都を皆さんが値打ちあるまちだと認めていただけるような方向に進めていくということを明示して取り組むことが今、一番重要だと思っておりまして、まずはその取っ掛かりをお示しして、そして皆さんが本当に広島全体を活性化させるために、中四国の中でもこの広島をその拠点にしようじゃないかということを確認していただけるための素材にもしたいんです。

ですから、当面の費用が掛からない、だから乗り換えてアストラム(ライン)よりバスが良いんじゃないかというご意見もありましょうけども、むしろ一貫して西広島駅に繋ぎ、その西広島のまちの活性化も同時に図るということも皆さんにお示ししながら事業展開したいと考えて、今回予算を付けたということです。

記者 二点お伺いしたいんですが、一つは、今回の予算について今説明いただいたんですが、一言で今回の予算を表すとしたら、松井市長としたらどんな予算だと表せるか教えていただきたいのですが。

市長 松井市政を本格的に稼働させるというつもりでやりました。

記者 もう一点伺いたいのが、先ほど追加資料もいただきましたが、特に今回、子育てに関する予算というのが新規事業以外にも枠が増えているものもあったりとか、例年よりも充実したのかなと感じたんですが、改めて少子高齢化で人口が減っていく中で子育て世代を意識した予算と位置付けられたのか、その辺りを教えていただけますか。

市長 あえて今回、広島型・福祉ビジョンというのをご紹介いたしましたが、一期目はまず皆さんに「活力・にぎわい」「ワーク・ライフ・バランス」「平和への思いの共有」という三つの柱の、どちらかというと一点目、「活力・にぎわい」に取り組むための市政運営を見ていただこうということで、私としてはやったつもりです。

そして、市内にあるいろいろな課題について、財政状況も考えながら、一時にお金を出すわけではありませんけども、どういった方向で都市づくりを展開していくか手順を示しながら、問題箇所も皆さんにお示ししながら、そして動かせるところを少しずつ動かしているということで、これは当初狙ったとおりで、何とか動き始めました。

そういった都市構造の中で、「ワーク・ライフ・バランス」、人々が生活していく上でこれから何が大事かとなると、先ほど申し上げたように少子高齢化という大きな流れの中で、この都市に多くの方が住み続けて良かったなと思っていただけるようにする。そして、次の世代も住んでいただくようにするということをしないといけないとなると、やはり先ほど申し上げた「翁(おきな)・媼(おうな)」「童(わらべ)」ということを考え、実際今ここで活動している方々は当面お仕事の関係もあれば、このまちを良くするということも言わずもがなでやっていただきますから、それらに支えられている方々についての市政の取組をお見せすることで、やっぱりここで良かったとなと思っていただきたいと思うんです。

そういう意味では、財源は限られていますから、皆さんに全部というわけにはいきません。そうすると、とりわけ高齢者の方には健康体であって、医療などがかからない「自助」ということを少しがんばっていただくということをやる。

そして、子育てについては、どちらかというと今までは夫婦が産んで、自分たちが育てて、本当に足りないところを「公助」というところで助けるシステムが普通ですので、他の都市に比べればそちらの方をしっかりやってくれるまちになっていくなと。そして、社会全体で子どもを育てることを目指すまちだなということを実感していただきたいと思うんです。そうすることで、支える側として必要となる助成、そういった方々の社会参加と子育て、場合によっては介護といった労力のバランスが取れるようになる。そうすることで社会全体の活力を維持する。簡単なモデルですけども、そういうものを皆さんに分かっていただいて、そのための対応を随所にやっていく。それを皆さんに認めていただきたいと思うんです。そうしないと少子高齢化の流れは受け止めきれない。

同時にもう一つが、それを我が市だけではなくて、23市町、(広島市を含めた)24市町が一緒になってこの広域都市圏の中でやるということで、負荷の分散と、それぞれ持っている資源を有効活用することで、それぞれのまちが少子高齢化の波を抑えることができないか、そんな気持ちでやっています。

記者 東部連続立体交差事業について一点お伺いしたいんですが、今回、船越地区の反対がある中で見直し案を基本とした設計費が計上された理由について改めてお伺いしたいのと、今後地元とのまちづくりの協議を進めたいとおっしゃっていましたが、この辺り、どういう形で理解を求めていくようにしていくお考えかお聞かせください。

市長 一言で言って、ここは本当に粘り強く、県、市、そして関係する町が住民の方にお話をし、対応するということだと思うんです。

連続立体(交差)ということで物理的に表現されますけども、実際その狙いとしたところは、市内の船越であれば今のJRが街を分断して一体的に機能していない、だからもしあれを上げればJRというものに煩わされることなくまちが一体的になるんだからベストだということだと思います。ですけど、そのねらいたるや、先ほど申し上げましたように、行き来ができる、安全に、まち全体が一体的にというベストの案ではあるんですけども、その案が関係者、二つの町と県と市が一緒になってやらなければいけない事業であるということもまた明白でして、そういった中で市としても皆さんと合意しながらいいものをつくり上げていくという手続きを踏む中で、今回時間も経過して、早くやらないと用地買収しているのに何のためにやったんだというご議論もございます。そういったこともある中で、一刻も早くやるために、そして県と両町の話し合いの中で出てきた合意可能性に我が市も乗っかりまして、四者が合意してやろうとする案を今進めているわけです。

これがうまくいかなければこの事業そのものが根っこから怪しくなりますので、そういったことを避けながら、この案を前提に最初の目的である船越については自分たちのまちをいいものにして、JRの踏切に煩わされることなく、多少手間が掛かるとしても安全性の高いアンダーとかアッパーで行き来するように手当てをするということで納得いただけないでしょうかと。それと、そういったことも通じて、今まで俎上に載ってこなかったような船越のまちづくりそのものも同時並行で進めることで皆さんのいろいろなご要望に応えるということをやる。そしてそこの中で、納得感を高めていただくということをやっていきたいと思うわけです。そういう意味で、粘り強くご意見を聞きながら対応したいと思います。

記者 地方創生と広域都市圏での発展というのは、理論としてはすごく分かって、目指す方向も恐らくあまり反対する人はいないと思うんですが、ただ一方で、全国で同じようなことを目指して、連携中枢都市圏などもどんどん出てきている中で、この広島市とか広島の都市圏が、言い方が悪いのかもしれませんが他の地域との競争に勝っていくという視点で考えたときに、どういうところを強化していって競争力を付けていこうとお考えなのかというところをお聞かせください。

市長 とかく地方創生を都市間競争のように捉えておられると今みたいなご質問になると思うんですけども、私自身は地方創生を個々の都市の都市間競争にしたくないというか、そういう発想で捉えたくないと思っているんです。

というのは、都市間競争ということで見ますと、今、日本国内にある一定の機能がどうも東京に集積している、だからその東京にある機能を取ってくれば我がまちは良くなるんじゃないかということで、そういう要素もなくはないんですけど、そういう分かりやすい構造で物事を解決する場合もありますけども、でも、そういった機能を持ち込んでくると、その機能を維持していく、今後それを使い切っていくためにはどうするかということを考えたときに、そういうスローガンを掲げるけども、なかなか実現しないと思うんです。それはなぜかというと、受け入れたときにその機能を使いこなすだけの都市圏がないんです。人口構成にしても、今までの日本国内におけるその都市が役割として全然違う位置付けなのに、それにそぐわない権能を持ってきても使い切れないんです。だから、もしそういったものを欲するんであれば、まず地元での基礎体力を付けて、そういったものが来ても十分こなせるようにするということからアプローチしたいと私は思っています。

したがって、広島市単独ではなくて、そしてこれが生活圏、経済圏で結びついている、単に行政の区割りということだけで仕切るのではなくて、実際の実生活として一体的に動いている経済圏を捉えて、そこでそれぞれの市町がいろいろな資源を投下して行政を展開していますから、その有効活用を図るということ、そして自分たちの地域が一体として仕事をするようにすれば自ずとそれを取りまとめる機能が要る。それが今なければ、それがどこか地方にあればそれをくれと言えるようにする。つまり、自分たちの地域の基礎体力を付けて、そしてそれを企画立案する力を付けた上で取ってくるというふうにしたいと思っているんです。

だから、その発想がたぶん都市間競争で頑張ろうと取り組んでおられる他の首長さんと発想が違うと思うんです。

もう一度言います。まず自分たちの基礎体力を付けた上で受容して、頂いたものは持続的に使えるように、長く使えるようにする、そのためにも欠かせない対応です。市場圏が小さければ、いくらいろいろな機能を持ってきても立ち枯れしてしまいます。そのように思っています。

記者 今回は地域福祉であるとか子育てに関する施策に考え方をお示しいただいたと思うんですけども、改めて課題にも挙げておられるように、地域での支え合いというところを再構築していく中で、単身世帯が増加しているというのは、やはり各地域でも町内会活動をする中でも結構課題になっていることがあると思うんですが、地域福祉の再構築にこれから、今年度から少しずつ始めていくに当たって、まずどういう課題が大きく出てくると考えておられるか教えてください。

市長 課題は実は一つだけではなくて、課題の複合体なんです。先ほど基本認識を申し上げましたように、どれが一番の課題かと言われても、どれも課題なんです。つまり、人が減る、都市化する、そして個々人の生活重視、個々人が格差が大きくなって、充足できない状況にある、それとまったく違うステージに持っていけないか。

まずコミュニティという英語ですけども、これは地域のまとまりですね。そういう意味では抽象的に言うと、匿名性の高いまちからやや匿名性を薄めてでもお隣の方々の心配をして、プライバシーの干渉にならない程度で皆がお世話してあげるという状況にしなければいけない。そうすると、それができるためには、生活水準がいろいろなタイプの方があっても、一人世帯で大変なところを少し見てあげられるようなその地域の状況と、それに行政が助けを入れてあげる。そしてそこでそれを支援するときに、支援するのは行政だけじゃなくて、地域は「あの人助けたいからなんとかしてあげなさい」じゃなくて、「自分たちも助けるんで一緒にやりましょう」というような、いわゆる助ける側と助けられる側も一体的に動くような地域をつくるとか、そういうのを同時進行でやっていかなければいけないと思うんです。

だから、とても大変なことではあるんですけども、ただ言えるのは、実際、我々はこの地域で生活しています。何も白地に絵を描く訳じゃなくて、今、生活している状況の中で間違いなく、この地にいれば巡り会う問題ですから、それを解決してきているからこそ何とか生きてきている訳ですから、その解決した良い知恵を少し募って、それをさらに拡充、あるいは拡大するというところに着目して、いろいろな意味での好事例を寄せ集めて、それを皆さんで共有するというぐらいのイメージで市政を展開したいと思うんです。だから一個だけぽんっとじゃないんです。これをやったときにここも直さなければいけなかった、それが上手くいったからこの地域のみならずこっちでもやってみましょうと、そういう行政をこの市内8区、いろいろなところでやれたらなと思うんです。

記者 今回、原爆資料館の料金を値上げして、その増収分を被爆資料の保存とかそういったものに当てられるということも大きいところかなと思ったんですけども、なぜ改めて今この対策を打ち出したのかというところを市長からいただきたいんですけども。このタイミングで値上げして民間所有の(被爆)建物への助成金だったりとか、資料の保存のための費用に当てる、その部分を打ち出した理由について…。

市長 これは、以前議論されていたことが実はベースにあってということでお答えしているんですけども、一期目は市長になったときに被爆の実相に関しての問題意識を持ちまして、そして平和問題というのを広島市がしっかりと取り組むと考えたときに、じゃあ最終的に取り組むための財源はどう確保するかという問題が市政上あったんです。

そうすると、それについて、私が最初、市長になったときの議会等における議論を踏まえると、被爆を受けて自分たちの都市を再興するということをやっているこの広島が、平和問題をやることそのものは確かに間違いないとしても、それをテコにさらに、より世の中を平和にしていこうじゃありませんか。

平和、平和ということを看板に掲げてやる仕事というのは本当に市民の税金だけでやるような仕事なんだろうか、その税金はむしろ市民の日常生活の方にしっかり充てれば良いのであって、そういった仕事はむしろ国とか、そういったところからしっかりと財源を確保してやれば良いじゃないか。そうすると被爆建物とかいうものを使って外への平和メッセージを発信するのは程々にして、むしろやりたければいろいろなところから財源手当てをしてやるべきであって、市民の為のお金というのはもっと使い勝手が良いようにするべきではないかという議論があったのを強烈に受け止めました。

そういうこともあってか、例えば被爆の実相を伝えるということが、被爆者の気持ちを込めて世界へのメッセージ発信のための原点だということに関わらず、そして市内にあるいろいろな被爆建物とかも維持するのに、特に民間は大変だと言いながら、その個数が減っているところで支援してあげたい。しかし、その支援の原資は市じゃなくて、どこかから取るべきだという議論があるということがありまして、充実できていなかったんです。

そこで考えたのが、平和記念資料館に年間130万という方が来られる。入館料を低く抑えている。だけど、そうすると世界の方々が、平和のためにという気持ちで来て、入館料が入るんであれば、その入るというところでの財源をうまく拡充したならば、今言った市民の税金だけじゃなくて世界の思いをいただいて平和活動するんだよという、その議論に十分耐えうるんじゃないかと実は思ったわけです。

それをどうするかということを一期目にいろいろ四苦八苦しながら議論した結果、今回、去年ようやく(議会を)通ったんですけども、まず料金を上げる。だけど法令上は、上げた料金はいわゆる観覧料ですから、施設を維持する為に使うと目的が限定されているんです。その法改正をするまでの力はありません。

そうすると、上げられたということになると、もともと何十円のお金だけで施設全体を維持できていないわけですから、そこに市民の税金を投入します。そうすると、上げた分だけ市税が楽になります。この浮いた額は実は皆さんの思いが込められた額なんだから、この額ならば平和のために使って良いんじゃないですかという論理にいたしまして、昨年その仕組みを通すための条例をようやく通していただいた。二期目でようやく通りました。

今回それをようやくそこにお金を注ぎ込むということで、ようやく所期の思いが到達できるようになったというのが今回なんです。だから、ここを定めたんではなくて、今言った手順を踏みながらやってきたところ、ようやくここに来たとういのが私の思いなんです。

※ ( )は注釈を加えたものです。

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