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米国の臨界前核実験に対する抗議文(2010年10月13日)

ページ番号:0000009621 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国

バラク・オバマ大統領 閣下

駐日アメリカ合衆国大使館 特命全権大使

ジョン・V・ルース大使 閣下

抗議文

貴国は9月15日にネバダ州の核実験場で24回目の臨界前核実験を実施した。

被爆者を始め核兵器廃絶を願う世界の多数派市民は、昨年4月のプラハ演説以降、一貫して核兵器のない世界の実現を目指し世界をリードしてきたオバマ大統領の努力に大きな期待を寄せてきた。また、ルース大使が今年の広島での平和記念式典に初めて公式に参列するなど、貴国は広島市民の願いを十分に理解しているはずである。

NPT再検討会議において、核保有国を含む全ての加盟国が核兵器廃絶に向け行動を開始することに合意し、その実現に向けリーダーとなるべき貴国が臨界前核実験を実施したことは、被爆者を始め核兵器廃絶を求める世界の多数派市民の期待や願いを踏み躙るものであり、激しい憤りを覚える。被爆地ヒロシマを代表して厳重に抗議する。

臨界前核実験は新たな核兵器の開発にも繋がる行為であり、大統領自身が批准を目指す包括的核実験禁止条約(CTBT)の精神に反するものである。

核兵器のない世界の実現を目指すリーダーたるべき貴国には臨界前核実験を含め核実験及び核開発に繋がる全ての行為を行わないよう強く要請する。その上で、大統領には、早期に平和記念資料館や原爆死没者慰霊碑など被爆の記憶が残る被爆地を訪れ、被爆の実相に触れ、報復よりも和解を選んだ被爆者の体験や願いを共有し、一日も早い核兵器廃絶の実現に向けて努力することを強く求める。

2010年10月13日

広島市長 秋葉 忠利