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北朝鮮の核実験実施の声明に対する抗議文(2006年10月5日)

ページ番号:0000009519 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

朝鮮民主主義人民共和国
国防委員長 金正日 様

抗議文

貴国が、核実験を実施するとの声明を発表したとの報に接した。

被爆者をはじめ核兵器廃絶を求める世界の人々の願いを踏みにじる暴挙であり、断じて許されるものではない。ミサイル発射や核兵器開発等の政策を強硬に推し進める貴国の姿勢が、世界の平和と安全の構築を脅かす取り返しのつかない事態につながることを強く危惧する。

核兵器廃絶に逆行した貴国の一連の行動は、核軍縮の努力を約束した唯一の多国間条約である核不拡散条約(NPT)体制の崩壊の危機を増大させ、核軍拡や核拡散を加速させるものである。また、10年前の国際司法裁判所の勧告的意見に謳われた「核軍縮に向けた誠実な交渉義務」に明らかに反し、平和的解決に向けて重ねられてきた国際社会の外交努力を無にするものであり、激しい憤りを覚える。被爆地ヒロシマを代表して厳重に抗議する。

貴国は、核兵器の持つ非人間性について十分思いを致し、核実験実施の方針を即刻撤回すべきである。さらに、核問題等に関する6カ国協議に応じるとともに、NPT体制の枠内にとどまり、核抑止力に頼らない外交努力を行うなど、核軍縮に向けた誠実な交渉義務を果すことを強く求める。

2006年10月5日
広島市長 秋葉 忠利