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アメリカの臨界前核実験に対する抗議文(2006年2月24日)

ページ番号:0000009504 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ閣下

駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 ジョン・トーマス・シーファー閣下

抗議文

貴国は、2月23日にネバダ州の地下核実験場で22回目の臨界前核実験を英国と共同で実施した。

国際社会が核拡散を危惧しイランの核開発問題に強い懸念を示す中、その平和的解決に向け率先して取り組んでいる貴国自らが、新たな核兵器の開発につながる臨界前核実験を実施することは断じて許されるものではない。こうした貴国の姿勢が、核兵器の国際合意である核不拡散条約体制を崩壊させ、新たな核拡散を引き起こすことを強く危惧する。

現在、平和市長会議が取り組んでいる「核兵器廃絶のための緊急行動」には、全米市長会議、全米黒人市長会議、欧州議会、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)等が賛同決議を行うなど、世界的に賛同の輪が広がっている。こうした核兵器の廃絶を望む世界の圧倒的多数の市民の声に背を向け、臨界前核実験を実施する貴国の姿勢は、被爆者をはじめ核兵器廃絶を求める世界の人々の願いを踏みにじるものであり、激しい憤りを覚える。被爆地ヒロシマを代表して厳重に抗議する。

貴国が他国やテロ組織への核拡散を恐れるのと同じく、国際社会は貴国の膨大な核兵器の保有及びさらなる開発を深く憂慮している。核の拡散を防ぐためには、「力の支配」ではなく国際社会における協調と監視が何よりも重要であり、そのためにも、貴国が一刻も早くCTBTを批准し、臨界前核実験を含む一切の核実験および核開発を中止し、核兵器のない平和な21世紀の実現に向け、率先して明確な行動をとられることを強く求める。

平成18年(2006年)2月24日

広島市長 秋葉 忠利