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アメリカの臨界前核実験に対する抗議文(1998年3月26日)

ページ番号:0000009464 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファ-ソン・クリントン 閣下

駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 ト-マス・S・フォ-リ- 閣下

抗議文

貴国は、本市や被爆団体など多くの団体からの再三にわたる実験の即時中止の要請にもかかわらず、3回目の臨界前核実験を強行したことに対し、広島市民を代表して厳重に抗議する。

「核兵器の信頼性を確認するために不可欠な実験であり、核爆発を伴わない」と強調して、実験を続ける貴国の姿勢は、核大国による核保有の固定化を進め、国際社会の不信を一層高めるものである。先日、インドのバジパイ首相が、連立政権の共通政策綱領である「国民政策合意」の中で、「現在の核政策を再検討し、核兵器導入の選択肢を実施に移す」ことを表明し、これを受けてパキスタンが核政策の見直しを示唆したことは、核保有国に対する不信の表れであり、核拡散の危険性が高まり、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効に影響を及ぼすことになる。

貴国は、核兵器のない世界の実現を求める国際世論に真剣に耳を傾け、臨界前核実験を直ちに中止するべきである。そして、核保有国においては、核拡散防止条約(NPT)で約束したとおり、自らの責務として積極的に核軍縮に取り組むとともに、核兵器に頼らずに国家の安全が保てる国際社会や信頼関係の構築に向けて努力するべきである。

平成10年(1998年)3月26日

広島市長 平岡 敬