本文
アメリカ合衆国大統領
リチャード・M・ニクソン閣下
抗議文
切なる世界の世論に抗し、アムチトカ島における地下核実験を強行されたことは、誠に遺憾である。
核エネルギー兵器の及ぼす惨禍を体験し、今日なお、その後遺にさいなまれている広島市民にとっては、許すべからざる非道な行為と断ぜざるを得ない。
国家安全保障のために、核実験を正当化するという思考は、既に時代錯誤であることに注意を喚起し、人類の平和と共存のため貴大統領は、再びこの過ちを繰り返さぬ決意を固め、率先垂範、核兵器廃絶への途を拓かれるよう、心から強く訴える。
1971年11月7日
広島市長 山田 節男