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北朝鮮の黒鉛実験炉の再稼動に対する抗議文(2003年2月28日)

ページ番号:0000009378 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

朝鮮民主主義人民共和国
国防委員長 金正日 様

抗議文

貴国が、寧辺にある黒鉛実験炉の再稼動に踏み切ったとの報に接した。報道が事実だとすれば、1994年の米朝枠組み合意への違反行為であり、極めて遺憾である。

貴国は電力需要を満たすため原子力発電所を再稼動させると表明していたが、国際社会はそれが核兵器の開発と一体であるとの懸念を抱いている。核開発の凍結解除宣言をはじめ核不拡散条約からの脱退表明、地対艦ミサイル発射実験、今回の核施設の再稼動など、国際社会に対する挑発行為をエスカレートさせることは、貴国が国際社会からの孤立を一層深め、世界の平和と安全の構築を脅かす取り返しのつかない事態につながることを強く危惧する。

貴国は、核兵器が人類に何をもたらすかについて十分思いを致し、黒鉛実験炉の再稼動を即時中止し、これまでも繰り返し要請しているように、国際社会との対話と協調を真摯に進め、貴国の核開発に対する国際社会の懸念を早急に払拭することを強く求める。さらに、日朝平壌宣言における、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため関連するすべての国際的合意を遵守するという約束を誠実に守るよう改めて強く求める。

平成15年(2003年)2月28日

広島市長 秋葉 忠利