本文
駐日フランス大使館
特命全権大使ベルナール・ドラン閣下
抗議文
米ソ間におけるINF全廃条約調印から一年が経過し、世界は核軍縮に向けての、次なる進展を待ち望んでいる。このような時、貴国が十一月六日に引き続き核実験を強行したことは、世界の期待を裏切り、人類自滅の危機を高める暴挙である。
ここに世界最初の被爆地広島の市民を代表し、貴国の度重なる核実験に対し、重ねて厳重に抗議する。
貴国は、人類の未来を左右する核保有国としての責任を強く認識し、即時全面的に核実験を停止するとともに、核軍縮へ向けての歩みを着実に進め、核兵器の恐怖から解放された、真に平和な国際社会の実現に向けて全力を傾注すべきである。
1988年11月24日
広島市長 荒木 武