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北朝鮮の核凍結解除に対する抗議文(2002年12月14日)

ページ番号:0000009373 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

朝鮮民主主義人民共和国
国防委員長 金正日 様

抗議文

貴国が、1994年の米朝枠組み合意で定められていた重油提供が中断されたことに抗議し、核凍結を解除すると表明したとの報に接した。

貴国は、電力需要を満たすためにのみ原子力発電所など核施設の稼動と建設を再開すると主張しているものの、国際社会は、それが核兵器の開発並びに保有と一体であるとの懸念を捨ててはいない。しかも、今回の重油の供給中止は、貴国が米朝枠組み合意に背く行為を行っているとの疑惑に起因するものである。国際的な約束事を軽んじ、国際社会が反対している核開発を再開しようとする貴国の言動が、さらに国際社会の反発を招き、取り返しのつかない事態につながりかねないことを強く危惧する。

57年前に人類史上初めて原子爆弾による被爆を体験したヒロシマは、原子爆弾のもたらした惨禍を広く世界に知らせ、一貫してあらゆる国のあらゆる核実験に反対し、核兵器の廃絶を訴え続けてきた。朝鮮半島の非核化は、北東アジアはもとより世界の平和と安定を構築する上で不可欠なことであり、ヒロシマをはじめ、平和を願う世界の人々の念願である。貴国は、核兵器が人類に何をもたらすかについて十分思いを致し、国際原子力機関による核査察を受け入れるなど、国際社会との対話と協調を進めるべきである。先の日朝平壌宣言における、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため関連するすべての国際的合意を遵守するという約束を誠実に守るよう強く求める。

平成14年(2002年)12月14日

広島市長 秋葉 忠利