ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 核実験等への抗議文 > 核実験等への抗議文 > 2001年~2005年 > アメリカの核兵器使用計画の策定に対する抗議文(2002年3月12日)

本文

アメリカの核兵器使用計画の策定に対する抗議文(2002年3月12日)

ページ番号:0000009362 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・W・ブッシュ 閣下

抗議文

貴国政府が国防総省に対し、イラク、朝鮮民主主義人民共和国など少なくとも7か国を対象に、非常時の核兵器の使用計画と、小型の核兵器開発を命じていたとする報に接した。

すなわち、貴国は単なる抑止力を超え、核兵器を実戦投入しようとする意思を明確にした。かつて、その意思の下、こうした使用計画により、実際に核兵器による攻撃を受けた広島市民は、その惨禍を身をもって体験しただけに、貴国が次のステップをとる可能性を考えるだけで戦慄を覚える。これは許されざる暴挙であり、激しい憤りを覚える。広島市民を代表して厳重に抗議する。

こうした貴国の方針は、ヒロシマのメッセージや核兵器の廃絶を目指す世界の人々の願いに真摯に耳を傾けようとしないばかりか、地球と人類の未来への想像力さえも持ち合わせていない結果であり、57年前に人類が経験した歴史から何一つ教訓を得ていない証拠でもある。

貴国は、ここ最近、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの一方的離脱など、国際社会における核軍縮努力を無視し、逆行する行為を繰り返しており、国際社会における核軍縮プロセスに取り返しのつかない悪影響を与え、核の拡散を招くことを強く危惧する。

貴国は、核超大国として人類の英知の結晶である国際的な約束事を誠実に守り、世界の心ある人々の声に耳を傾け、率先して核兵器廃絶に向けた努力を続けるよう、強く要請する。

平成14年(2002年)3月12日

広島市長 秋葉 忠利