本文
中華人民共和国
国家主席 江 沢民 閣下
駐日中華人民共和国大使館
特命全権大使 徐 敦信 閣下
抗議文
貴国のこの度の核実験は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の大詰めの交渉が行われるジュネ-ブ軍縮会議第三会期の開会直前での強行であり、国際社会の核軍縮努力に水をさす暴挙である。厳重に抗議する。
核兵器は、決して自国の安全を保障するものではなく、かえって、国際社会の不信感をかき立て、いたずらに核拡散の危険性を高め、世界の平和と安定を脅かすものである。貴国は、核抑止論を捨て、核保有国の責務として誠実に核軍縮を進め、核兵器の廃絶に努めるべきである。
貴国は、今後核実験を中止するとしているが、CTBTの早期成立と、すべての核実験禁止の実現に向けて努力してほしい。
平成8年(1996年)7月29日
広島市長 平岡 敬