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インドの地下核実験に対する抗議文(1998年5月12日)

ページ番号:0000009337 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

インドの地下核実験に対する抗議文

インド首相
 アタル・ビハリ・ヴァジパイ 閣下
駐日インド大使館
 特命全権大使
 シッダ-ルタ・シン 閣下

抗議文

昨日、貴国がラジャスタン州のポカランで、3回の地下核実験を実施した。本市としては、ムンバイ市及びニュ-デリ-市において「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」を開催し、大きな反響を得ることができた後のことだけに、誠に遺憾である。広島市民を代表して厳重に抗議する。

貴国はこれまで、ジュネ-ブ軍縮会議におけるCTBT採択に向けた交渉の中で、核保有国に対し、核兵器廃絶の期限を明示するよう主張するとともに、昨年12月、マレ-シアをはじめとする45か国が提案した、「核兵器禁止条約に至る交渉の1998年開始を要求する決議」の共同提案国の一つになるなど、核兵器廃絶に積極的な姿勢を見せてきた。

にもかかわらず、今回、貴国が核実験を行った背景には、米国やロシアが、臨界前核実験を繰り返すなど、核拡散防止条約(NPT)で約束した核軍縮に誠意をみせていないという事実があるにせよ、貴国の行為がきっかけとなって、アジアの緊張が高まり、核開発競争が再燃する危険性がある。

貴国は、核実験を即時に中止するととともに、国の安全を核武装に求めるのではなく、核兵器のない世界の実現を求める国際世論に真摯に耳を傾けて、広島・長崎市民とともに核兵器廃絶に取り組むよう求める。

平成10年(1998年)5月12日

広島市長 平岡 敬