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アメリカの臨界前核実験に対する抗議文(1999年10月1日)

ページ番号:0000009304 更新日:2019年10月21日更新 印刷ページ表示

アメリカ合衆国大統領
ウィリアム・ジェファ-ソン・クリントン 閣下
駐日アメリカ合衆国大使館
特命全権大使 ト-マス・S・フォ-リ- 閣下

抗議文

 貴国は先月30日、広島、長崎の市民をはじめ世界の多くの人々の中止を求める声を無視し、7回目の臨界前核実験を実施した。昨年のインド、パキスタンの核実験以降、核兵器使用の危険性が高まり、核保有国による核軍縮への一層の努力が求められている中で、貴国やロシアが、それに逆行する形で臨界前核実験を繰り返し、「核兵器を廃絶する」意志を見せないことに強い怒りを覚える。広島市民を代表して厳重に抗議する。
 貴国は、非核保有国の不信を増長し、新たな核拡散の動きを誘発しかねない臨界前核実験を直ちに中止するべきである。そして、自らの体験に基づき、核兵器の使用が人類の破滅と同義であり、究極の悪であると訴え続けてきた被爆者の意志を誠実に受け止め、核保有国の責務として、強い意志をもって核兵器廃絶に真摯に取り組むべきである。

平成11年(1999年)10月1日

広島市長 秋葉 忠利