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ページ番号:0000009454更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

昭和45年(1970年)

平和宣言

人類の科学は宇宙に輝く時代を迎えたが、いまだ国家間の相互不信は除かれることなく、世界はさらに戦争という罪悪を繰り返している。現にベトナムで、中東で、われわれはこの悲しむべき現実をみる。

残虐非道な核兵器の使用は、この地上ついに人間の生存を許さないであろう。ヒロシマの体験がこれを証言している。しかるに世界の大国はヒロシマの抗議を顧みず、依然として限りない核軍備競争に没頭し、人類自滅の道を進みつつある。

25年前のこの日、広島は人類最初の原爆投下によって、一瞬にして焦土と化し、20数万の尊い人命は失われかろうじて生き残った者も今日なお生命の不安に脅かされている。このような惨禍は、今後いかなることがあっても再び繰り返されてはならない。

われわれは、あの日以来、ヒロシマの人間惨禍にもとづき、核兵器の廃絶と戦争の放棄を訴えつづけてきた。このヒロシマの叫びは、世界の輿論に支えられ、少なくとも核兵器の使用を阻止することができた。われわれはこの成果をふまえて国民的悲願を結集しつつ、ヒロシマの体験をすべての人間の心に深く定着させ、核兵器の全廃と世界恒久平和の実現にむかって前進をつづけよう。

今こそ平和へのとりでをすべての人の心の中に築くときである。もはや一国だけの平和はあり得ない。世界は一つであり、人類は一体である。われわれは世界市民意識にたって、人類連帯の精神にもとづき世界法による平和の秩序を確立しなければならない。

本日、ここに被爆25周年の記念日を迎え、つつしんで原爆犠牲者の霊を弔うにあたり、これを強く世界に訴える。

1970年(昭和45年)8月6日

広島市長 山田 節男