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ページ番号:0000017298更新日:2019年10月21日更新印刷ページ表示

平成28年第12回教育委員会議(10月臨時会)会議録

平成28年第12回広島市教育委員会議会議録

 平成28年10月4日(火曜日)、平成28年第12回教育委員会議(臨時会)を教育委員室において開催した。

1 開会及び閉会に関する事項

  • 開会 午前9時30分
  • 閉会 午後2時15分

2 出席委員

  • 委員(委員長) 井内 康輝
  • 委員 溝部 ちづ子
  • 委員 藤本 圭子
  • 委員 栗栖 長典
  • 委員 鈴木 由美子
  • 委員(教育長) 尾形 完治

3 事務局等の出席者

  • 教育次長 隅田 一成
  • 青少年育成部長 荒瀬 尚美
  • 学校教育部長 山本 直樹
  • 指導担当部長 湧田 耕辰
  • 教育センター所長 市川 昭彦
  • 総務課長 谷 康宣
  • 教職員課長 梶田 英之
  • 教職員課調整担当課長 吉岡 将樹
  • 教職員課服務・健康管理担当課長 花岡 潔
  • 指導第二課長 野間 泰臣

4 傍聴者等

 3名

5 議事日程

  • 議題1 委員長選挙について
  • 議題2 平成29年度広島市立学校教職員人事異動方針について(議案)
  • 議題3 平成29年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について(議案)

6 議事の大要

総務課長

 まず、会議に先立ちまして、先般開催されました平成28年第3回広島市議会定例会の本会議におきまして、3名の教育委員の方々について、再任する旨の任命同意議案が可決され、先ほど市長から辞令を受けられましたので、御紹介いたします。
 井内康輝委員です。

井内委員

 井内です。よろしくお願いします。

総務課長

 栗栖長典委員です。

栗栖委員

 栗栖でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

総務課長

 鈴木由美子委員です。

鈴木委員

 鈴木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

総務課長

 教育委員会議の主宰は委員長が行うことになっておりますが、前委員長の任期が10月3日をもって満了しております。
 したがいまして、後ほど選挙により委員長が決まるまでの間、溝部委員長職務代行者に議事を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

溝部委員長職務代行者

 では、ただ今から教育委員会議臨時会を開催します。
 本日は、傍聴の方もお見えになっておられますが、お手元にお渡ししております注意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴していただきますようお願いいたします。
 本日の議事録署名者は、藤本委員と鈴木委員にお願いします。
 それでは、議題に入ります。
 議題1「委員長選挙について」を議題といたします。
 委員長選挙に関して、事務局から説明してください。

総務課長

 それでは、御説明させていただきます。
 「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の平成26年改正附則によりなお効力を有するとされる改正前の第12条第1項は、「教育委員会は、教育長に任命された委員を除く委員のうちから、委員長を選挙しなければならない。」旨、規定しております。
 先ほど申しましたとおり、前委員長の任期が10月3日をもって満了しましたことから、今回、委員長の選挙を議題としたものでございます。
 この委員長選挙の方法につきましては、本市教育委員会では、これまで指名推薦の方法を採ってまいりました。これによらない場合は、投票によることになります。
 説明は以上でございます。

溝部委員長職務代行者

 ただ今の事務局の説明では、これまで指名推薦の方法を採ってきたということです。今回もその方法を採ることでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 それでは、御異議なしと認めまして、候補者を指名推薦することといたします。
 どなたかを指名していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

藤本委員

 引き続き井内委員に、是非、委員長をお願いしたいと思います。

溝部委員長職務代行者

 他にございませんか。
 では、他に意見がないということですので、ただ今、井内委員が委員長に指名されましたが、これに御異議はございませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは、御異議なしとのことですので、井内委員が委員長に選出されました。
 では、会議の進行を委員長と交代いたします。よろしくお願いします。

井内委員長

 ただ今、皆様方の御推挙をいただきましたので、委員長を務めさせていただきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、本日の議事に移りたいと思います。
 議題2、議案第42号「平成29年度広島市立学校教職員人事異動方針について」を議題といたします。
 本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、教職員課長から説明を受けます。どうぞよろしくお願いします。

教職員課長

 それでは、議題2、議案第42号「平成29年度広島市立学校教職員人事異動方針について」を着席にて御説明をさせていただきます。本日は、平成29年度の教職員の人事異動を行うに当たりまして、その方針について御審議をいただくものでございます。
 それでは、配付資料2ページをお開きください。
 今年度も前段の趣旨を踏まえ、重点事項を推進する人事異動を行ってまいりたいと考えており、1から3の重点事項に係る現状等を中心に御説明をさせていただきたいと考えております。
 まず、重点項目としまして、「1 教職員構成の適正化に努め、各学校の教育の充実を図る。」でございます。
 全市的な視野から、これまでも男女構成、年齢構成、担当教科バランスを考慮した配置を行っており、これについては、引き続き努めてまいりたいと考えております。学校教育の充実を図る観点から、教職員の主任や校務分掌等の経験、研修歴、得意分野を十分に踏まえた人事異動を進めたいと考えております。
 これに関しましての現状を御説明したいと思います。3ページを御覧ください。
 本市の教職員数(本務者)でございますが、「1 広島市立学校の教職員数(本務者)について」にお示ししておりますとおり合計5,738名となっておりますが、ちなみに昨年度は5,765名でしたので、若干の減という状況でございます。特に小学校が少し減少傾向にあります。
 次に、「2 教諭の状況について」でございます。
 「1 男女構成」でございますが、教諭全体の男女比につきましては、男性が39.9%、女性が60.1%になっており、これは昨年度と同じ割合でございます。
 次に、4ページをお開きください。
 「2 平均年齢」でございますが、全体の平均年齢は42.4歳で、昨年度と比べ、全体として0.5歳若返っております。御承知のとおり、近年多くの採用をしておりまして、若手も入っております。その一方で、昨年度も御説明いたしましたが、ベテランが多く退職するという現状がございまして、この傾向が強くなっております。今後も数年、この傾向が続くものと考えておりまして、この状況を踏まえた人事異動を行う必要があると考えております。
 この状況について、毎年見ていただいている図ですが、7ページに年齢構成のヒストグラムをお示ししております。
 幼稚園は、20歳代について、最近採用を始めましたので、少し増えてきたということがございます。
 小学校は、長方形に近い形になっておりますが、若い層とベテランの層で2つのこぶができつつあるという特徴がございます。今後の数年間で、ベテランの層が順次退職をしていくということでございます。
 中学校は、若干変化はありますが、50歳代が多く、若手の採用もしておりますが、教科のこと等もございまして、小学校ほどその効果が大きくは現れにくいということがあります。
 高等学校は、採用が少ない関係で、特に年齢バランスは、なかなか変化が出にくい状況がございます。
 特別支援学校は、児童生徒数の増加に伴う教員増に対応するため、可能な限り特別支援学校教諭の免許を有した者や新規採用者等を積極的に配置しており、こういう状況になっています。
 この資料は、棒の目盛りが同じ単位となっていませんので、一律に見ていただくわけにはいきませんが、傾向として見ていただきますと、若手が大分入ってきているということがございます。
 再び4ページにお戻りをいただきます。
 「3 在校年数」をお示ししておりますが、こちらは人事異動の結果でございます。5年未満が64.7%、5年から9年未満が32.3%、10年以上が3%となっております。これは定年退職者を除いております。同一校への在任期間が長くなると、マンネリ化するという弊害が生じるということがある一方で、特色ある学校づくりや安定した学校運営を行う上で、人材は必要であると考えております。
 こうしたことから、所属長としっかり協議を行い、情報共有を行う中で、より実態に即した人事異動を行いたいと考えております。
 次の重点事項、「2 適材・適所の配置に努め、教職員の能力と経験を生かすとともに、意欲の向上を図る。」についてです。
 各学校におきましては、特色ある教育を推進するため様々な取組を行っております。そのためには、活力ある教職員の組織づくりが不可欠であると考えており、併せて、いじめなどの生徒指導や学力向上、地域と連携して取り組む課題もありますので、それぞれの課題の解決に能力を有した教職員の配置が必要であると考えております。
 こうしたことから、先ほど申しましたが、校長とのヒアリングを重視し、教職員等の状況や次年度の取組等を生かせるよう、しっかり聞き取りを行いながら、適材・適所の配置に努めたいと考えております。
 配付資料4ページ、人材育成の観点から実施をしております「3 交流人事」についてです。
 広島大学附属学校と他郡市における小学校及び中学校で人事交流を行っております。これは、今年も引き続き行いたいと考えております。
 次に、5ページの「2 校種間交流の状況」を御覧ください。
 小学校から中学校へ、中学校から小学校へ、小・中学校から特別支援学校へ、また、特別支援学校から小・中学校への人事交流の状況でございます。
 この小・中学校9年間を見通した教育の推進や生徒指導の充実という観点から、このような人事交流をしっかり行っていきたいと考えております。若干、数字的には上がりにくい状況でございますが、管理職への登用等を踏まえ、交流も含めて積極的に進めていきたいと考えております。
 次の「3 行政との交流の状況」ですが、これは、学校と教育委員会などの行政との人事交流の状況でございます。毎年、大体同じぐらいの数、交流しており、こういうことを通しながら、引き続き教職員の資質向上に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、重点事項3として、「3 相当期間同一校に勤務している者については、検討のうえ、努めて配置換を行う。」についてです。配置換の対象は、引き続き、原則として同一校に5年以上の者とすることとしております。
 なお、先ほども申しましたが、在校年数の設定について、各学校の状況や人材育成の観点に立って、所属長の意見を十分に聞く必要があると考えております。この辺りをしっかり情報共有を行いながら、具体的な人事異動を進めてまいりたいと考えております。
 配付資料5ページの「4 平成28年度広島市立学校教職員人事異動の概要について」でございます。これは、先般の教育委員会議においても資料として提出したものでございます。
 6ページの「3 教諭等の異動状況」でございますが、「(1)異動件数」、「(2)教諭の異動状況」のうち、新規採用者(初任校で5年以上勤務する者)の異動状況をお示ししており、この異動率が57.4%で、昨年度より積極的に対応したところでございます。
 なお、この対象者は全体数で、例えば産休、育休中の者といった異動対象から外している者も含まれておりますので、母数はこのような者も含んだ数字になっております。したがって、実際にはこれを除きますと、大体、小学校で69.6%の異動率、中学校で64.9%の異動率となっております。
 この新規採用教諭の異動につきましては、人材育成の観点から、従前から「積極的に」と御指摘、御意見をいただいておりますので、重要な意味を持つと認識しております。学校長からの入念なヒアリングをもとに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 各学校が校長の教育方針の下、それぞれ地域に開かれた特色ある学校づくりを確実に進めることのできる組織を構築するためにも、教職員の適材・適所への配置が肝要であると考えておりますので、ただ今御説明しました人事異動方針をもとに、適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
 以上、「平成29年度広島市立学校教職員人事異動方針」につきまして、重点事項を中心に御説明をさせていただきました。御審議のほどよろしくお願いいたします。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。
 それでは、審議に入ります。ただ今の御説明につきまして、御質問、御意見等はございませんでしょうか。

溝部委員

 では、2点質問いたします。
 まず1点目といたしまして、3ページの教諭の状況の中の幼稚園について、総数が非常に少ないですが、男性が一人もいないということについては、受験する者もいないのでしょうか。
 2点目、5ページです。小学校から中学校、中学校から小学校へといった、校種間の人事交流が8名となっており、非常に人数が少ないと感じました。小・中学校間の連携や中・高等学校間の連携、保育園・幼稚園・小学校間の連携と、いろいろ言われている時代ですが、交流の効果といいますか、それをどのように教育委員会では把握していらっしゃるでしょうか。以上です。

教職員課長

 まず1点目でございます。幼稚園の男性教諭についてですが、御指摘のとおり受験者が少ないということがあります。昨年度の男性の受験者はゼロでした。今、来年度の採用試験をしておりますが、男性も受験者が数名おります。これは適切に、適正に、また公平、公正に判断をしていきたいと考えております。
 2点目の校種間の異動の効果でございますが、これは平成20年から取り組んでまいりまして、小学校から中学校へ、中学校から小学校へという者がそれぞれおりますが、小学校から中学校へ異動した者に、その後の状況や思い等を聞きましたら、非常に良かったと申しておりました。また、小学校の中でどのように進めていけば、中学校に向けて指導の効果が出るのかということや、中学校に行きますと、例えば生徒指導についての組織的な動きがあり、そういうことは、やはり小学校でも取り組むべきではないかという感想を持ったと聞いております。
 中学校から小学校へは反対に、小学校のきめ細やかな指導が非常に参考になったということで、両方の実態を知ることは、非常に大きなことであると思っております。しかしながら、御指摘のように、数がなかなか上がらないという現状があります。これについては、私どもも大きな課題だと思っており、校長とのヒアリングを通して、人材育成の観点から、より積極的に進めていきたいと考えており、今年も取組を進められればと思います。以上でございます。

溝部委員

 校種間の人事交流というのはとても効果があると、私も推測しておりますが、交流をした本人のみならず、その周りの学校全体、あるいは学区全体にその効果を是非広めていただいて、交流がより順調に進むといいなと思っておりますので、よろしくお願いします。

教職員課長

 ありがとうございます。

鈴木委員

 1点ですが、6ページの一番上の主幹教諭、指導教諭の登用者数において、今回、主幹教諭を増やされるというふうに見えるわけですが、昨年度が括弧内の24ですので、その理由といいますか、どういうところに力を入れて主幹教諭を増やすという方針を立てられたのかを教えていただければと思います。

教職員課長

 これが少し誤解を招きやすいのですが、登用者数ですので、昇任をした数でして、小学校では18学級以上の学校に、中学校では15学級以上の学校にそれぞれ配置するということで、現在、小学校で52校、中学校で30校配置しております。このポストは変わっておりません。
 この中で今回、校長、教頭が異動すれば、当然、主幹から昇任というところがありますので、その昇任の件数であると御理解いただければと思っております。これについては、少し配置をどうしていくか、配置基準をどうするかという問題と絡めており、非常に効果は高いと考えております。その実質的な動かし方、内容、質的な部分で推進していく必要があると考えております。以上でございます。

鈴木委員

 現場サイドから考えますと、校長先生、教頭先生とは異なる動きをする主幹の先生がいらっしゃるということは、学校運営に大変プラスになると思いました。新たに昇任される方々が来られるということですので、是非、効果的な動き方ということを広めていただければと思います。

藤本委員

 2点ほどありまして、1点目は先ほど溝部委員が言われたように、幼稚園の男性教諭についてですが、自分の子どもが行っていた幼稚園は半数が男性で、若干遊ばせ方や遊び方が違って、ダイナミックな動きですとか、運動の部分でも若干違ってくるのではないかと思いまして、その辺りは運動能力に差が出てくるのではないかと思います。今後、少しでも多くなっていけばいいなと思っております。
 2点目ですが、6ページの3番の教諭等の異動状況ですが、辞退職は定年退職も含まれると思うのですが、そうでないケースという場合は離職率という話になるのではないかと思います。小学校の教諭は割と人数としては多いように思うのですが、どういった年代の方が退職していらっしゃるのでしょうか。

教職員課長

 幼稚園の男性教諭につきましては、以前、臨時的任用者で男性がいたことがありまして、そのときに園の状況を聞きますと、今、委員がおっしゃっていただいたように、活性化するといいますか、刺激もありますし、子どもたちにとって違う異性の人たちがいるというのは非常に大きいということはあります。これについて、排除ということは考えておりません。適正に考えていきたいと思っております。
 辞退職の状況ですが、勧奨という制度があり、早目にその職を55歳とか56歳とかというところで少し退職金の率を高くするというもので、早目にお辞めになっておられる先生に対しての制度があります。それを活用される方は、近年では平成27年度で41人、平成26年度で51人、その前では69人いらっしゃいます。
 それから、普通辞職、普通の退職のことですが、結婚されて他県に行かれるとか、職を替えるとか、様々でありますので、これはいろいろと理由があるのではないかと思います。また、若手が辞められる場合には、受験し直して他県に行くとか、結婚して辞めるというケースが多いような気がしております。これについては、今後も数年間は続いていくのではないかと考えております。
 また、再任用制度がございます。60歳を前にして辞められた方については、少しその制度には当てはまらないのですが、60歳を超えてお辞めになられたベテランの方のいわゆる指導力が、各学校に還元できるよう、積極的に再任用制度を利用していきたいと考えております。

藤本委員

 少し関連するのですが、今、企業では、子育てと仕事の両立というものが推奨されており、どういう方策を採っているかということを言われるのですが、教職の方に対してのそういった子育て面での配慮、仕事を続けていく上での配慮というものが、何かあれば教えてください。

教職員課長

 基本的には育休は3年ということで、その3年間の育児休業の期間も数年来延びてまいりました。また、育児短時間ということで、短い勤務時間を選択できる、早出遅出といいますか、自分の子どもを保育園に預けるため、出勤時間を遅らせ、その時間は勤務を要しないようにする、反対に早く帰るようにして、その時間は保育園や幼稚園に迎えに行くという育児制度はあります。母体保護という観点でいえば、例えば小学校の教員ですと、体育の授業のときに非常勤の先生を配置して、プールの指導のときには負担軽減を図るとか、また、養護教諭の先生には特別な制度を設けるなど、様々な制度を構えているところです。子育てについては、非常に重要な課題であると認識しており、今ある制度を引き続き活用できるように考えております。
 それから、今年度から、採用試験の説明会のときに、そういった安心して働ける制度になっているということの御説明をさせていただいております。

藤本委員

 ありがとうございます。この時短の場合というのは、教員の方、例えば、遅出の場合は、朝の時間を他の職員の方が代替されるのですか。

教職員課長

 そうですね。そこは非常勤の方が入ったりします。

藤本委員

 非常勤の方が配置されているのですね。
 そうすると、結構なワークシェア的な形になるので、臨時の方と本職の方との間で引き継ぎも必要になってくるということですか。

教職員課長

 そうですね。
 実態的には制度を構えておりますが、実数としてはなかなか伸びにくいという状況です。

藤本委員

 まだ、これからということなのではないかと思いますね。

教職員課長

 そうですね。

藤本委員

 御検討よろしくお願いします。

井内委員長

 他はいかがですか。
 7ページのヒストグラムは、いつも興味を持って眺めているのですが、小学校はほとんど長方形となっていて、非常にバランスがとれてきたという部分が多いのですが、中学校は50歳代と若い方とで二方性があります。これは、昨年よりは改善しているのでしょうか。

教職員課長

 平均年齢で考えますと、若返っております。
 当然、ベテランが辞めていきますので、その分だけ平均年齢が下がるというのは物理的な状況としてあるのですが、年齢制限を撤廃しての採用試験により、いろいろな方々に入っていただくとか、考えていく必要があると思います。一番問題になるのは、委員長も多分お感じいただいている、ちょうどくびれているところです。

井内委員長

 昨年も同じような質問をしたのですが、臨採で補充を考えて、この部分の充実を少し図らないといけないのではないかと思います。中学校の男性教諭というのは重要な役割を果たしておられると私は認識していますが、50歳代の方が一斉にいなくなったときに、この部分が難しくなってくるのではないかと気になっています。しかし、一気にこれを見直すことは難しいので、少しずつでもその方向へ是正していけば、まだ10年ぐらいは余裕があるかもしれません。どうしても子どもの数に左右されますので、とても難しいことはよく分かりますが、改善の方向にあるのであれば、気を付けてバランスを取っていただくよう努力してください。

教職員課長

 はい、分かりました。

井内委員長

 他はよろしいですか。
 それでは、議案第42号「平成29年度広島市立学校教職員人事異動方針について」、原案どおり可決することに、御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは、御異議なしと認めまして、本件は、原案どおり可決することに決定いたしました。
 ここで、次の議案に入る前に、準備のため5分程度休憩をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 (休憩)

井内委員長

 それでは、議事を再開いたします。
 次に、議題3、議案第43号「平成29年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について」を議題といたします。
 本件は審議案件でございます。議案の内容につきまして、指導第二課長から説明を受けます。よろしくお願いします。

指導第二課長

 議題3、議案第43号の「平成29年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について」をお願いいたします。
 資料を見ていただく前に、まず初めに教科書採択の公正確保について御説明をいたします。
 今年度、文部科学省から7月6日付で「教科書の発行に関する臨時措置法施行規則の一部を改正する省令の公布・施行について」の通知があり、来年度の高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校高等部で使用する教科書の需要数の報告期限について、これまで9月16日としていたものを10月31日に期限を延期するので、各教育委員会において一層慎重に教科書採択に係る審議を行うよう指示がありました。このことを踏まえまして、本市において8月に予定していた教科書の採択につきまして、本日に変更させていただき、これまで以上に綿密な調査研究を行い、公正に教科書採択を行うことができるよう事務を進めてまいりました。
 各学校におきましては、校内に選定委員会を設置し、教職員に加え、保護者代表などを構成員とするとともに、選定委員や調査員の選任に当たり、特定の教科書発行者と関係を有する者が教科書採択に関与することがないよう、校長が確認書により確認をいたしました。
 教育委員会事務局におきましても、学校から申請のあった教科用図書について、各学校が本市の採択の基本方針及び、採択の手順に基づいて教育課程に即した適切な教科用図書を選定しているかどうかについて、慎重に調査研究を行ってまいりました。
 教科書採択の公平性、透明性を確保し、市民に対して十分な説明責任を果たすことができるよう、公開にて本日、本議案を御審議いただくこととしております。
 それでは、2ページを御覧ください。教科書の採択の基本方針について説明いたします。これは、5月の教育委員会議で決めていただいたものでございます。まず「1 採択の基本」についてですが、教育基本法や学校教育法の改正で明確に示された教育の理念や目標、及び学習指導要領に示された各教科の目標や内容、本市が定めた教育課程編成基準等に則り、生徒に最も適切な教科用図書を採択する。その際、各学校が、専門的な調査研究に基づき選定・申請した教科用図書について、各学校の教育課程に照らして検討し、適正と認めたものを採択することとしております。
 次に、「2 適正かつ公正な採択の確保」につきましては、採択権者の権限と責任において、適正かつ公正な採択を行う。特定の教科書発行者と関係を有する者が教科書採択に関与することがないようにすることとしております。
 次に、「3 開かれた採択の推進」につきましては、採択に係る情報を公開するなど、開かれた採択を推進することとしております。
 次に、3ページを御覧ください。採択の手順につきまして、確認、説明をさせていただきます。
 まず、一番上の「広島市教育委員会」の枠に示しておりますように、教育委員会では5月に採択の基本方針の決定をしていただきました。その後、各学校に対して、採択に係る手続や留意事項について説明をいたしました。これを受けて、「各学校長」は、教科用図書選定委員会を校内に設置し、委員及び調査員を委嘱又は任命するとともに、教科用図書選定委員会に教科用図書の選定を諮問いたしました。調査員は、教科用図書選定委員会の定めた観点及び視点に基づき、各教科の教科用図書について調査研究し、教科用図書選定委員会に報告をいたします。
 教科用図書選定委員会では、調査員の報告をもとに審議し、校長に答申をいたしました。答申を受けた学校長は、選定した教科用図書について教育委員会に申請する、という流れでございます。
 教育委員会事務局では、提出された申請書等の内容について校長から説明を受け、その詳細について調査研究をし、本日、本教育委員会議に上程をしております。
 以上が手順でございます。
 次に、4ページを御覧ください。学校別の教科用図書の申請件数について、総括した表でございます。基町高等学校が67点、舟入高等学校が78点、広島商業高等学校64点、広島工業高等学校の全日制が96点、広島工業高等学校の定時制が109点、大手町商業高等学校が66点、安佐北高等学校が48点、沼田高等学校が78点、美鈴が丘高等学校が64点、広島中等教育学校が20点の合計690点となっております。
 以上が総括的な説明でございます。

井内委員長

 今、指導第二課長から総括的な説明をいただいたところです。まず、この総括的な部分について、御意見、御質問がございましたらお願いいたします。

栗栖委員

 まずは基本方針について、「2 適正かつ公正な採択の確保」のところで、「特定の教科書発行者と関係を有する者が教科書採択に関与することがないようにする。」という、大きな方針がございます。また、文科省からも、9月から10月に報告期限を延長して、慎重に対応するよう通知があった上での、本日の会議ですが、2つございまして、1つ目は、「関係を有する者が関与することがない」というのは、先ほど校長先生の確認書という御説明があったのですが、これは具体的にどういうものなのか教えていただきたいと思います。2つ目は、これまで以上に慎重にということで、例えば、昨年と比べて、どういう点について慎重に採択されたのか、具体的に教えてください。

指導第二課長

 各学校で選定委員、調査員を任命、委嘱するに当たって、校長から各者に対して確認をした上で、それを確認書として提出いただくということをしました。具体的な内容としましては、教科書採択に直接利害関係を有する者でないことを誓約するということです。例えば、教科書発行社の顧問、参与、嘱託等いかなる名称にかかわらず発行事務に影響を有していないということ、著作者、あるいは編集者として関わっていないということ、教科用図書の供給の事業を行う、あるいはその従事者でないということを確認するため、校長に確認書を提出いただいて、教育委員会はそのコピーにより確認したということでございます。
 それから、2点目のどういう点について慎重に行ってきたかということですが、先ほど御説明したように、文部科学省から7月6日に需要数の報告期限を10月31日に変更するので、期間を十分とって調査研究及び審議をするようにという通知がありましたので、まず、高等学校に調査研究など選定をする期間の延長を指示いたしました。そして、校内で慎重に審議したものを申請するというやり取りを、去年と変えて行っております。
 それから、担当課である教育委員会事務局指導第二課としまして、各担当の指導主事が、提出された申請本について、校長と綿密に1つずつ見ながら、選定理由についてどの部分からそのようにしたのかということの確認を、昨年度よりも期間を長くとって行いました。1点ずつより丁寧に進めたというのが、今年度、新たに行ったことでございます。

栗栖委員

 では、校長の確認書でもって、基本的には関わりのない者というのは担保されていると、そのように理解されているということですね。また、慎重さというのは、1点ずつの教科書に対して、その高校の実態に応じたものであるかを慎重に見極めて、今回の申請に至ったと理解してよろしいですか。

指導第二課長

 はい。

井内委員長

 今のところに関連するのですが、校長先生が取られた確認書ですね。その中には、例えば今回、非常に問題になった教科書会社が主催する勉強会と称する、いわゆる教科書の原案みたいなものを提示して意見を求めるというような会を、各社がやっておられると思うのですが、それに参加することについての規制というか、これについては何かあるのでしょうか。
 今のところ、誰に責任があるかということは、実は余り明確ではないような気がします。
 そういう会のときに見せられた教科書というのは、先生方の頭の中にインプットされるということもあると思いますので、私としては、前もって見なくていいのではないかという気はするのですが、その点の規制というのはあるのでしょうか。

指導第二課長

 それについても確認書の中にございます。
 著作者ではないということに加えて、事実上、著作に参加したり、出版社が主催する編集会議に協力したりということがないということについても、全員に確認をしておりますので、その点は間違いないだろうと思います。

井内委員長

 出版社から会に招こうというのは、やはり協力者であるということを前提として招くというか、だからこそ、そういう会への参加を呼びかけるという認識でよろしいのですか。全く関係のない方を呼んでいるわけではないということですか。

指導第二課長

 教科用図書の発行者としては、著作に関して、事実上、関わりがある方を、いわゆる編集会議というものに呼んでいるという認識はないです。その年のものは、既に文部科学省に検定の申請本を提出した後に、今後の各教科の指導、あるいは今後の編集に生かしたいということから、意見を今の各教科の状況も踏まえて聞きたいという趣旨で、編集会議と称する会議を招集したと聞いています。
 しかしながら、検定期間にこのような会議を行っており、それに行ったということは、一般の市民からすれば、そういう意図がないにしても疑義が生じるのではないかということがありますので、このことも加えて、そのような者が選定委員とか調査員に入ることがないよう、確認書を取っているということでございます。

井内委員長

 分かりました。

尾形委員(教育長)

 この会に関する確認は、採択期間はもちろんのこと、その前の年の検定期間も考慮しているということは、今回、きちんと確認書にうたってあるわけです。

井内委員長

 うたってあるわけですね。それでは、選定前に、実際に選択しようとしている教科書を目にすることはないということですか。

指導第二課長

 はい。

井内委員長

 そういう確認が取れているということですね。

溝部委員

 関連ですが、そういうことで、適正かつ公正ということが担保されているということは良く分かりました。
 それで、今回、期間が延びたということもあって、各学校においての調査研究の期間を長くしたと、課長が先ほどおっしゃったと思うのですが、去年までが何か月で、今年は何か月になったのですか。来年以降もそうなるのかどうか分かりませんが、その点についてと、もう1点、中学校もそうですが、高校になると教科別の先生が本当に僅かで、1つの科目に関して数名ぐらいしか、先生がいないのではないかと思います。この調査研究の各学校における方法ですが、例えば、国語の先生が数名だけで調査研究をして、最終的に決定するのは大勢でするのでしょうが、1つの科目を選定するに当たって調査研究は何人ぐらいで行うのかということが1つ疑問です。以上です。

指導第二課長

 まず1つ目の延ばした期間ですが、当初は7月22日までに提出ということにしておりましたが、通知があり、8月5日までに延ばしましたので、約2週間でございます。そして、丁寧に行うよう、改めて通知をし直しました。

溝部委員

 先生方にとっては、ちょうど夏休みの期間ですかね。

指導第二課長

 教科書の調査につきまして、各教科については、当然ながら国語であれば国語の教員がやるということになるのですが、調査員としてこちらに届けていただいたのが、各教科に一人ずつおられます。この方が責任を持って調査結果を選定委員へ報告するということになります。当然、各教科でどのような教科書を使うかということをしっかり検討していただいたものを、調査員として報告するということになっております。御指摘のように、今の高等学校の課題としましては、教科について学校によっては教員の人数が少ない教科が、例えば芸術科、音楽、美術、書道というと教員は1人ずつになりますので、恣意的にならないように、報告を受けた選定委員会でも、検討に当たって、校長や教頭、学校協力者委員の代表の方や有識者の方も入っていただいていますので、そこでチェックをしていただくということにしております。

溝部委員

 是非、疑義が生じることがないようなシステムを採っていただけたらと思います。

井内委員長

 他はいかがでしょうか。
 公正に教科書を選ぶということが、大きな課題であると思うのですが、今、御説明のあった改良点というのは、そのとおり履行されているということで、今年度の採択を試みられていただきたいと思いますが、よろしいですか。
 (異議なし)
 それでは、続きまして、各学校分について審議を行っていきたいと思います。採択については最後に一括して採択いたします。
 まず、各学校の今提出されております申請書類についての審議をいたします。御質問や御意見は、学校ごとにお受けして、採択の件については最後に一括するという進め方をしたいと思います。よろしいでしょうか。
 (異議なし)
 それではまず、基町高等学校分から始めたいと思います。では、よろしくお願いいたします。

指導第二課長

 それでは、基町高等学校について御説明をいたします。
 様式1を御覧ください。基町高等学校につきましては、まず、様式1で選定の手順について届けをいただいております。ここで適正な手順で行われているかどうか確認しております。
 次に、次ページの様式2でございますが、学校の特色、生徒の実態、それから調査研究の観点と視点を明記していただいて、これについてチェックをしております。
 それから、9ページになりますと、教科ごとに、例えば国語の国語総合でいえば、東京書籍の「精選国語総合」と大修館書店の「精選国語総合 新訂版」という2つの書名がありますが、これは複数の図書の中からまず2つを選定して、どちらがふさわしいかを二重丸(◎)又は丸(○)で記載いただき、その中から1つを選定したということで申請をしています。また、選定理由がその右側に書いてあります。なお、二重丸(◎)がよりふさわしい、丸(○)がふさわしい、三角(△)は適切であるという意味合いの表記でございます。
 それでは、様式1にお戻りください。基町高等学校では、6月8日に教育委員会が主催した説明会に出席された後、7月1日以降、御覧のような手順で適正に選定を行っております。
 次に、様式2を御覧ください。まず、「1 学校の特色」ですが、基町高等学校では、学術や芸術文化の習得と探究を通じて、自己の能力と人格を主体的に磨き、優れた知性と品格、生涯にわたって学び続ける力を身に付けることにより、多様化が進む時代の中で、人類の幸福に貢献する崇高な志と未来を切り拓く豊かな創造力を持った有為な人物の育成に努めているということで、普通科普通では、基礎・基本の知識等の習得に加えて、思考力・判断力・表現力等、主体的に学ぶ態度をバランスよく育成することを目指しております。さらに、キャリア形成に関して、各教科等で身に付けた資質・能力を活用し、自ら問いを見出し探究することのできる力を育成することを目指しております。
 普通科創造表現コースでは、「国際平和文化都市」広島で学ぶ高校生として、表現活動を通して個性を磨き、国際社会が求める創造的な人材を育成することを目指しております。
 「2 生徒の実態」といたしましては、普通科普通では、県内広域から高い学力を有した生徒が入学してきております。難関国公立大学への進学希望が多く、近年は、最難関大学・医学系への進学希望者が増加しております。授業や家庭学習において自ら意欲的に学習に取り組んでおり、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得はもとより、それらを活用して、難易度の高い発展的な内容の学習を希望する生徒が多くおります。普通科創造表現コースでは、こちらも県内広域から美術に興味を持ち、高い技術を有した生徒が入学してきております。多くの生徒が4年制の美術系大学への進学を希望しております。生徒は、進路実現や学力向上への意欲が高く、基礎的な学力の定着と美術の専門的な技能等の向上の両立に向け積極的に努力しているということが生徒の実態でございます。
 「3 調査の観点及び視点」でございますが、丸1の基礎基本の定着から丸6の発展的内容の充実まで定めており、それぞれの観点について2つから3つの視点で選定しております。
 それでは、9ページの様式3を御覧ください。全ての教科書について説明しておりますと、時間がかかりますので、各教科について、1、2つずつピックアップして説明をしてまいりたいと思っております。
 まず、国語科についてです。表の一番上の欄を御覧ください。1学年で使用する国語総合につきましては、東京書籍の「精選国語総合」を選定しております。選定理由といたしましては、思考力・判断力・表現力の育成に向け、各単元扉に単元の学習目標が示されていること、また、現代文編では教材ごとに「表現と言語活動」を、古典編では適宜「言語活動」を設定しているということで、こちらの教科書としております。
 次に、10ページを御覧ください。上から2つ目の欄の、2年生で使用する地理歴史の教科書のうち、世界史Aについて説明いたします。山川出版社の「現代の世界史 改訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、生徒が興味関心を持って主体的に学習に取り組めるよう「主題学習」のページを設けているということ、また、探究的な学習として、「原爆投下について考える」の題材を設定し平和学習との関連を図ることができるということから、こちらの教科書を選定しております。
 12ページを御覧ください。上から4つ目の欄の、1年生で使用する公民のうち、現代社会についてです。第一学習社の「高等学校 改訂版 現代社会」を選定しております。選定理由といたしましては、「ともに生きる社会をめざして」の単元では、言語活動に主体的に取り組めるよう課題を設定していること、また、探究的な学習に取り組めるよう具体例を複数示しているということから、こちらを選定しております。
 同じく12ページの一番下の欄を御覧ください。1年生の数学のうち、数学1で使用する数研出版の「改訂版 数学1」を選定しております。選定理由といたしましては、学習事項を発展させ、生徒が興味関心に応じて探究的な学習ができるよう、巻末に7テーマ計25題の「課題学習」を設けているということから、こちらを選定しております。
 15ページを御覧ください。理科でございます。上から2つ目の欄の、1年生で使用する物理基礎につきまして、第一学習社の「高等学校 改訂 物理基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、学習を振り返り、基礎基本の定着ができるよう、章の途中に特に理解を深めておきたい学習事項の解説と練習からなる「特講」を設けていること、また、学習をさらに深めることができるよう、発展の例題や問を設定しているということから、こちらを選定しております。
 同じページの下から2つ目の欄の、2年生で使用する化学基礎でございます。啓林館の「化学基礎 改訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、基礎基本の定着を図ることができるよう、本文の要点をまとめた「整理」や章のまとめ、章末問題を設定していること、また、学習内容を深めることができるよう、本文を補足する「プラス」を設定しているということから、こちらを選定しております。
 16ページを御覧ください。生物でございますが、上から3つ目の欄の、1年生で使用する生物基礎としまして、第一学習社の「高等学校 改訂 生物基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、見通しをもって学習することができるよう、単元の節ごとに学習のめあてが明記され、章末に単元のまとめ「整理」を掲載していること、また、生徒の興味関心に応じ、学習を深めることができるよう、「発展」や「参考」を設けていることでございます。
 17ページを御覧ください。保健体育でございます。上から4つ目の欄の、1年生で使用する保健としまして、大修館書店の「現代高等保健体育改訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、発展的な内容を学習できるよう、学習内容の背景を理解できる読み物「歴史から見たさまざまな健康のとらえ方」「過去の公害から学ぶ環境問題」などを設けていることでございます。
 次は、芸術でございます。同じページの一番下の欄の、1年生で使用する音楽1としまして、教育芸術社の「MOUSA1」を選定しております。選定理由といたしましては、見通しをもって学習に取り組むことができるよう、見開きごとに学習のめあてを示していること、また、「鑑賞のポイント」や「アンサンブルを楽しもう」で話し合うなどの言語活動を示しているということから、こちらを選定しております。
 18ページを御覧ください。美術でございます。一番上の欄の、1年生で使用する美術1では、日文の「高校生の美術1」を選定しております。選定理由といたしましては、作者の表現の工夫が読み取れるよう、原寸大で作品を掲載するページを設定していること、また、意欲的に学習に取り組むことができるよう、「これからの私と美術」で日常生活と関連づけて美術を学ぶ意義を考える項目を設けていることでございます。
 同じページの3つ目の欄、芸術の書道でございます。1年生の書道1は、東京書籍の「書道1」を選定しております。選定理由といたしましては、生徒が拓本の特徴の違いに気付きながら学習できるよう、ページごとに拓本を複数掲載していることでございます。
 続いて、外国語でございます。次の欄、1年生のコミュニケーション英語1につきましては、東京書籍の「PROMINENCE English Communication 1」を選定しております。選定理由といたしましては、生徒が本文内容の理解を深め、英語発信能力を身に付けることができるよう、レッスン課末ごとの“Communication Activity”において、“Retelling&Speaking”でキーワードを用いて本文内容をまとめたり、意見を述べたり、話し合ったりする言語活動を設定していることでございます。
 19ページを御覧ください。下から2つ目の欄の、家庭科です。1年生の家庭基礎としまして、第一学習社の「高等学校 新版 家庭基礎 ともに生きる・持続可能な未来をつくる」を選定しております。選定理由としましては、課題解決的な学習を行うことができるよう、章末に「テーマ学習」を設け、各章の内容に関連する課題を例示していることでございます。
 20ページを御覧ください。情報でございますが、2年生の社会と情報では、数研出版の「改訂版 高等学校 社会と情報」を選定しております。選定理由といたしましては、身近な情報機器の在り方について考えることができるよう、表紙の見返しでSNSや携帯電話、第1編で情報モラルについて取り上げていること、また、プレゼンテーションに関する内容では資料作成のほか、リハーサルや質疑応答など、発表場面についても記載していることでございます。
 以上が、基町高等学校の概要でございます。説明した選定理由につきましては、学校側としては様々な選定理由があるのですが、主たるものとして、その一部を掲載しているということで御理解ください。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の説明につきまして、御質問、御意見等がございましたらお願いします。

栗栖委員

 6ページに選定手順の内容が記載されていますが、先ほどおっしゃられた、指導主事が校長と観点の評価等を検討したときというところがあったのですが、ここで記載されている手順でいうとどの部分に関係しているのですか。

指導第二課長

 基町高等学校では7月20日に申請書を提出していただきましたが、それ以降、複数回にわたって聞き取りをしながら検討しております。

栗栖委員

 選定はあくまでも校内で行って、申請があったものに対して指導主事がその内容を個別に丁寧に検討されたということですね。

指導第二課長

 そうです。

栗栖委員

 教科用図書の申請本は原則2冊あり、より評価の高い方を選定されているというパターンが主なようですが、1冊しか申請がないものがあります。例えば、18ページの芸術で造形演習として「美術1」は、申請本が1冊しかなく、これが選定されているのですが、1冊しかないものに言語活動が三角(△)になっています。このような状態の1冊を選定して申請しているのは、何か特別な理由があるのか教えてください。

指導第二課長

 例えば、9ページを見ていただきますと、国語の下から2つ目と一番下の欄が1冊ずつの選定になっています。ここは、一番左の欄の「学年」を見ていただきますと、数字に丸(○)印をしております。このように丸(○)印をしている欄の申請本は、既に2年生の段階で使用しており、継続的に3年生でも使用するということを示しています。したがって、次年度、生徒はこれを改めて購入せず、今使っているものを来年度も継続して使いますので、1冊だけを記しているということでございます。
 それから、主に専門学科で行っている各教科の中には、そもそも検定教科書が1点しかないというものもあり、後ほど市立工業、市立商業で出てくるとは思いますが、その場合はその1点のみをふさわしい教科書であるということで選定しております。

井内委員長

 普通科普通と創造表現コースとありますが、創造表現コースも普通科普通と使う教科書は全く一緒だという理解でよろしいですか。今、御説明があったのは代表的なものだとは思うのですが、コースによってはこれ以外の教科書も使っていくのですか。

指導第二課長

 教科により、高校に教育課程等を確認させていただいたのですが、創造表現コースは美術の授業を普通科普通コースに比べて多く取ります。そうすると、他の教科の単位数を減ずるということになりますので、減じた教科においては、普通科普通と創造表現コースとでは同じ教科書を使うものもあれば、違う教科書を使うものもあるということでございます。そこは仕組みが少し複雑になっています。

井内委員長

 カリキュラムを設定する段階で、どの教科書を何単位とするかを決めておられるのですね。 他はいかがでしょうか。実際の教科書がここに置いてあるのですね。

指導第二課長

 すみません。説明していませんでした。

栗栖委員

 21ページ、基町高等学校における様式4について、選定委員会の規約がありますが、資料の各学校のところを見ると、大体、選定委員会を開くということがあります。この選定委員会を開くというのは、どこの学校も一緒なのですか。

指導第二課長

 失礼しました。説明を漏らしておりました。
 各学校では、このように選定委員会を設けておりまして、例えば、第2条の委員9名という組織の部分については、各学校の実態に応じて違いはございますが、第3条の(1)、(2)につきましては、必ず入れるよう統一しています。

栗栖委員

 残りの項目は、どこも大体一緒ですね。

指導第二課長

 はい。

鈴木委員

 選定する際には、各学校の教育活動に基づいて、その特色を生かすということだと思うのですが、例えば、基町高等学校の場合は、特色として探究型の学習や発展型の学習というようなことがうたわれています。選定に当たっての観点がたくさんあるわけですが、特色を生かすということから、観点のうちの発展的な部分や言語活動など、この点を高く評価したということがあれば、教えていただければと思います。

指導第二課長

 12ページの一番下の欄を御覧いただけたらと思います。例えば、数学ですが、基町高等学校では難関大学を希望する生徒が一定数おりますので、基礎基本に加えて発展的な内容を、また、自学できる内容を盛り込んだものを教科書に選定するということで行っております。今見ていただいた数学で言えば、巻末に7テーマ、計25題もの課題学習を設定していること、同じページの公民について、3年生では、発展的な学習ができるように特設ページを適宜設けていたり、あるいは、その上の1年生では、探究的な学習に取り組めるよう具体例が複数示されているというように、各教科そういう視点で教科書の選定をしております。

鈴木委員

 分かりました。

溝部委員

 基町高等学校の子どもたちが求めている教科書ということの観点で2つ、2社のうちどちらかを選ぶ場合には発展的なものが多く選ばれていると思います。観点にのっとって二重丸(◎)の多いところを選んであるということで、これを見る限り非常に適切に選んでいると思います。
 その中で、19ページの辺りから外国語の教科書がありますが、2冊のうちから選ばれているものは二重丸(◎)が多いと認識しています。外国語の教科書は他教科に比べて二重丸(◎)が少ないなというのが全体的な印象です。これは、外国語の先生が厳しい目を持っておられるのか、教科書としてよりふさわしいものがまだ改革中なのか分かりませんが、二重丸(◎)が何個あれば選定するというような基準みたいなものは校内で設けているのか、あるいは、そういうことは全く設けていないのか、ということが質問でございます。

指導第二課長

 外国語の教科書につきましては、中学校段階の学び直しを重視した教科書もあれば、内容がほとんど英文で書かれており、日本語がほとんどないという教科書もあり、様々でございます。そうした中で、どれを選定していくかということがあります。多くの教科書がありますが、甲乙つけがたいという状況が確かに出てくるのではないかということがあります。
 それから、もう1点、義務教育の場合は全ての教科書が見本本として学校に送られてきますが、高等学校の場合は、義務教育とは違い、膨大な数の教科書が発行されています。それが全て学校に届けられるとか、学校が求めるということが不可能でございますので、自分の学校にしっかり即した教科書を幾つか送っていただくというような形を採っており、その中から選定していくということがございます。このため、割とレベル的に似通った教科書が送られてきて、その中から選ぶということがありますので、英語については、二重丸(◎)、丸(○)の付けられ方が他の教科と比べて変わってくるという状況があります。その上で、学校において二重丸(◎)が幾つあったら、こちらにしようとか、丸(○)が幾つだからどうしようというような基準は設けておりません。2冊を比べてどうかという観点で、最終的に決めております。

溝部委員

 ありがとうございます。

尾形委員(教育長)

 様式2を見ていただきますと、ここに調査の観点と視点があり、基町高等学校の場合は丸6の発展的内容の充実の観点を他校に比べて重視している。そういう観点と視点が一つ評価の基準になっているのですよね。

指導第二課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 しかし、基町高等学校と他校とで同じ基準になっているかというと、学校の実態によって基準は多少違います。具体的な観点は違うということになります。
 よって、具体的な申請書の一覧で見れば、例えば、基礎基本である場合、その学校が調査の観点として基礎基本を重視するということであれば、評価に二重丸(◎)が付いている。あくまで、その学校の絶対評価でやっているということですね。

指導第二課長

 はい、そのとおりです。

溝部委員

 様式2の調査の観点の丸1から丸6までは、市教委から各学校へ指示などをしているものですか。

指導第二課長

 はい。この観点について、例として示しておりますが、その中から高等学校において決めています。

溝部委員

 学校によってどのようにでもできるということですね。

尾形委員(教育長)

 大体、観点については5項目程度設けていますが、基町高等学校においては6項目設けています。

溝部委員

 はい、分かりました。

井内委員長

 2社ある場合は、その比較ということで、評価は相対的なもので絶対値ではないという意味ですよね。2社を比較してこちらが二重丸(◎)で、こちらは丸(○)というように、これは基準を満たしている、何点であるという評価をしてはいけないわけですよね。

指導第二課長

 そうではありません。

井内委員長

 違うのですか。

指導第二課長

 教科書ごとに一定の調査をした結果として、観点ごとにどうだったかという評価です。

井内委員長

 観点に合っているかどうかで、二重丸(◎)になったりするということですね。
 それでは、大体出尽くしましたでしょうか。基町高等学校は、これでよろしいですか。
 それでは、次へ進みましょう。舟入高等学校について、続いてよろしくお願いします。

指導第二課長

 22ページを御覧ください。様式1でございますが、6月8日以降、適正に選定を行っております。
 23ページを御覧ください。「1 学校の特色」ですが、全部読みますと時間がかかりますので、4行目を御覧ください。まず、1年次は希望進路を保証する教科学力を育むことを目標として、国公立大学入試及び私立大学入試に対応するため、基礎的な学力養成に重点を置いております。普通科普通では、2年次から文系と理系に分かれて、それぞれの進路希望や興味・関心に応じた教科・科目選択を行い、基礎的な知識・技能と、主体的に課題を解決するための思考力・判断力・表現力を身に付けることを目指しております。普通科国際コミュニケーションコースでは、英語教育などを行う学校設定科目を配置しており、少人数授業を取り入れるなどコースの特色を生かした授業展開を行い、高い学力を備えたグローバル社会でのリーダーの育成を目指しております。
 次に、「2 生徒の実態」ですが、生徒は学習に主体的に取り組むことができます。普通科普通、国際コミュニケーションコースともにほとんどの生徒が大学進学を希望しており、国公立大学への進学希望者が多くを占めております。中でも難関大学へ進学する生徒が増加しており、基礎的・基本的な知識・技能の習得に加えて、それらを活用した学習や探究的な学習を希望している生徒が多くおります。また、部活動と勉学との両立を目指している生徒も多くおります。
 「3 調査の観点及び視点」につきましては、御覧のとおり丸1から丸5までを定めております。
 25ページを御覧ください。まず、国語についてです。上から2つ目、1年生の国語総合では、第一学習社の「高等学校 改訂版 新訂国語総合 古典編」と、その上でございますが、同じく第一学習社の「高等学校 改訂版 新訂国語総合 現代文編」を選定しております。選定理由といたしましては、生徒が主体性を発揮して課題に取り組めるよう、適宜、教材末に言語活動を設け、具体的な学習テーマと事例を示しております。
 26ページを御覧ください。上から3つ目の2年生の地理歴史の世界史Aでは、実教出版の「世界史A新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、生徒が学習内容を復習しやすいよう、各章末に学習した内容を見開き1ページにまとめていること、「stepup」では、基礎基本を踏まえ発展的な内容を盛り込んだ構成となっております。
 29ページを御覧ください。欄の一番上でございますが、1年生の公民の現代社会では、数研出版の「改訂版 高等学校 現代社会」を選定しております。選定理由といたしましては、目的意識を持って学習できるよう、各項目の冒頭に身近な生活と関連した問いを掲載していること、話し合って考察を深めることができるよう、「Closeup」や「現代を考える」を適宜設けております。
 30ページを御覧ください。一番上の欄です。1年生の数学の数学1では、数研出版の「数学1」を選定しております。選定理由といたしましては、より高度な数学への関心を高めることができるよう、適宜、「発展」のページを設けていること、また、中学校との関連を重視し、基礎的な事項について体系的に学習できるよう構成していることです。
 続いて、31ページを御覧ください。下から2つ目の欄の2年生の理科の物理基礎では、数研出版の「改訂版 物理基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、学習内容を振り返えることができるよう、理解しづらい内容や間違えやすい箇所を重点的に説明した「Zoom」を設けていること、また、基礎基本の定着を図ることができるよう、例題と類題や、演習問題による問題演習を設けていることです。
 32ページの上から2つ目の欄を御覧ください。1年生の理科の化学基礎では、第一学習社の「高等学校 改訂 化学基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、巻末資料の中で、探究活動の進め方や実験の基本操作等を詳しく示していること、また、多様な言語活動が可能となるよう、英文で記述した「英文特集」を設けていることです。
 同じページ、一番下の1年生の理科の生物基礎では、数研出版の「改訂版 生物基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、生徒の興味関心を高めることができるよう、関連する内容や、日常生活に関わりのある内容を示した「参考」や「コラム」を掲載していることです。
 34ページを御覧ください。上から3つ目の欄、1年生の保健体育の保健でございます。大修館書店の「現代高等保健体育改訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、言語活動の充実を図るとともに、課題解決的な学習を行うことができるよう、各項目末に学習内容を更に深めることができるような課題を設定していることです。
 同じページの下から2つ目です。1年生の芸術の音楽1では、教育芸術社の「高校生の音楽1」を選定しております。選定理由といたしましては、生徒が主体的に学習に取り組めるよう、題材ごとに冒頭で目標を示すとともに、学習を深める「コラム」を設けていること、また、「吹き出し」により、「問いかけ」などを示していることです。
 35ページを御覧ください。上から2つ目、1年生の芸術の美術1では、日文の「高校生の美術1」を選定しております。選定理由といたしましては、生徒が美術に興味を持って学ぶことができるよう、作品理解に関わる事項をクイズ形式で掲載していること、また、作品を通して話し合うなどの言語活動が充実するよう、表現や鑑賞のポイントを示していることです。
 同じページの下から2つ目、1年生の書道1では、光村図書の「書1」を選定しております。選定理由といたしましては、筆の動きがわかるよう、手本とする同じ字体の数種類の拓本ごとに起筆・送筆・収筆とコマ送りで写真で示していることです。
 続いて、36ページの上から2つ目を御覧ください。1年生の外国語のコミュニケーション英語1では、三省堂の「CROWN English Communication 1 New Edition」を選定しております。選定理由といたしましては、レッスン課末ごとの“Your Reaction”において、読んだ内容をもとに自分の意見を書く活動や自分の意見を述べたり話し合ったりする技能統合型の言語活動を設定していることです。
 37ページを御覧ください。下から2つ目の1年生の家庭科基礎です。開隆堂の「家庭基礎 明日の生活を築く」を選定しております。選定理由といたしましては、見通しを持った学習ができるよう、単元の冒頭に学習内容やねらいを提示していること、また、学習した内容と身近な疑問を関連付けて理解できるよう、科学的に捉える「サイエンスアイ」を設定していることです。
 一番下の1年生の情報でございます。東京書籍の「新編 社会と情報」を選定しております。選定理由といたしましては、章ごとに学習内容の理解を深めることができる章末資料を掲載していること、また、学習到達状況を確認できるよう、章末問題を掲載していること、さらに、中学校で学習した内容を振り返ることができるよう、巻末に中学校で学習した内容のまとめを設けていることです。
 次の38ページが選定委員会の規約でございます。これも適正であることを確認しております。
 以上が舟入高等学校です。よろしくお願いいたします。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の御説明に対しまして、御質問、御意見がございましたらお願いします。

栗栖委員

 23ページに、舟入高等学校の学校の特色と生徒の実態が記載されていますが、学校の特色のところで、高い学力を備えたグローバル社会でのリーダーとしての資質向上を図っているとか、生徒の実態のところでは、ほとんどの生徒が大学進学を希望しているとか、難関大学へ進学する生徒が増加しており、また、探究的な学習を希望していると、こういうものが特色として記載されております。
 「3 調査の観点及び視点」に関して、基町高等学校では、丸6として「発展的内容の充実」ということが教科書の観点として記載されているのですが、舟入高等学校では発展的な内容についての記載がないというのは、あくまでも学校の判断で、教科書を選定する観点はこのようになっているというわけですか。

指導第二課長

 舟入高等学校では、丸1としまして、まずは基礎基本の学力の定着を徹底して取り組もうということ、それから丸2のところにありますが、問題解決的な学習、これは、今後示される予定の学習指導要領の改訂においても、高等学校でこれから取り組んでいくことになっており、ここに力を入れていこうと考えております。発展的な内容については観点にありませんが、より基礎基本と学習方法に重点を置こうということであります。

栗栖委員

 そういうことで、あえて入っていないということですね。
 ただ、そういう中での教科書の具体的な選定ということになると、例えば29ページを見ると、一番下の公民の3年生のところで、東京書籍のものを選定されているのですが、第一学習社と東京書籍の観点の評価欄を見ると、第一学習社には基礎基本に二重丸(◎)が付いていて、その他に三角(△)が2つあって、東京書籍には三角(△)が1つということで、結果として東京書籍の方が選定されています。こういう具体的な教科書の選定になってくると、総合的な観点で評価して、基礎基本の部分については第一学習社の方が評価は高いが、総合的に見て東京書籍の方がふさわしいと、こういう判断をされたということになるのですか。

指導第二課長

 もう1点は、例えば「構成等」のところに二重丸(◎)が付いております。学習を進めていくに当たっては、年間指導計画を作成するのですが、学校が作成した年間指導計画に沿った形での指導がより徹底しやすいと、構成がこちらの方がしっかりしているという視点で見たら、二重丸(◎)という評価になっていて、今おっしゃったように、総合的に見ても、個々を見ても、そういう評価であるということで選定しているわけです。

栗栖委員

 分かりました。

井内委員長

 他はいかがでしょうか。

鈴木委員

 今、基礎的な学力養成ということで、全体的に振り返りということがあり、中学校と高校の連携であったり、学習内容の1学期、2学期の連携であったりという、振り返ってまた学び直すということが注目されていたように思ったのですが、それは教育課程の制度の方針として考えたらよろしいでしょうか。

指導第二課長

 おっしゃるとおりです。

鈴木委員

 全体的には振り返りによって基礎学力を付けていこうということで、この教科書を選ばれたということですね。でも、見てみると、全体的にバランスが取れていて、ある教科では言語活動が重視されていたり、基礎基本が重視されていたりということですので、全体的にはバランスよくとあるけれども、重点的には振り返りをしながらそろえていこうという理解でよろしいですか。

指導第二課長

 はい。まずは基礎学力を付け、その上で思考、判断、あるいは発展的な問題に取り組める力を付けようということです。

藤本委員

 26ページの歴史の教科書ですが、2年生で使う歴史のAとBで、それぞれ選定の理由としては、構成の仕方のような点を、選定理由で良いとして選んであり、上の方では見開き1ページにまとめて、「stepup」では発展的な内容を盛り込んだ、下の方では見開き2ページで「まとめ」を設けていると書いているのですが、それぞれ違う教科書会社なので、その構成も違うと思うのですが、統一的に教えるという観点からは、同じ学年で違う会社の教科書の違う構成のものを選ぶという辺りは、良い点と悪い点をどのように考えられて、違うものを選ばれたといったようなことがあるのでしょうか。

指導第二課長

 世界史Aと世界史Bは、それぞれで単位数が違ってまいります。世界史Aが2単位、世界史Bが4単位ということになります。世界史Aでは割と概観した概要的なものを学んでいく、世界史Bはより詳しく学んでいくことになりますので、そういう意味から、違った教科書を生徒の履修単位数の関係から選定していることになります。

藤本委員

 分かりました。

溝部委員

 国際コミュニケーションコースは、すごく活躍しているというふうに把握しているのですけれども、教科書を選択する上で、例えば舟入高校の普通科普通の学生の場合、特に外国語ですが、どういうふうに意義が違っているのかということが質問です。

指導第二課長

 36ページの2つ目からが外国語ですが、国際コミュニケーションコースは、英語の単位数が多くなりますので、よりコミュニケーションを重視した内容になります。英語での発信力というか、英語活用力というか、そういうものを重視したような教科書を選定していくという形になります。
 普通科普通については、コミュニケーションも当然大切なのですが、英語の基礎的な文型や文法をきっちり押さえることができる教科書で、更にコミュニケーションにも触れているという形がありますので、そういう視点で選んでいくと、コミュニケーションコースと普通科普通では、そこが違う教科書となっています。

溝部委員

 ここで、どの教科書が普通科普通で、どの教科書がコミュニケーションコースであるか、分かりますか。
 教科書の数も他の学校より多いですね。

指導第二課長

 この表では少し分かりませんので、また確認して御説明させていただきたいと思います。

溝部委員

 はい。

井内委員長

 単に質問なのですが、302とか321とか、教科書の記号、番号が書いてあります。これは近い番号の場合、内容的にかなり類似点が多いとか、そういう理解でよろしいですか。
 例えば、29ページの公民のところを見ると、政経309とか倫理308とか、番号が打ってあります。他校でどういうものを選んでいるかと思って見比べると、例えば、同じ業者の306を選んでいる場合、また番号が近いものというのは、内容的にすごく近い教科書なのですか。

指導第二課長

 これは教科ごと、教科書ごと、発行者ごとに番号が付いているもので、番号が近いから内容的に類似したということではありません。

井内委員長

 内容ではないのですか。

指導第二課長

 内容ではありません。

井内委員長

 選定されなかった教科書で、三角(△)がすごく多いものがあるのですが、そういう本は、どんなものかと思って、変な興味を持っているところです。変なというのは、表現がよくないかもしれませんが、例えば、同じ教科書も学校によって評価が違うなどということがありますか。

指導第二課長

 それはあります。

井内委員長

 もちろんさっきから言っている、調査の観点が違うからだと言えばそうですが、広島市の高等学校で使う教科書として、内容的にA学校とB学校で余りにも違うというのは、ちょっと問題かなという気もしました。特に、社会とか公民とかそういうものの扱いについては、気になって見てみましたが、同じものが全く違う評価を受けているということは、実際見つからなかったのですが、それで番号のことがちょっと気になりました。

指導第二課長

 学習指導要領に各教科で指導すべき事項が示されております。それを基に、教科書発行者が著作、編集をして、検定を受け、また、文部科学省でもしっかり検定しておりますので、高等学校で学ぶことはきちんと網羅されていますが、先ほどの世界史Aや世界史Bのように、2単位で行うものと4単位で行うものが教科ごとにあります。それは、専門学科の高校と普通科の高校で取る単位数が変わってくるという関係があります。基礎基本的なものを記している教科書と、単位数に応じたより具体的なところを記している教科書という違いがありますので、そういう差はございますが、高等学校で学ぶべきという基本的なことについては、全てできています。

井内委員長

 そこまで心配するほどの差があるということではないのですね。はい、分かりました。
 他はよろしいですか。
 それでは、次に参りましょう。広島商業高等学校です。

総務課長

 失礼します。11時を回りましたので、10分程度休憩とさせていただければと思います。

井内委員長

 はい、分かりました。休憩にいたしましょう。
 では、11時25分に再開することといたします。よろしくお願いします。

 (休憩)

井内委員長

 それでは、再開いたします。
 次は、広島商業高等学校です。御説明よろしくお願いします。

指導第二課長

 39ページでございます。まず、様式1ですが、御覧いただいておりますように、6月8日の説明会以降、7月28日の提出まで適正な手順で行ったことを確認しております。
 次の40ページを御覧ください。学校の特色でございます。まず、「1 学校の特色」につきましては、みらい商業科として、ビジネスを取り巻く急激な環境の変化などに対応する基本的な能力を身に付け、専門性を高めていくために、秘書、観光、販売、情報企画、金融、情報処理、経理、進学の8コース選択制にし、生徒の進路に合わせて幅広い科目を選択できるように教育課程を編成しております。
 また、コースアドバイザー制度を設けて、校内の教員だけではなく、コースの学習内容に適した専門家を迎え、教材開発や授業内容構築への支援をいただいたり、授業を実際に担当していただいたりしております。それから、商業高校の特性を生かし、観光実習、販売実習、総合実践、課題研究など実習を伴う実業的な授業を多く取り入れて、資格取得や実践力を身に付けられるよう取り組んでおります。また、企業や大学と連携して、インターンシップや高大連携授業を行って、校外での生徒の実学的な学習の場を設けております。更に、模擬株式会社「広島市商ピースデパート」を毎年開催して、商業教育で学んだ成果を実践的な力に高めるとともに、平和貢献活動にも取り組んでおります。
 次に、「2 生徒の実態」ですが、女子と男子の割合が8対2で女子の生徒の割合が高くなっています。基本的なマナーが身に付いており、学業及び部活動等にも積極的な生徒が多いです。多くの生徒は基礎・基本を確実に身に付けた上で、発展的な内容を扱う授業を希望しております。また、進路実現に向けて意欲的に商業の基礎から実践力まで身に付けようと努力をしております。
 卒業後の進路としては、就職と進学の割合が、近年では5対5になっております。就職先は事務職や販売職等を希望する生徒が多く、進学先は四年制大学、短期大学、専門学校等、希望により様々でございます。
 次に、「3 調査の観点及び視点」につきまして、丸1から丸5まで定めております。
 42ページを御覧ください。まず、一番上の欄の1年生の国語、国語総合です。教育出版の「国語総合」を選定しております。選定理由といたしましては、適宜、基本的な事項をまとめた解説やコラムを掲載しているということです。
 次に、43ページの上から3つ目の欄を御覧ください。2年生の地理歴史の世界史Aでは、帝国書院の「明解 世界史A」を選定しております。選定理由といたしましては、各章の巻頭にこれから学習する内容をまとめたページを掲載していること、また、日本史と関連付けて学習することができるよう、当時の日本と世界のつながりを紹介するコラムを適宜掲載しております。
 続いて、44ページの一番上の欄を御覧ください。3年生の公民の現代社会では、第一学習社の「高等学校 改訂版 新現代社会」を選定しております。選定理由といたしましては、各節の冒頭に「ポイント」を設定していることでございます。
 次の欄の1年生の数学1は、数研出版の「改訂版 最新 数学1」を選定しております。選定理由といたしましては、生活と関連付けたり学習内容を発展させたりする「課題学習」を設定していることです。
 45ページを御覧ください。上から2つ目の欄です。3年生の理科の、生物基礎では、第一学習社の「高等学校 改訂 新生物基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、節ごとに穴埋め形式で「学習のまとめ」を掲載していること、また、日常生活に関連する話題を取り上げた「くらしと生物学」を掲載していることでございます。
 次の欄です。1年生の保健体育の保健では、大修館書店の「現代高等保健体育改訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、学んだ知識や技能を活用する「実習」を設けていることです。
 次に、下から2つ目ですが、1年生の芸術の音楽1では、教育芸術社の「MOUSA1」を選定しております。選定理由といたしましては、学習活動文や「鑑賞のポイント」により、ヒントや注意点を示していること、また、脚注に関連する教材と学習を結びつけたリンクを示していることです。
 次に、46ページの一番上の欄を御覧ください。1年生の芸術の美術1では、光村図書の「美術1」を選定しております。選定理由といたしましては、発想のポイントや技法上の工夫を実感しながら学習に取り組むことができるよう、「作家の手法」に制作する様子を掲載していることです。
 次は、2つ下の欄で、1年生の書道1では、教育出版の「新編 書道1」を選定しております。選定理由といたしましては、拓本の横に筆順や筆脈、基本点画を示していることです。
 次に下から2つ目の欄になります。1年生の外国語のコミュニケーション英語1では、啓林館の「LANDMARK Fit English Communication 1」を選定しております。選定理由といたしましては、各レッスンの冒頭に写真とともに本文の内容に関わる質問を英文と日本語訳を併記して示し、学習する文法や本文読み取りのキーワードを吹き出しで配置していることです。
 続いて、48ページを御覧ください。一番上の欄です。3年生の家庭総合では、東京書籍の「家庭総合 自立・共生・創造」を選定しております。選定理由といたしましては、章の内容と関連する職業に就いている人の紹介をQA形式で掲載していることです。
 次の欄です。1年生の商業のビジネス基礎では、実教出版の「ビジネス基礎 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、ロールプレイングなどの手法を用いた言語活動を設定していること、また、図や絵を多数掲載しており、生徒が学習内容をイメージしやすい内容になっていることです。
 次の欄ですが、1年生の商業の簿記では、東京法令出版の「簿記 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、「広島市商ピースデパート」の実践や実社会で活用できるよう、「発展的な内容」として40ページにわたり株式会社の会計や決算について掲載していることでございます。
 次の欄でございます。1年生の商業の情報処理では、実教出版の「最新情報処理 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、「発展学習」に金融に関する計算やデータの集計と最適解などが取り上げられていることです。
 次のページ以降は、商業が続いております。教科に関することは以上でございまして、53ページに、選定委員会の規約がありますが、これも適正にされています。
 広島商業高等学校については以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の御説明に何か御質問、御意見等がございましたら、お願いします。

鈴木委員

 商業高校ということですので、特徴としては、そういう専門的な授業があるということだと思うのですが、調査の観点としては、知識理解に関する教科においては基礎基本で、専門的な教科についてはまた別の角度というように、視点の違いのようなものはあるのでしょうか。

指導第二課長

 調査の観点、視点については、各教科共通で行っていますが、重きを置くものということでは、やはり専門教科についてはこう、国語や数学等についてはこうと、教科ごとで定めていくことはされております。

鈴木委員

 では、専門的なものについては、専門的な力が付くようにという観点で選ばれているということでよろしいですね。

指導第二課長

 はい。

藤本委員

 英語の教科書ですが、46ページに、1年生で使う英語の教科書の評価を見ると、2冊とも基礎基本が二重丸(◎)になっていませんが、この2冊から選定しています。1年生では、基礎基本が良いものを選んだ方が良いのではないかと思うのですが、例えば、60ページの広島工業高等学校の、1年生で使う英語について、3年生でも同じですが、「VISTA」という教科書があります。これであれば、基礎基本は二重丸(◎)になっていて、それぞれ2冊のうちでこちらのものを選んだとされているようです。教科書は、種類がものすごくたくさんあるときにどれを選ぶかということについて、違う学校の教員の方が情報交換をしたり、この教科書が良いというような話を、学校の枠を超えて情報共有したりすることはあるのですか。

指導第二課長

 市立高校では、年に1回、教科ごとに授業研究をして、その後に協議会を行っておりますので、その中で情報交換はしているのですが、教科書の選定に関しての情報交換というのは、今の状況でも行っておりません。教員が人事異動する中で、そういう交流というのは行っているのですが、今、委員の御指摘のようなものはやはり行っていません。教科書に関する勉強会というのも今後は必要かなと、今、御意見を伺って思いました。

藤本委員

 すごく種類が多いので、情報がないとなかなか選ぶのが難しいと思います。

井内委員長

 他はよろしいですか。
 それでは、次に参りましょう。
 広島工業高等学校の全日制です。お願いします。

指導第二課長

 54ページを御覧ください。様式1でございますが、選定手順につきましては、御覧いただいておりますように、適正に行っていることを確認しております。
 次の55ページですが、「1 学校の特色」と「2 生徒の実態」ということですが、まず、「1 学校の特色」といたしましては、機械科・自動車科・電気科・情報電子科・建築科・環境設備科の6学科、1学年6クラスを設置しております。教育課程としては、平成18年度から3年間、文部科学省研究指定事業の「目指せスペシャリスト」に指定され、そこで培った経験を活かし、生徒が自主的に考え、将来を切り開く力を身に付けることを目指す内容になっております。また、各学科の専門分野におきましても、資格取得に有利な内容となっております。
 学校全体の取組としては、「朝の読書」・「アイデアコンペ」等を実施しておりまして、読書習慣や落ち着いた学習環境づくりと、生徒の創造力の育成を目指しております。
 また、工業施設も充実しておりまして、生徒はものづくりの基本から先端技術に至るまで、実習を通して多くの知識と技能を学ぶことができます。自動車科では、3級自動車整備士国家資格の実技試験免除の整備士養成施設としても認証されております。
 次に、「2 生徒の実態」でございますが、学習到達度に大きな差のある生徒が入学しております。その中には、工業の学習に欠かせない分数計算や比例計算などの基礎学力が十分には身に付いていないこと、また、全体的に学習習慣や読書習慣が十分には身に付いておらず、主体的な学習を苦手とする生徒が多いという実態がございます。板書や授業記録のノートの取り方など、基本から指導していく必要があります。
 一方で、学年の進行とともに学習に意欲を見せる生徒が増加しておりまして、改善が見られる就職状況と相まって、高学年になるほど、資格取得や進路実現に向けて努力する生徒が多くなっております。また、高学歴志向や地方私立大学の易化傾向から、進学希望の生徒が一定数に達しておりまして、今後も進路実現に向けた学力向上が求められているという状況でございます。
 最後に「3 調査の観点及び視点」は、御覧のとおり、丸1から丸5まで定めております。
 それでは、57ページを御覧ください。まず一番上の欄でございます。1年生の国語総合では、第一学習社の「高等学校 改訂版 標準国語総合」を選定しております。選定理由といたしましては、「読むこと」に関わる実践的な表現活動を行う教材を「言語活動」として設定していることです。
 同じページの下から2つ目、3年生の地理歴史の世界史Aでは、山川出版社の「世界の歴史 改訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、小単元ごとに学習のねらいを端的に示していること、また、地理的条件に留意し、各地域世界に「風土と人々」を設け、大きくわかりやすい地図を掲載していることでございます。
 58ページを御覧ください。上から3つ目の欄、1年生の公民の現代社会では、第一学習社の「高等学校 改訂版 新現代社会」を選定しております。選定理由といたしましては、各章の冒頭に学習項目と関連する生徒の身近に見られる社会現象を取り上げていることでございます。
 次の欄の1年生の数学1では、数研出版の「改訂版 最新 数学1」を選定しております。選定理由といたしましては、巻頭に中学校で学習した内容を確認する問題を掲載していること、また、節末や章末の練習問題には問題番号を付していることです。
 次、59ページの下から2つ目の欄を御覧ください。2年生の理科、物理基礎では、第一学習社の「高等学校 改訂 新物理基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、見開きで一つのテーマを扱い、めあてを明示していること、また、各章末に「まとめてみよう」を設けていることでございます。
 次の60ページの一番上の欄を御覧ください。1年生の保健体育の保健では、大修館書店の「現代高等保健体育改訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、工業科目との関連を図っておりまして、社会生活と健康に関するテーマを設けていることでございます。
 3つ目の欄でございます。1年生の芸術の書道1では、光村図書の「書1」を選定しております。選定理由といたしましては、16ページにわたる小冊子「篆刻刻字ブック」を添付していること、また、資料編で書写・書道の基本や生活の中の書を示していることでございます。
 次の欄でございますが、1年生の外国語のコミュニケーション英語1では、三省堂の「VISTA English Communication 1 New Edition」を選定しております。選定理由といたしましては、“USE ENGLISH”で「気持ちを伝えよう」「説明しよう」「ほめよう」などの様々な言語活動が設けられていること、また、中学校における基本項目が確認できるように、“Get Ready!”や「ののちゃんの英文法」が設けられていることです。
 61ページを御覧ください。一番上の欄の2年生の家庭総合では、第一学習社の「高等学校 新版 家庭総合 ともに生きる・持続可能な未来をつくる」を選定しております。選定理由といたしましては、章末に課題例と追究方法を会話形式で例示していることでございます。
 以降は、工業ですが、これらの教科書は前学年から継続して使うというようなものですとか、一つだけを選定しているということで、61ページから63ページまで続いております。
 次に、64ページを御覧ください。上から3つ目の欄でございます。1年生の工業(共通)の情報技術基礎でございますが、実教出版の「情報技術基礎 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、工業科で扱うプログラム言語であるBASICとC言語を章立てして掲載していることでございます。
 65ページから72ページまで工業が続いております。こちらの説明は省略させていただきます。
 73ページは、選定委員会の規約でございますが、こちらも委員会が適正に行われていることを確認しております。以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の御説明に御意見、御質問がございましたら、お願いします。
 この工業のところの教科書が1つしかなく、その教科書を選定しているというのは、他社の教科書に適切なものがないという理解でよろしいですか。

指導第二課長

 1社のみである場合と、数字に丸(○)印が付いているのは継続使用ですので、そのような場合があります。

井内委員長

 でも、継続使用でないものでも1つのものがありますよね。それは比較対照になるものがないということですか。

指導第二課長

 1社のみということです。

井内委員長

 それから、最初の生徒の特徴ですかね、そこでなかなか基礎的な学力が十分でなくて、主体的な学習をさせるのが難しいということがあります。これは、工業高校ですから、工業関係に関しては興味を持っているのだろうけども、一般的な国語とか数学とかは、なかなか興味、関心を持ってくれないということで、そういうところの学力を押し上げることも大事だと思います。そういうときに、基礎基本が大事だというのは分かるのですが、学習方法について、つまり興味を持たせるためにどういう工夫があるかといったところが、意外と二重丸(◎)がないように思います。だから、この2社が選ばれている中でも、どちらがいいか余り比較できないようなものも結構あるので、なかなかこれは難しいなと思います。基礎基本を大事にすることと、学習方法が適切かというところがアンバランスなのかなという気もしました。ただ、いけないということではなくて、何かそういう傾向があると思って見ていたので、全て基礎基本のところが二重丸(◎)なのに学習方法のところが二重丸(◎)になっていないということが、少し気になりました。

指導第二課長

 学習方法のところは、その高等学校の教員の授業観というのですか、これの改善を図っていく必要があると思います。一斉型の講義形式の授業というのは、校種が上がるにつれて規模が大きくなると思います。今、中学校段階までは、割とグループ学習とかペア学習等を取り入れたり、主体的に学ばせたりというようなことで随分改善が図られてきていますので、担当課としては、そうした小学校や中学校の授業手法を高等学校の先生方も学んで、これから授業観を変えていくということを、学習指導要領の改訂に合わせて行っていかなければいけないのではないかと思っています。

井内委員長

 単に教科書うんぬんより指導を変えるということ、先生方にやり方を変えていただくということも、やはり大事かもしれません。

藤本委員

 55ページのところの、工業の学習に欠かせない分数計算、比例計算などの基礎的な学力が十分に身に付いていないという部分について、教科書選定とは直接的には関連しませんが、小・中学校の部分の基礎学力を補うために、ある程度、反復練習が必要だと思うのですが、今はどういう形で補うことをしておられますか。

指導第二課長

 教科書自体も中学校との関連を図った教科書を選定しております。数学であるとか英語であるとかは特に、それを使いながら、巻頭に中学校までに学んだことを振り返る問題がありますので、新たな単元に行くときに、その単元の始まりに中学校で学んだのはこういうことだということを振り返る問題を行った上で、高等学校で学ぶところをやっていく形の授業展開を行ったり、生徒の定着状況に応じて、個別の指導を重視したりという形で行ったりしております。

尾形委員(教育長)

 指導するための問題集を独自に作っていませんでしたか。

指導第二課長

 それは定時制では作っています。

井内委員長

 学力の底上げというのは、少し工夫が要るのかなという気がします。そのための何か良い方法があれば、是非先生方に考えていただきたい。

尾形委員(教育長)

 今、進学する生徒はどれぐらいの割合ですか。確か商業は五分五分だったと思いますが、工業はどうですか。

指導第二課長

 約70%だったかと思います。

尾形委員(教育長)

 7割が進学しているということですか。

指導第二課長

 7割が就職しています。

尾形委員(教育長)

 7割が就職、3割が進学ですね。

 できるだけ基礎基本を重視した教科書を選んでいるということが、特に数学とか国語の教科にあります。それと、工業の基礎となるのは理数系ですから、そういった面で数学も重視しないといけません。どちらにも対応できるような教科書を選んでいると言えるのでしたよね。

指導第二課長

 はい。そうです。

尾形委員(教育長)

 定時制はこれに加えて、特に学校独自の問題集を、中学校の1年生ぐらいの学習内容からずっと遡って確認できるような形のものを段階的に作っています。教科書の面でも、他の学校独自の取組と合わせてやっています。

井内委員長

 それでは定時制の話が出ましたので、次へ参りましょうか。
 広島工業高等学校の定時制です。御説明よろしくお願いします。

指導第二課長

 74ページをお開きください。様式1につきましては、御覧いただいておりますように、選定の手順が適正に行われていることを確認しております。
 続きまして、75ページの様式2を御覧ください。まず、「1 学校の特色」ですが、平成25年度に生産技術科・建設技術科を工業技術科に学科改編し、平成28年度に完成年度を迎えた単位制の高等学校です。2年次からは、機械・電気・建設の3つのコースに分かれて、生徒の興味や関心に合わせた学習となっております。また、1日の授業時間を増やして、卒業に必要な単位を修得すれば、3年間で卒業することも可能としております。二学期制を導入して学期ごとに単位認定を行うため、前期卒業も可能としております。
 「2 生徒の実態」ですが、勤労青少年や高等学校を退学して再び入学する生徒、中学校時代に不登校傾向のあった生徒など、様々な事情や背景を持った生徒が在籍しております。そのため、書くことや読むこと等の基本的な学習活動の定着が不十分な生徒や、コミュニケーションを取ることに課題がある生徒など、学び直しや他者との交流についての支援が必要な生徒も少なくありません。また、工業教育に興味を持ち、工業教科について意欲的に取り組む生徒が多く在籍している一方で、あまり興味を持たずに入学している生徒も複数在籍しているという状況でございます。
 「3 調査の観点及び視点」は、丸1から丸5の項目でございます。
 77ページを御覧ください。一番上の欄の1年生の国語総合では、第一学習社の「高等学校 改訂版 新編国語総合」を選定しております。選定理由といたしましては、大型判で活字が読みやすく、使いやすい作りとなっていること、また、読書に対する興味関心を高めるため、表紙見返しの口絵に「読書のしるべ」を掲載していることでございます。
 同じページの一番下の欄の、3年生の地理歴史の世界史Aでは、山川出版社の「現代の世界史」を選定しております。選定理由といたしましては、各章の始めにその章で学習する内容を、ポイントを絞ったわかりやすい文章で示していること、また、側注で詳しく説明を行っていることです。
 次に、79ページを御覧ください。上から2つ目の欄、1年生の公民の現代社会では、実教出版の「最新現代社会 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、社会に出てからも活用できるような知識や姿勢を示すコラム「現代社会Navi」を掲載していることでございます。
 80ページ、一番上の欄を御覧ください。1年生の数学1では、東京書籍の「改訂 新数学1」を選定しております。選定理由といたしましては、中学校での学習内容とのつながりを確認しながら学習を深めることができるよう、学び直しができる「プレリュード」を巻頭に設定していることです。
 81ページ、上から3つ目の欄を御覧ください。2年生の理科の物理基礎では、東京書籍の「改訂 新編物理基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、学習する内容について、章の冒頭にメモ欄「学習前」「学習後」を設けていること、また、基礎基本の定着を図ることができるよう、小単元ごとに例題や問による問題演習を設定していることでございます。
 次に、下から2つ目、1年生の保健体育の保健を御覧ください。第一学習社の「高等学校 改訂版 保健体育」を選定しております。選定理由といたしましては、各所に「コラム」を設けていることです。
 82ページの一番上の欄を御覧ください。3年生の芸術で書道1では、教育出版の「新編 書道1」を選定しております。選定理由といたしましては、段階や活動場面を示す写真を多用していることでございます。
 1つ飛ばして、1年生の外国語のコミュニケーション英語1では、数研出版の「Revised COMET English Communication 1」を選定しております。選定理由といたしましては、1レッスンごとの単語数を70語程度から徐々に増やすとともに、意欲を持って英文に取り組めるよう、1レッスンごとの単語数が増えるにつれて本文全体を数パートに区切って配置していることです。
 83ページの上から2つ目の欄を御覧ください。3年生の家庭基礎では、東京書籍の「家庭基礎 自立・共生・創造」を選定しております。選定理由といたしましては、小・中学校で学習した内容と高等学校で学習する内容の関連を示した「小学校、中学校の学習とのつながり」のページを設けていること、また、課題解決の道筋をフローチャートで示していることでございます。
 84ページをお開きください。上から3つ目の欄の、1年生の工業(共通)の情報技術基礎では、実教出版の「情報技術基礎 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、プログラム言語の基礎になりますBASICとC言語を章立てして掲載していることです。
 以下、85ページから95ページまで工業の教科の教科書について載せております。これについては、説明を省略させていただきます。
 96ページは選定委員会の規約でございます。こちらも適正に行われております。以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 ただ今の御説明に御質問、御意見がございましたら、お願いします。

鈴木委員

 定時制ということですので、自学、自習できるということが大事になるかと思うのですが、こういった観点で選ばれているものがありましたら教えていただければと思います。

指導第二課長

 先ほどから話題になっております数学で、80ページを御覧ください。例えば、「プレリュード」ということで説明させていただいたのですが、計算問題であれば、例題を設けて、その例題に解き方を丁寧に示していて、その後に計算問題を数問出しているということがあります。例題を見ながら問題を解いていくことで、自学できるような形にしております。

鈴木委員

 選ばれるときに書き込み式であったり、自分でできるようになっていたりということも先生方は大事にされていらっしゃるということでよろしいですか。

指導第二課長

 はい、おっしゃるとおりです。

溝部委員

 では、2点質問します。まず、83ページです。家庭科の教科書の選定です。こういう生徒の実態でしたので、基礎基本に二重丸(◎)があるものを選んでいるということで、安心しながら見ていたところですが、家庭科は、どの教科書も基礎基本に二重丸(◎)がないということがあります。これはどの教科書もそうなのかと思っているところなのですが、2社の教科書の中でどちらを選ぶかといったときには適切に選んであると思うのですが、家庭科の基礎基本が一重丸(○)ということについて御説明いただければというのが1つです。
 もう一つは、96ページです。第2条ですけれども、これまでの各学校は、選定委員会のメンバーが8人から11人ぐらいいらっしゃったと思っているのですが、ここは7人です。そのメンバーの中に、保護者が基本的にいらっしゃるということです。保護者代表という方々の意見というのは、すごく大事だと思っているのですが、年齢も経歴もいろいろな状況で入っている生徒たちの様子というのは様々なので、保護者代表がここで意見を述べるというチャンスを持つということは、大事なことだと思っています。この工業高校の保護者代表の方々が、どういう働きをしていらっしゃるか、あるいはどういうことをおっしゃっているかということが、もし分かれば教えていただけたらと思います。

指導第二課長

 まず1点目の83ページの家庭科についてですが、東京書籍の基礎基本に二重丸(◎)を付けているという理由は、そこに記してありますが、小学校と中学校のつながりのページというところで、小学校で学んだことをチェックできるようにしております。例えば、日常の食事と調理の基礎ということで食事の役割と日常の食事の大切さ、これを学んで、楽しく食事するような工夫はどんなものがあるかチェックするというような形で、これまで学んだことを振り返るということができるような形になっているので、二重丸(◎)を付けてこちらを選定したということです。したがって、東京書籍の方が小・中学校とのつながりということを重視できているので、こちらを選定しているということでございます。
 それから、保護者の代表の方に委員として入っていただいているのですが、保護者から選定委員会において、どのような意見が出たかということについては、具体的には聴取はしていないのですが、校長から聞き取ったことから言えば、教科書は大体数百円程度のものなのですが、高等学校の場合は、数多く買わなければいけませんから、金銭的なものも配慮していただきたいとか、学問的なことが必要なのですが、生活に生かせるような、あるいは体験ができるようなものを増やしてもらいたいというような意見があると聞いております。

溝部委員

 はい、ありがとうございます。
 私の質問の仕方が悪かったのですが、先ほどの質問は、82ページの質問でした。82ページではなく、83ページの家庭科のことです。東京書籍の説明は分かりました。その下の3年生の家庭科のフードデザインや調理という教科書は、基礎基本に二重丸(◎)が付いていないのですがという質問です。

指導第二課長

 こちらは、家庭科の3年生と4年生で、選択科目の中で使う教科書になっておりまして、選択する生徒としない生徒が出てくること、全ての生徒が学ぶということではないということから、学習方法や構成など、表現表記のところを主に見たという状況があるのではないかと思いますが、丸(○)印であっても、基礎基本については、詳しくしてあって、よりふさわしいという判断はしておりますので、適正に見ているのではないかと思っています。

溝部委員

 はい、分かりました。

井内委員長

 他は、いかがですか、よろしいですか。
 はい、ありがとうございました。12時を過ぎてしまいましたので、ここでお昼の休憩ということにさせていただきたいと思います。再開は13時にしたいと思いますので、お昼をゆっくり休んでいただきたいと思います。それでは13時に再開をいたします。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 (休憩)

井内委員長

 議題3の「平成29年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について」の議題を再開いたします。
 栗栖委員が所用で少し抜けられますが、後で帰って来られます。
 次の学校は、大手町商業高等学校です。
 では、説明をよろしくお願いします。

指導第二課長

 97ページをお開きください。大手町商業高等学校の様式1でございます。選定手順について、様式1ですが、適正に実施されていることを確認しております。
 98ページを御覧ください。まず、「1 学校の特色」についてですが、思いやりと豊かな心をもち、自立して生活できる社会人の育成を目指し、商業科の特徴を生かした教育課程の編成やキャリア教育の推進に努めております。特に、生徒の多様なニーズに応えるため、柔軟で弾力的な教育システムを構築して、各生徒の意欲と適性に応じた時間割編成を取り入れるなど魅力ある教育を行っております。また、基礎基本の定着を重視し、きめ細かな指導を行うことで、個性の伸張と資格取得の推進を図っております。
 「2 生徒の実態」ですが、中学校時代に不登校傾向のあった生徒や高等学校を中途退学して入学した生徒など、様々な事情や背景を持った幅広い年齢の生徒が在籍しております。そのため、義務教育段階の学習内容が十分には定着していない生徒や、コミュニケーションを取ることが苦手で集団に馴染めない生徒も少なくありません。また、卒業後、上級学校への進学を希望する生徒、就職を希望する生徒、高校卒業を目指す生徒など、進路志望が多岐にわたるため、基礎基本の定着から専門的な知識・技能の獲得まで生徒のニーズは多様でございます。
 「3 調査の観点及び視点」としましては、丸1から丸5までを定めております。
 100ページを御覧ください。まず、1年生から4年生まで使う国語の国語総合については、第一学習社の「高等学校 改訂版 新編国語総合」を選定しております。選定理由といたしましては、大型判で使用しやすい、本文の内容のポイントを整理するための脚注問やその解答欄を設けているということです。
 101ページを御覧ください。最初の欄ですが、1年生から4年生まで使用する地理歴史の世界史Aでは、実教出版の「世界史A 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、「写真ページ」を設けているということと、復習に活用できるよう、各章末に学習内容を見開き1ページにまとめていることです。
 下から2つ目の欄の、1年生から4年生まで使用する現代社会は、第一学習社の「高等学校 改訂版 新現代社会」を選定しています。選定理由といたしましては、各章の始めに特設ページを設けて、その章の学習と関連する身近な事例を写真と分かりやすい説明で示していることでございます。
 102ページの2つ目の欄を御覧ください。1年生から4年生まで使用する数学1は、実教出版の「高校数学1 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、単元ごとの導入例や課題学習に身近で具体的な題材を取り上げていることと、商業の学習に関連が図れるよう、巻末にコンピュータによるデータの分析について掲載していることでございます。
 103ページ、上から3つ目の欄を御覧ください。2年生から4年生で使用する理科の物理基礎は、東京書籍の「改訂 新編物理基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、「レベルアップドリル」や「章末確認テスト」で学習の定着を図るということ、それから、興味関心を高めることができるよう、身近なものでできる実験「ちょこラボ」を掲載していることです。
 1つ飛ばしていただいて、2年生から4年生で使用する化学基礎については、東京書籍の「改訂 新編化学基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、序編で化学と日常との関わりを示すとともに、巻末資料で身の回りの物質を利用した実験や観察「おうちラボ」を掲載していることでございます。
 次の104ページを御覧ください。1番目の欄でございますが、2年生から4年生で使用する生物基礎は、第一学習社の「高等学校 改訂 新生物基礎」を選定しています。選定理由といたしましては、各章の冒頭に「中学校の復習」「復習ドリル」を掲載していること、また、小単元ごとに振り返りの問い「Q」を、節ごとに「学習のまとめ」を掲載していることです。
 そのページの下から2つ目ですが、1年生から4年生で使用する保健体育の保健は、大修館書店の「現代高等保健体育改訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、各単元の冒頭で学習のポイントを示しているということです。
 105ページ、最初の欄を御覧ください。1年生から4年生の芸術の音楽1では、音楽之友社の「改訂版 ON!1」を選定しております。選定理由といたしましては、巻頭に8ページにわたり「音楽をはじめよう」を設けていること、また、生徒が主体的に学習できるように、側注に「メモ」「トライ」「ポイント」を設けているということです。
 2つ飛ばしていただいて、1年生から4年生の芸術の美術1では、日文の「Art and You 創造の世界へ」を選定しております。選定理由といたしましては、色相環や三原色などの色彩の基礎、明朝体やゴシック体などの文字の基礎を簡潔に掲載していることでございます。
 106ページ、上から2つ目の欄を御覧ください。1年生から4年生の外国語のコミュニケーション英語1では、三省堂の「VISTA English Communication 1 New Edition」を選定しております。選定理由といたしましては、「Get Ready!」や「ののちゃんの英文法」を設けていること、また、本文Part1のLesson3までは中学校の学習内容を復習する題材を掲載していることでございます。
 107ページ、上から2つ目の欄です。1年生から4年生の家庭科の家庭基礎では、教育図書の「家庭基礎 ともに生きる 明日をつくる」を選定しております。選定理由といたしましては、章末に身近な情報を題材とした「課題研究」を設けていることです。
 次に、下から2つ目ですが、1年生から4年生の商業のビジネス基礎では、実教出版の「ビジネス基礎 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、最新の情報を用いたグラフやコラムなどを掲載しているということです。
 108ページを御覧ください。一番下の欄の、1年生から4年生の商業の簿記では、東京法令出版の「簿記 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、章の冒頭に学習のポイントやテーマを明示しているということです。
 109ページ、下から2つ目の欄を御覧ください。1年生から4年生の商業の情報処理では、実教出版の「最新情報処理 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、章末に演習問題を設定していること、また、巻末資料には関連語句のまとめと解説を掲載していることでございます。
 以降、110ページまで、商業に関するものの選定について記載しております。
 111ページが選定委員会の規約でございます。適正に行われております。以上でございます。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。
 ただ今の御説明に御意見、御質問等はございませんでしょうか。

鈴木委員

 学校の特色と実態というところから、学習内容が十分に定着していない生徒たちに学び直しの機会を与えるということが求められているのだろうと思うのですが、それがよく表れているような設定がありましたら、教えてください。

指導第二課長

 数学の102ページになりますが、上から2つ目を説明したところでございます。選定理由のところで、単元ごとに導入例や課題学習で身近な題材を取り上げているということで、導入部分で例題をたくさん掲載して、その例題を元に問題に取り組むことができるよう設定しております。
 それから、英語を見ていただきたいと思いますが、106ページ、上から2つ目を説明させていただきましたが、基礎基本の定着ということで、「Get Ready!」というところで、中学校で学習した中身を振り返ったり、あるいは「ののちゃんの英文法」というところでも中学校で既習しているものについて学び直したりすることができるような設定をしております。

井内委員長

 印象ですが、物理基礎や化学基礎というのは、やはり余り好きな科目ではないように思うのだけれど、そこのところが、学習方法が二重丸(◎)になっていて、先ほどの御説明の中で「ちょこラボ」とか「おうちラボ」とかありましたが、とにかく興味を持たせようみたいな努力をしていることは、いいことなのかもしれないという印象を持ちました。ちょっとやってみると興味が湧くかもしれないという、そういう発想なんだろうと思います。商業科の生徒に、どうやって理科に興味を持たせるかという工夫を進めておられるという感じですね。
 よろしいですか。
 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、次の高校へ参ります。安佐北高等学校です。よろしくお願いします。

指導第二課長

 安佐北高等学校と中等教育学校はページが違いますが、同じ学校でございますので、併せて説明をさせていただきたいと思います。
 まず、112ページを御覧ください。選定手順について示してありますが、適正に行っていることを確認しております。
 次に、113ページを御覧ください。「1 学校の特色」ですが、中高一貫教育校として、生徒の個性・能力を最大限に引き出して、幅広く多様な進路への進出を実現できる活力のある学校を目指しております。中等教育学校への移管を目前としておりまして、2年生が3クラス、3年生が4クラスの計7クラスの学校で、大半は安佐北中学校からの入学生となっております。併設型の中高一貫教育校として、6年間を見通した教育活動全体の計画を策定し実践しております。学校行事や部活動など、中高で一体となって取り組んでおります。中学校段階から系統的に教育活動を進めております。また、少人数による学級編制、進路希望に沿ったカリキュラムの編成、2類型(特進クラス)の設置など、教育内容を充実させ、生徒の個性・能力を最大限に引き出し、幅広く多様な進路への進出を実現するということにつながっております。
 次に、「2 生徒の実態」でございますが、学習態度は非常に落ち着いており、授業規律も守られております。また、部活動や生徒会活動等にも意欲的であります。生徒の大半が大学進学を目指しており、難関大学を目指す生徒も、年々増えております。幅広い学力層の生徒が在籍しており、高い進路目標を持って主体的な学習に励む生徒がいる一方で、基礎的基本的な学習内容の定着に、よりきめ細やかな指導を必要とする生徒もおります。
 「3 調査の観点及び視点」につきましては、丸1から丸6まで設定をしております。
 115ページからは、学校が申請してきたものでございますが、先ほど説明いたしましたように、2年生と3年生の選定ということでございまして、例えば、115ページでありましたら、3年生は丸3とありますように、引き続き使用するという教科書がほとんどでございます。115ページは国語、116ページが国語から地理歴史でございます。そして117ページが地理、日本史、世界史Bとなっています。
 下から2つ目の公民につきまして、少し説明をさせていただきたいと思います。3年生の公民の現代社会では、実教出版の「最新現代社会 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、学んだ知識を活用して自ら課題を発見し、解決に向けて探究し表現することができるように、適宜「Study」を掲載しているということです。
 次に、119ページの数学につきましては、引き続き使用するということで、3年生のところには丸(○)印が付いております。一番下の2年生の理科の化学基礎については、数研出版の「改訂版 化学基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、単元ごとのまとめと、理解しづらい内容を重点的に説明した「Zoom」を設けていること、また、「発展」に数多くの問いを設定していることです。
 120ページの、理科の化学、生物、物理等は、引き続き授業で使用するものを中心に記載しております。
 121ページにつきましても、理科、保健体育、芸術というように記しております。
 122ページをお開きください。外国語につきましても、3年生については、引き続き使用するもの、また、2年生、3年生用と記載しております。
 一番下の2年生の情報の社会と情報につきましては、実教出版の「最新社会と情報 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、情報モラルを身に付けるということで、全ての章において、側注にモラルやセキュリティ等を解説する「ルールNAVI」や「マナーNAVI」、「モラルNAVI」を設けているということです。
 123ページが選定委員会規約でございます。
 ページが飛びますが、156ページを続けて説明させていただきたいと思います。中等教育学校でございます。様式1につきましては、先ほど説明いたしました安佐北高等学校と同じ日程で進めております。
 次に、157ページの「1 学校の特色」でございますが、平成26年度に県内初の中等教育学校として開校しております。一番下の段落にございますが、平成29年度は1期生が高校1年生として、中等教育学校の後期課程に進級するということで、今回の申請が行われるものでございます。
 「2 生徒の実態」につきましては、先ほど安佐北高等学校で説明いたしましたので省略させていただきます。「3 調査の観点及び視点」につきましても同様でございます。
 159ページを御覧ください。一番上と2つ目の段でございますけども、1年生の国語総合につきましては、第一学習社の「高等学校 改訂版 新訂国語総合 現代文編」と「高等学校 改訂版 新訂国語総合 古典編」をそれぞれ選定しております。選定理由といたしましては、表紙の見返しや巻末資料にキーパーソンやキーワードの一覧を設けていること、それから、単元に即した具体的な課題を挙げているということでございます。
 次に一番下の欄です。1年生の地理歴史の世界史Aでは、実教出版の「新版世界史A 新訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、見開きごとに資料を基にした問いを示していること、発展的な内容を扱うことが可能となるよう、適宜「特集」ページを設けていることです。
 160ページを御覧ください。1つ目の欄、1年生の数学1では、数研出版の「数学1」を選定しております。選定理由といたしましては、各章のはじめに学習事項と関連した数学史等を掲載していること、また、章末の「コラム」で本文の内容と関連深い話題を取り上げていることです。
 2つ飛ばしていただきまして、下から3つ目になりますが、1年生の理科の物理基礎では、数研出版の「改訂版 物理基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、理解しづらい内容や間違えやすい箇所を重点的に説明した「Zoom」の設定、また、探究的な学習に発展させるため、「関連実験」を設定していることです。
 その次の欄でございますが、1年生の化学基礎では、数研出版の「改訂版 化学基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、先ほどの説明と同じく、「Zoom」を設けているということです。
 一番下の欄、1年生の生物基礎は、第一学習社の「高等学校 生物基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、基礎基本の定着に加え、単元の内容をより深く学習することができるよう、章末に探究活動、章末問題、発展的なコラムを掲載していることです。
 161ページを御覧ください。最初の欄、1年生の保健では、大修館書店の「現代高等保健体育改訂版」を選定しております。選定理由といたしましては、保健編・体育編の編末に、それぞれ用語解説の資料を設けていることです。
 2つ目の欄ですが、1年生の芸術の音楽1では、教育出版の「音楽1改訂版 Tutti」を選定しております。選定理由といたしましては、巻末に楽典、西洋音楽のジャンル、楽器配置例、音楽史など、多様な情報を掲載していること、また、言語活動により音楽鑑賞を深めることができるよう、楽曲の批評文の書き方を示した「言葉で伝えよう」を設けていることでございます。
 その下の欄でございますが、1年生の美術1では、日文の「高校美術1」を選定しております。選定理由といたしましては、考えたり、話し合ったりする言語活動ができるよう、「石器とスマートフォン」、「金剛力士立像とダヴィデ像」、「抽象画と具象画」などを左右のページに対比して示しております。
 その下の欄になりますが、書道の1では、東京書籍の「書道1」を選定しております。選定理由といたしましては、振り返りができるよう、題材ごとの側注に自己評価の要点を示していることです。
 その下の欄ですが、1年生の外国語のコミュニケーション英語1では、三省堂の「CROWN English Communication 1 New Edition」を選定しております。選定理由といたしましては、レッスン課末ごとの「Your Reaction」において、読んだ内容をもとに自分の意見を理由とともに述べたり、読んだ内容に関する英文を聞いて話し合ったりする言語活動を設定していることでございます。
 162ページを御覧ください。2つ目の欄ですが、1年生の家庭基礎では、第一学習社の「高等学校 新版 家庭基礎 ともに生きる・持続可能な未来をつくる」を選定しております。選定理由といたしましては、巻末資料に「暮らしとかかわる法律」を設け、学習した内容に関連する法律と学習したページを示していることです。
 163ページの選定委員会規約は、先ほど説明したとおりでございます。以上が安佐北高等学校と広島中等教育学校でございます。

井内委員長

 御説明ありがとうございました。
 安佐北高校と中等教育学校、2つ説明していただきました。
 ただ今の説明に何か御質問、御意見がございましたら、お願いします。

栗栖委員

 中等教育学校については、来年度から1期生が入学ということですが、来年度入学する方の教科書選定ということで、調査員や選定委員は、具体的にはどんな方を選定・選任されているのでしょうか。

指導第二課長

 まず、調査員につきましては、他の学校と同じように各教科の教員になります。

栗栖委員

 中等教育学校の後期課程の先生ということですね。

指導第二課長

 中等教育学校はそうです。前期課程の先生と一緒にということになります。

栗栖委員

 一緒に。

指導第二課長

 はい。

溝部委員

 安佐北高等学校の2年、3年の教科書は、中等教育学校では1年生の教科書ということでいいのですか。

指導第二課長

 はい。

溝部委員

 先生方は同じ方なのだろうと思うのですが、安佐北高校と中等教育学校では、恐らく教育課程やカリキュラムの編成が異なっているのではないかと想定しております。そうすると、この中等教育学校の1年生の教科書として選定した教科書は、安佐北高等学校の彼らが1年生だったときの教科書とは異なったものが選ばれているのでしょうか、それとも、同じものが選ばれているのでしょうかという問いです。

指導第二課長

 国語総合については、昨年度と同じものですが、教科書会社が改訂しておりますので、その改訂版を使用しております。地理歴史については、地理Aでは昨年度は山川出版社を1年生は使っているのですが、今回は実教出版ということで変わっております。160ページ、数学1については、昨年度は数研出版ですが、今年度も同じものでございます。理科の物理基礎については、昨年度は数研出版で、今年度も同じものですが、これは教科書会社が改訂しておりまして、新しい教科書ということであります。化学基礎については、昨年度、数研出版、今年度も数研出版ですが、こちらも教科書会社が改訂しておりますので、新しい教科書になります。生物については、昨年度は第一学習社、今年度も同じ教科書です。保健体育については、昨年度も本年度も大修館書店ですが、これは今年度、改訂されていますので、新しい教科書になります。音楽については昨年度が音楽之友社ですが、本年度は教育出版ということで、これは違う新たな教科書ということで変わっております。美術については、昨年度と同じ日文、同じ教科書です。書道については、昨年度と同じ教科書でございます。外国語については、英語表現1で、昨年度が啓林館、本年度が数研出版で、これは違う教科書になります。家庭科については、昨年度は第一学習社、今年度は第一学習社ですが、これは改訂されておりますので、新しい教科書ということで、各教科、様々です。

溝部委員

 教育課程が違うということは、教科書もまた違うところがあるだろうと推測するのですが、先生方は同じということなので、この選定委員会の中で、何か意図を持って教科書を変えてみたということだと理解しています。中等教育学校の在り方というのは、今後、どんどん考えていく必要があろうかと思います。また、検討課題にしていただけたらと思います。

指導第二課長

 分かりました。

井内委員長

 他はどうですか。

鈴木委員

 安佐北高等学校も中等教育学校も、生徒の実態においては同じように、片方では大学進学という発展的な内容とする必要があり、一方ではきめ細やかに個人対応する必要があるということだと思いますが、今回も「発展的な内容の充実」という6点目の観点が入っているということから、教科書の中に両方が含まれているものが選ばれているのかなと思います。その点について、例えば、どこかの例を挙げていただいて、基礎基本でここを押さえ、発展的な内容としてこういう使い方をしようと考えている、というようなことがありましたら教えてください。

指導第二課長

 数学が分かりやすいかと思うのですが、118ページの上から3つ目の欄の、2年生で使用する数学3の選定理由のところを見ていただけますでしょうか。
 まず、2年生段階の数学3ということで、数学の学習内容的には一番難しいということになるのですが、学習内容が定着できているかを確認できるように、節末問題に参考となる問題番号を付していて、本文と関連付けてその学習ができるようにしているということで、基礎基本の徹底としています。それから、章末問題は、その章の復習問題をAとして、さらに総合的な問題に取り組もうという発展的学習に取り組むということで、そういう問題はBとして分類をしているので、生徒の学習実態や定着状態によって、力を入れて学習できる、自学ができるように、授業の合間でも使えるようにということで、そういうものを選んでいます。

藤本委員

 結論ですが、生徒の実態にばらつきがあり、難関大学を目指す生徒もいれば、きめ細やかな指導が必要な生徒もいるということで、これは中学校入学の時の適性検査の中では、学力の平均化というのがなかなか難しいのですか。

指導第二課長

 学力調査をしていないという関係で、必ずしも学力が確実に定着している児童が進学してくるわけではなく、様々な特性を持った生徒を幅広く適性を見ながら受け入れているということから、小学校で十分に学習が定着できていなかった者が含まれておりますので、中学校段階から確実に学び直しを含めた学習をしながら行っていかなければいけないという実態はあると思います。

藤本委員

 その適性検査では、学力の平準化を目的にしていないということですか。

指導第二課長

 はい。

藤本委員

 そういった生徒の実態のばらつきがある中で、先生の指導というのはとても難しいと思ったので、鈴木委員と同じようなことを質問したいと思いました。先ほど言われた数学の教科書ですが、基町高校や舟入高校も同じ教科書を選んでいますよね。基町、舟入高校については、高校入試のときに学力が平準化されていると思うのですが、安佐北の中等教育学校では、同じ教科書を使いながらも、そういったばらつきのある中での指導というのは何か検討しておられるのですか。

指導第二課長

 安佐北高等学校では、少人数指導を充実させるということで、数学や英語などは1クラスを2展開ということにしていると伺っております。そこで、個々の習熟度に応じた指導ができるということで進めておりますので、一斉授業よりは、より丁寧に生徒の定着状況を見ながら、それに応じた個別の指導が充実できるように取り組んでいる状況でございます。

尾形委員(教育長)

 安佐北高校と中等教育学校は、どちらも6年間の一貫した教育をしようということは同じです。ただ、中等教育学校は、高校からの入学者をもう採らないということ、中学校3年間が3学級で、高校になっても同じ状況で、6年間を通すということですから、正に6年間変わらずに、ずっと進級してくるという形になります。そうすると、中等教育学校の中で、例えば、英語のところに注目して、グローバル人材の育成を6年間かけてやろうという、これが安佐北高校ではできないものをやるということで、特に教科書では英語は大きく変わってきます。中等教育学校では、舟入高校の国際コミュニケーションコースで使っている教科書を使っていく形で、そういったところへ重点を置きながらというのが安佐北高校との違い、この中等教育学校らしい面の一つとして見てとれるということですね。そこはしっかり考えられているということです。
 それから、もう一つは、今、御指摘があったように、基礎基本が身に付いていない子どもが見受けられるというのが、非常に気になった表現なので、そこのところを中等教育学校では6年間ずっと変わらない状況ですから、今後、どういうふうにその子たちに配慮し指導していくかということがあります。特に中学校1年生の段階で適性検査を受けて、他の中学校とは違って、その辺りの心理的な面を十分配慮しながら、きめ細かな指導をしていくということで、ここにある教科書を使いながらの指導が、一番求められている部分ではないかと私は思いますので、ここのところは学校にも十分にお願いしたいと思います。

井内委員長

 今の話の続きで、コミュニケーション英語1の教科書の発展のところが一つ丸(○)なんですよね。ちょっと物足りないのかなと思います。選定してあるコミュニケーション英語2も一つ丸(○)ですかね。もし、レベルの高いものを求めるとすれば、二重丸(◎)である方がいいのではないかという気はしましたが、選ばれた教科書がそういうものしかなければ仕方ないことです。つまり、先生たちが求めるものとのずれが、まだ少しあるのかもしれませんね。
 よろしいですか。では次へ参りましょう。
 次は沼田高等学校です。

指導第二課長

 124ページをお開きください。まず、選定手順につきましては、適正に行われていることを確認しております。
 125ページを御覧ください。まず、「1 学校の特色」ですが、普通科普通、体育コースを設置しております。3行目になりますが、学力向上、競技力向上に積極的に取り組んでおりまして、学習活動と、部活動や生徒会活動等の自主的な活動との両立を目指した教育活動の実践が行われております。普通科普通では、生徒の学ぶ意欲を高め、課題の解決に粘り強く努力する態度を育てることにより、学力の向上を図るとともに、他人を思いやり協働できる生徒の育成を目指しております。体育コースでは、競技力の向上だけでなく、将来の指導者に必要な豊かな感性と創造性を持った人材を育成することを目指しております。
 次に、「2 生徒の実態」ですが、普通科普通の生徒は、安佐南区の中学校から入学してくる生徒が全体の77%となっております。生徒のほとんどが進学希望で、生徒の30%から40%が国公立大学を志望し、40%から50%程度が私立大学や短期大学を希望しております。在籍生徒は、国公立大学を目指す生徒から基礎基本の定着を必要とする生徒まで、幅広い学力層の生徒が在籍しています。体育コースの生徒は、県内全域から入学し、その約半数が寮で生活を送っております。生徒のほとんどが進学希望で、70%から80%が四年制大学あるいは短期大学への進学を希望しております。学力層が幅広く、基礎基本の定着に向けて、きめ細かな指導が必要な生徒も多くいるという実態でございます。「3 調査の観点及び視点」については、丸1から丸5まで定めております。
 127ページを御覧ください。まず、一番上の欄でございますが、1年生の国語総合では、第一学習社の「高等学校 改訂版 国語総合」を選定しております。選定理由といたしましては、各教材に関連した言語文化について解説するコラムを適宜設定していることでございます。
 次に、128ページの上から2つ目の欄を御覧ください。2年生の地理歴史の世界史Aでは、第一学習社の「高等学校 改訂版 世界史A」を選定しております。選定理由といたしましては、見開きごとに資料を見る視点を示し関心を高め、その上で学習課題を示していること、また、見開きページごとに、インデックスで学習する地域を、ページ右下に日本の年表を示していることです。129ページには、続いて日本史と地理を示しております。
 130ページを御覧ください。最初の欄ですが、1年生の公民の現代社会では、第一学習社の「高等学校 改訂版 現代社会」を選定しております。選定理由といたしましては、課題を取り上げて考察ができるよう、各節の冒頭に「ポイント」を設け、学習項目のねらいを端的に示していることです。
 そのページの一番下の欄、1年生の数学1ですが、数研出版の「改訂版 高等学校 数学1」を選定しております。選定理由といたしましては、スムーズに高校で学習する内容に取り組めるよう、中学校で学習した基本事項を巻末に設けていること、また、章末問題は、その章の復習問題をAとし、総合的な問題をBと分類して示していることです。
 次の131、132ページにかけて数学が続いております。
 133ページを御覧ください。上から2つ目の欄ですが、2年生の理科の物理基礎では、第一学習社の「高等学校 改訂 新物理基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、各単元の上に「めあて」を明示していること、「ドリル」や章末のまとめを設定していることです。
 1つ飛ばしていただいた欄で、理科の化学基礎では、東京書籍の「改訂 新編化学基礎」を選定しています。選定理由といたしましては、章のはじめに「学習の課題」を明示していること、「探究活動の手引き」に手順や留意事項を数多く掲載していることでございます。
 134ページを御覧ください。上から2つ目の欄ですが、2年生の理科の生物基礎は、数研出版の「改訂版 生物基礎」を選定しています。選定理由といたしましては、「整理の問題」を設けていること、生活や既習事項と関連して考察する「思考学習」や「発展」を設けていることでございます。
 135ページの上から3つ目の欄を御覧ください。1年生の保健体育の保健では、大修館書店の「最新高等保健体育改訂版」を選定しています。選定理由といたしましては、学習した知識を活用して解決する課題や主体的な学習を促す課題を適宜設定している点でございます。
 1つ飛ばしていただいて、1年生の芸術の音楽1では、教育芸術社の「高校生の音楽1」を選定しています。選定理由といたしましては、「ポイント」や「ステップ」で具体的な学習活動を示し、鑑賞では、具体的なイメージが持てるよう写真やイラストを配置していることでございます。
 136ページの上から2つ目の欄を御覧ください。1年生の芸術の美術1では、日文の「高校生の美術1」を選定しています。選定理由といたしましては、題材ごとに著名な作家の作品、技法、制作過程を掲載し、巻末に基本的な技法を写真とともに詳細に掲載しております。
 次に、そのページの下から2つ目ですが、芸術の書道1では、教育図書の「書1」を選定しています。選定理由といたしましては、単元ごとの終末に学習した内容に関連する「コラム」や「作品鑑賞の部屋 みる・くらべる」を設けていることです。
 137ページの下から2つ目の欄です。1年生の外国語のコミュニケーション英語1では、数研出版の「NEW ONE WORLD Communication I Revised Edition」を選定しています。選定理由といたしましては、生徒の興味関心を高めるよう、レッスンの課末ごとに「Let′s TRY!」や「Chanllenge!」に「発表しよう」や「紹介しよう」などの言語活動を設定していることでございます。
 138ページの一番下の欄を御覧ください。1年生の家庭基礎では、第一学習社の「高等学校 新版 家庭基礎 ともに生きる・持続可能な未来をつくる」を選定しています。選定理由といたしましては、章の冒頭に各章に関連する「写真特集」を設けていることです。
 139ページの下から2つ目の欄を御覧ください。1年生の情報の社会と情報では、第一学習社の「高等学校 改訂版 社会と情報」を選定しています。選定理由といたしましては、各章の終わりに章末実習を設けていること、第5章で総合実習を設けていること、さらに、巻末資料で文書作成や表計算、プレゼンテーション等のソフトウェアの使い方や著作権等の法律を示していることでございます。
 140ページは選定委員会の規約でございますが、適正に行われております。以上でございます。

井内委員長

 はい、ありがとうございました。
 ただ今の御説明に御質問、御意見等ございますか。

鈴木委員

 今の御説明を聞いていると、特徴として、興味関心を引き出すということを、学校として重視されているとちょっと思ったのですが、それは生徒の実態から考えたときに、まず興味関心を引き出すことから粘り強い学習につながる、という考えで選ばれていらっしゃるということでいいですか。

指導第二課長

 はい。おっしゃるとおりです。
 やはり生徒の学ぶ意欲を喚起していこうということから、選定しているということです。

鈴木委員

 これまでの御指導の中で、まず興味関心があることから始めた方が、この学校の生徒に合っているという、共通の理解をされているということですか。

指導第二課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 例えば今、保健体育は大修館書店のものを使っていますが、体育コースになったら多少扱いが違うということがあるのですか。

指導第二課長

 体育コースは、実技が中心になります。教科書を使う学習というよりは実技がメインですね。

尾形委員(教育長)

 教科書を教室で使うということは余りなく、実技中心ということですか。

指導第二課長

 実技中心です。

井内委員長

 今の体育コースは、目標のところに指導者の育成とか書いてありますよね。そうすると、実技ももちろんですが、例えばコーチングであるとか、いろいろな意味で体育の指導者になったときに必要とされる、理論的なところの知識みたいなものがあるのではないかと思って見ていたら、ありませんでした。これは、今のところ適切な教科書ではないような捉え方なのですか。

指導第二課長

 それは、教科書の中にもそういった記載をしているところもありますが、副教材等でそれを補うという形になりますね。

井内委員長

 そのような教材があるということですね。

指導第二課長

 おっしゃるとおり、体育コースの全員が、スポーツ選手としてトップレベルで活躍できるということもありませんので、やはり将来的には上級の学校に行って、地域の指導者として人材育成に携わっていくという形になることからすれば、スポーツライフの在り方であるとか、コーチングの在り方といった、人材育成についても重きを置いていこうということで、学校は取り組んでおります。

井内委員長

 教材があるのであれば、それを応用されて、またいいものができていくのかもしれません。

指導第二課長

 はい。

井内委員長

 普通科の生徒が受ける体育とは、また違う部分があってもいいのではないかと思います。
 よろしいですか。それでは、次に参りましょう。
 美鈴が丘高等学校です。お願いします。

指導第二課長

 141ページをお開きください。まず、様式1の選定手順につきましては、御覧のとおり適切に行われております。
 次に、142ページをお開きください。「1 学校の特色」ですが、佐伯区美鈴が丘団地の中に位置する全日制普通科高校で、1・2学年が6クラス、3学年が7クラスの計19クラスの中規模校です。校訓の「進取・友愛・節度」に示すように、問題意識を持って創造的な発想をし、主体的に考えて行動でき達成感を持てる人間、家族や友人を信頼し、大切にするということ、それから、多様な人間と協働して課題解決に取り組むことができるという、そういう人材の育成を目指しております。
 魅力ある高校づくりとして、少人数・習熟度別授業、中高連携、学習合宿など多方面の取組を行っております。また、部活動やボランティア活動なども活発に行っております。進路指導におきましては、生徒の希望する進路の実現に向けて進路ガイダンスを実施するなど学校全体として取り組み、進路実績も伸ばしてきております。
 次に、「2 生徒の実態」ですが、先ほど御説明いたしましたように、佐伯区の美鈴が丘団地周辺から来るという地元出身の生徒が多く、在校生の多くが佐伯区、西区の在住者でございます。地元地域以外からは、本校の教育方針に魅力を感じて入学を希望する生徒以外にも、部活動を目的に希望してくるという生徒もおります。学力層は幅広く、難関大学を目指す生徒から基礎基本の定着を必要とする生徒まで多岐にわたっております。ほとんどの生徒が進学を希望し、就職する生徒は例年数名でございます。毎年、30人前後が国公立大学に進学し、広島市内の私立大学・短大への進学者が最も多い状況となっております。学習に対する向上心を持つ生徒が多く、部活動やボランティア活動にも熱心に取り組んでおります。「3 調査の観点及び視点」につきましては、丸1から丸5まで設定しております。
 144ページを御覧ください。まず、最初の欄でございます。1年生の国語総合では、数研出版の「改訂版 高等学校 国語総合」を選定しております。選定理由といたしましては、教材に関連したテーマの理解を深めるコラムを設けていること、また、課題解決的な学習を行うことができるよう、脚注問や教材末の設問を数多く設定していることです。
 そのページの一番下の欄の、2年生の地理歴史の世界史Aでは、帝国書院の「明解 世界史A」を選定しております。選定理由といたしましては、特設ページ「明解!近現代史」を適宜設けていること、また、探究的な学習に取り組めるよう、単元「持続可能な社会への展望」で、具体的な事例を複数示していることです。
 146ページを御覧ください。下から2つ目の欄です。1年生の公民の現代社会では、清水書院の「高等学校 新現代社会 新訂版」を選定しています。選定理由といたしましては、単元の冒頭に「Question」を設け、学習のポイントを示していること、テーマについて考察することができるよう、特設ページ「○○について考えよう」を適宜設けていることです。
 147ページを御覧ください。上から2つ目の欄ですが、1年生の数学1では、数研出版の「改訂版 高等学校 数学1」を選定しています。選定理由といたしましては、巻末に中学校で学習した基本事項を設けていること、また、内容に関連した「コラム」を取り上げていることでございます。
 148ページ、上から4つ目の欄になります。2年生の理科の物理基礎では、東京書籍の「改訂 物理基礎」を選定しています。選定理由といたしましては、中学校の学習内容の復習や「特集」を掲載していること、また、言語活動の充実に向け、各節の冒頭に学習内容に関する問いを設定していることです。
 次に、一番下の欄ですが、1年生の理科の化学基礎では、数研出版の「改訂版 新編 化学基礎」を選定しています。選定理由といたしましては、章の冒頭の「復習」で中学校までの学習内容を確認できるよう整理していること、また、本文の内容を整理した「Check&Go」を設けていることでございます。
 149ページ、3つ目の欄を御覧ください。2年生の理科の生物基礎では、数研出版の「改訂版 生物基礎」を選定しております。選定理由といたしましては、科学的な理解が深まるよう、「発展」を掲載していること、また、巻末に「生物図鑑」を掲載していることでございます。
 150ページ、上から3つ目の欄を御覧ください。1年生の保健体育の保健では、大修館書店の「現代高等保健体育改訂版」を選定しています。選定理由といたしましては、生徒の興味関心を高めるとともに、言語活動を充実させることができるよう、「健康にかかわる行動を考えてみよう」「マイスポーツライフの設計」などを設けていることでございます。
 次に下から2つ目の欄を御覧ください。1年生の芸術の音楽1では、教育出版の「音楽1改訂版 Tutti」を選定しています。選定理由といたしましては、譜面を見開きで大きく掲載していること、また、演奏や鑑賞のポイントをイラストや写真で詳しく説明していることです。
 151ページの最初の欄を御覧ください。1年生の芸術の美術1では、光村図書の「美術1」を選定しています。選定理由といたしましては、題材ごとに冒頭に「目標マーク」を付けて、各題材で付けたい力を示していること、また、生徒が発想の参考とすることができるよう、「制作ノートマーク」を付け、題材の関連情報を掲載していることです。
 次に3つ目の欄で、1年生の芸術の書道1では、教育図書の「書1」を選定しています。選定理由といたしましては、「作品鑑賞の部屋・みる・くらべる」で意見を交換したり、考えや発想を共有したりする言語活動を設定していることでございます。
 152ページを御覧ください。下から2つ目の欄です。1年生の外国語のコミュニケーション英語1では、桐原書店の「WORLD TREK English Communication 1 New Edition」を選定しています。選定理由といたしましては、4技能のバランスのとれた英語力の育成を図ることができるよう、「Communication Task」に読んだことや聞いたことをもとに自分の意見を発表したり、説明する言語活動を設定していることです。
 153ページの一番下の欄を御覧ください。1年生の家庭基礎では、実教出版の「新家庭基礎 パートナーシップでつくる未来」を選定しています。選定理由といたしましては、各節の冒頭に授業の動機づけとなる問いを設定していることです。
 次に154ページ、最後の欄になります。1年生の情報の社会と情報では、数研出版の「社会と情報 Next」を選定しています。選定理由といたしましては、実習を通じて体験的に理解できるよう、各章の終わりに「実習」を取り上げていること、巻末にソフトウェアの使い方やレポート作成の手順、著作権に関する資料等を掲載していることでございます。
 155ページは選定委員会の規約でございますが、適正に行っております。以上でございます。

井内委員長

 ありがとうございました。
 今の御説明に何か御質問、御意見がございましたら、お願いします。

溝部委員

 美鈴が丘高校の話ではないのですが、4ページをお願いします。
 各学校が選んでいる申請点数のことですが、同じ高校の普通科の間でも点数に十何点の開きがあったりします。それはどういうふうに考えたらいいですか。

指導第二課長

 これは必履修科目に加えて、学校設定科目を各高校が設けます。その設定科目が多ければ申請点数が多くなってくるという形になります。

溝部委員

 この設定科目というのは、幾つ以上でなければならないというようなことはないのですか。

指導第二課長

 はい、ありません。

溝部委員

 ないのですね。分かりました。

鈴木委員

 全体的に見たところ、話し合いをするようなもの、何か自分が意見を発表するとか、自分の考えを述べるということが多かったように思ったのですが、それは学校の特色である少人数授業とかの関係で、自分の意見が言えるような子どもを育てたいということから、選ばれているのでしょうか。それとも教科によっては基礎基本を主としたり、また、教科によっては少人数で意見が言えるようなものを選ぶといったようなことをされているのか、教えていただければと思います。

指導第二課長

 昨年度から美鈴が丘高等学校と広島商業高等学校を、学力向上の指定校ということで、実践研究を続けております。そうした中で、授業改善ということを進めていただいているのですが、その実践研究の場で、一緒に研修をしようということで、市立の全高校から教員が参加しています。それから、その実践研究をする中で、文部科学省の調査官や、他県で今話題になっている、アクティブラーニングを実践された先生に来ていただいて、模擬授業等を行っていただいて、それを全高校の教員が見るというような形があります。そういうことから、先ほど説明いたしました、講義調の授業から授業改善を進めて、話し合いをする中で協働しながら学力というものをある程度付けていこう、というような形を進めてきておりますので、そうしたことが浸透してきているのではないかと思います。

溝部委員

 授業、見に行きましたよね。

指導第二課長

 はい、見ていただきました。

尾形委員(教育長)

 今、豊かで深い学びを目指そうということで、対話的な学び、主体的な学び、問題解決的な学び、その中で、特に対話的な学びを進めています。高等学校は、今は美鈴が丘と商業高校を指定しています。
 美鈴が丘高校もこういう状況ですから、恐らく教科書選定するときに、そういう観点でも選んできており、統一的なものとなっているかと思います。

鈴木委員

 分かりました。

井内委員長

 他はよろしいですか。

指導第二課長

 先ほど、溝部委員から御質問があった、舟入高等学校の国際コミュニケーションコースについてですが、37ページをお開きいただけたらと思います。
 国際コミュニケーションコースとして選定している教科書は、上から2つ目でございます。英語理解と次の欄の時事英語の第一学習社のものと、その次の英語演習の数研出版のものの、3点が国際コミュニケーションコース独自の教科書となっています。ちなみに、普通科普通と国際コミュニケーションの英語の単位数は、約10単位ほど国際コミュニケーションコースの方が英語の時間が多くなっているという状況です。

溝部委員

 普通科の英語の教科書に加えて、この3つが使われるということですか。

指導第二課長

 はい、そうです。

溝部委員

 分かりました。

井内委員長

 こういう教科のための教科書というのは、たくさんあるのですか。これは、去年も使っているから、学年に丸(○)が付いていますが、知識として教えてもらいたいのですが、国際コミュニケーションコースというのは、このような英語理解、時事英語、英語演習など、そうたくさん作れるわけではないと思います。多種類の教科書があるのでしょうか。

指導第二課長

 教科書の種類は、一般図書という形であります。

井内委員長

 時事英語などは、一般図書として扱われている本を教科書として使っているという理解ですか。
 どういう選び方をしてもいいのですね。

尾形委員(教育長)

 今回は、一般図書からの採択はないですよね。

指導第二課長

 はい。

尾形委員(教育長)

 一般図書から選定する場合も当然あります。今までも実際にありました。

井内委員長

 あったのですね。

尾形委員(教育長)

 英語ではないですよね。

指導第二課長

 はい。

井内委員長

 このように特異なコースの場合は、一般図書からの選定があってもいいということですか。

尾形委員(教育長)

 選定することは、可能な状況です。

井内委員長

 やはり、一般図書の場合もいいものがあると思います。
 それでは、一通り各学校を見てまいりましたので、ここで全体を通して御質問、もう一度振り返ってみての確認でも結構です。

栗栖委員

 全部で3点ほどあります。1点目ですが、6月8日からこの説明会がスタートしまして、今日に至るまでの教科書選定に関しまして、本当にたくさんある教科書の中から自校に合ったものを選んでいくということで、校長先生をはじめ調査員の方、選定委員の方が相当な御努力をされたことだろうと思います。また、先日もここに書いてあります選定理由、今日はポイントの御説明だったのですが、先日、課長が事細かく、丁寧に、このような違いがあるとか、実際の教科書を御提示いただきながら説明をいただいて、私自身も数多くある教科書の具体的な違いというのを、しっかり理解できたつもりでございます。その中で、今回それぞれの方が自校の実態に応じた教科書を選定いただいたということで、今日の説明も含めてこの答申といいますか、選定結果を、私は尊重したいと思います。今回のこの教科書については、これでよろしいかと思います。
 2点目が、今年はこのように慎重にやろうということで、いろいろと丁寧に、指導主事の方と中身を見られたということですが、その過程の中で、例えば、来年度もまたこういった形で高校の教科書の選定というのがあると思うのですが、来年度に向けた改善点など、例えば、来年度はこうしたらいいとか、そういった課題のようなものがもしあれば、教えていただきたいと思います。
 最後に3点目ですが、高校も普通校、商業高校、工業高校とあって、特に商業高校、工業高校というのは、大変専門性が高い学校だと思います。なおかつ、今朝ほどの教職員の異動のことでもありましたが、例えば5年以上勤務する先生などは、恐らく工業高校の先生や商業高校の先生が多いのではないかと思います。そうすると、先ほど少し御意見があったと思いますが、例えば、工業高校は広島市では1つしかないので、その教科書についての他の工業高校での使い勝手というような、特に専門性が高いところについては、何か情報収集ができる部分を設けられたら、もっと教科書選定に幅が出てくるのではないかという印象を持ちました。
 市立の商業高校の先生と県立の商業高校の先生による、会計などの商業関係の勉強をする勉強会のようなものがありまして、先日も、銀行協会の手形講座の勉強に来られていました。メンバーを見させていただきましたが、市商の先生、広商の先生、大手町商業の先生、尾道商業とかという、県内の各商業高校の先生が集まって、いろいろ勉強会をされています。私は大変すばらしい取組だなという印象を持ちました。恐らく、工業高校もそのような勉強会があるのではないかと思いますので、そういう勉強会を通じて、例えば、自分の使っている教科書はどうなのだろうかとか、そういう情報交換を持っていただいて、来年度以降、教科書選定をする際の参考にされると、もっと幅広い観点や視野で自校の実態に応じた教科書選定が可能になるのではないかという印象を持ちましたので、その辺りも、是非御検討いただければと思います。以上でございます。

指導第二課長

 まず、来年度に向けた改善点ということですが、今年度は、これまで以上に丁寧に行ってまいりました。各学校では、恐らくこういったことはなかったでしょうが、もし調査研究を十分にせずに、今まで使っていたからそれを継続して使おうという状況があったとすれば、今回、国の指導によって改善することができておりますので、継続して行っていきたいと思っています。ただ、高等学校の場合は、これを毎年採択していきますので、生徒に使用するものですから、当然、丁寧に見ていかなければいけないのですが、膨大な時間をかけて行っていくことになります。この方法については、適切な時間で適切にできる形にするにはどういうふうにしていったら良いか、学校とよく調整して、引き続き改善を図っていかなければいけないと思っています。
 それから、2点目の特に専門高校における他校との情報交換ということですが、御指摘があったように、市立の高校は商業高校が2校、工業に至っては1校しかございません。そうしたことから、市内高校の専門学科に関わることについては、なかなか自校だけでは、いわゆる、井の中の蛙的になってはいけませんので、ここのところは、毎年、全国的な工業高校の研究大会などがございますので、そういう機会に勉強するなど、勉強できる機会をなるべく設けることができるようにするということ、それから、先進校の取組に学ぶということで、先進校視察をできる予算措置を行うなどというようなこと、あるいは、県内にも工業高校、商業高校がございますので、今も連携は各々図ってはいるのですが、それをより一層、使用する教科書に関する視点を持って実践交流するよう、高校に指導助言をしていきたいと思います。

栗栖委員

 是非よろしくお願いしたいと思います。

井内委員長

 他に何かございますか。

溝部委員

 感想です。10校の高等学校でいろいろと努力されているということがよく分かりました。その中で評価の観点及び視点という、6項目、あるいは5項目がありますが、その項目の中で、「発展的な内容」を取り入れている学校が、この10校のうち、基町高校、安佐北高校、それから広島中等教育学校しかありません。発展的な学習というのは、指導要領上でも、今後も求められていくものであるので、この項目があったら、それは教科書として難しいものというところがあるかもしれませんが、この観点をどのように教科書の選定の中に取り入れて、子どもたちをより育てていくかというところも、各学校で考えていただけたらありがたいなと思いました。以上です。

指導第二課長

 分かりました。

井内委員長

 他はよろしいですか。
 それでは、採択に移りたいと思います。
 議案第43号、「平成29年度使用広島市立高等学校・中等教育学校(後期課程)用教科用図書の採択について」、原案どおり可決することに、御異議ございませんでしょうか。
 (異議なし)
 それでは御異議なしと認めまして、本件は、原案どおり可決することに決定いたしました。どうもありがとうございました。
 大変長時間にわたっていささかお疲れの御様子でございますが、以上で、予定されておりました議題は全て終了でございます。
 これで、本日の教育委員会議を終了いたします。
 次回の教育委員会議は、10月21日(金曜日)の午後1時30分からを予定しております。よろしくお願いします。

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