市長コラム 忙中有閑/第44回
広島市長 松井一實
市長コラム 忙中有閑(ぼうちゅうゆうかん)
平和の思いをのせたメロディが響くまち
朝夕の気温が下がり、日ごとに秋めいてきました。今年の夏もまた猛暑に見舞われ、秋の訪れが待ち遠しかった人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、来月11月は「平和文化月間」です。音楽・文学・美術そしてスポーツなどを通じて交流を深める中で、「国際情勢がいかにあろうと全市民が善意を基に一つの理想(人類の安全と福祉)のために力を尽くすことが平和につながる」という思いを共有する文化を大切にし、そうした文化が社会に根付くよう、さまざまな取り組みを集中的に実施していくための月間です。
「市民平和文化イベント」もその一つで、これは平和活動に取り組む市民団体などが主体となって、音楽や演劇のステージ・展示発表を行っているものです。例年、私も参加し、若い世代の活躍に刺激を受け、頼もしく感じています。
その他にも、市内に住む外国人と楽しみながら外国文化に触れる「国際フェスタ」や期間中のイベントを巡るデジタルスタンプラリーなど、今年も数多くの催しが行われる予定です(特集ページ参照)。一昨年からは、広島広域都市圏内の市町にも輪を広げ、圏域内での市民の参加や相互交流を促す取り組みを開始しました。
今後、こうした市民による活動が平和首長会議の世界中の加盟都市でも行われるようにしていきたいと考えています。
ところで、皆さんは、「ひろしま平和の歌」をご存じでしょうか。現在、アストラムラインやバスセンター、JR広島駅、紙屋町シャレオなどのホームや通路で毎日数回、オルゴール調のメロディを流し、広島駅南口地下広場では、合唱の動画を放映しているので、曲名は知らなくても、そのメロディに聞き覚えがある人も多いはずです。
この「ひろしま平和の歌」は、昭和22(1947)年8月6日に開催された第1回平和祭で歌われたものであり、今日の平和記念式典に歌い継がれています。苦しみやつらさを超えた市民の平和への願いが込められたもので、広島市にとって特別な意味を持っています。
今後、「ひろしま平和の歌」が放送される場所を増やし、より多くの皆さんがこのメロディを耳にすることができるようにしていく予定です。
♪ 雲白く たなびくところ … … いまわれら 手を差し伸べて その睦(むつみ) ここに歌わん ♪
このメロディを耳にしたときには、先人による平和のための決意を思い起こしてもらいたいものです。
Youtube「ひろしま平和の歌」
◆問い合わせ先:広報課(電話504-2116、ファクス504-2067)