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広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ令和3年7月1日号トップページ区版佐伯区 > 植物公園バックヤードだより11.最終回

植物公園バックヤードだより11.最終回
不思議なキノコ「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」

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園内で発生したクモタケ

 冬虫夏草は、生きた昆虫類に寄生して、宿主の体内から奪った養分で成長するという、独特な生態を持つキノコです。“漢方薬に用いられる希少な高級品”というイメージがあるかもしれませんが、それはごく一部の種類です。世界では500種以上が確認されており、湿度が高い雑木林などで身近に見られます。主な発生期は梅雨時を中心とした夏で、地中に埋まった宿主から発生するもの(地生型(ちせいがた))や、樹上などに着生した宿主から発生するもの(気生型(きせいがた))などがあります。
 当園内でも、クモに寄生する「クモタケ」やハチに寄生する「ハチタケ」など、さまざまな種類が観察されています。枯れ葉に隠れてしまうほど小さな冬虫夏草を探すコツは、根気強く目を凝らすことです。「坪(つぼ)」と呼ばれる、冬虫夏草が多く発生する場所を見つけたら、観察日記をつけてみましょう。当園では冬虫夏草の写真や標本を多数展示した「冬虫夏草展」を開催しています(7月25日日曜日まで予定)。ぜひお越しください。
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地中の様子

※園内での動植物の採取は原則禁止です。冬虫夏草を見つけたら、触らず静かに観察しましょう
◆問い合わせ先:植物公園(電話922-3600、ファクス923-6100)
◆休園日:金曜日

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