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広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ令和2年7月15日号トップページトピックス市長コラム 忙中有閑

市長コラム 忙中有閑/第29回

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広島市長
松井一實

変わらぬ思いを新しい形で

 緊急事態宣言が解除され、およそ2カ月。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、私たちの生活は大きく変わりました。
 毎日当たり前に過ごしていた生活が失われ、また、スポーツや文化芸術、飲食や旅行、趣味に打ち込むなどの活力のもとを断たれ、多くの方がつらい思いをなさっていることと思います。
 また、医療関係者の皆さまには新型コロナウイルスとの戦いの最前線で、市民の命と安全を支えてくださり、改めまして、感謝を申し上げます。
 そして感染症が一時的に収束した今、「新たな生活様式」での暮らしが求められる中で、皆さんも手探り状態で一歩ずつ前に進んでおられることと思います。
 国難として国から多くの支援策が講じられている中、本市でも「新型コロナウイルス感染症緊急対策」として、国・県・市の役割分担のもと、これまでにさまざまな施策を打ち出し、感染拡大防止や経済活動・日常生活に影響を受けている方々を支援する取り組みを行っております。
 とはいえ、今後の先行きが不透明な中で、今後も状況に応じて、さらなる対策を講じていかなければならないと認識しています。
 また、これまで取り組んできた持続可能なまちづくりは、今回のような感染症への対策も含んでおりましたが、第二波、第三波を見越してより一層きめ細かな体制の整備に努めていかなければならないと思っています。
 このような中で、来月には、被爆75年の節目を迎える平和記念式典を開催します。
例年、国内外から多くの方々にお越しいただき、原爆死没者の霊を慰めるとともに、世界恒久平和の実現に向け、被爆地ヒロシマの思いを共有していただいておりますが、今回、多くの方をお招きするのは難しい状況となりました。
 式典はソーシャルディスタンスを確保するため、2メートル間隔の限られた席数となりますが、できるだけ被爆者や遺族の方に参列していただけるようにしたいと考えています。
 また、多くの方が会場および会場周辺へお越しになることで密集状態を生んでしまうことから、安全面を考慮し、一般の方については公園への入場規制をする方向で検討しています。誠に申し訳ないのですが、今年はご自宅のテレビなどを通じて式典をご覧いただき、平和への思いを共有していただきますようお願い申し上げます。
 今年の式典は、参列できない方も含め、できるだけ多くの方に改めて被爆者の思いと核兵器はいらないというヒロシマの思いを共有してもらえるものにしたいと思います。
 広島市民はあの被爆の惨状から立ち上がることができたのです。この苦境も市民の皆さんと力を合わせて乗り越え、また新しい広島のまちを創っていくことができると信じています。

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