ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 健康福祉局 > 健康福祉局 衛生研究所 > 平成28年度 学会発表

本文

平成28年度 学会発表

ページ番号:0000000184 更新日:2017年12月21日更新 印刷ページ表示

学会発表一覧

 学会発表は、行った調査・研究の目的や結果を多くの専門家の前で公表することにより客観的な評価を受けることができ、調査・研究をさらに充実したものにするために極めて重要です。

題目 内容 所属
広島市における大気中揮発性有機化合物(VOCs)の状況  有害大気汚染物質のモニタリングにおいて、同時分析している揮発性有機化合物(VOCs)50物質の調査結果を解析し、地点ごとの特徴や物質間の関連性を調査した。 環境科学部
ダニ媒介感染症の後方視的解析  2012年から2015年までの期間に広島市及びその近郊で発生した重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、つつが虫病の特徴についてまとめた。 生物科学部
広島市のパレコウイルス検出状況  2014年から2016年までの期間に細胞培養法で分離されたパレコウイルスの検出状況をまとめた。 生物科学部
機器分析法による下痢性貝毒の試験法の検討 カキ、アサリ及びムラサキイガイを対象に、LC-MS/MSを用いた下痢性貝毒の試験法について検討し、妥当性評価を実施した。 生活科学部
2016年に広島市で分離された腸管出血性大腸菌の分子疫学的解析  2016年に広島市で発生した散発事例及び広域食中毒事例から分離された腸管出血性大腸菌O157株の分子疫学的解析を実施した。 生物科学部

学会発表 詳細 28_01

学会名 第43回環境保全・公害防止研究発表会
日時 平成28年11月17日~18日
場所 山形市
発表者 加藤 寛子
演題名 広島市における大気中揮発性有機化合物(VOCs)の状況
内容  有害大気汚染物質のモニタリングにおいて、同時分析している揮発性有機化合物(VOCs)50物質について平成25~27年度の調査結果を解析し、地点ごとの特徴や物質間の関連性を調査した。物質間の相関係数が高かったグループ内の物質は、地点により差があるものの主成分分析においても同じ傾向を示しており、関連性が高いことが示唆された。また,市内のPRTR届出排出量から、トルエン及びキシレン等の物質は周辺の発生源の影響が示唆された。1,2-ジクロロエタン及び1,2-ジクロロプロパンは市外から流入している物質であり、発生源が同じか、発生源が異なっても市内に流入してくるまでの間に気象等の影響を受け、同じ変動を示していると考えられた。

学会発表 詳細 28_02

学会名 第19回地域保健研究会(第1分科会)
日時 平成29年2月6日
場所 広島市
発表者 藤井 慶樹
演題名 ダニ媒介感染症の後方視的解析
内容  2012年から2015年までの期間に当所で検査を行った重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、つつが虫病等のダニ媒介感染症疑い事例について、患者調査票等を参考にして疫学情報を整理するとともに、患者から検出された病原体の遺伝子解析を行った。SFTS、日本紅斑熱は春から秋にかけて患者が発生しており、マダニの活動が活発な時期と一致していた。一方、つつが虫病は秋から初冬にかけて集中的に患者が発生していた。
 市内における発生状況や侵淫している病原体の解析を今後も継続し、適切な情報提供と予防啓発を行うことが重要である。

学会発表 詳細 28_03

学会名 第19回地域保健研究会(第1分科会)
日時 平成29年2月6日
場所 広島市
発表者 則常 浩太
演題名 広島市のパレコウイルス検出状況
内容  パレコウイルス(PeV)は17種類の血清型/遺伝子型が報告されている。特にPeV-3型は2、3年ごとに流行を繰り返し、時に重篤な症状を引き起こす。2016年は全国的にPeVが2014年に次ぐ流行となった。症状はPeV-1型では、多くの患者で発熱と胃腸炎症状がみられた。PeV-3型では全員に発熱がみられ、その他には発疹,胃腸炎症状など多様な症状を示した。系統樹解析の結果、PeV-3型の多くが,2014年検出株と2016年検出株とで別のクラスターを形成した。PeV-3型は2、3年ごとに流行を繰り返していることから、この間にウイルスに何らかの変異が起こっている可能性が示唆された。

学会発表 詳細 28_04

学会名 第30回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 平成29年3月17日
場所 広島市
発表者 佐々木 珠生
演題名 機器分析法による下痢性貝毒の試験法の検討
内容  LC-MS/MSを用いた下痢性貝毒(OA、DTX1)の試験法について、検討を行った。試験溶液を5倍希釈することで、マトリックス効果を低減することができた。カキについてはODSミニカラム、アサリ、ムラサキイガイについてはPRiME HLBミニカラムを用いて精製を行う方法について妥当性評価を行ったところ、すべての項目で性能基準を満たすことが確認された。

学会発表 詳細 28_05

学会名 第30回生活衛生関係業績発表会(兼地域保健研究会第二分科会)
日時 平成29年3月17日
場所 広島市
発表者 千神 彩香
演題名 2016年に広島市で分離された腸管出血性大腸菌の分子疫学的解析
内容  2016年に広島市で腸管出血性大腸菌O157を原因とする散発7事例及びメンチカツ関連広域食中毒1事例が発生し、患者便及びそうざい半製品(冷凍メンチカツ)から腸管出血性大腸菌O157 12株が分離された。これらの菌株について、感染事例間での疫学的関連性を検討するため、PFGE法、IS法及びMLVA法の3法を用いて分子疫学的解析を実施したところ、メンチカツ関連広域食中毒事例の患者由来株1株及び冷凍メンチカツ由来株3株で3法のパターンが一致した。また、散発事例患者由来株2株で3法のパターンが一致したが、事例間の疫学的関連性は認められなかった。解析結果の解釈には疫学情報を照らし合わせながら総合的に判断することが重要であると考えられる。