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平成22年度 学会発表
学会発表一覧
学会発表は、行った調査・研究の目的や結果を多くの専門家の前で公表することにより客観的な評価を受けることができ、調査・研究をさらに充実したものにするために極めて重要です。
題目 | 内容 | 所属 |
SPMEを用いた異臭物質の迅速スクリーニング法の検討 | 食品中の異味異臭分析法として、5種類のクロロフェノール類、パラジクロロベンゼンについて固相マイクロ抽出(SPME)法を用いた迅速、高感度な分析法を検討した。 | 生活科学部 |
標準添加法を用いた加工食品中の有機リン系農薬の一斉分析法の検討 | 標準添加法を用いた加工食品中の有機リン系農薬の一斉分析法を検討した。 | 生活科学部 |
広島市における腸管出血性大腸菌の発生動向(2006~2010年) | 広島市における腸管出血性大腸菌感染症の特徴を把握するため、2006~2010年の発生状況を調査した。 | 生物科学部 |
ノロウイルスの分子疫学解析について | G2/4 2006bクラスターのP2 ドメインを含むアミノ酸配列から分子モデルをつくり、アミノ酸変異部位を視覚的に確認するとともに、事例数の多さで重要なアミノ酸置換部位を推定した。その結果、事例数10以上の原因となったG2/4には特定の部位にアミノ酸置換が存在し、P2 ドメインの中でもその部位が特に重要なことが示唆された。 | 生物科学部 |
いわゆる健康食品中の痩身及び強壮用医薬品成分一斉分析法の検討 | いわゆる健康食品には、医薬品成分を添加した無承認無許可医薬品に該当するものがあり、健康被害が報告されている。そこで、健康被害事例の多いフェンフルラミン、タダラフィル等の痩身、強壮成分14成分について、TLC、HPLC、およびLC/MS/MS を用いた一斉分析法を検討した。 | 生活科学部 |
学会発表 詳細 22_01
学会名 | 第56回中国地区公衆衛生学会第2分科会 |
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日時 | 平成22年8月25日 |
場所 | 松江市 |
発表者 | 岩本 安未 林 貴寛 |
演題名 | SPMEを用いた異臭物質の迅速スクリーニング法の検討 |
内容 | 食品中の異味異臭分析法として、5種類のクロロフェノール類、パラジクロロベンゼンについて固相マイクロ抽出(SPME)法を用いた迅速、高感度な分析法を検討した。検討の結果、クロロフェノール類と p-ジクロロベンゼンについては、対照品との比較によりピーク確認できた。他の異臭物質についても、試験品と対照品を同一条件で抽出・分析し、比較することで異臭物質の特定が可能と考えられた。 定量性においても、オレンジジュースでは、試験品と同じ夾雑成分を含むマトリックス標準液を用いることで安定した定量が可能であった。しかし、固体試料の餃子では、抽出および測定条件等についてさらに検討が必要と考えられた。 |
学会発表 詳細 22_02
学会名 | 全国衛生化学技術協議会年会 |
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日時 | 平成22年11月12日 |
場所 | 神戸市 |
発表者 | 佐々木 珠生 |
演題名 | 標準添加法を用いた加工食品中の有機リン系農薬の一斉分析法の検討 |
内容 | 標準添加法を用いた加工食品中の有機リン系農薬の一斉分析法を検討した。有機リン系農薬57成分中56成分が回収率70~120%の範囲に入り、マトリックスの影響や前処理段階でのロスを補正することができた。変動解析による標準添加法の公式により求めた最適推定値の相対標準偏差(RSD=(95%信頼限界の1/2)/最適推定値×100)は57成分中51成分が15%未満であった。 前処理方法の比較を行った結果、アセトニトリル/ヘキサン分配にC18ミニカラムを追加することにより、測定値のばらつきが小さくなることがわかった。 本法は、厚生労働省事務連絡の方法に、脱脂操作(アセトニトリル/ヘキサン分配・C18ミニカラム)・精製操作(GC/PSA積層ミニカラム)を追加することにより機器への負荷が軽減しており、有用な方法であると思われる。 |
学会発表 詳細 22_03
学会名 | 第13回地域保健研究会(第1分科会) |
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日時 | 平成23年2月1日 |
場所 | 広島市 |
発表者 | 田内 敦子 |
演題名 | 広島市における腸管出血性大腸菌の発生動向(2006~2010年) |
内容 | 広島市における腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症の特徴を把握するため、2006~2010年の発生状況を調査した。感染者数は2007年から増加傾向にあり、血清型別でみると毎年O157が最も多い。月別では例年7~9月に多く発生しており、気温が高い時期には注意しなければならない。また免疫力が低い若い年齢層では感染すると発症率が高いためか、9歳以下の届出が多い。2008年以降増加がみられる無症状病原体保有者であるが、その多くは患者の同居家族であり、家庭内感染が比較的多く見受けられる。無症状病原体保有者は症状がないため、おろそかになりがちな排便後の手洗いなど、感染を広げないための対策を特に意識して行い、新たな感染源にならないよう注意が必要である。 |
学会発表 詳細 22_04
学会名 | 第24回生活衛生関係業績発表会 |
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日時 | 平成23年3月18日 |
場所 | 広島市 |
発表者 | 阿部 勝彦 |
演題名 | ノロウイルスの分子疫学解析について |
内容 | G2/4可変領域のアミノ酸配列での系統樹解析の結果、大きく3つのクラスターに分類され、2006bと称されるクラスターに属するNVが最も多かった。2006bクラスターのP2 ドメインを含むアミノ酸配列から分子モデルをつくり、アミノ酸変異部位を視覚的に確認するとともに、事例数の多さで重要なアミノ酸置換部位を推定した。その結果、事例数10以上の原因となったG2/4には特定の部位にアミノ酸置換が存在し、P2 ドメインの中でもその部位が特に重要なことが示唆された。 |
学会発表 詳細 22_05
学会名 | 第24回生活衛生関係業績発表会 |
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日時 | 平成23年3月18日 |
場所 | 広島市 |
発表者 | 岩本 安未 |
演題名 | いわゆる健康食品中の痩身及び強壮用医薬品成分一斉分析法の検討 |
内容 | いわゆる健康食品には、 医薬品成分を添加した無承認無許可医薬品に該当するものがあり、 当該食品の摂取による健康被害が報告されている。そこで、今回、健康被害事例の多いフェンフルラミン、タダラフィル等の痩身、 強壮成分14成分について、TLC、HPLC、およびLC/MS/MS を用いた一斉分析法を検討した。スクリーニング法および確認同定のための定性試験法は良好な特異性が得られた。定量性についても検量線の直線性および直線範囲、 添加回収の真度は良好な結果が得られた。 以上より、 本分析方法は検討した14 成分の確認同定、 および定量において有効な試験法と考えられた。 |