学会発表一覧
学会発表は、行った調査・研究の目的や結果を多くの専門家の前で公表することにより客観的な評価を受けることができ、調査・研究をさらに充実したものにするために極めて重要です。
学会発表 詳細 17_01
学会名 |
衛生微生物協議会第26回研究会 |
日時 |
平成17年7月8日 |
場所 |
福井市 |
発表者 |
古田喜美 下村 佳 河本秀一 石村勝之 笠間良雄 松本 勝 荻野武雄 |
演題名 |
Multiple-Locus Variable-Number Tandem-Repeats Analysis(MLVA)による腸管出血性大腸菌O157:H7の分子疫学的解析法の検討 |
内容 |
2004 年に広島県、岡山県、山口県および徳島県で分離されたパルスネットパターンが同一(ND、IIa、ND)とされたO157:H7 分離菌株に対して、Bjorn-Arne Lindstedt らの方法によるMLVA 解析を試みた。VNTRs 領域を標的としたプライマー組は7 種類で、PCRはVhec1・3・4・5 を混合したMix1 と、Vhec1・2・6・7 を混合したMix2 の2 つの反応系で行なった。ABIPRISMTM310 Genetic Analyzer で60℃・40 分間の電気泳動を行い、 デンドログラムをFingerPrintingIIで作成した。MLVA 解析は株間の解析を客観的に行え、有用な方法と考えられた。 |
学会発表 詳細 17_02
学会名 |
第50回広島県獣医学会(産業動物・公衆衛生・小動物部門からの話題提供) |
日時 |
平成17年8月28日 |
場所 |
広島市 |
発表者 |
野田 衛 |
演題名 |
ノロウイルスの最近の研究動向と話題 |
内容 |
ノロウイルス(NV)は冬季の感染性胃腸炎、食中毒の主要な原因ウイルスです。2004/05年、福山市の高齢者福祉施設での死亡例を伴うNV集団感染を皮切りに全国で同様の事例が多発し、社会問題になりました。高齢者福祉施設での集団感染には、病原体の侵入経路が限定される、介護による感染拡大、高齢者は抵抗力が弱く発病しやすい、などの特徴があります。全国での高齢者福祉施設での集団感染の多くはGII/4に分類される特定の遺伝子型のNVが原因であったことが報告されています。近年の多くの報告は、GII/4のNVが、高齢者福祉施設での集団感染を起こす要因をより多く満たすウイルスであることを示唆しており、そのような性質を持つGII/4が2002年以降世界的に流行していることが、高齢者福祉施設での集団感染多発の背景にある、と推察されます。 |
説明資料 |
講演要旨 [PDFファイル/8KB] |
学会発表 詳細 17_03
学会名 |
第51回中国地区公衆衛生学会 |
日時 |
平成17年9月2日 |
場所 |
松江市 |
発表者 |
下村 佳 河本秀一 古田喜美 石村勝之 吉野谷進 谷口正昭 笠間良雄 萱島隆之 松本 勝 荻野武雄 |
演題名 |
フグ中毒(疑)事例におけるミトコンドリア・シトクロムb遺伝子による肝残品の魚種同定 |
内容 |
フグによる食中毒は、フグの肝などに含まれるテトロドトキシンという物質によって引き起こされます。フグ中毒が疑われる際には、フグの残品からこのフグ毒が検出されるかどうかの検査をします。平成16年12月31日にフグ食中毒によると思われる患者の届出がありました。患者宅の肝残品を用いてフグ毒の検査をしましたが、フグ毒は検出されませんでした。しかし、患者はフグ中毒症状を訴えていたことから、遺伝子DNAを用いたPCR-sequence検査という検査法により肝残品の魚種の同定試験を実施しました。その結果、肝残品はトラフグの肝であると同定され、この方法が魚類の属種同定を行う際に有用であることが示されました。 |
学会発表 詳細 17_04
学会名 |
平成17年度日本獣医三学会・日本獣医公衆衛生学会 |
日時 |
平成17年10月9日~10日 |
場所 |
岡山市 |
発表者 |
古田喜美 下村 佳 河本秀一 石村勝之 吉野谷進 谷口正昭 萱島隆之 笠間良雄 松本 勝 荻野武雄 |
演題名 |
Multiple-Locus Variable-Number Tandem-Repeats Analysis(MLVA)による O157:H7の分子疫学的解析法の検討 |
内容 |
腸管出血性大腸菌(STEC)感染事例においてより高精度な分子疫学的解析方法を確立するために、2004年に広島市、岡山県、山口県、徳島県で連続的に発生したパルスネットパターンNo.292のND、2a、ND型のO157:H7感染症から分離された26事例27株について、XbaIとBlnIのPFGE(パルスフィールドゲル電気泳動)解析に加え、MLVAによる解析を行いました。PFGEでは、XbaIは2種類、BlnIは3種類、MLVAでは、5種類のグループに分類されました。XbaI・BlnIによるPFGEとMLVAの分類の結果を併せると、11種類に分類されました。以上のことよりパルスネットで同一パターンを示すSTECは、XbaI・BlnIによるPFGEおよびMLVAを併用することで、より詳細に分類できることが分かりました。 |
学会発表 詳細 17_05
学会名 |
第32回環境保全・公害防止研究発表会 |
日時 |
平成17年11月10日~11日 |
場所 |
千葉市 |
発表者 |
下田喜則 国寄勝也 松木 司 山本 修 久保田明利 |
演題名 |
ケミカルハザード施設内におけるダイオキシン類濃度 |
内容 |
ダイオキシン類を分析するために整備されたケミカルハザード施設の給気設備には、高性能フィルター等が設けられており、施設内へのほこりや微粒子の侵入を防いでいる。
しかし、比較的クリーンな施設内空気においてもダイオキシン類が検出され、分析におけるブランク値を上げている要因となっていることが判明した。
このことを踏まえ、屋外と施設内でのダイオキシン類濃度の比較を行うとともに、施設内での濃度変動、また、ブランク低減化対策についても検討を行った。 |
学会発表 詳細 17_06
学会名 |
第26回日本食品微生物学会学術総会 |
日時 |
平成17年11月11日 |
場所 |
金沢市 |
発表者 |
石村勝之 下村 佳 古田喜美 国井悦子 吉野谷進 谷口正昭 萱島隆之 笠間良雄 松本 勝 荻野武雄
Ashraf M Ahmed 島本 整(広島大学大学院生物圏科学研究科) |
演題名 |
広島市におけるサルモネラの薬剤耐性状況と薬剤耐性遺伝子 |
内容 |
近年、抗生物質等の抗菌剤に対して耐性をもつ食中毒菌のヒトの健康への影響問題がクローズアップされています。当所では、市内の下痢症菌を把握する目的で、従来からサルモネラやカンピロバクターなどの血清型や薬剤感受性を調べています。そこで、今回、広島市で分離されるサルモネラについて、その薬剤耐性の現状をより詳細に知るため、広島大学食品衛生学教室との共同研究として、保有する耐性遺伝子とその実態について検討しました。その結果、本市で分離されるサルモネラの薬剤耐性は、全国的な傾向と同様であると考えられること、一方、保有する耐性遺伝子や伝達因子については、新規な耐性遺伝子カセットが組み込まれた遺伝体(インテグロン)を保有する菌株や耐性因子の伝播を示唆する菌株が存在することなど、薬剤耐性に関する遺伝学的特性をより詳しく知ることができました。 |
説明資料 |
講演要旨 [PDFファイル/9KB] |
学会発表 詳細 17_07
学会名 |
平成17年度食品・乳肉業務研修会(特別講演) |
日時 |
平成18年1月18日 |
場所 |
山口市 |
発表者 |
野田 衛 |
演題名 |
ノロウイルスによる感染症、食中毒の現状と予防 |
内容 |
ノロウイルスは冬季に発生する感染性胃腸炎、食中毒の主要な原因ウイルスです。ノロウイルスによる健康被害に対し有効な対策を講じるためには、細菌性食中毒との違い、他のウイルスにはみられないノロウイルスの特異な性質など、ノロウイルスが持つ様々な特徴を理解しておくことが重要です。また、ノロウイルス感染症は、ヒト-ヒト感染による集団感染と食中毒という行政的に所管の異なる発生形態を示すため、その対応にあたっては関連する各組織との情報の共有化と連携が重要であり、今後事例対応を中心とした行政から、発生を未然に防止するための広報や監視・指導を重視した行政への転換も必要です。
本発表では、(1)ノロウイルスの特徴、(2)ノロウイルス感染症、(3)予防対策、(4)高齢者福祉施設での集団感染多発の要因について、最近の研究動向を中心に概説しました。 |
説明資料 |
講演要旨 [PDFファイル/21KB] |
学会発表 詳細 17_08
学会名 |
平成17年度地域保健総合推進事業地域ブロック研修会 |
日時 |
平成18年1月19日~20日 |
場所 |
香川県 |
発表者 |
河瀬 志保 |
演題名 |
広島市における残留農薬一斉分析の現況 |
内容 |
健康危機管理における地方衛生研究所の広域連携システム確立の一環として、試験検査等の機能水準向上のために、具体的な専門知識、技能の習得、情報交換の場としての活用等を目的に研修会が開催されている。平成18 年5 月のポジティブリスト制施行を前に、実際に残留農薬試験を担当する関係者による実務講習として試験の概要等を報告した。健康危機事例は広域化および多様化する傾向にある。多様な状況に対応するため、今後さらなる、合理的かつ効率的な連携、研鑚、情報の共有化が必要と考える。 |
<外部リンク>
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